FXニュース:今週は日米欧金融政策発表

2023年7月24日
FXニュース:今週は日米欧金融政策発表

 

東西FXニュース – 2023年07月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日本と欧米金利差拡大予想
  • イベント前の持ち高調整も
  • 日経平均株価が大幅再上昇
  • 英経済先行き見通し警戒感

今日2023年7月24日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値141円79銭前後から円の高値でドルの安値141円23銭前後の値幅約56銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は141円40~41銭付近と、前営業日同時刻の141円31~32銭付近の前東京終値比で約9銭の小幅な円安ドル高であった。

ただし、今夜その後の19時台の英国ロンドン外国為替市場では、今週のイベント週を控えた持ち高調整で小幅な円高ドル安にも転じている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、前回の東西F Xニュースでお伝えした通り、先週金曜の夕方の英国ロイター通信と米国ブルームバーグ通信のニュースを受けて、今週の7月28日金曜日に発表が予定されている日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決会合での金利抑制の大規模緩和金融政策の継続予想が強まり、一方で今週の米国現地時間7月26日水曜日 (日本時間では時差で7月27日木曜日の早朝未明3時) に結果発表予定の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) では0.25%の米国利上げ長期化予想が優勢で、日本と米国の金融政策の方向性の違いによる円安要因の日米金利差拡大予想の円売りドル買いで、先週金曜の夜17時台後半の英国ロンドン外国為替市場では一時141円95銭付近に円安ドル高が進行した。

ただし、141円95銭付近に位置していたテクニカル分析的な21日移動平均線がレジスタンスラインとなりやや横ばいに推移していたところに、先週金曜の夜18時台に日本政府の財務省の神田真人財務官が、日本市場終盤の円相場の急落を受けて、「緊張感を持って注視をしている。 過度な変動は望ましくないという観点から、あらゆる手段を排除せずに検討する。」と為替介入の可能性を意識させる円安牽制発言をし、また、日本銀行 (日銀 / BoJ) の金融政策についても、「何らかの修正がある可能性を巡って、様々な期待、憶測が広がっている」と指摘したことで、日本政府と日本銀行の為替介入の可能性やサプライズ修正への警戒感などから短期の利益確定売りや持ち高調整や、日米イベント前や米国主要株価決算報告期のリスク回避の安全資産の米国10年債買いの影響による利回りの一時低下で米国長期金利が一時低下した影響もあり、先週金曜の夜21時50分頃には一時141円22銭付近に戻した。

しかし、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場では、英米ニュースの再影響もあり、日米金利差拡大予想は優勢で、先週金曜の夜23時10分頃には再び日本政府の円安牽制発言前の141円台後半の一時141円87銭付近に反発したが、今週の日米欧の金融政策発表イベントを前にしたイベントリスクによる利益確定や持ち高調整などもあり、141円95銭付近のレジスタンスラインの手前の範囲に留まった。

米国株式市場でも、今週は世界的な米国主要企業のビックテック (Big Tech) のGAFAM (Google/Alphabet, Amazon, Facebook/Meta, Apple, Microsoft) 株の決算報告予定のイベントがあり、ビッグイベント週を控えた週末のイベントリスクの利益確定や持ち高調整などでナズダック (NASDAQ) の一部の株が下落したことでは、一部のリスク回避の安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いの抵抗も入ったが、米国のナスダック取引所では週明けの今夜の米国株式市場の取引開始時間前に、時価総額加重平均型のナスダック100株価指数 (NASDAQ-100 / USTEC) のスペシャルリバランスを実施する予定で、ナスダック100は今年に入ってから既に45%近くも株価が上昇し、特定銘柄の比率が高くなっていることに対応する調整の見込みから、米国の一部ニュースで、「マグニフィセント・セブン (Magnificent 7 = GAFAMの5銘柄にNVIDIAとTeslaを加えた米国主要7銘柄のこと) の構成比が、現在の56%弱から44%程度に下がる」との報道があり、イベント週を控えた週末の利益確定や持ち高調整が進んでいた。先週のナズダックの下落時にも、決算報告を受けたマグニフィセント・セブンの1つのテスラ株の大幅下落が影響を及ぼしていた。

ただし、米国では最近の経済指標を受けた米国のリセッション (景気後退) 懸念の緩和などから、米国ダウ工業株30種平均 (DJI) が2017年8月以来の10営業日連続の続伸記録を小幅ではあるがこの日も更新し、先週には20日に米国S&P総合500種 (S&P 500) 株価指数が年初来の約19%上昇で2022年1月の史上最高値に迫る米株高を記録していた後でもあり、米国S&P総合500種の予想株価収益率 (PER) が上昇し20倍を超えるなど、米国株式市場全般としては堅調な米国株高を維持していたことでは、イベントリスク回避の安全資産の米国債買いや低リスク通貨の円買いドル売り抵抗は限られた。

そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は円の高値でドルの安値141円22銭前後から円の安値でドルの高値141円87銭前後の値動きで、先週末の土曜の朝6時頃のニューヨーク終値は141円73銭付近と、前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約1円66銭の円安ドル高でつけていた。

週が明け、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場でも、日米金利差拡大予想による円売りドル買いと、9時55分頃の日本市場の仲値決済に向けては日本企業の輸入実需の円売りドルが優勢で、今朝9時53分頃には一時141円79銭付近にドルが円相場で上昇し、今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、先週金曜の前日本市場の終盤に急速な円安ドル高が進んだことに対する日本政府の円安牽制発言が入ったのが市場終了後の先週金曜の夜の18時台であったこともあり、今朝も再び日本政府の神田真人財務官が、日本の物価賃金動向についても、日銀修正圧を意識させる様な、「水準が予想よりも上振れている」と発言したことがニュースになり、輸出企業の円買いドル売りに続くような形で、投資系にも市場高値後のドルの利益確定や今週の日米金融政策発表イベント前のイベントリスクなどによる持ち高調整の低リスク通貨の円買いドル売りなどが入り、円相場が反発を始めた。

ただし、今日は日経平均株価が大幅に上昇しており、同時に時間外の米国債券市場では米国10年債の利回りが小幅上昇した時間などもあり、株式市場からはリスクオンの円売りドル買いは抵抗要因になった。

今日の午後15時15分に今日の日経平均株価は、3万2700円94銭の前営業日比396円69銭高の大幅上昇で大引けした。

午後からの欧州英国市場では、先週末の日銀の金融緩和策継続予想を高める英米ニュースの後の日本政府の円安牽制発言を受け、日銀の金利抑制の長短金利操作のイールドカーブ・コントロール (YCC) については早ければ今月から議論を始めるというサプライズ警戒感はやや残っており、安全資産の米国債買いで米国長期金利が一時低下した影響もあり、高値後のドルの利益確定売りのユーロの買い戻しなどが先行し、16時18分頃には一時141円23銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、その後にはイベント前のドルの持ち高調整の買い戻しも入った。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は141円40~41銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の141円31~32銭付近の前東京終値比では約9銭の小幅な円安ドル高になった。

今夜この後にも米国経済指標の発表予定などがあり、22時45分に7月の製造業とサービス部門と総合の米国購買担当者景気指数 (PMI) 、26時には米国2年債の入札予定などがある。

また、明日の夜には、前述のGAFAMのGoogleのアルファベット社の決算報告やマイクロソフトの決算報告なども予定されており、今週の日米欧の金融政策イベントに加え、株式市場からの影響にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は156円73~76銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の157円24~27銭付近の前東京終値比では約51銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、先週金曜の夜に日欧金利差拡大予想でユーロに対しても円相場が大幅に急落し、一時158円3銭付近の2008年9月上旬以来の約14年10カ月ぶりの安値を記録後であったため、今日は日欧イベント前の持ち高調整で安値からの円の買い戻しが影響を与えた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.1084〜1.1085ドル付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の1.1126〜1.1128ドル付近の前東京終値比では約0.42セントのユーロ安ドル高だった。

主な原因は、欧州利上げ長期化予想の減退による今週の日米欧のイベント前の持ち高調整が影響を与えており、欧米ともに今週は小幅利上げの市場予想が優勢であるが、その後の利上げ長期化を巡っては、欧州の利上げ継続予想には先週の欧州中央銀行 (ECB) 高官の発言以降は減退傾向が見えているが、米国は堅調な雇用市場と景気を背景に長期化の可能性も指摘されていた。

また、今日発表された欧州ユーロ圏の購買担当者景気指数 (PMI) に、市場予想を下回る指標が増えたことも、欧州景気懸念による利上げ長期化の抵抗要因になる可能性が指摘されていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は181円75~81銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の181円90~96銭付近の前東京終値比では約15銭の円高ポンド安になった。

主な要因は、先週末に日銀に関する報道が原因の主要通貨に対する大幅な円安が進んだ後のイベント前の持ち高調整の買い戻しが影響を与えたほか、英国景気懸念のポンド売りも為替相場に影響を与えた。

先週金曜に発表された7月の英国消費者信頼感指数がマイナス30と、前月比で1月以来の6カ月ぶりに6ポイント低下し、英国景気懸念が浮上していた。

今夜17時半に発表された最新英国経済指標の 7月の製造業とサービス部門の英国購買担当者景気指数 (PMI) も市場予想以下であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年7月24日の日本時間(JST)19時39分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時39分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:39の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 141.12 ~ 141.13 -0.19 (円高)
ユーロ/円 156.45 ~ 156.47 -0.79 (円高)
ユーロ/ドル 1.1085 ~ 1.1087 -0.0041 (ドル高)
英ポンド/円 181.08 ~ 181.14 -0.82 (円高)
スイスフラン/円 163.09 ~ 163.15 +0.01 (円安)
豪ドル/円 95.13 ~ 95.17 -0.34 (円高)


注意:

本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。

当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。