FXニュース：日本と米国の金融政策の違いと日本の最近の貿易赤字から円安ドル高の為替相場が今日も継続｜東西FXニュース

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東西FXニュース – 2022年3月16日

文／八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点：

• 米連邦準備理事会（FRB）の公開市場委員会（FOMC）で日米金利差拡大予想のドル買い優勢
• ウクライナ情勢と脱ロシアの為替相場への影響が続く
• 独欧州経済センター（ZEW）景気指数悪化でユーロ売りも

今日2022年3月16日の外国為替市場でも、118円台を記録したドル対円の為替相場は円安ドル高の傾向が続いており、東京外為時間の9時から17時の値動きの幅は26銭ほどで、高値が118円17銭前後、安値が118円43銭前後、今夜17時の終値が118円35～36銭で前日比38銭の円安ドル高であった。

理由は、米国時間で昨日から今日の15〜16日に開催されている米連邦準備理事会（FRB）の米連邦公開市場委員会（FOMC）による利上げ予測から、米長期金利も高止まり傾向で、日米金利差拡大予想による円売りドル買いが継続していることが大きい。

とはいえ、公式発表は現時点でまだであり、米国との時差で日本時間では明日未明になるために、様子見をしたいという慎重な投資家も日本にいるので、値動きが小動きになった時間があったと思われる。東京の後の今夜のロンドン市場では、GMT前日比ではレンジ域にも入る時間帯もあり、F Xでは、持ち高調整の高値でのドル売りや、安値での円買い抵抗も見られた。

また、ウクライナとロシアの会談が続き、米国バイデン大統領の訪欧も予定されてはいるが、ウクライナ情勢の長期深刻化の地政学的な懸念から、世界的な安全資産で非常時に流動性の高いドルが買われていることも影響している。

加えて、日本は過去に長年の貿易黒字の積み重ねで世界一の対外純資産を持っていたことから、日本円は「低リスク通貨」として投資家に知られており、今でもドルに続いて緊急時のリスク回避用に日本円が安全通貨で買われてはいるが、最近は日本が輸入大国のために現在の記録的な円安と商品先物取引（コモディティ）価格の高騰が、リスクになり得ると問題視もされてきている。

現に、今日16日に日本の財務省が速報で発表した貿易統計でも、最近はコロナ景気もあったので半年ほど連続で貿易赤字が続いており、最新の２月の貿易収支も加えると７カ月連続の貿易赤字である。そのため、長年の安全資産の低リスク通貨としての基盤を築いていた日本の世界最大の対外純資産額が減少する可能性があることから、現在の流動性の高いドルが安全通貨として好まれ、円が売られる傾向の原因が分析できる。

今日の東京外国為替市場時間でのユーロの値動きに関しては、昨夜発表の欧州連合（EU）主要国のドイツの欧州経済センター（ZEW）の景気指数が予想を遥かに超えて悪化していたことや、欧州のロシアのウクライナ侵攻での地政学的リスクや脱ロシア産エネルギーによるインフレ景気懸念、そして、デフォルトになる可能性が高いロシアのジャンク債をユーロ圏のフランスやイタリアの銀行が多く保有していたことによる金融経済の危惧などから、ユーロが売られて安全通貨のドルや円が買われ、今夜17時のユーロの円相場は、129円73～75銭で東京前日比では9銭の円高ユーロ安であった。同時刻にユーロ対ドルも、1.0960～61ドルで東京前日比0.44セントのドル高ユーロ安であった。

しかし、今夜の東京外為の後の日本時間18時頃からは、時差で朝9時のロンドン市場で、ロシアのラブロフ外相が現在進行中のウクライナとの交渉継続についての前向きな発言をしたことが投資家に伝わって停戦会談への期待値が上がり、リスクオンのユーロ買いと現地で実需のある欧州通貨が安値で買い戻され、円相場は再び130円台の円安ユーロ高に転じている。同じ抵抗はユーロ対ドルにも見られ、20時頃には前日比0のレンジ圏にも入っていた。

今日のFXニュース執筆終了時の2022年3月16日の日本時間（JST）20時15分（ロンドン時間11時15分）付近の、クロス円を中心とした東京前日比の為替レートは下表の通りである。

注意：

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