FXニュース:輸入実需増加で五十日決済の今日再び126円台の円安ドル高に

2022年4月15日
FXニュース:輸入実需増加で五十日決済の今日再び126円台の円安ドル高に

聖金曜日の祝日で欧米休場中の日本市場と世界の投資家達の値動き動向を分析、今日の閣議後会見で鈴木俊一財務相が言及した「悪い円安」とは、昨夜の欧州中央銀行(ECB)の金融政策据え置きではユーロ売りドル買いが

東西FXニュース – 2022年4月15日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 聖金曜日の祝日で欧米休場中の日本市場と世界の投資家達の値動き動向を分析
  • 今日の閣議後会見で鈴木俊一財務相が言及した「悪い円安」とは
  • 昨夜の欧州中央銀行(ECB)の金融政策据え置きではユーロ売りドル買いが

今日2022年4月15日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、17時の東京外為終値が126円48〜49銭で前日比1円15銭の大幅な円高ドル安であった。今日9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値は、一時126円67銭付近に達する記録的な円安ドル高となっていた。

米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締め予想から日米金利差拡大予測での円売りドル買い優勢だった他にも、今日は欧米で春の復活祭(イースター)の祝日連休の聖金曜日(グッドフライデー)で海外主要市場が休場のため、日本市場の輸入企業の集団動向が為替の値動きに大きく影響した。

今日は低リスク通貨としての日本円の貿易赤字リスク懸念の円売りの要因となる原油先物価格が再び100ドルを超えて一時107ドル付近に高騰しており、リスク回避で円が売られた他にも、今朝10時頃の中値決済では、今春3月から10円近い円安になっていた為に、貿易大国である日本の輸入用のドルや外貨の実需が増加しており、特に今日は輸入企業の決済日が集中しやすい「五と十が付く日」の「五十日(ごとおび)」の大取引日でもあったので、日本の実需増加での大規模な円からのドル買いや外貨買いの動きが大きく影響し、中値決済の10時過ぎに円相場が再び126円台の円安ドル高になった。

本日は鈴木俊一財務相が閣議後の記者会見で、製造業が輸入原料を中心とする原材料価格上昇分を価格値上げで充分に転嫁できないことや、賃金が物価上昇のインフレ率に合わせられるほどには伸びていないことについて「悪い円安」と言えるのではないかと発言し、以前と同じコメントの「為替の安定は重要で、急な変動は望ましくない」と繰り返したが、新たな金融政策などの政府側の実際の動きが今日も伴っていなかったために、消費者の反感を買う様な各製造業の原料価格上乗せや、企業のインフレ対応の賃上げ増加等の丸投げとも受け止められて、今日の為替市場での反応は以前よりも薄く、少し横ばいになった時間帯があった程度で円が売られ続けていた。政府は今月中の金融対策がまとめるとしていたが、積極的な金融政策というよりは、また一部のバラマキになるのではと投資家の期待値は低かった。

一方、今朝の日本市場開始前の昨夜から今朝未明までのニューヨーク外国為替市場では、前述の様に米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続ける予想が強まって米長期金利が上昇したために、日米金利差拡大のドル買いが進んでいた。

原因は、昨夜の米国のテレビ番組にニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁が出演し、来月の0.5%の利上げを妥当な選択とし、現在の米国の政策金利は非常に低いと思うと発言したからである。そのためにFRBが早急な金融引き締め期待値が上がって、債権市場で米長期金利が上昇した。日本銀行(日銀)の更に低い金利と金利抑制継続の金融政策との違いが明確となり、ドル買いと円売りが起きていた。

そのため、昨夜から今朝未明の時差で前日付のニューヨーク市場でも、円の安値が一時は126円2銭に達しており、ニューヨーク終値の125円85~95銭で前日比25銭の円安ドル高のトレンドの流れを受けて、今日の東京外国為替市場が始まっていた。

そして、今日の東京外国為替市場では、先述の様に日米金利差拡大予測から相変わらず円売りドル買いの動きが優勢であったが、今日16時頃のピークと東京終了17時前の利益確定売りの後の夕方になってからは、時差で朝の欧州ロンドン市場が今日はキリスト教の復活祭(イースター)の春の祝日連休の聖金曜日(グッドフライデー)で休場のため、英国や欧州のドイツ、フランス、ノルウェー、米国等の大手投資銀行系などのまとまった売買は今日はなく、キリスト教以外の国や別の日にイースターを持つ国の企業や投資家と、欧米の個人投資家のFX投資などの小動きな値動きになって来ている。

ちなみに、今日の聖金曜日は英連邦(コモンウェルス)や旧植民地等のオーストラリアや、ニュージーランドとカナダや香港でも今日は祝日休場になっており、米国も国全体の連邦祝日ではないので景気指数の発表はあるが、複数の州の祝日のために今日は市場は休場である。米国には個人でも企業並みの資産を動かせる投資家がいるために、景気指数に関しては、今後の値動きには注意が必要である。

昨夜、欧州中央銀行(ECB)理事会後の発表で、国債などの資産の買い入れ終了時期について、以前の予定の7~9月が保守的に維持され、市場で予想されていた積極的金融政策の加速や利上げがされず、ECBはタカ派に期待されていたほどの早期の金融政策の正常化をしないという失望から、昨夜の発表直後にユーロ売りのドル買いでユーロ下落が起きていた。

そのため、今日のユーロは円相場では、早朝はドルに対するユーロ下落の影響で東京前日比では円高ユーロ安の時間帯もあったが、欧州からの輸入実需ユーロ買いや今日も100ドルを超えており、一時107ドル台にも達した原油高の輸入コスト増加懸念の円売りの他にも、欧中銀だけでなく日銀の金融政策も積極的でないことで、日本時間ではユーロが買われ、今夜の東京終値17時頃には136円71~76銭で前日比0銭に近い横ばいレンジであった。

そして、原油高に伴い、低リスク通貨の円のリスクが増えており、その後もユーロが買われる小動きが続いており、19時頃には円安ユーロ高になっていた。

一方、ユーロは欧中銀の発表以降は積極的な金融政策が期待されるドルに対しては米欧金利差や金融政策の違いもあって下げており、今夜の東京終値17時は1.0810~12ドルで前日比0.98セントのドル高ユーロ安であった。

欧州同様に英国からの輸入実需も165円台に達するポンド高で増えており、今日の東京終値17時の英ポンドは、165円33〜39銭で前日比71銭の円安ポンド高であった。

資源国のオーストラリアドルも日本市場での輸入実需買いで、今夜の東京17時の終値は93円61〜65銭の円安豪ドル高であった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年4月15日の日本時間(JST)19時19分(英国夏時間(GMT+1)11時19分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:19の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 126.46 〜 126.48 +1.13(円安)
ユーロ/円 136.76 〜 136.79 +0.05(円安)
ユーロ/ドル 1.0812 〜 1.0815 -0.0096(ドル高)
英ポンド/円 165.26 〜 165.32 +0.64(円安)
スイスフラン/円 134.20 〜 134.26 +0.64(円安)
豪ドル/円 93.68 〜 93.72 +0.32(円安)


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