FXニュース:今夜の米消費者物価指数控え

2023年12月12日
FXニュース:今夜の米消費者物価指数控え

 

東西FXニュース – 2023年12月12日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 明日米政策金利発表イベント
  • 明後日に欧英瑞の金融政策も
  • 来年の日銀の修正予想が浮上

今日2023年12月12日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の146円13銭前後から円の高値でドルの安値の145円22銭前後の値幅約91銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円49~50銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円38~40銭付近の前東京終値比で約89銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の東西FXニュースでもお伝えした通り、昨夕の英国ロンドン外国為替市場では、来週12月18〜19日に次回の日本銀行 (日銀 / BoJ /Bank of Japan) 金融政策決定会合を控える複数の日銀関係者達が、日本のマイナス金利や長短金利操作のイールドカーブ・コントロール (YCC / Yield Curve Control)の撤廃などを、「今月急ぐ必要はほとんどない」との認識を示したと米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) が報じたことをきっかけに、先日の植田総裁の「年末から来年にかけて」の「チャレンジング」発言を受けた日銀の早期のマイナス金利解除予想が後退し、主要通貨に対する円売りが起きて対ドル円相場ではドルが上昇し、昨夜22時頃の米国ニューヨーク外国為替市場のドル円は一時146円36銭付近から始まった。

しかし、米国ニューヨーク外国為替市場では、今夜この後から米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が2日間開催する予定の今週12月12〜13日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) のビッグイベントを控えるドルにはイベント前の早期の利益確定売りや持ち高調整が入りやすくなっており、低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗が始まったことでは、昨夜23時45分頃に対ドル円相場は一時146円5銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、同時進行だった米国ニューヨーク株式市場は、米国主要株価三指数が続伸していたことでブル・マーケット (強気市場 / Bull Market) になり、リスクオン (リスク選好 / Risk-on) で安全資産の米国債や低リスク通貨の円が売られたほか、米国ニューヨーク債券市場で午前1時半に米国財務省が実施した米国3年債の入札結果が低調であったため、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響が他の種類の米国債にも波及し、午前3時に入札を控えていた米国10年債の利回りも連動する様に上昇に向かい、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.29%付近に向けて上昇したため、日米金利差拡大による円売りドル買いが起きて、午前1時35分頃に一時146円59銭付近の米国市場および日通しの円の安値でドルの高値を記録した。

今夜この後には米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が今後の金融政策を決める上で重視しているインフレ指標の最新米国重要指標の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) 発表予定のイベントもあり、米国インフレ鈍化の市場予想が優勢であったために、イベントリスクを控えるドルには米国市場および日通し高値の記録後には再び利益確定売りや持ち高調整が入りやすくなり、今週は米欧英瑞の金融政策発表イベントリスクもあり、安全資産の米国債買いで米国長期金利が上昇後の低下に転じたため、日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いとイベント前のドルの買い控えや様子見などの値動きも入り始めたが、今朝の米国市場の前終値比では、昨夕の東京外国為替市場と英国ロンドン外国為替市場時間の日銀マイナス金利解除予想の後退による円相場下落の影響が残っていた。

そのため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の146円5銭前後から円の安値でドルの高値の146円59銭前後の値動きで、今朝7時頃のニューヨーク終値を146円16銭付近と前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約1円21銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時50分には、日本の最新経済指標の発表があり、11月の国内企業物価指数の速報値は、前月比が前回の-0.4%と前回修正の-0.3%に対し市場予想通りの0.2%であったが、前年同月比は前回の0.8%と前回修正の0.9%と市場予想の0.1%に対し0.3%と、前回よりは鈍化したものの市場予想を上回ったことでは、来週の日銀の早期のマイナス金利解除予想は後退していたものの、来年にいずれは日銀の金融政策の修正時期が来るのではないかという市場予想が浮上し始めた。

今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場では、今夜この後の米国消費者物価指標 (CPI) 発表イベントや今夜から始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のビッグイベントを前にしたイベントリスクのドルの利益確定売りや持ち高調整が優勢になり、同じく明後日の12月14日に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会や英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) を控えるイベントリスクの近い欧州ユーロや英国ポンドに対し、来週の日銀金融政策決定会合のイベント日まで時間のある低リスク通貨の円を買い戻す値動きが強まったため、今日の日本市場の開場直後の今朝9時8分頃の一時146円13銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、その後の今日の日本市場では対ドルの円相場が反発と上昇を続けた。

今日の東京株式市場で日経平均株価 (Nikkei 225 / JP225) が一時大幅に上昇していたことでは、低リスク通貨の円が利益確定で売られる抵抗も混ざったが、その後には上昇後の株価にも利益確定売りの抵抗が入り、午後15時15分に3万2843円70銭の終値と、前日比で51円90銭高の小幅域に転じたことでは、リスクオンによる為替相場への影響も小幅抵抗に留まった。

また、午後からの欧州英国市場の参入でも、今週の米欧英瑞の金融政策発表のイベントリスクを前にしたリスクオフ (リスク回避 / Risk-off) で、世界的な安全資産でもある米国債が買われたことで債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で米国長期金利が一時4.18%台付近に向けて低下し、日米金利差縮小時の円買いドル売りが起き、午後16時6分頃にドルは円相場で一時145円22銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円相場の終値は145円49~50銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円38~40銭付近の前東京終値比では約89銭の円高ドル安になった。

今夜この後には、前述の通り、最新米国重要経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時半に市場注目度の高い11月の米国消費者物価指数 (CPI) とコア指数の発表予定と、27時に米国30年債の入札予定、28時に11月の米国月次財政収支などが発表される予定である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は156円76〜77銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円40〜45銭付近の前東京終値比では約64銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、明後日の12月14日に、欧州新政策金利と金融政策を決定する今年最後の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会を控えたイベントリスクなどによる持ち高調整の欧州ユーロ売りで、低リスク通貨の円の買い戻しが入っていた。ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0776〜1.0778ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0753〜1.0757ドル付近の前東京終値で約0.23セントのユーロ高ドル安であった。

主な原因は、今夜この後に最新米国重要経済指標の米国消費者物価指数 (CPI) 発表と、明日の夜に欧州に先駆けて米国新政策金利発表イベントを控えるイベントリスクの近いドルの持ち高調整が対欧州ユーロでも進んでいた。

また、今月の金融政策の関する市場予想では、米欧ともに利上げ終了予想が優勢で、米国よりも景気懸念の強い欧州の利下げ転換時期の方が早期になるという市場予想が出ていたが、欧米ともにインフレ抑制が目的でこれまでも追加利上げが行われて来たために、追加利上げの可能性を排除していない欧米では、市場予想では鈍化の予想が出ているものの、今夜の米国消費者物価指数 (CPI) の実際の結果が注目される中で、今日の午後16時に欧州市場で発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新経済指標の11月の独卸売物価指数 (WPI / Wholesale Price Index) の前月比は前回の-0.7%から-0.2%に上昇しており、欧州のインフレ鈍化も利下げ転換には重要な要素となるために、ドルの利益確定売りや持ち高調整と欧州ユーロの買い戻しなど、ユーロドルの持ち高調整も進んでいた。

さらに、今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の12月の欧州ZEW景況感調査も前回の13.8に対し23.0に上昇し、ドイツの12月の独ZEW景況感調査の期待指数も前回の9.8と市場予想の8.8に対し12.8と前回と市場予想以上に上昇した。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンドの円相場の終値は182円65〜71銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の183円66〜72銭付近の前東京終値比で約1円1銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、明後日の12月14日に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) 金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) による英国新政策金利と金融政策発表のイベントリスクも控えており、今日の日本市場のドルや欧州ユーロなどの主要通貨に対する低リスク通貨の円の買い戻しの影響の波及もあり、円が大幅高になった。

なお、今日の午後16時に発表された最新英国経済指標の11月の英国失業保険申請件数は、前回の1.78万件と前回上方修正の0.89万件と市場予想の1.50万件に対し1.60万件で、11月の英国失業率は前回と横ばいの4.0%、10月の英国失業率 (ILO方式) も前回と市場予想通りの4.2%の横ばいであった。

今日の東西FXニュース執筆終了時の2023年12月12日の日本時間(JST)20時24分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時24分頃。なお、サマータイム制のある米国市場も現在冬時間で、日本との時差が14時間遅れのJST-14 / GMT-5になっている) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。

通貨ペア JST 20:24の為替レート 日本市場前営業日17時の前東京終値時間比
ドル/円 145.23 〜 145.25 −1.15 (円高)
ユーロ/円 156.81 - 156.83 −0.59 (円高)
ユーロ/ドル 1.0796 - 1.0797 +0.0043 (ドル安)
英ポンド/円 182.56 - 182.62 −1.10 (円高)
スイスフラン/円 165.83 - 165.89 −0.53 (円高)
豪ドル/円 95.70 - 95.74 −0.29 (円高)


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