FXニュース:米消費者態度指数が想定超え

2023年7月17日
FXニュース:米消費者態度指数が想定超え

 

東西FXニュース – 2023年07月17日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米予想インフレ率も小幅上昇
  • 急速な円高後の利益確定売り
  • 日本祝日休場中の世界FX市場
  • 欧州通貨の利上げ観測根強く

今日2023年7月17日月曜日の日本の東京外国為替市場は「海の日」の祝日休場ですが、東京外国為替市場相当時間の9時から17時頃までの世界FX市場での外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値138円37銭前後から円の安値でドルの高値138円75銭前後の値幅約38銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間の対ドル円相場の終値は138円64~65銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の138円22~23銭付近の前東京終値比で約42銭の円安ドル高であった。ただし、その後の欧州英国市場では、今夜19時台には再び小幅な円高ドル安に市場反転もしている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜の日本市場では、先週に発表された最新米国重要経済指標の6月の米国消費者物価指数 (CPI) と米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) が市場予想よりも鈍化を示し、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利上げ長期化予想が減退し、日米金利差縮小予想の円買いドル売りで一時137円24銭付近の約2カ月ぶりの円高ドル安が急速に進行し、先々週の7月5日に記録したドルの高値の144円73銭付近の前週高値比では先週安値は約7円49銭急落の大幅な円高ドル安になったため、先週金曜の夜の英国ロンドン外国為替市場と金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、週末を控えた高値圏の円の利益確定売りと安値のドルの買い戻しの持ち高調整が強まった。

また、先週金曜の夜23時に米国ニューヨーク外国為替市場で発表された最新米国経済指標の7月の米国ミシガン大学の米国消費者態度指数の速報値が、前回の64.4と市場予想の65.5に対し72.6に大幅に上昇し、米国景気好感による安値圏からのドルの買い戻しも加わった。

さらに、同米国ミシガン大学の7月の米国消費者調査では、米国の消費者の1年先の予想インフレ率が前回6月の3.3%に対し7月が3.4%と小幅に上昇しており、市場予想を上回ったことでは、6月の米国インフレ鈍化が7月には再び減速する可能性も指摘され、堅調な米国経済指標を背景とした米国利上げ長期化の可能性がやや再浮上してきたことでは、日米金利差拡大予想による円売りドル買いも入り、金曜の夜23時過ぎにはドルが反発と上昇を見せ、一時139円16銭付近の米国市場および日通しでの円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、同時進行中の米国債券市場では、決算報告期の米国株式市場で一部企業の金利上昇警戒感による決算への影響の懸念などで安全資産の米国債が一時買われたことで、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時低下し、高値後のドルには日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いドル売りのリスク回避の一時抵抗が入った。

しかし、週末を控えて一時債券価格が上昇を見せた米国債は、再び利益確定売りなどで売られて下げたため、債券価格の低下に伴う利回りの上昇で再び米国長期金利が上昇に転じたことでは、再び日米金利差拡大による円売りドル買いが入り、先週末の土曜の午前5時頃には一時138円90銭付近にドルが反発した。

先週発表の米インフレ指標に先駆けて、先々週の米国雇用統計からドル売りの流れが始まっていたため、堅調な雇用市場を背景にした米国利上げ長期化予想の減退は続いており、米国ミシガン大学の7月の消費者調査を受けてやや再浮上はしたものの、本日の米国フェデラルファンド (FF) 金利予想値ツールのフェッドウォッチ (CME FedWatch Tool) でも、今月7月25〜26日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) では0.25%の米国利上げ予想が96.1%付近と確定値である70%超えの優勢ではあるが、その次の9月のFOMCでは、米国金利据え置き予想が83.2%の優勢で、利上げ長期化予想は13.5%付近に減退しているため、ドル調整の買い戻し幅は限られていた。

また、日本市場では、日本銀行 (日銀 / BoJ) の金利抑制の大規模緩和金融政策の長短金利操作のイールドカーブコントロール (YCC) 修正期待の円買いによる円高も背景にあったことから、今月7月27〜28日に開催予定の日銀金融政策決定会合を控えた円の持ち高調整の影響も残っていたため、7営業日ぶりに反発を見せたドルは小幅域に留まった。

そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値138円40銭前後から円の安値でドルの高値139円16銭前後の値動きで、先週土曜の朝6時頃のニューヨーク終値を138円80銭付近の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約75銭の円安ドル高をつけていた。

週が明けて、今朝のアジア・オセアニア市場では、世界三大市場の東京外国為替市場が今日は祝日休場で世界市場全体の取引量は減っていたが、日経平均株価先物が下落していた影響などがあり、低リスク通貨の円買いドル売りが先行し、今朝10時1分頃には一時138円37銭付近の今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

また、先週に日本銀行 (日銀 / BoJ) の内田副総裁が長短金利操作のイールドカーブコントロール (YCC) の修正期待を高めるような示唆の発言を日本の経済紙が報道した後に、先週末に植田総裁は、やや遠回しに早期のYCC修正を否定していたが、市場では日銀の以前のサプライズのYCC修正があった経緯上、今月の日銀会合を控えた警戒感が継続していた。

しかし、米国市場トレンドを受けたドルの買い戻しもあったほか、午前11時には日本市場と時間帯が近いアジア市場では、中国の最新重要経済指標の4〜6月期の中国国内総生産 (GDP) の前年同期比が前回の4.5%と市場予想の7.1%に対し6.3%の市場予想以下で、前期比は前回の2.2%に対し市場予想一致の0.8%であったが、同時発表の6月の中国小売売上高の前年同月比も前回の12.7%と市場予想の3.3%に対し3.1%に低下した影響で中国人民元に対し世界的に流動性の高い安全資産のドルが上昇した影響も円相場に波及した。

午後からの欧州英国市場の参入では、ドル買いから始まったものの16時51分頃に今日の日本市場該当時間の円の安値でドルの高値の一時138円75銭付近を記録したため、高値後のドルの利益確定売りが始まった頃に17時の東京終値相当時刻を迎えた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間のドル円相場の終値は138円64~65銭付近で、先週金曜17時の138円22~23銭付近の前東京終値比では約42銭の円安ドル高になった。

ただし、その後の英国ロンドン外国為替市場では、17時台に欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の発言機会などもあり、欧州通貨の利上げ継続予想は根強く、欧州通貨に対するドル売りの影響の円相場への波及などもあり、今夜19時台にはドル円も再び138円台前半と、前東京終値比では小幅な円高ドル安に転じている。

今夜この後にも最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の今夜21時半に7月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表されるほか、明日は米国小売売上高の発表予定を控えており、また米国株式市場では、今週もモルガンスタンレー、ゴールドマンサックス、ネットフリックス、テスラなどの米国主要企業の決算報告予定がある。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間のユーロ円相場の終値は155円88~91銭付近で、先週金曜17時の155円11~12銭付近の前東京終値比で約77銭の円安ユーロ高であった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間の終値は1.1243~1.1245ドル付近で、先週金曜17時の1.1220~1.1222ドル付近の前東京終値比で約0.23セントのユーロ高ドル安だった。

主な要因は、先述の欧州利上げ継続予想の影響が最も大きく、日欧金利差拡大予想に加えて、対ドルでも米国利上げ長期化予想よりも欧州利上げ長期化予想の方が優勢で、主要通貨に対しユーロが上昇した。

今日の午後の欧州市場でも、欧州委員会のジェンティローニ経済担当委員が「欧州のコアインフレ率の低下には、時間がかかる」という見通しの発言をし、「欧州ユーロ圏は、まだスタグフレーションではない」ことから、インフレ率が目標の2%に近づく予測の来年あたりまでは欧州利上げが長期化する可能性を示唆していたことも市場予想に影響を与えていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場相当時間の英ポンド円相場の終値は181円58~64銭付近で、先週金曜17時の181円24~30銭付近の前東京終値比で約34銭の円安ポンド高であった。

主な原因は、英国インフレ抑制のための大幅利上げ予想による日英金利差拡大予想が大きいが、今週の水曜日には英国も最新経済指標の英国消費者物価指数 (CPI) の発表予定を控えるイベントリスクがあり、今夜その後の19時台の英国ロンドン外国為替市場では前東京終値比では円高ポンド安にも転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年7月17日の日本時間(JST)19時38分(チャートの時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時38分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:38の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 138.06 ~ 138.07 −0.16 (円高)
ユーロ/円 155.12 ~ 155.14 +0.01 (円安)
ユーロ/ドル 1.1234 ~ 1.1236 +0.0014 (ドル安)
英ポンド/円 180.77 ~ 180.83 −0.47 (円高)
スイスフラン/円 160.80 ~ 160.86 −0.31 (円高)
豪ドル/円 94.04 ~ 94.08 −0.94 (円高)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。