FXニュース:今週ジャクソンホール控え
2023年8月21日東西FXニュース – 2023年8月21日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 世界株価が安全資産に影響
- リスク回避後のリスク選好
- 中景気支援策で追加利下げ
- 米長期金利が一時4.3%回復
今日2023年8月21日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の145円14銭前後から円の安値でドルの高値の145円62銭前後の値幅約48銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円45~46銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の145円27~28銭付近の前東京終値比で約18銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜の夜の英国ロンドン外国為替市場では、先週に欧州の主要取引先の中国で不動産大手の中国恒大集団が米国連邦破産法第15条の適用を申請したニュースを受けて、中国経済の減速懸念と世界景気への影響への警戒感などから世界的な株安によるリスク回避が起きており、欧州通貨に対しては世界的に流動性が高く米国利上げ長期化予想もある安全資産のドル買いが入り、先週金曜の夜21時頃から土曜の朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の開場後の21時25分頃には、ドルは円相場で一時145円76銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値をつけていた。
しかし、米国ニューヨーク株式市場では、週末を控えたポジション調整に加えて、米国金利高止まりの長期化への警戒感や、欧州株式市場同様に世界景気懸念のリスク回避市場になったため、ドルからでも買える安全資産の米国10年債が買われて利回りが指標となる米国長期金利が一時低下して日米金利差が一時縮小したため、前日の8月17日に日本市場で今年最大の一時146円56銭付近の円安ドル高を記録後のドルの利益確定売りと低リスク通貨の円買いで円相場が上昇し、土曜の午前2時10分頃には一時144円92銭付近の米国市場および日通しの円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、先週に発表された米国最新経済指標を受けては、米国金利高止まりの長期化予想や米国利上げ長期化予想が強まっていたこともあり、米国ニューヨーク債券市場での米国債の利回りの低下時には債券価格が上昇しているため、米国債価格上昇後の利益確定売りで利回りが再上昇し、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が回復してきたことでは、市場安値後のドルも145円台中盤近くにまで買い戻された。
米国ニューヨーク株式市場でも、一時は210ドル以上も大幅下落を見せていた米国ダウ平均株価が持ち直し、小幅高になったことでも低リスク通貨の円買いの勢いが弱まった。
とはいえ、同週末市場では翌週にあたる今週8月25日の日本時間23時5分頃からは、米国ワイオミング州で開催される国際経済シンポジウムのジャクソンホール会議で米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の米国経済見通しについての発言予定が注目されているほか、8月24日から26日まで開催される主要中央銀行の総裁や経済学者達によるジャクソンホール会議では、就任後初参加の日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田総裁などの各国主要中銀総裁達の発言予定も期待されることから、要人発言の重要イベントを控えた早期の持ち高調整や、イベント前の様子見の買い控えなども入り始めていた。
そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場では、円の安値でドルの高値の145円76銭前後から円の高値でドルの安値の144円92銭前後の値動きで、先週末土曜の朝6時頃のニューヨーク終値を145円39銭付近の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約45銭の円高ドル安をつけていた。
週が明けて、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場では、先週一時4.3%台に上昇後の米国長期金利が先週末の米国市場では一時4.2%台に下げていた影響もあり、円相場が一時上昇して始まったため、今朝9時28分頃には一時145円14銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、日本市場と時間帯の近いアジア市場では、中国の中央銀行にあたる中国人民銀行 (PBC) が、対ドルの中国人民元の売買基準レートを先週末比で中国人民元高のドル安で価格設定をしたことも、他の外貨に対するドル価格にドル安圧の一時影響を与えていた。
しかし、続いての今日のニュースでは、中国人民銀行 (PBC) が実質的な中国政策金利にあたる8月の最優遇貸出金利のローンプライムレート (LPR) の追加利下げを発表した。1年物を以前の年率3.55%から3.45%に6月以来の2カ月ぶりに利下げし、住宅ローン金利の目安となる5年超の金利は年率4.20%に据え置いたものの、中国利下げ後には、米ドルなどに対して中国人民元が売られて、日本市場で安値を記録後のドルは買われて反発上昇を始めた。
今日の日本市場時間の時間外の米国債券市場でも、再び米国長期金利が再上昇をし始めたため、日米金利差拡大による円売りドル買いも加わり、午前11時17分頃には一時145円62銭付近の今日の日本市場での円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、その後に米国長期金利が一時4.28%台から4.27%台に一時低迷した際には円の買い戻しも起きたが、午後14時41分頃からは米国長期金利が再び4.3%台に上昇したため、再び日米金利差拡大による円売りドル買いが起きた。
また、今日の日本の東京株式市場では日経平均株価が上昇したことも、低リスク通貨の円売りを促した。今日の15時15分に日経平均株価は、3万1565円64銭の前営業日同時刻比で約114円88銭高の大幅高で大引けした。午後からの欧州株式市場も上昇傾向で始まった。
しかし、午後15時28分頃までは4.3%台で高止まりをしていた米国長期金利が4.2%台に低下したことや、今週のジャクソンホール会議のイベントを控え、市場注目度が高いパウエル議長発言予定ではイベント前の持ち高調整や様子見の値動きも混ざった。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は145円45~46銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の145円27~28銭付近の前東京終値比では約18銭の円安ドル高になった。
今夜この後には、特に注目度の高い米国経済指標の発表予定はないが、先述の今週のビッグイベントのジャクソンホール会議のパウエル議長の発言予定に特に注目が集まっており、既に米ドルのイベント前の持ち高調整や、様子見の値動きなどが入り始めている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は158円36~38銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜17時の157円95~96銭付近の前東京終値比で約41銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先週末の米国株式市場や今日の日経平均株価が回復を見せ始めたことを受け、今日の午後からの欧州株式市場も上昇傾向を見せて始まったため、一時はリスク回避のリスクオフで買われていた低リスク通貨の円がリスク選好のリスクオンでユーロに対して売られた影響が出た。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0887~1.0889ドル付近と、先週金曜17時の1.0871~1.0873ドル付近の前東京終値比で約0.16セントのユーロ高ドル安だった。
主な要因は、比較的リスク市場に弱いユーロに対し世界的に流動性の高い安全資産のドルも先週の欧州株安時にはリスク回避で買われていたが、今日の午後の欧州株式市場の株安後の買い戻しなどによる上昇時に、前述の低リスク通貨の円同様にリスクオンでユーロに対して売られた影響が見られた。
ただし、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏の主要国ドイツの最新経済指標の7月の独生産者物価指数 (PPI) の前月比は、前回の-0.3%と市場予想の-0.2%に対し-1.1%に鈍化していた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は185円36~38銭付近と、先週金曜17時の184円70~76銭付近の前東京終値比で約66銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、地理的に近い欧州株式市場のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響が英国市場にも影響を及ぼしており、欧州ユーロと連れ高になるように円相場では英国ポンドも上昇している。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年8月21日の日本時間(JST)19時14分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時14分) の、人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 19:14の為替レート | 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比 |
ドル/円 | 145.83 ~ 145.85 | +0.56 (円安) |
ユーロ/円 | 159.00 ~ 159.01 | +1.05 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0901 ~ 1.0903 | +0.0030 (ドル安) |
英ポンド/円 | 185.84 ~ 185.90 | +1.14 (円安) |
スイスフラン/円 | 165.80 ~ 165.86 | +0.65 (円安) |
豪ドル/円 | 93.50 ~ 93.54 | +0.52 (円安) |
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