FXニュース:日経平均株価が大幅に上昇

2023年10月10日
FXニュース:日経平均株価が大幅に上昇

 

東西FXニュース – 2023年10月10日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 中東情勢懸念のリスク回避
  • 米FRB高官達のハト派発言
  • 米金融引き締め予想が後退

今日2023年10月10日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の 148円16銭前後から円の安値でドルの高値の149円7銭前後の値幅約91銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円95~96銭付近で、昨夜17時の149円16~17銭付近と比較すると約21銭の円高ドル安であったが、昨日は日本が祝日休場であったため、連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円87~89銭付近の前東京終値比では約8銭の小幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場はスポーツの日で祝日休場であったが、昨夜の欧州英国株式市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏には地中海沿岸の国も含まれるため、地理的に遠く感じない中東イスラエルがパレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスの攻撃を受けて戦争状態に陥った地政学リスクの緊張感の高まりにより、中東情勢の悪化懸念を受けたリスク回避のリスクオフの欧州株売りと世界的に流動性が高い安全資産のドル買いがまず先行していたが、先週末に米国のバイデン大統領がイスラエル支援の発言をしたことなどから、今後中東の戦争が激化した場合には米国が関与するリスクへの警戒感もあり、次第に安全資産のドルからでも買える低リスク通貨の日本円買い需要が高まり、円相場の上昇に繋がった。

昨夜の米国ニューヨーク外国為替市場は、コロンブスの日の祝日で一部休場であったが、アメリカでは州によって祝日が異なる関係もあり、米国ニューヨーク株式市場などは開いていたが、FX市場全体の参加者が平日よりも減ったことで、為替相場の値動きのボラティリティ (変動) が普段よりも大きく出やすくなっていたため、昨夜21時前頃に149円台前半で推移し、昨夜21時16分頃に一時149円18銭付近の米国市場該当時間の円の安値でドルの高値を記録していたドルは、低リスク通貨の円買いドル売りで148円台前半に向けた大幅な下落を始めた。

この原因には、昨夜には次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / The Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / The Federal Reserve Board) 高官達の発言の影響があり、ハト派寄りの発言が含まれていたことを受けた米国金融引き締め長期化予想が後退も、円買いドル売りへの影響を及ぼした。

昨夜22時頃からは、米国ダラス連銀のローガン総裁が全米企業エコノミスト協会 (NABE) 会議で講演し、最近の米国長期債の利回りが指標となる米国長期金利が2007年以来の4.8%台などの記録的な上昇を受けて、「タームプレミアム (投資家が米国長期債を保有時のリスクに対して求める上乗せの利回り) が上昇し、米国インフレ沈静化に向けた我々の仕事を一部肩代わりしてくれるのであれば、金融政策で米国政策金利の追加利上げをする必要性が低下する可能性がある」と、追加利上げに消極的なハト派寄りの発言をした。

ただし、ローガン総裁は、「米国長期金利上昇の背景に、米国経済の強さがある場合に限り」と、場合によっては、追加利上げの必要性が出てくる可能性も示唆したものの、中東情勢リスク回避でも低リスク通貨の円買いドル売りのトレンドであったため、米国利上げ長期化予想の一時減退による日米金利差拡大予想の減退も、この時間の円相場の上昇に繋がった。

同じイベントには、米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェファーソン副議長も参加しており、ジェファーソン副議長もローガン総裁に続いて、午前2時半頃から「米国債券の利回り上昇を通じた金融環境の引き締まりを引き続き認識し、将来の米国金融政策の軌道を判断するに際に留意する」と発言し、先述のローガン総裁のハト派寄りの発言に同調を示したことで、複数のFRB高官達が米国の追加利上げに対して慎重なハト派寄りの姿勢を示す発言をしたとして、米国利上げ長期化予想の後退による円買いドル売りが進行し、午前4時2分頃に一時148円43銭付近の米国ニューヨーク外国為替市場該当時刻の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、昨夜の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の銀行監督担当のバー副議長の発言内容は、昨夜の米国銀行協会 (ABA) のイベントで、米国規制当局が7月に示した大手銀行を対象にした資本要件の大幅引き上げの政府包括案について、ABAなどの複数の金融ロビー団体がFRBに計画取り止めを要請していたが、以前に金融不安が起きた経緯上、米国の金融システムの安全性を高めるものだと擁護していた。

米国ニューヨーク株式市場では、地政学的なリスク回避で一時低下した米国株式市場が、米国FRB高官達の発言を受けた米国金融引き締め長期化予想の後退による金利上昇警戒感の緩和と、米国金融不安リスクの軽減などもやや影響して、市場後半に反発したことでは、低リスク通貨の円が高値後に利益確定売りでドルが買い戻される抵抗も混ざった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場は祝日休場ではあったが、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク終値相当時刻の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の149円18銭前後から円の高値でドルの安値の148円43銭前後の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は148円51銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約81銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場と連休明けの日本市場でも、時間外の米国債券市場の始まりに、昨夜の米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言を受けて、昨夜の休場中の米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、前日終値の4.8%台で高止まりしていたものが、今朝早朝の時間外取引開始で一時4.6%台に急落したことを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、円相場がさらに上昇し、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場では、今朝9時6分頃に今日の日本市場の円の高値でドルの安値の一時148円16銭付近を記録した。

ただし、今日の連休明けの日本市場では、今日は日本の貿易企業の決算日が集中しやすい5と10が付く「五十日(ゴトーび / ごとおび)」で、今朝9時55分の仲値決済に向けた輸入実需の円売りドル買いが入った。

さらに日本市場時間には、投資系などの市場でも、高値後の円の利益確定売りと安値圏からドル買いなどにより、ドルは円相場で反発と上昇を始めた。

この原因には、今日は連休明けの東京株式市場で、日経平均株価 (Nikkei 225 / JP225) が大幅に上昇を始めたことでも、日本株高時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りが入りやすくなったことも影響を及ぼした。

午後15時15分に今日の日経平均株価が3万1746円53銭の終値と、前営業日比で751円86銭高の大幅高で大引けすると、日本株高時のリスクオンの低リスク通貨の円売りの勢いが増し、午後16時26分頃に一時149円7銭付近の今日の円の安値でドルの高値を記録した。

夕方からの欧州英国市場の本格参入では米国利上げ長期化予想の後退によるドル売りユーロがいの影響の波及で、円相場のドルにもやや抵抗が混ざったものの、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は148円95~96銭付近と、世界市場の昨夜17時の149円16~17銭付近と比較すると約21銭の円高ドル安であったが、日本の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円87~89銭付近の前東京終値比では約8銭の小幅な円安ドル高になった。

今夜この後には、日本時間の今夜22時半頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権はないが米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官の米国アトランタ連銀ボスティック総裁の発言予定があり、今夜23時に最新米国経済指標の8月の米国卸売売上高の発表予定、26時に米国3年債の入札予定、26時半頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のウォラー理事の発言予定と、28時頃から同じく次回の投票権を持つ米国ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の発言予定などがある。

また、市場での注目度の高さでは、明日水曜日の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) と米国のFOMC議事録発表と、そして、重要度の高い今週木曜日の米国消費者物価指数 (CPI) の発表予定へと向けられており、持ち高調整なども入り始めている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は157円46 〜48銭付近で、昨夜17時の156円95~96銭付近と比較すると約51銭の円安ユーロ高であるが、日本市場の祝日連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の157円9~11銭付近と比較すると約37銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価の大幅高を受けたリスクオンの低リスク通貨の円売りで、リスク選好で買われやすいユーロが買われた影響などが出ていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0570~1.0572ドルで、昨夜17時の1.0521~1.0523ドル付近と比較すると約0.49セントのユーロ高ドル安であったが、日米市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0550~1.0552ドル付近の前東京終値比で約0.20セントのユーロ高ドル安だった。

主な要因は、先述の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達の発言を受けた米国利上げ長期化予想の後退により、米国長期金利低下時のドル売りユーロ買いが影響を及ぼした。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は182円15〜21銭付近で、昨日17時の181円47~53銭付近と比較すると約68銭の円安ポンド高であったが、日本の祝日連休前の前営業日同時刻である先週金曜日17時の181円68~74銭付近の前東京終値比では約47銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、欧州ユーロ同様に、今日の大幅な日本株高時のリスクオンの円売りでは英国ポンドも買われていたことなどが影響していた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年10月10日の日本時間(JST)19時29分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の夏時間 (GMT+1 / BST / JST-8) 11時29分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 19:29の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 148.93 〜 148.94 +0.71 (円安)
ユーロ/円 157.80 〜 157.81 +0.71 (円安)
ユーロ/ドル 1.0594 〜 1.0596 +0.0044 (ドル安)
英ポンド/円 182.67 〜 182.73 +0.99 (円安)
スイスフラン/円 164.54 〜 164.60 +1.33 (円安)
豪ドル/円 95.45 〜 95.49 +0.65 (円安)


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