FXニュース:米購買担当者景気指数控え

2023年11月24日
FXニュース:米購買担当者景気指数控え

 

東西FXニュース – 2023年11月24日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日米金利差拡大の円安続く
  • 日経平均株価今年の最高値
  • 株高時の低リスク通貨売り
  • 米経済指標発表控え調整も
  • 欧英景気懸念後退の買戻し

今日2023年11月24日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の149円71銭前後から円の高値でドルの安値の149円20銭前後の値幅約51銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円43~45銭付近と、世界市場の昨日17時の149円14~15銭付近と比較すると約29銭の円安ドル高で、昨日は日本市場が祝日休場であったため前営業日同時刻にあたる一昨日17時の148円94~96銭付近の前東京終値比では約49銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日は日本の勤労感謝の日と米国感謝祭で日米市場が祝日休場であったが、昨日の東西FXニュースでもお伝えした通り、昨夕の英国ロンドン外国為替市場で発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツ及び欧州ユーロ圏総合と英国の最新経済指標が市場予想を上回ったことから、欧州英国景気懸念が緩和され、欧州ユーロや英国ポンドが低リスク通貨の円に対して買い戻されて円相場で上昇した影響が対ドル円相場に円安圧として波及したほか、昨夜21時半に公開された前回10月25~26日開催分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会議事要旨の内容に、経済データ次第の方針ではあるが、「欧州追加利上げの可能性を残しておくことを支持」とあり、日欧金利差拡大の可能性が意識されていた。

昨夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場は米国感謝祭 (Thanksgiving Day) の祝日休場で、今日もカレンダー上では一応は平日ではあるが、米国で年内最大の売り上げが計上されることが多いブラック・フライデー (Black Friday) セールのイベント日であり、米国では昨日から今週末にかけて休暇を取る習慣が一般的なホリデー時期のため、昨夜の米国市場相当時間の世界市場も、市場時間が重なる前述の英国ロンドン外国為替市場の値動きの影響が強く、昨夜22時1分頃の一時149円44銭付近が昨夜から今朝までの米国市場該当時間の円の高値でドルの安値となってドルが円相場で上昇を続け、同時進行中だった欧州株式市場で景気懸念後退による欧州株価上昇時のリスクオン (リスク選好) の低リスク通貨の円売りの影響もあり、深夜24時7分頃に一時149円69銭付近の米国市場該当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、昨夜発表の11月の英国購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) 速報値の総合指数が50.1と好景気と不景気のボーダーライン (境界線) の50を4カ月ぶりに上回ったことが好感されたリスクオンの英国ポンド買いの影響は、低リスク通貨の円だけでなく、世界的に流動性が高い安全資産のドルに対しても波及していたことや、ドイツの株価指数の独DAXはプラス圏で終値を付けたが英国株価指数のFTSE100は小幅なマイナス圏で終値をつけたため、安値後の低リスク通貨の円買いと高値後のドルの利益確定売りの抵抗もやや入った後、英国ロンドン外国為替市場終了後の米国市場該当時間後半にはやや横ばいに近い小幅な値動きに転じた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円44銭前後から円の安値でドルの高値の149円69銭前後の値動きで、今朝7時頃のニューヨーク終値相当時間は149円56銭付近と、前日同時刻の前ニューヨーク終値比で約2銭の小幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝8時半のオセアニア市場時間には、日本の最新重要経済指標の発表があり、10月の日本の全国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) は、前年同月比が前回の3.0%と市場予想の3.4%に対し3.3%と前回よりは上昇したものの市場予想を下回り、生鮮食料品を除いたCPIコア指数の前年同月比も前回の2.8%と市場予想の3.0%に対し2.9%の市場予想以下で、生鮮食料品とエネルギー除いたCPIコアコア指数は、前回の4.2%と市場予想の4.1%に対し4.0%と前回と市場予想よりも鈍化しており、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の金融緩和修正期待が更に後退し、日銀の金利抑制の大規模緩和金融政策継続予想が優勢で、日米金利差拡大予想の円売りドル買いが入った。

今朝9時頃からの祝日休み明けの今日の日本市場では、昨日の勤労感謝の日の休場前に発表されていた最新米国経済指標の米国雇用関連の指標が堅調で、11月の米国ミシガン大学の消費者態度指数の確報値が速報値から上方修正された上に、米国消費者の1年後の予想インフレ率が4.5%に上昇し4月以来の高水準で、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 議事要旨で米国利下げ転換に言及していなかったことなどもあり、米国政策金利が高金利で長期間維持されるとの市場予想が高まり、日本市場時間の今朝の時間外米国債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇が意識されており、円安要因である日米金利差拡大による円売りドル買いの影響もあり、今朝9時8分頃にドルは円相場で一時149円71銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、今朝の日経平均株価 (Nikkei 225 / JP225) が上昇し、今年の高値を一時上回ったことも、リスクオンの低リスク通貨の円売りに影響を及ぼしていた。

ただし、今朝9時55分の今日の日本市場の仲値決済では、明日の25日は土曜日のため、今日が実質的な日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ゴトーび / ごとおび) にあたるが、前述の通り米国はホリデー・シーズンで輸入実需の円売りドル買い需要は少なめで、その一方で、輸出企業の円買いドル売りや、ドル円が21日に一時147円台を記録後に149円台後半に乗せたため投資系の利益確定や持ち高調整の円買いドル売りが入り始めたため、米国長期金利はやや上昇トレンドではあったものの、対ドル円相場には円安抵抗も入り、午後14時12分頃には一時149円20銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝の4.45%台付近から今日の午後には4.49%台付近に向けて米国長期金利が上昇していたため、利益確定や持高調整の一巡後には再び、かねてからの円安要因でもある日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢になった。

また、午後15時15分には今日の東京株式市場で今年の高値を記録後の日経平均株価が、3万3625円53銭の終値と前営業日比で173円70銭高の大幅高で大引けしたため、日本株高時のリスク選好市場での低リスク通貨の円売りも再開し、再び円相場が下落した。

なお、今日のブラック・フライデーは正式な米国の連邦祝日の休日ではないため、米国のホリデー・シーズンで参加規模の縮小は予想されてはいるが、流動性の関係では小さな値動きも大きく出やすくなる可能性から、今夜この後の米国市場は開場予定で、今夜23時45分の最新米国経済指標の11月の米国購買担当者景気指数 (PMI) 速報値の発表予定が注目されており、イベント前の持ち高調整も入り始めている。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は149円43~45銭付近で、世界市場の昨夜17時の149円14~15銭付近と比較すると約29銭の円安ドル高で、昨日の日本市場の祝日休場前の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の148円94~96銭付近の前東京終値比で約49銭の円安ドル高になった。

今夜この後には、前述の最新米国経済指標の発表があり、今夜23時45分に11月の米国製造業・サービス部門と総合の購買担当者景気指数 (PMI) 速報値は発表される予定である。ただし、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達も休暇中の可能性が高く、特に注意すべき今夜の米国の要人発言予定は、現時点では伝わってきていない。

ただし、欧州市場では今夜19時頃から欧州中央銀行 (ECB) 理事会のラガルド総裁の発言があり、欧州インフレについて、「闘いはまだ終わっていない。勝利を宣言する状態にないのは明らかだ」と発言していたことが先ほど伝わっている。

今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は163円0〜1銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の162円61〜62銭付近の前東京終値比で約39銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨夜の欧州経済指標を受けた欧州景気懸念後退や、日欧株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りで欧州ユーロも買われていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0906〜1.0908ドル付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる一昨日17時の1.0916〜1.0917ドル付近の前東京終値では約0.10セントのユーロ安ドル高であったが、世界FX市場の昨夜17時の1.0912〜1.0914ドル付近と比較すると約0.06セントの小幅なユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先述の昨夜の市場予想以上の欧州経済指標を受けた欧州景気懸念の一時後退では欧州ユーロが安全資産のドルに対して買い戻されたが、欧州指標は好景気と不景気の境界線の50を軒並み下回っていたことや、米国経済指標と比較すると依然として欧州ユーロ圏は強弱が入り混ざっており、今日の夕方16時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新重要経済指標の7〜9月の第3四半期期の独国内総生産 (GDP / Gross domestic product) の改定値は、前回と市場予想通りの前期比-0.1%の横ばいのマイナス成長で、前年同期比は前回と市場予想の-0.3%に対し-0.4%に低下していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンドの円相場の終値は187円25〜31銭付近で、日本市場の祝日前の前営業日同時刻の一昨日17時の186円58〜64銭付近の前東京終値比で約67銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、昨夜の英国経済指標が市場予想以上かつ、わずかに好景気寄りの50以上であったことで、英国景気懸念の緩和により、主要通貨に対する英国ポンドの買い戻しが入ったほか、先日の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のベイリー総裁の発言の影響もあり、英国のインフレ圧の根強さが意識され、日英金利差予想による円売り英ポンド買いなども影響を及ぼした。

また、今日の日本株価上昇によるリスクオンの低リスク通貨の円売りでも、ドルや欧州ユーロだけでなく、英国ポンドも買われていた。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年11月24日の日本時間(JST)20時50分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の午前11時50分頃。なお、サマータイム制のある米国市場も現在冬時間で、日本との時差が14時間遅れのJST-14 / GMT-5になっている) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:50の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 149.56 〜 149.58 +0.62 (円安)
ユーロ/円 163.23 〜 163.25 +0.62 (円安)
ユーロ/ドル 1.0913 〜 1.0915 -0.0003 (ドル高)
英ポンド/円 187.95 〜 188.01 +1.37 (円安)
スイスフラン/円 169.30 〜 169.36 +0.68 (円安)
豪ドル/円 98.28 〜 98.32 +0.87 (円安)


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