FXニュース:今日はイースターマンデー英欧休場で日米市場の影響大の為替相場に

2022年4月18日
FXニュース:今日はイースターマンデー英欧休場で日米市場の影響大の為替相場に


東西FXニュース – 2022年4月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日銀の大規模緩和金融政策継続で日米金利差拡大予想の126円台の円安ドル高続く
  • 米長期金利上昇で日米金利差拡大による円売りドル買いの円安ドル高も優勢
  • 今日の衆院決算行政監視委員会での日銀黒田総裁発言の値動き影響を分析

今日2022年4月18日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値126円79銭前後から高値126円25銭前後の値動き幅54銭程で、今夜17時の東京外為終値は126円63〜64銭で前日比18銭の円安ドル高であった。

今日の東京市場の取引では、米長期金利が2.87%付近まで上昇し、日米金利差拡大でのドル買い円売りが優勢で、126円台後半周辺の円安ドル高の値動きをしていた。また、今朝10時の仲値決済時に日本企業の輸入実需で、126円79銭前後の2002年5月以来の記録的な円安に達した。

しかし、直後に投資系などの高値でのドルの利益確定売りや、輸出企業の大量のドル売り円買いなどが入り、わずか30分ほどで一気に126円25銭付近まで大きく一時反発した。そして、そこから再び日米金利差や金融政策の違いによる日米金利差拡大予想などで、安値でドルが買い戻されて円が売られ、正午頃までには再び126円台中盤から後半の円安ドル高に戻していた。

原因は、今日は午前中に衆院決算行政監視委員会があり、鈴木俊一財務相と日本銀行の黒田東彦総裁が円安について発言した。鈴木財務相は以前と同じ「為替の安定は重要、急速な変動は望ましくない」という発言で市場は反応薄であったが、日銀の黒田総裁発言では、日銀の金融政策の円安で海外価格競合性が増して売り上げ増加で恩恵を受けている輸出企業が、単なる利益確定売り以外にも、現在の金融政策の支持でドル売りと円買いを仕掛けて来た様なタイミングも見受けられた。投資関係も、黒田総裁の発言で売買が活発になった。

日銀の黒田総裁は、現在進行中の円安について「かなり急速な為替変動で、マイナス要因が大きくなる」と発言したため、日銀が現在の円安の原因にもなっている大規模緩和策を修正する可能性から投資系の利益確定のドル売り円買いが反応で一時活発となり、先述のドルの高値の利益確定売りになったことに加えて、日銀に金融緩和を修正されたくない円安恩恵受給の輸出企業の大量のドル売り円買いが同時に入り、それまで126円台後半に下がっていた円相場が一時126円台前半に急上昇し、急速な円安が一時ストップした。

しかし、その後に黒田日銀総裁は、これからの金融政策について「経済の先行きを考えると緩和を続けるのが適当」と、現行の金融政策を続ける考えを示したため、先ほどの利益確定売りや調整などで一時安値になったドルが、再び日米金利差や金融政策の違いによる日米金利差拡大予想で買い戻され、126円台中盤から後半の円安ドル高に戻していった。

先週末の円相場も一時126円後半まで下落し、2002年以来の約20年ぶりの安値を記録していたが、今日もその記録を更新していた。先週は米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めの利上げ加速予想を強めるニュースや関係者発言が相次ぎ、その一方で日本銀行(日銀)は金融緩和の金利抑制政策を継続予定で、米長期金利の高止まり傾向も続いたことから、日米金利差拡大予測でのドル買い円売りの円安ドル高傾向が優勢であった。同じ理由で、先月に今年3月に入ってから10円近い急速な円安ドル高が進んでいたため、かつては日銀黒田総裁が超えることはないだろうと想定していた125円の黒田ラインを越え、記録的な126円台の円安ドル高になっており、今日も大きな流れではそのトレンドが続いていた。

また、低リスク通貨と呼ばれる日本円の貿易赤字リスクとされる原油高が、再び100ドルを超える一時107ドル付近まで先週末の取引で高騰していたことで、世界的に流動性が高いドルに続く安全資産としての「低リスク通貨」の日本円の貿易赤字リスクが増して、価値が下がったことも現在の円安ドル高の原因になっている。

しかし、今日はキリスト教の春の復活祭(イースター)の祝日連休の最終日のイースターマンデーで、英国ロンドン市場や欧州市場のフランス、ドイツ、スイス、そして、オセアニア市場のオーストラリアとニュージーランド、アジア市場でも香港などの為替市場が休場である。その為、現地の企業や銀行も休暇中で現地通貨の絡む実需買いなどの大取引が少ないことから、今日の東京外国為替市場の終値では、ドル以外の円相場には今日も使える流動性から円が買われる動きでの円高傾向が見られ、日本時間で今夜17時頃の欧州市場休場中のユーロは136円64〜66銭で、前日比7銭の円高ユーロ安だった。

同様に、休場中の英国ロンドン市場の英ポンドも東京終値17時が164円71〜77銭で前日比40銭の円高ポンド安で、オーストラリアドルも93円27〜31銭で前日比27銭の円高豪ドル安であった。スイスフランも17時には134円4〜10銭で前日比6銭の円高フラン安であったが、原油高でリスクの増えた低リスク通貨の日本円の代わりに、永世中立国のスイスフランが世界的な第3の安全資産として買われることもあることから、その後は18時頃には東京前日比でレンジ近くに徐々に戻し、19時前には円安フラン高の領域にも達していた。

なお、イースターマンデーが連邦祝日ではない米国は、先週末は一部閉まっていたニューヨーク市場が今日から通常通り再開するので、今日は一般的にも営業日である東京市場などのアジア市場と、米国ニューヨーク市場の取引の影響が大きく出やすいと考えられている。市場が開いていると、大手投資銀行や企業の実需での通貨の動きも活発であることが理由で、その為、ユーロに対する米ドルも、円安ドル高の影響もあり、今日の東京終値17時は1.0790~91ドルで前日比0.18セントのドル高ユーロ安であった。

今日の東西F Xニュース執筆終了時の2022年4月18日の日本時間(JST)19時6分(英国夏時間(GMT+1)11時6分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:06の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 126.61 〜 126.62 +0.16(円安)
ユーロ/円 136.66 〜 136.67 -0.05(円高)
ユーロ/ドル 1.0792 〜 1.0794 -0.0016(ドル高)
英ポンド/円 164.75 〜 164.81 -0.36(円高)
スイスフラン/円 134.19 〜 134.25 +0.09(円安)
豪ドル/円 93.26 〜 93.30 -0.28(円高)


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