FXニュース:今春10円近い円安ドル高で今日は利益確定ドル売り調整で125円台に反発
2022年4月14日東西FXニュース – 2022年4月14日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米インフレと米長期金利のピークアウト感で利益確定や持ち高調整ドル売り円相場が
- 今夜の欧州中央銀行(ECB)理事会発表とラガルド総裁会見前のユーロの動向は
- 英米に続きオーストラリアやカナダも利上げで日銀の金利抑制との違いが明確に
今日2022年4月14日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、17時の東京外為終値が125円35〜36銭で前日比では70銭の円高ドル安であった。今日の東京外為取引時間の9時から17時の日本円の高値は125円10銭前後で、安値は125円59銭前後で値動きしており、1日の値幅は49銭程であった。今夜19時に時差で朝の欧州ロンドン市場でも、125円台のFX為替取引が続いている。
今日は東京時間に債権市場で米長期金利の上昇がピークアウトして円買いドル売りが起きた他にも、先月から10円近い急激な円安ドル高が進み、昨日126円台の20年ぶりの円安ドル高水準に達したことで、今日は利益確定のドル売りや持ち高調整や安値での円買いなどの反発が起きたことが原因で前日比では円高ドル安であった。しかし、長期的視点では、根本的な円安ドル高要因は今も持続している。
昨日の午後には日本銀行(日銀)の黒田東彦総裁が「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言し、改めて日銀の金利抑制姿勢と米国や英国のインフレ対策の利上げの金融政策の違いが意識され、日米金利差拡大予想などから円が売られて126円32銭付近にまで達する円安ドル高になっていた。
また、コロナ経済やウクライナ情勢で欧米英日の脱ロシアの金融制裁等で世界的なインフレが起きているために、米国や英国の利上げに続きニュージーランド準備銀行(中央銀行・RBNZ)も、急上昇中のインフレ対策で政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げて1.5%に利上げすることを現地昨日付けで発表していた。同時期にカナダ銀行(中央銀行、BoC)も、政策金利の誘導目標を同様にインフレ対策で50bp上げて1%にすると発表した。そのため、昨夕は日銀の金利抑制政策との違いが特に鮮明になり、欧州ロンドン市場が参入してくる夕方から126円台の円安ドル高が続き、円安の影響が多通貨に及んでいた。
しかし、今朝の東京市場が開く前の日本時間で今朝未明までのニューヨーク外国為替市場時間では、昨夜に発表された米国の3月の消費者物価指数(CPI)や同卸売物価指数(PPI)等の経済指標で米インフレのピークアウト感から米長期金利の上昇が落ち着いて来たことで、高値になっていたドルに利益確定や持ち高調整のドル売りが増えてきて、125円台に戻ってきていた。
そして、今日その流れを受けた東京市場では、日本の投資関係者に政府が先日から「急激な円安は良くない」と繰り返し発言していたことで、急激な円安ドル高の行きすぎを警戒した持ち高調整の円買いドル売りも入っており、125円台で取引されていた。ただし、今朝10時頃の仲値決済では、長期化する円安による実需増で輸入企業による円売りでのドル買いや外貨買いの一時反発もあり、連日の円安が今日の円相場にも影響した。
今日のニュースで発表された4月のロイター企業調査では、1ドルが120円以上の円安水準で進む現在の為替相場は減益要因になるという回答が48%にも達しており、輸入大国の日本国内の製造業の半数近くが、円安での輸入資源高や原油高騰等のコスト増加を「悪い円安」とみなしていることが明らかになった。日銀のいう「良い円安」の恩恵を受けるのは、外貨を獲得して円で売れる輸出企業が多く、日本経済全体にとってプラスというよりは、日本の輸出企業と日銀にとってプラスに等しいという現実から、もし将来、政府系の動きや、逆に政府に介入されたくない輸出大企業などが為替安定化に関与する場合には、日本の取引時間に特殊な値動きになる可能性があるので、政府の金融政策等のニュースには注意が必要である。
尚、今夜21時半過ぎにも、米国で更なる景気経済指数が発表される予定で、今後の米欧の金融政策や金利関係の投資予測の情報収集で景気経済指数はFX投資家達に注目されており、今後も為替相場の値動きに影響を与える可能性があるので注意が必要である。
ユーロに関しても、日本時間で今夜20時45分頃から、欧州中央銀行(ECB)理事会の発表と、続く21時半頃からラガルド欧中銀総裁の会見での発言は、欧州ユーロ圏の政策金利や金融政策関連がユーロの値動きに影響を及ぼす可能性が大きいので要注意である。
今夜の発表前から今日はすでにECBが金融緩和の縮小を継続する方針を示すとの予測や期待値などから、ユーロ買いが入っていたこともあり、実際の発表後に値動きに反映される可能性があるが、今日の東京外国為替市場の17時の終値では、ユーロ対円が136円72〜73銭で前日比10銭の円安ユーロ高であった。同様の理由で、ユーロ対ドルも、同時刻には1.0907〜1.0908ドルで前日比0.69セントのドル安ユーロ高だった。
昨日に日英金利差で大幅な円安ポンド高になった英国ポンドも、今日は利益確定売りや持ち高調整などの反発が入り、今夜の東京終値17時の英ポンドは164円56〜62銭で前日比24銭の円高ポンド安であった。
スイスフランも同じく17時には134円15〜21銭で前日比27銭の円高スイスフラン安で、オーストラリアドルも93円29〜33銭で前日比36銭の円高豪ドル安に、今日は利益確定売りや調整などで東京終値の前日比で反発していた。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年4月14日の日本時間(JST)19時10分(英国夏時間(GMT+1)11時10分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:10の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 125.39 〜 125.41 | -0.66(円高) |
ユーロ/円 | 136.85 〜 136.86 | +0.23(円安) |
ユーロ/ドル | 1.0913 〜 1.0915 | +0.0075(ドル安) |
英ポンド/円 | 164.68 〜 164.74 | -0.12(円高) |
スイスフラン/円 | 134.10 〜 134.16 | -0.32(円高) |
豪ドル/円 | 93.37 〜 93.41 | -0.28(円高) |
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