今日のFXニュース:ウクライナ危機継続と米ドル追加経済制裁で低リスク通貨の日本円に世界が再注目|東西FXニュース
2022年3月01日東西FXニュース – 2022年3月1日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米国財務省が即日決行のロシア中銀ドル取引禁止で金融市場不安の円高傾向
- 地政学的リスクと欧州エネルギー高の景気不安で欧州通貨売りのユーロ安
- 今夜発表の欧州と英国の景気指数速報の為替相場への反響も
今日2022年3月1日のニュースは、東京外国為替市場でもニューヨーク市場からの流れを受けて、昨日にロシアとウクライナ代表団の対話がまとまらなかったウクライナ危機の継続で低リスク通貨の日本円買いと、米国の対露追加経済制裁のロシア銀行の米ドル決済即禁止の金融不安でのドル売り、そして今朝未明までのニューヨーク市場での日米長期金利差縮小時の円買いの円高ドル安を引き継いで始まった。
しかし、今朝の東京外国為替市場では朝10時頃に日本の輸入企業などが金融機関を通じて為替取引を行うための中値決済のドル需要があり、ドル買いと円売りが起きたために、ドルは一時的に上昇したが、その後はまた再び徐々に下がり始めた。
同じく今日の午後の東京市場の取引時間中には、昨夜下がっていた米長期金利が戻ってきたことから、再び日米金利差で安くなったドルが買われて円が売られたり、日経平均株価上昇で円売りなどの抵抗も入ったが、世界的なリスクオフの円高傾向は続いていた。
ロシアからの天然ガス輸入の依存の国のあった欧州ユーロ圏でもエネルギー価格高騰による景気への懸念が増え、ユーロに対しても再び安全通貨の円買いが優勢になっていた。
日本時間の今夜、東京外為市場が終値をつけた後に時差で開いた朝の欧州市場では、ウクライナに近い欧州で地政学的リスクから再び安全資産の円が買われていたが、それに加えて、今夜18時頃(欧州では午前の市場時間中)に発表された速報の欧州の経済指数が、フランスの2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)が前回と予想の57.6を下回る57.2であったほか、ドイツの2月PMIも前回と予想の58.5を下回る58.4で、EUの2月PMIも前回と予想の58.4以下の58.2であった為に、リスク回避の円買い円高だけでなく、米ドルや英ポンドに対しても投資家のユーロ売りを誘発してのユーロ安となった。ただし、ドイツはこの後にも2月の消費者物価指数のCPI発表を控えている。
一方、今夜のEUの景気指数に続き、日本時間18時半に発表された英国の2月のPMIは、前回と予想の57.3を上回る58.0であった。しかし、それよりは重要性は劣るがほぼ同時に発表された英国の1月の消費者信用残高やマネーサプライM4前年同月比は予想を下回っていたので、英ポンドはユーロに対しては買われたが、安全資産の円に対してはGMT前日比で円高ポンド安のトレンドのままであった。
現在のFXのファンダメンタル分析に大きな影響を及ぼしているウクライナ危機であるが、昨日にベラルーシ南東部の国境地域でロシアとウクライナの代表団がロシア侵攻後初の会談を5時間に渡って行なったが、対話中もロシア軍のウクライナ攻撃は継続し、米国防総省高官がロシア軍は数日でウクライナ首都のキエフ包囲を狙うと警戒を示す中、停戦の条件としてロシアはウクライナの非武装化と中立化に加えて現政権の責任追及等を強く要求し、ウクライナはウクライナ領からのロシア軍の全撤退に加えて2014年にロシアが一方的に併合したクリミア半島からの撤退も要求するという意見の食い違いで話し合いは次回に持ち越され、先行き不透明感が続いている。その為、投資家たちのマーケット心理に影響を及ぼしており、引き続きニュースには注意が必要である。
今日のニュース執筆時の2022年3月1日の日本時間(JST)20時11分(ロンドン時間11時11分)の、クロス円を中心とした東京前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:11の為替レート | 前日比 |
ドル/円 | 114.77〜114.78 | -0.72(円高) |
ユーロ/円 | 128.30〜128.31 | -0.92(円高) |
ユーロ/ドル | 1.1178〜1.1180 | -0.0011(ドル高) |
英ポンド/円 | 153.87〜153.93 | -0.25(円高) |
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