FXニュース:今夜21時半発表の最新の米消費者物価指数(CPI)に世界が注目
2022年7月13日東西FXニュース – 2022年7月13日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 中国コロナ再流行等の世界景気不安で米株と米長期金利が低下
- 原油価格の下落も米株安と米長期金利低下時のドル売り円買いに影響
- 今日発表の英国内総生産(GDP)前月比が0.5%増で予想を超える
今日2022年7月13日水曜日の東京外国為替市場のFXの対ドル円相場の為替レートは、9時から17時の東京外為取引時間の円の安値が137円25銭前後から高値136円70銭前後の値動き幅約55銭で、17時の今日の東京外国為替市場の終値は137円3〜5銭前後で、一時137円75銭の1998年以来の円安ドル高記録更新後の前日の同時刻と比較すると、約31銭の円高ドル安であった。
原因はまず、ロシア産天然ガス供給停止問題の欧州景気減速懸念に加えて、中国での新型コロナウィルス再流行等の世界景気減速懸念で、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク市場では米主要株価指数が下落し、米長期金利も2.97%に低下したために、日米金利差縮小時のドル売りの円買いや、持ち高調整で昨日までに高値になっていたドルの利益確定売りと安値で買える低リスク通貨の円買いが優勢になった。
また、世界的なインフレによる需要停滞予想から原油価格が低下しており、原油安時の日本の貿易赤字継続リスク減からも、米株安時のリスク回避で、ドルから買える安全資産の低リスク通貨の円が買われやすくなった。そのため、今朝までのニューヨーク外国為替市場の終値のドル円は136円台後半で、前日比では円高ドル安だった。
しかし、その一方で、日本時間で今夜21時半に発表予定の米国最新重要経済指標の米消費者物価指数(CPI)6月分は、前年同月比の上昇率が40年ぶりの高水準であった前月を超えるのではないかという市場予想が出てきており、それに伴う米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速予想ではドルの買い戻しも起き始めていた。
ただし、前回の米CPI発表時には約13.8ピップスもドルが急上昇し、大きな市場変動が起きたために、慎重な投資家の中には、実際の結果が分かるまでは積極的な売買をイベント前リスクで控える動きも入り始めた。
その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、早朝には世界景気懸念での米長期金利低下時の日米金利差縮小時のドル売り円買いと、持ち高調整でのドル売りの円の買い戻しが起き、136円70銭付近の今日の円の高値を記録した。
しかし、今朝10時前の仲値決済では、日本の輸入企業の実需での大量の円からのドル買い注文が入り、今日の円の安値の137円25銭付近にまでドルが買われて一時急上昇した。
その後は、輸出企業などのドル売り円買いや、再び世界景気懸念で米長期金利が2.96%に低下したために日米金利差縮小時のドル売り円買いや、持ち高調整でのドルからの円の買い戻しなども入り、午後には一時136円90銭付近に円が買い戻された時間もあった。
ただし、今日の日経平均株価が上昇しており、15時15分に前日比で142円11銭増の26,478円77銭で大引けをしたために、日本の株式市場ではリスクオンで低リスク通貨の円が売られる機会もあり、欧州英国市場参入も相まって、夕方付近には再び137円台前半付近でもみ合っているうちに、17時に137円3〜5銭付近の前日比で約31銭の円高ドル安で今日の東京終値をつけた。
日本市場の後半でも、今夜この後の21時半に発表予定の最新米消費者物価指数(CPI)のイベント前の投資家の持ち高調整や様子見などの値動きも入り始めた。
ユーロは、欧州エネルギー問題などでの欧州景気懸念のユーロリスク売りの影響で、昨夜から今朝までの欧州英国市場と米国市場では安全資産のドルに対してユーロが一時パリティ(等価)に近い1.0001ドル付近にまで売られて下落し、約20年ぶりのドル高ユーロ安を記録した。
しかし、その後には高値での利益確定のドル売りや、持ち高調整で安値のユーロ買いのドル売りなどが入り、今日の日本市場ではユーロは対ドルで反発した。そのため、今夜17時のユーロドルの東京終値は1.0041~1.0042ドルで、記録的なユーロ安の前日と比較すると、約0.33セントのドル安ユーロ高だった。
今日のユーロの安全資産に対する反発は、低リスク通貨の円相場にも波及しており、17時の今日の東京終値のユーロ対円は137円60~61銭で、前日比で約15銭の円安ユーロ高であった。
ただし、今夜その後の欧州市場では、再びロシアからの天然ガス供給パイプの停止問題などでの欧州エネルギー供給不足の欧州景気減退懸念でのユーロ売りとドル買いも起きており、欧州中央銀行(ECB)の利上げペースも米連邦準備理事会(FRB)と比較すると遅れる予想が優勢であるために、ユーロ売りドル買いの動きも出てきているので、注意が必要である。
英ポンドは、英国の記録的なインフレによる景気不安と、英保守党(トーリー)の新党首決定が9月5日とかなり先の予定で政治不安などの売り材料も根底にはあるのだが、今日発表された最新の英経済指標の英国内総生産(GDP)の5月分が前月比で0.5%増加するなど、市場予想よりも良い結果であったことでは今日は日本時間に英ポンドが買われる機会があり、英国中央銀行のイングランド銀行(BoE)の利上げ継続予想も優勢であるために、資金は金利が高い国で運用した方が有利なため、投資系などの円からのポンド買いも相まって、今夜17時の東京終値は163円8〜14銭の前日比で約42銭の円安ポンド高であった。
今日の日本市場の円相場での欧州通貨の反発は他通貨にも波及しており、今夜17時の東京終値ではスイスフラン対円も139円98銭〜140円4銭で、前日比で約60銭の円安スイスフラン高だった。オーストラリアの豪ドルも、同時刻には92円82〜86銭の前日比で約37銭の円安豪ドル高で今日の東京終値をつけていた。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年7月13日の日本時間(JST)19時14分(英国夏時間(GMT+1)11時14分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:14の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 137.10 〜 137.12 | -0.24(円高) |
ユーロ/円 | 137.64 〜 137.66 | +0.19(円安) |
ユーロ/ドル | 1.0038 〜 1.0040 | +0.0030(ドル安) |
英ポンド/円 | 163.13 〜 163.19 | +0.47(円安) |
スイスフラン/円 | 140.07 〜 140.13 | +0.69(円安) |
豪ドル/円 | 93.01 〜 93.05 | +0.56(円安) |
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