FXニュース:米国実質国内総生産 (GDP) 確定値が上方修正

2022年12月23日
FXニュース:米国実質国内総生産 (GDP) 確定値が上方修正

 

東西FXニュース – 2022年12月23日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米新規失業保険申請件数も市場予想以下で景気好感
  • 米連邦準備理事会 (FRB) の利上げ継続予想が優勢に
  • 利上げ警戒の日米株安時の低リスク通貨の円買い抵抗も

今日2022年12月23日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時までの外為取引時間のドル円相場の為替レートは、円の安値の132円81銭前後から高値の132円16銭前後の値幅65銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は132円50~51銭付近で、前日同時刻の前東京終値比で約55銭の円安ドル高であった。

主な原因は、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場で22時半に発表された最新の米国重要経済指標の7~9月の第3四半期米国実質国内総生産 (GDP) の確定値が、前期日年率で市場予想と以前の2.9%から3.2%に上方修正され、GDP個人消費の確定値も前回と市場予想の1.7%から2.3%に上昇し、四半期コアPCEの確定値も4.6%から4.7%と前回と市場予想を上回り、同時発表の前週分の米新規失業保険申請件数も市場予想よりも良かったことから、米景気好感によるドル買いと、堅調な米国経済を背景とした米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利上げ継続予想が優勢となり、ドルが買われて上昇した。

しかし、米GDPよりは重要度は低いが、深夜に発表された11月の米国景気先行指標総合指数の前月比は、前回の-0.8%と前回下方修正の-0.9%と市場予想の-0.4%に対して-1.0%であったことでは、上昇後のドルには利益確定売りの抵抗も入った。

米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利上げ継続予想の日米金利差拡大予想でドルが買われた一方で、米利上げ継続による企業ローン金利上昇などによる業績への影響の警戒では、米国ニューヨーク株式市場で米株価が大幅に下落し、安全資産の米国債買いで米長期金利の指標となる利回りが低下したため、ドルには利益確定売りに続き、日米金利差縮小時の円買いドル売りと、ドルに続く安全資産の低リスク通貨の円が、長期金利低下時のドルの代わりに米株安時のリスク回避で買われたことでは、円相場は抵抗により一時反発した。

そのため、今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場のドル円相場は、円の高値131円91銭前後から安値132円72銭前後の値動きをし、132円35~45銭付近の前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約10銭の僅差の円高ドル安であった。

今朝は8時半に日本の最新経済指標の発表もあったが、11月の全国消費者物価指数 (CPI) の前年同月比は前回の3.7%と市場予想の3.9%に対して3.8%で、生鮮食料品とエネルギーを除くCPIは前回の2.5%に対して市場予想通りの2.8%で、生鮮食料品を除くCPIも前回の3.6%に対して市場予想通りの3.7%で、ほぼ市場予想通りであったために市場の反応は限定的であった。

しかし、その後に始まった今日の日本の東京外国為替市場では、前述の最新の米国経済指標の発表を受けて、堅調な米国景気を背景に米国連邦準備制度理事会 (FRB) が今後も利上げ継続をしやすくなるという市場予想が優勢で、日米金利差拡大予想で再びドルが買われて円相場で上昇し、今朝10時前の仲値決済でも日本企業の輸入実需の円売りドル買い注文が入ったために、132円台後半に再びドルが円相場で上昇し、円安ドル高に市場反転をした。

ただし、先述の米株安の影響もあり、今日は日本の株式市場でも日経平均株価が下落し、午後15時15分に26,235円25銭の前日比272円62銭安で大引けしたため、日本株安時のリスク回避では国内安全資産の低リスク通貨の円が買われる一時抵抗が入ったが、午後からの欧州英国市場の参入があり、再び日米金利差拡大予想の円売りドル買いが入り、先ほどの円買いの抵抗分がすぐに戻されて同水準に戻るという「往って来い」になった。

また、今夜の米国市場では、最新の重要米国経済指標の11月の米国個人消費支出 (PCE) 物価指数や、PCEコアデフレーターやPCEデフレーターなどの発表を控えており、イベント前の様子見や、クリスマス休暇前の買い控え等も混ざり、やや横ばいに近い動きもあった。

そのため、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場のドル円相場の終値は132円50~51銭付近で、前日同時刻の前東京終値比で約55銭の円安ドル高になった。

今夜この後には、最新の米国経済指標の発表予定があり、22時半に前述の米国連邦準備制度理事会 (FRB) も注視している重要度の高い11月の米国個人消費支出 (PCE) や、PCEコアデフレーターやPCEデフレーター、米個人所得、耐久財受注、そして深夜24時には12月の米ミシガン大学消費者態度指数と11月の米新築住宅販売件数などが発表される予定で、プロのFXトレーダーや投資家達に為替相場の値動き予想材料として注目されている。 今夜の欧米市場ではクリスマス休暇で全体的なトレーディング・ボリュームが減っており、米国市場は一部時短営業になるため、ちょっとした値動きでも増幅されて上昇や下降をすると、いつもよりも早く短期の利益確定が入る可能性があることにはやや注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は140円78~81銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約41銭の円安ユーロ高であった。原因は、今日のドルに対する円安の影響が、他の主要通貨であるユーロ円相場にも円安として波及していた。

ユーロドルは、17時の今日の日本の東京外国為替市場の終値は1.0625~1.0626ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.13セントのユーロ安ドル高であった。先述の堅調な米経済指標を受けてのドル買いと、米利上げ継続予想の影響が見られた。

また、昨夜の欧州英国市場では、米国経済指標の発表を受けた米利上げ継続予想による企業決算への影響の警戒による米株安が、米国企業と取引のある欧州企業などの欧州株安としても波及したことなどとから、リスク回避で世界的に流動性の高い安全資産のドルがユーロに対して買われて上昇した影響もあった。

今日の夕方16時45分には欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の発表もあり、11月の仏卸売物価指数 (PPI) の前月比は、前回の-0.1%と前回修正の-0.2%に対して1.2%に上昇していたことでは、インフレ抑制のための欧州利上げ継続予想で一時ドルに対してユーロが買われたが、直後には欧州景気懸念と利益確定売りでドルに対してユーロが下げた頃に東京終値を迎えていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の日本の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は159円86~92銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約51銭の円安ポンド高であった。原因は、今日のドルやユーロなどの主要通貨に対する円安の影響が、ポンド円相場でも円安として波及していた。

ただし、昨夜の英国ロンドン外国為替市場で発表された7~9月の第3四半期の英国実質国内総生産 (GDP) 改定値が下方修正されたことでは、英国景気懸念から世界的に流動性の高い安全資産のドルに対してのポンド売りドル買いが優勢で、ポンドドルはポンド安ドル高になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2022年12月23日の日本時間(JST)20時13分(英国時間 (GMT) 11時13分)付近の、人気のクロス円を中心とした東京外為前日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:13の為替レート 東京外国為替市場前日比
ドル/円 132.60 〜 132.62 +0.65 (円安)
ユーロ/円 140.78 〜 140.80 +0.41 (円安)
ユーロ/ドル 1.0617 〜 1.0618 -0.0021 (ドル高)
英ポンド/円 160.28 〜 160.34 +0.93 (円安)
スイスフラン/円 142.54 〜 142.60 +0.38 (円安)
豪ドル/円 88.92 〜 88.96 +0.68 (円安)


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