FXニュース:米ISM製造業景況感が低下
2023年7月04日東西FXニュース – 2023年07月04日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日経平均株価が大幅に下落
- 米独立記念日の休場前市場
- 豪RBAが政策金利据え置き
今日2023年7月4日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値144円67銭前後から円の高値でドルの安値144円33銭前後の値幅約34銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円48~49銭付近と、前日同時刻の前東京終値比で約33銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、日本時間で昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、日米の金融政策の方向性の違いなどにより、昨夕の英国ロンドン外国為替市場で一時144円90銭付近まで円相場でドルが買われた後の影響もあり、昨夜21時頃には一時144円87銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値で始まった。
しかし、昨夜22時45分に発表された最新米国経済指標の6月の米国製造業購買者担当者景気指数 (PMI) は前回と市場予想通りの46.3であったが、続いて23時に発表された米国重要経済指標の全米供給管理協会 (ISM) の6月の米国ISM製造業景況指数が、前回の46.9と市場予想の47.2に対して46.0に低下した。
それまでの上昇の市場予想に反して米国ISM製造業景況指数が低下した最新データを受け、米国景気警戒によるドル売りおよび米株売りと、安全資産の米国債買いの影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時3.78%付近に向けて低下し、日米金利差縮小時の円買いドル売りで発表時の23時頃にはドルは円相場で一時143円99銭付近に急落し、米国市場での円の高値でドルの安値を記録した。
日本との時差の関係で今夜この後にあたる本日7月4日の翌米国市場は、アメリカ合衆国の独立記念日 (Independence Day) の祝日で休場予定を控えた時短市場であるため、米国市場ではホリデー前の利益確定やポジション調整なども入っており、米国株価下落時のリスク回避による安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いも観測された。
しかし、同じく昨夜23時に発表された5月の米国建設支出の前月比は、前回の1.2%と前回修正の0.4%と市場予想の0.5%に対し0.9%と市場予想を上回っていた。
また、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利上げ長期化予想に対して、金利抑制の大規模緩和金融政策を継続中の日本銀行 (日銀 / BoJ) との日米の金融政策の方向性の違いによる日米金利差拡大予想は根強く、米国債にもホリデー前の利益確定売りや持ち高調整が入った影響もあり米国長期金利が再び3.866%付近へと反発し、日米金利差拡大による円売りドル買いで一時急落後のドルは反発し、今朝5時頃には一時144円75銭付近に戻した。
米国の独立記念日の大きな祝日を控えたこの米国市場では、米国株式市場と米国債券市場が短縮取引であったこともあり、外国為替市場でも終盤の値動きはやや小動きになっていた。
そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値144円87銭前後から高値143円99銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円68銭付近と、前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約37銭の円安ドル高をつけていた。
今朝8時50分には、日本の最新経済指標の6月のマネタリーベースの前年同月比が発表され、前回の-1.1%に対し-1.0%だった。
今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場では、朝に日本政府の神田真人財務官が「米国を含め、各国当局とは日頃から為替、金融に限らず、様々な意見交換、意思疎通を図っている」と、財務省で記者団に対して円安牽制とも受け止められる発言をした影響もあり、円買いドル売りから始まったものの、為替介入の予定に関する発言はなかったことや、144円台中盤で145円台から少し離れていたことなどから、一時的な反応に留まった。
また、今日の午前中の閣議後の記者会見で、鈴木俊一財務相も円安について、「特に今回は、追加で申し上げることはない」と発言していた。
しかし、今朝は日経平均株価が大幅な下落を見せたことで、日本株安時の低リスク通貨の円が買われた影響も相まって、今朝9時に144円59銭付近から始まった今日の対ドル円相場は、今朝9時48分頃には一時144円42銭付近に円が買われた。
今朝9時55分の仲値決済でも、今夜は主要貿易先の米国が祝日で休業であるため、輸入実需というよりは、日米金利差拡大による安値からのドルの買い戻しの方が目立った。
145円台の日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ) の為替介入警戒域から少し離れた安心感もあり、日米の金融政策の方向性の違いによる日米金利差拡大予想のドルの買い戻しで、13時44分頃には、一時144円67銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今朝に一時、前日比で400円以上の大幅下落を見せていた日経平均株価が、その後にやや反発はしたものの、午後15時15分に3万3422円52銭の前日比330円81銭安の-0.98% で大引けすると、低リスク通貨の円買い需要が強まり、144円台後半から144円台前半へと円相場が急伸し、夕方の欧州英国市場の本格参入も相まって、16時41分頃には一時144円33銭付近の今日の日本市場での円の高値でドルの安値を記録した。
今日の日経平均株価の大幅下落の原因は、今朝までの米国株式市場が今日の独立記念日前の短縮市場で株売りがあった影響や、日本の株式市場でも今月の上旬に上場投資信託 (ETF) の分配金の捻出のための売り予想があったことで、先手の売りが出やすくなっていたことや、テクニカル分析のチャートにダブルトップに近い売りサインが出たことなどが影響を及ぼしたと投資家達の話題になっていた。
今夜この後の米国市場は祝日休場で、現地でのドル実需が少ないほか、今週には米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長が注視していることでも有名な最新の米国重要経済指標の米国雇用統計の発表予定のイベントも控えているため、欧州英国市場ではイベントリスクのドルの利益確定や持ち高調整などが入っていた。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は144円48~49銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約33銭の円高ドル安になった。
今夜この後の米国市場は祝日のため、特に経済指標の発表などは予定されていない。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は157円53~55銭付近で、昨夜17時の前東京終値比で約4銭の円安ユーロ高であった。
主な原因は、欧州中央銀行 (ECB) 理事会による欧州利上げ継続の影響で、日欧金利差拡大による円安要因は大きいものの、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の5月の独貿易収支は前回と市場予想よりも減少しており、今日の日本株安時の低リスク通貨の円買い需要もあって比較的小幅な円安ユーロ高になっていた。
また、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、19時台には円高ユーロ安にも転じている。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0902~1.0903ドル付近で、昨夜17時の前東京終値比で約0.28セントのユーロ高ドル安だった。
主な要因は、米国祝日につき投資系などのドル実需が少ないことに加えて、昨夜の米国経済指標の6月の米国ISM製造業景況指数が市場予想に反して低下した景気懸念での米国長期金利低下時のドル売りの影響もあり、今朝までの米国市場でもユーロ高ドル安であった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は183円42~48銭付近で、昨夜17時の183円35~41銭付近の前東京終値比で約7銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、英国インフレ継続による利上げが続く中で、日英金利差拡大が円安要因となっており、円安ポンド高が進行していた。
豪ドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の豪ドル円相場の終値は96円50~54銭付近で、昨夜17時の96円14 〜18銭付近の前東京終値比で約36銭の円安豪ドル高であった。
今日の昼13時半にオーストラリアの中央銀行にあたる豪準備銀行 (RBA) が市場予想に反して今回の豪州政策金利を据え置いたことで、豪ドルが米ドルなどの他の利上げ方向の主要通貨に対して売られた動きがあったものの、既に以前の利上げ幅でも日豪金利差は拡大していたため、円相場ではその後の買い戻しが今日の終値に影響を及ぼした。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年7月4日の日本時間(JST)19時21分(チャートの時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時21分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:21の為替レート | 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比 |
ドル/円 | 144.41 ~ 144.42 | -0.41 (円高) |
ユーロ/円 | 157.39 ~ 157.41 | -0.10 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0898 ~ 1.0900 | +0.0024 (ドル安) |
英ポンド/円 | 183.46 ~ 183.52 | +0.11 (円安) |
スイスフラン/円 | 161.26 ~ 161.32 | +0.21 (円安) |
豪ドル/円 | 96.54 ~ 96.58 | +0.40 (円安) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。