FXニュース:米長期金利4.22%台に上昇

2023年9月05日
FXニュース:米長期金利4.22%台に上昇

 

東西FXニュース – 2023年9月5日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米金利差拡大のドル買い
  • 欧ECBラガルド総裁の発言
  • 豪RBAが政策金利据え置き

今日2023年9月5日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の146円49銭前後から円の安値でドルの高値の147円8銭前後の値幅約59銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円90~92銭付近と、前営業日同時刻の昨夜17時の146円40~41銭付近の前東京終値比で約50銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、昨日の日本市場の午後に上昇から始まった欧州主要株価が、昨夜の欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の要人発言を控えたその後の欧州市場で根強い欧州インフレへの警戒感から下落に転じ始めたことで、世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが買われた影響や、欧州ユーロ圏主要国のドイツ10年債の利回りが上昇し、米国長期金利も上昇していたために、日米金利差による円売りドル買いが先行した。

ただし、昨夜22時半頃からの欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の講演発言は、「私達は、記録的なペースで欧州政策金利を利上げしてきた。欧州のインフレ率を、適切な時期に目標の2%に戻す」と、欧州インフレについては言及したものの、来週の9月14日に予定される次回のECB理事会でも利上げを継続するかどうかについては言及しなかったことではユーロが売られていたが、現状の欧州インフレ率が目標の2%にはまだ遠いことでは、欧州長期金利上昇時の日欧金利差拡大もあり、対円や対ドルのユーロの買い戻しも入り始めた。

昨夜の欧州英国市場の後半と時間が重なる昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場は祝日休場であったが、同時進行中だった欧州市場で日米金利差拡大による円売りドル買いが入っていたことなどで、昨夜21時頃の米国市場の開場時間相当の一時146円37銭付近から円相場でドル上昇が先行した。

その後には米国市場の休場により、欧州市場が閉まるにつれて市場全体の流動性が減り、世界FX市場でドル円はやや横ばいに近い値動きに転じたため、上昇後の一時146円49〜50銭付近までの米国市場相当時間の円の安値でドルの高値圏付近での高止まりをしばし続けた。

しかし、8月30日の高値である146円54銭付近にテクニカル分析的なレジスタンスラインがあり、何回も近づいた後に超えなかったことでは、米国市場の終値の該当時間にあたる今朝6時前の世界市場では、ドルの利益確定売りの一時抵抗が入り、一時146円35銭付近の米国市場相当時間の円の高値でドルの安値を一瞬記録したが、すぐにドルの買い戻しが入り、反発した。

そのため、昨夜から今朝までの休場中の米国ニューヨーク外国為替市場の終値相当時間の世界FX市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の146円50銭前後から円の高値でドルの安値の146円35銭前後の値動きで、今朝6時頃は146円47銭付近で、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比では約25銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時半には、今日の日本市場に先立って日本の最新経済指標の7月の全世帯家計調査・消費支出の前年同月比が発表され、前回の-4.2%と市場予想の-2.5%に対して-5.0%に低下していた。消費停滞の一因には、円安によるインフレの影響も考えられるため、今朝9時頃からの日本市場では円買いが一時先行したものの、日米金利差拡大による円売りドル買いのトレンド中での一時抵抗に留まったため、今朝9時8分頃の一時146円49銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となり、その後には円相場でドルが再び上昇を始めた。

今朝9時55分の日本市場の仲値決済も、今日は5日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい「5と10がつく日」の「五十日 (ゴトーび) 」にあたるため、輸入実需の円売りドル買いが先行し、続いては輸出企業の円買いドル売りも抵抗要因として入ったものの、米国金利の高止まり予想から米国長期金利が上昇しており、日米金利差拡大による円売りドル買いが続いたことでは、結果的に円相場が下落を続けた。

日本市場と時間帯が近いオセアニア市場とアジア市場では、今朝10時45分に中国の最新経済指標の8月の中国Caixinサービス部門購買担当者景気指数 (PMI) が発表され、前回の54.1と市場予想の53.5に対し51.8に大幅に低下したことを受けた中国景気懸念のリスク回避で、中国が主要貿易先のオセアニアのオーストラリアの豪ドルが、世界的に流動性の高い安全資産のドルや低リスク通貨の円に対して売られたこともドル円に影響を及ぼしたが、今日の日本市場の時間外取引で米国長期金利が上昇し、日米金利差拡大による円売りドル買いが続いたことでは、ドルが円相場で上昇していた。

また、昼の13時半には、オセアニア市場でオーストラリアの豪州準備銀行 (RBA) の新政策金利の発表があり、前回と市場予想一致の現状の4.10%の豪政策金利に据え置いたことでも、豪ドルが対米ドルで売られたため、外貨への影響の波及もあり、日米金利差拡大時の円売りドル買いと相まって、ドルは円相場で午後に更に上昇した。

午後15時15分に日本の東京株式市場で今日の日経平均株価 (Nikkei 225 / JP225) が3万3036円76銭の終値をつけ、前日比97円58銭高で大引けすると、日本株高時のリスクオンの低リスク通貨の円売りが入り、午後からの欧州市場の参入による日米金利差拡大による円売りドル買いと重なったことで、午後15時台後半からドル円は一時147円台に乗り始め、午後16時37分頃に一時147円8銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今日の日本市場の夕方17時前頃には、時間外取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時4.22%台に上昇しており、金利抑制の日本銀行 (日銀 / BoJ) の大規模緩和の金融政策継続の日本との日米金利差が拡大していた。

一時147円台の日本市場の高値を記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたが、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は146円90~92銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円40~41銭付近の前東京終値比では約50銭の円安ドル高になっていた。

なお、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場でも、日米金利差拡大の円売りドル買いにより、19時台にドル円は再び147円台前半の本日の円相場でのドルの高値を更新している。

今夜この後には、祝日連休明けの米国市場で、日本時間の23時に最新米国経済指標の7月の米国製造業新規受注の発表予定などが控えている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は158円6~7銭付近と、前営業日同時刻の昨夜17時の158円3~8銭付近の前東京終値比でやや横ばいに近い約3銭の小幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、欧州長期金利上昇による日欧金利差拡大による円売りユーロ買いもあった中で、今日の午後に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標による欧州景気懸念の安全資産のドル買いや低リスク通貨の円買いのユーロ売りが影響を及ぼしたことなどが抵抗になった。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0756~1.0757ドル付近と、昨夜17時の1.0795~1.0796ドル付近の前東京終値比で約0.39セントのユーロ安ドル高だった。

主な原因は、今日の午後16時50分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの8月の仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値が前回と市場予想の46.7に対して46.0に低下し、続いて16時55分に発表されたドイツの8月の独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想一致の47.3の横ばいで、17時に発表された欧州ユーロ圏総合の8月の欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の48.3に対して47.9に低下していたことで、最近堅調だった米国経済指標と比較して、欧州景気懸念が継続した。

その後の今夜18時に欧州市場で発表された7月の欧州ユーロ圏総合の欧州卸売物価指数 (PPI) は、前月比が前回の-0.4%と市場予想の-0.6%に対し-0.5%と市場予想よりも欧州インフレの根強さを示したが、前年同月比では前回の-3.4%に対し市場予想通りの-7.6%であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は184円54~60銭付近と、昨日17時の184円79~85銭付近の前東京終値比で約25銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州の影響を受けたやすい英国ポンドにも景気懸念があり、低リスク通貨の円買い需要があった一方で、今夜17時半の日本市場の終値の後に発表された最新英国経済指標の8月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は、前回と市場予想の48.7に対し49.5に改善したことではポンドの買い戻しも入り、その後の今夜19時台の英国ロンドン外国為替市場では、前日比で横ばいレンジから小幅な円安ポンド高にも転じている。

オーストラリアの豪ドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の豪ドル円相場の終値は93円65~69銭付近で、昨日17時の94円65~69銭付近の前東京終値比で約1円0銭の大幅な円高豪ドル安であった。

主な要因は、オーストラリアの主要貿易先の中国景気懸念の影響で、リスク回避の豪ドル売りで安全資産のドル買いや低リスク通貨の円買い需要があり、また今日の豪準備銀行 (RBA) の政策金利の据え置きでは、豪ドルが米ドルなど他の主要通貨に売られた影響が円相場にも波及した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年9月5日の日本時間(JST)19時13分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時13分) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:13の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 147.17 〜 147.19 +0.77 (円安)
ユーロ/円 158.16 〜 158.17 +0.13 (円安)
ユーロ/ドル 1.0745 〜 1.0747 -0.0050 (ドル高)
英ポンド/円 184.83 〜 184.89 +0.04 (円安)
スイスフラン/円 165.68 〜 165.74 +0.08 (円安)
豪ドル/円 93.81 〜 93.85 -0.84 (円高)


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