FXニュース:今日は日米金利差拡大で一時129円台からG20の影響で127円台にも
2022年4月20日東西FXニュース – 2022年4月20日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米連邦準備理事会(FRB)関係者発言で積極的金融政策の期待高まるドル買いが
- 今日からの20か国地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議に向けて調整戻しも
- 円安波及に原油高リスクと日本銀行の金融政策の違いでユーロや豪ドルにも円売りが
今日2022年4月20日の東京外国為替市場の円相場の為替レートは、9時から17時までの東京外為取引時間の円の安値129円43銭前後から高値128円7銭前後の値動き幅1円36銭程で、今夜17時の東京外為終値は128円65〜66銭で前日比59銭の円安ドル高であった。その後の今夜18時の欧州英国市場でも128円台で取引されていたが、18時半頃に後述するG20会談関連の影響などで米長期金利が一時低下し、127円台まで戻す場面もあり、今夜19時には前日比では円高ドル安圏内にも反発した。
今日は午前中に一時129円43銭前後の、2002年4月以来の20年ぶりの円安ドル高を記録した。主な原因は、日米の金融政策の違いでの日米金利差拡大が大きい。最近の米長期金利上昇は日本国債の長期金利にも上昇圧をかけており、日本銀行(日銀)は長短金利操作のイールドカーブ・コントロール(YCC)で金利を0.25%以下に抑制しているため、今朝もその数値に近づき、予想された通り、指定した利回りで無制限に国債を買い取る日銀の公開市場操作の指し値オペが通知された。その為、日米金利差拡大から円売りドル買いが起きた。
また、今朝10時頃の仲値決済では、今日は20日で、5と10の付く毎月の決済日が集中しやすい「五十日」にあたる為に、継続する円安から輸入企業の実需増加での円売りドル買いが起きており、129円台の円安ドル高になっていた。今朝発表された日本の貿易統計でも、長期化する円安で貿易赤字が予想以上に進んでいる項目があり、実需で必要な外貨増加も今日の円安の一因となった。
しかし、今日は午前中に129円43銭に達する記録的な円安ドル高になっていたので、その後は高止まりをし始めたので、高値でのドルの利益確定売りや、日銀サポーターの輸出大企業の持ち高調整の大量のドル売り円買い注文などで安値での円の買い戻しも起きたために、午後には128円台に戻していった。
今朝未明までのニューヨーク市場時間の米債券市場でも、米長期金利が上昇し、一時2.94%で2018年12月以来の記録的な高水準に達しており、日米金利差拡大でのドル買い円売りでの円安ドル高が強まって、128円後半まで上がっていた。原因は、ニューヨーク市場時間中の米連邦準備理事会(FRB)関係者の発言で、以前は比較的ハト派と受け止められていたシカゴ連銀のエバンズ総裁が、米国のインフレ対策で積極的な米利上げを支持したことで、FRBの利上げ予想が強まったことが考えられる。
昨日付けの欧米市場は春の復活祭(イースター)の後で、投資銀行系などで休暇後の買い戻しが入った他にも、ニューヨーク市場心理が強気のブルマーケット寄りで、米株価も上昇していたので、投資用の追加のドルが買われたほかにも、低リスク通貨の円の輸入貿易赤字リスクと考えられやすい原油価格が100ドルを超えていたので、以前にロシア侵攻のウクライナ危機などでリスク回避用の低リスク通貨として買われていた日本円が、持ち高調整などで多通貨に対し売られていた。
そのため、今朝未明までのニューヨーク市場でも、対ドルだけでなく、対ユーロやオーストラリアドルでも円が売られて下落した後に、時差で朝の東京外国為替市場が始まった。その為、今日17時の東京終値の円相場も対ユーロで続落し、139円5〜7銭で前日比73銭の円安ユーロ高だった。同時刻に、オーストラリアドルも95円38〜42銭で前日比32銭の円安豪ドル高であった。
英国ポンドは昨日に大きく上がっており、今朝168円台の高値をつけていた為に、高止まり後の利益確定売りや調整などで、午後に167円台に戻していた為に、東京終値の前日比では今日17時の東京終値では167円26〜32銭で前日比では27銭の円高ポンド安だった。
投資家達は、昨夜から今朝未明までのニューヨーク市場時間にも、インフレ対策で新たな金融政策を打ち出したりして金融政策正常化を進める米連邦準備理事会(FRB)や、欧州中央銀行(ECB)や豪中銀準備銀行の金融政策に関心を寄せて投資をする反面、従来の大規模緩和を継続するだけの日本銀行との金融政策の方向性の違いから、円の調整売りもしていた。
しかし、今夜から米国の首都ワシントンで、20か国・地域(G20)財務大臣・中央銀行総裁会議(G20 Finance Ministers and Central Bank Governors)が開催される。明日も国際通貨基金(IMF)金融委員会があり、明後日にも世界銀行(世銀)・IMF合同開発委員が予定されている。日米財務相会談もあるために、最近の円安問題や急速な為替変動の安定化などについても話し合われる可能性があることから、今朝129円台の円安ドル高に達した後に、午後からの円相場は128円台に戻していた。日本時間今夜18時半頃から、朝の欧州英国市場でも今夜の会談が意識され始めると、米国長期金利も一時低下し、127円台まで為替安定化方向に転じて、19時には前日比では一時円高ドル安圏に戻す時間もあった。
ただし、今年3月から10円以上の円安が進んでおり、一時的な前日比円高への反発の時間帯があっても、大きな流れの中での円安ドル高のトレンドの影響は大きい。今夜からのG20の発表などによっては、為替の値動きに影響を与える可能性があるので、今後も最新のF Xニュースには注意が必要である。
今日の東西F Xニュース執筆終了時の2022年4月20日の日本時間(JST)19時20分(英国夏時間(GMT+1)11時20分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:20の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 127.74 〜 127.75 | -0.32(円高) |
ユーロ/円 | 138.72 〜 138.74 | +0.40(円安) |
ユーロ/ドル | 1.0858 〜 1.0860 | +0.0057(ドル安) |
英ポンド/円 | 166.65 〜 166.71 | -0.88(円高) |
スイスフラン/円 | 134.76 〜 134.82 | -0.57(円高) |
豪ドル/円 | 95.09 〜 95.13 | +0.03(円安) |
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