FXニュース:今週米FOMCと日銀会合等控え

2023年9月18日
FXニュース:今週米FOMCと日銀会合等控え

 

東西FXニュース – 2023年9月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 先週末に今年最大の円安ドル高
  • 一時147円95銭を記録後の利確
  • 米NY連銀製造業景気指数が上昇
  • 米UM消費者態度指数は想定以下
  • 米長期金利が一時4.35%台記録

今日2023年9月18日月曜日の日本の東京外国為替市場は「敬老の日」で祝日休場でしたが、9時から17時頃までの世界FX市場での日本市場の外為取引相当時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の147円86銭前後から円の高値でドルの安値の147円55銭前後の値幅約31銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時時間は147円71~72銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円73~74銭付近の前東京終値比では、ほぼ横ばいレンジ圏に近い約1〜2銭の僅差の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、前回の東西FXニュースでもお伝えした通り、先週金曜日の日本市場の午後に米国ブルームバーグ (Bloomberg) 通信が、日本銀行 (日銀 / BoJ) の関係者内では、(先日の読売新聞のインタビューの)植田和男総裁の発言内容と市場の解釈との間のギャップを指摘する声が出ており、「日銀認識ほぼ変わらず」とのニュースを受けて、日銀 (BoJ) の早期金融緩和修正予想が後退し、円安要因の金利抑制の大規模緩和金融政策維持の市場予想が再び優勢になって主要通貨に対する円売りが進行し、先週金曜の夜19時55分頃の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇時の日米金利差拡大の円売りドル買いも相まって、一時147円95銭付近の昨年2022年11月4日以来のおよそ10カ月ぶりの今年最大の円安ドル高の記録を更新した。

円相場で年内高値記録を更新後のドルには利益確定売りの抵抗も入り始めたが、先週金曜の夜21時頃から土曜の朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場では、金曜の夜21時半に最新米国経済指標の9月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数が発表され、前回マイナス圏の-19.0と市場予想の-10.0に対しプラス圏の1.9と、市場予想を上回る大幅な改善を見せ、同時発表だった8月の米国輸入物価指数と米国輸出物価指数も市場予想以上のインフレを示したことで、金曜の22時頃にもドルは円相場で再び147円94銭付近の高値圏に達し、米国市場での円の安値でドルの高値を記録したが、前述の金曜19時55分の欧州市場での年内高値の手前では再び週末を控えた利益確定売りの抵抗がやや入り始めた。

先週金曜の夜22時15分に発表された8月の米国鉱工業生産の前月比も、市場予想の0.1%を上回る0.4%ではあったが、前回の1.0%と前回修正の0.7%からは低下していたものの、同時発表の8月の米国設備稼働率は前回の79.3%と前回修正の79.5%と市場予想の79.3%に対し79.7%と強く、ドルは円相場で高止まりに近いやや横ばいに近い推移を続けていた。

しかし、続いて先週金曜の夜23時に発表された市場注目度の高い9月の米国ミシガン大学(UM) 消費者態度指数の速報値が、前回の69.5と市場予想の69.1に対し67.7と、前回と市場予想を下回り、1年先の予想インフレ率も前月の3.5%から3.1%に鈍化し、2021年3月以来の低水準を記録したことを受けては、発表時の23時頃には一時147円61銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、最近の原油先物高によるエネルギー高や、これまでの堅調な米国経済指標の数々を受けて、米国の物価上昇のインフレ圧が意識されており、米国長期金利が上昇していたことでは、日米金利差拡大による円売りドル買いが継続しており、また今週9月19〜20日には米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国の新政策金利と金融政策を決める米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントを控えており、米国市場では今月には政策金利を据え置くとの市場予想が市場予測値で有名なフェドウォッチ (CME FedWatch Tool) で99%の大優勢ではあったが、1%の追加利上げの可能性を残し、更に次の10月31日〜11月1日の会合では0.25%の小幅の追加利上げ予想値の確率が30.7%および0.5%の大幅追加利上げの可能性が0.3%で11月の金利据え置き予測値が確定値の70%を下回る69%に低下していたことでは、米国利上げ長期化予想による日米金利差拡大予想でドルは円相場で下げ渋った。米国ニューヨーク債券市場では、米国長期金利の指標となる米国10年債の利回りは、4.2985%~4.334%付近の高値圏で売買が交錯していた。

一方で、米国ニューヨーク株式市場では、米国インフレ圧が意識され、米国主要株価低下時のドルから買える安値の低リスク通貨の円買いやイベント週を控えた週末の利益確定や持ち高調整の抵抗もやや入ったことでは、やや横ばいに近い値動きも混ざった。

そのため、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、欧州市場での先週金曜19時55分頃の今年最大の円安ドル高記録の147円95銭付近に近い円の安値でドルの高値の147円94銭前後から円の高値でドルの安値の147円61銭前後の値動きで、先週末の土曜の朝6時頃のニューヨーク終値を147円85銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約38銭の円安ドル高でつけていた。

週が明け、今朝の月曜日のオセアニア市場では、先週末に今年最大の円安ドル高を記録したニュースがあった円相場のドルは、今週の日米の金融政策決定会合のイベントを控えたイベント前の高値圏のドルの利益確定売りと安値の円の持ち高調整などで、今朝早朝6時台には147円72銭付近から始まり、一時147円64銭付近まで円が買われていたが、日米金利差拡大による円売りドル買いもあり、ドルは円相場で一時147円88銭付近まで買い戻された。

今朝9時頃からの今日の日本市場は敬老の日の祝日休場ではあるが、開場中の世界FX市場からの値動きの影響があり、日本と時間帯の近いアジア・オセアニア市場では、今朝9時頃の日本市場相当時間のドル円相場は一時147円86銭付近の今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値圏から始まった。

今朝は日本と時間帯の近いオセアニア市場のオーストラリアの主要貿易先である中国の株式のCSI300指数が、アジア市場で一時年内安値記録を更新したため、アジア株安時のリスク回避 (リスクオフ) の豪ドル売りで、世界的に流動性の高い安全資産のドルに続いて、低リスク通貨の円が買われた影響が対ドルの円相場にも波及したため、対ドルの円相場が上昇し、午後15時26分頃には一時147円55銭付近の今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、午後からの欧州英国市場の参入があり、今日の夕方には米国長期金利の指標となる米国10年債の利回りは一時4.354%付近に向けて上昇し、米国長期金利上昇に伴う日米金利差拡大による円売りドル買いが入ったことでは、ドルは円相場で反発したものの、今週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) とその後の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長の発言予定や、日銀金融政策決定会合を控えたイベントリスクによるドルの持ち高調整の利益確定売りや買い控えも入り始めたことでは、ドルは円相場で今朝からのアジア・オセアニア市場での下げ幅を、夕方の欧州英国市場で縮める形となった。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値相当時時間は147円71~72銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円73~74銭付近の前東京終値比では、ほぼ横ばいレンジ圏に近い約1〜2銭の僅差の円高ドル安になった。

今夜この後には、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に9月の米国の全米住宅建設業者協会 (NAHB) 住宅市場指数と、29時に7月の対米証券投資などの発表予定がある。

また、今週は9月20日に米国新政策金利と金融政策発表などの大イベントを含むイベント週で、9月21日にはスイスと英国とトルコと南アフリカの新政策金利発表や、22日の金曜日には日銀金融政策決定会合の結果発表を控えていることが市場で注目されており、イベント前の持ち高調整や結果が分かるまでの買い控えなども入り始めている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値相当時間は157円49~50銭付近と、前営業日同時刻の先週金曜17時の157円54~55銭付近の前東京終値比で約5銭の小幅な円高ユーロ安であった。

横ばいレンジ圏に近いため、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、19時半頃には小幅な円安ユーロ高にも転じている。

主な要因は、先週末の欧州英国市場では、先週9月14日の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の利上げ時の声明文の内容により、欧州利上げサイクルの終了が近い可能性が意識され、ユーロ売りドル買いが続いた影響でユーロ安になっていたが、原油先物高を受けた欧州インフレ圧により、欧州ユーロ圏主要国の国債利回りが上昇したことでは、日欧金利差による円売りユーロ買いの抵抗や、ドルなどの主要通貨に対する安値圏からのユーロの買い戻しが入ったため、小幅域になった。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値相当時間は1.0661~1.0663ドル付近と、先週金曜日17時の1.0662~1.0664ドル付近の前東京終値比で約0.01セントのほぼ横ばいレンジ圏に近いユーロ安ドル高で、今夜19時半頃の英国ロンドン外国為替市場では小幅なユーロ高ドル安にも転じている。

主な原因は、先週末の欧州中央銀行 (ECB) のラガルド総裁の「利下げは議論していない。金利については、今後のデータ次第」との再発言で、欧州利上げ打ち止め予想がやや後退していたことでも、欧州長期金利上昇時には高値後のイベント前のドルに対する利益確定売りで、安値後のユーロの買い戻しが入っていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間は182円84~90銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の17時183円65~71銭付近の前東京終値比で約81銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、地理的および経済的に近い欧州ユーロの影響を受けて、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) にも英国利上げサイクル終了時期に関する市場予想が高まっていたことで、英国ポンドがドルなどの主要通貨に対して売られた影響が円相場にも波及した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2023年9月18日の日本時間(JST)19時30分(チャート画像の時間帯は英国ロンドン外国為替市場時間の夏時間 (GMT+1 / BST) 11時30分) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:30の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 147.62 〜 147.64 -0.11 (円高)
ユーロ/円 157.56 〜 157.58 +0.02 (円安)
ユーロ/ドル 1.0672 〜 1.0673 +0.0010 (ドル安)
英ポンド/円 183.10 〜 183.16 -0.55 (円高)
スイスフラン/円 164.83 〜 164.89 -0.27 (円高)
豪ドル/円 95.06 〜 95.10 -0.35 (円高)


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