FXニュース:米ミシガン大消費者信頼感指数が市場予想超の55.1%に上昇
2022年8月15日東西FXニュース – 2022年8月15日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日本の最新国内総生産(GDP)がマイナス成長からプラス成長に転換
- 米インフレのピークアウト感の利上げ減速予想売りと景気懸念減退買い
- 日米株高時の安全資産売りや利益確定売りと持ち高調整も抵抗要因に
今日2022年8月15日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時の外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値が133円53銭前後から高値132円92銭前後の値動き幅約61銭で、今夜17時の東京外国為替市場終値は133円50〜52銭前後で、先週末金曜17時の前東京終値の133円27〜28銭と比較すると、約25銭の円安ドル高であった。
原因はまず、先週末の東京市場閉場後に始まった米国ニューヨーク市場で、日本時間の金曜の夜23時に発表された最新の米国経済市場の米ミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が、前回の51.5%と市場予想の52.5%に対し今回55.1%で大幅に改善しており、米景気懸念が減退し、米ドル買いと低リスク通貨の円売りが起きた影響が出た。
先週はそれ以前に発表された米国経済指標の7月消費者物価指数(CPI)や卸売物価指数(PPI)や7月米国輸入物価指数での米インフレのピークアウト感から、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ減速予想が優勢で、日米金利差拡大予想の減退によるドル売り円買いが起きた後で、前日までに一時131円台後半に円が高値もつけていたことからも、夏休み時期の週末を前に、高値圏になっていた円の利益確定売りと、米景気懸念後退もあって安値圏での持ち高調整のドル買いが優勢になった。
ただし、米インフレのピークアウト感による米リセッション(景気後退)懸念の緩和から、米株式相場が好調でリスク選好市場になり、それまでにリスク回避で買われた低リスク通貨の円売りや、安全資産のドルも欧州通貨に対して売られた一方で、安全資産の米国債も売られたことでは、米10年債の利回りが指標となる米長期金利が低下し、日米金利差縮小時の円買い抵抗も加わった。
そのため、先週末の土曜の朝の米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場の終値は133円55~65銭で、前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約65銭の円安ドル高であった。
その後に始まった今日の東京外国為替市場では、今朝9時前に日本の最新経済指標の4~6月の第2四半期の実質国内総生産(GDP)速報値が発表され、前期比は前回の0.01%減(修正後0%)と市場予想の0.6%増に対し0.5%増で、前期比年率では前回の0.5%減(修正後0.1%減)と市場予想の2.5%増に対し2.2%増であった。市場予想通りにマイナスからプラス成長に転じたことでは円が買われたが、市場予想ほどの増加率には届かなかったことでは、円相場での反応は限られた。同時発表のGDPデフレーターも、前回の0.5%減と市場予想の0.8%増に対し、今回は0.4%増であった。
朝9時から10時前までは、最新の米国経済指標データを受けたことでも、米国でのインフレのピークアウト感による米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げ予想の減退で、ドル売り円買いが起き、今朝のニューヨーク終値で133円台後半だったドルは、10時前に一時132円台後半に押し下げられた。
しかし、朝10時頃の仲値決済では、日本企業の輸入実需での円売りドル買いが起き、再びドル円は133円台中盤近くに戻された。お盆休みの時期で、一部輸出企業が休業中であるために、輸入実需のまとまったオーダーの値動きが出やすくなっており、ドルはブイ(V)字型に反発した。
米経済指標を受けたインフレピークアウト感の米景気懸念減退による安全資産の米国債売りで、米長期金利が下げていたことからは再び日米金利差縮小時のドル売り円買いの抵抗も加わったが、好調な米景気指標を背景に米株価が上昇していた影響もあり、今日は日経平均株価も上昇しており、一時は約7ヶ月半ぶりの高値を記録し、午後15時15分に28,871円78銭の前営業日比324円80銭増で大引けすると、リスクオン市場になり、以前の株安時にリスク回避で買われていた低リスク通貨の円が売られて、この時間には時差で朝の欧州英国市場の参入もあり、再びドルが上昇した。
そのため、今夜17時の東京外国為替市場は133円50〜52銭前後で、前営業日同時刻比で約25銭の円安ドル高で終値をつけた。
今夜この後にも、21時半に米国最新経済指標の8月ニューヨーク連銀製造業景気指数、23時に8月NAHB住宅市場指数、明朝未明5時頃に6月対米証券投資などの発表が予定されており、世界のFX投資家達に注目されている。
今日のユーロの円相場は、17時の東京外国為替市場の終値は136円63~65銭で前営業日同時刻の前東京終値比で約57銭の円高ユーロ安であった。
欧州エネルギー問題などの景気懸念がある欧州と比較して、日本の国内総生産(GDP)のマイナス成長からプラス成長への転換で、今朝からユーロ売りの円買いが起きていた。
また、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの7月卸売物価指数(WPI)は、前月比で前回の0.1%増から0.4%減で、欧州にもインフレのピークアウト感が観測されたことで、日欧金利差縮小予想の円買いも影響した。
ユーロドルは今夜17時に1.0233~1.0234ドルで、前東京終値比で約0.63セントのドル高ユーロ安の東京終値をつけた。
原因は先週の欧州市場で、米国経済指標のインフレ・ピークアウト感から、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ減速予想のドル売りで、ユーロ買い・ドル売りが進んでいたことで、先週末には夏休み時期の週末前の利益確定のユーロ売りと、安値での持ち高調整のドル買いが起き始め、米国ニューヨーク市場でも前述の米ミシガン大消費者態度指数が市場予想以上の好調で、米景気懸念が減退し、ドルが買われたことなどが影響した。
英国ポンドは、今夜17時の東京外国為替市場の円相場の終値は、161円60〜66銭で前営業日同時刻の前東京終値比では約35銭の円高ポンド安であった。
先週末の英国ロンドン市場や米国ニューヨーク市場では、米国経済指標を受けて米景気懸念が緩和された一方で、英景気後退懸念が現実味を帯びている英ポンドは、安全資産の対ドルでも下落していた。
また、今日発表のあった英国の最新経済指標の8月ライトムーブ住宅価格8月は、前月比で前回の0.4%増から1.3%減のマイナスに転じており、ポンドが売られた一方で、今日の日本の国内総生産(GDP)のマイナスからプラス成長への転換では、低リスク通貨の円に対してもポンド安になったことなどが値動きに影響した。
今日は豪ドルに対しても、日本経済のプラス成長への転換などで円が買われ、17時の円相場は94円28〜32銭の前東京終値比で約79銭の円高豪ドル安で東京終値をつけた。
今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年8月15日の日本時間(JST)19時20分(英国夏時間(GMT+1)11時20分)付近の、クロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:20の為替レート | 東京外国為替市場前日比 |
ドル/円 | 133.44 〜 133.45 | +0.19(円安) |
ユーロ/円 | 136.08 〜 136.10 | -1.12(円高) |
ユーロ/ドル | 1.0197 〜 1.0198 | -0.0099(ドル高) |
英ポンド/円 | 161.01 〜 161.07 | -0.94(円高) |
スイスフラン/円 | 141.12 〜 141.18 | -0.65(円高) |
豪ドル/円 | 93.78 〜 93.82 | -1.29(円高) |
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