予想を超える米雇用統計でドル強気時の日本円の強みとは|東西FXニュース

2022年2月07日
ドル続落、対円だけでなくユーロや英ポンドにも及ぶ

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米雇用統計が予想を大きく上回りドルが強気に
  • 高止まりのユーロが利益確定売りで下げ
  • 安定通貨としての円買いが円相場を支える

先週末に発表された米雇用統計は予想を上回る良い結果であった為、一時は全体的にドルが上昇して強気に入る展開が起きた。

米国の景気動向を映す非農業部門雇用者数が前月比の46万7000人増と、市場予想の約15万人増を大きく上回り、平均時給も予想以上を超えて伸びており、新型コロナのオミクロン株で懸念されていた労働参加率も改善されてきた為、米雇用回復の報道を受け、一時は円売りとドル買いが優勢になっていた。

また、この雇用統計値は米国の3月の利上げを正当化するのではないかという専門家の予想も加わり、米連邦準備理事会(FRB)が積極的金融引き締めを進めることへの期待も高めた。そのため、先週末から米長期金利は一時、前日比0.1%高、1.93%と2020年1月以来の高水準を付け、日米の金利差の拡大観測も円相場で円安ドル高の要素となった。

この米雇用改善のニュースと、高止まりし始めた欧州通貨の利益確定売りで、ドルは最近ずっと押されていたユーロやポンドに対しても上昇しており、今朝10時時点では対ユーロで1.1450~51ドルと、前日比0.0017ドルのドル高ユーロ安となり、ロンドン市場の開いた日本時間の午後18時半になっても、対ポンドで1.3520〜30ドルのドル高ポンド安になっている。

本日2月7日の朝10時の東京外国為替市場の円相場では、対ドルで円は115円24~25銭の、前週末の17時時点と比べても僅か14銭の円安ドル高に下げ幅を縮めて対抗していたが、これは日本国内で輸入企業による円売りドル買いが進んだ一方で、日経平均株価が下がったために低リスク通貨としての円買いが増え、円相場を支えたのではと分析されている。

また、これまでの円安ユーロ高傾向も、日本時間の今朝7時頃に2021年11月上旬以来の円安・ユーロ高の高水準に達したことで高止まりが生じ、利益確定のユーロ売りが増えて、今朝の東京外国為替市場では円は対ユーロでも一時円が上昇に転じており、今朝10時時点では対ユーロで131円96~97銭と、前日比で僅か3銭の円高・ユーロ安に迫る開始となった。

米景気回復への期待からの米ドルの勢いは止まらず、その後の東京外国為替市場では円相場は再び下落し、正午時点では対ドルで115円28~29銭と、前週末17時時点と比べて18銭の円安ドル高が報道され、米雇用統計ニュースからの景気回復期待と、米連邦準備理事会(FRB)による来月の金融引き締め予測期待値や米長期金利の上昇などの要素も加わり、日米の金利差の拡大を意識した円売りドル買いが優勢となる傾向が続いた。

その一方で、円は対ユーロで上昇した。12時時点は1ユーロ=131円73~74銭と、前週末17時時点と比べて26銭の円高ユーロ安だった。早朝に一時132円15銭付近の2021年11月上旬以来の円安ユーロ高水準を付けたことで、目先の利益を確定する目的の円買いとユーロ売りが増えてきた為と考えられる。ユーロは対ドルでも利益確定売りなどが入って一時下落し、正午時点で1ユーロ=1.1427ドル近辺と同0.0040ドルのドル高ユーロ安であった。

しかし、先週末に発表された1月の米雇用統計ニュースからの売買が一段落してきた今日の午後から夕方の東京外国為替市場では、円相場は円安と円高のもみ合いを強めており、日経平均株価の下落が一服したこともあり、安定通貨としての円買いや、ドルの利益確定売りなども入って、今日の19時30分時点では、僅かに円高ドル安の115円5〜7銭で取引されていた。

また、今日の執筆時点での現在の同時刻での円相場も、対ユーロにもユーロの利益確定売りなどから131円51〜52銭と前日比48銭の僅かな円高ユーロ安になり、対ポンドでも155円44〜50銭の前日比39銭の円高ポンド安の戦いに転じている。


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