FXニュース:日経平均株価続伸リスクオン
2024年1月15日東西FXニュース – 2024年1月15日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米PPI鈍化で早期利下げ予想
- 米サービスインフレは根強く
- 米FRB高官がデータ重視発言
- 日銀の春闘賃上げ様子見予想
今日2024年1月15日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの外為取引時間の対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の144円93銭前後から円の安値でドルの高値の145円55銭前後の値幅約62銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は145円43~44銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の145円14~15銭付近の前東京終値比では約29銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜の夜の英国ロンドン外国為替市場では、中東情勢の緊迫感のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) などからリスク市場に弱い欧州通貨に対する欧州国債買いと、世界的に流動性の高い安全資産のドルと低リスク通貨の円が買われた値動きの影響に加えて、前日の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) のサービス・インフレの強さへの警戒感などから、先週金曜22時半の米国生産者 (卸売) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) の発表前の先週金曜の夜22時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場では、ドルは円相場で一時145円37銭付近の始値から上昇し、先週金曜22時20分頃には一時145円57銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録したが、先週金曜日22時30分に発表された最新米国重要経済指標の先月12月の米国生産者 (卸売) 物価指数 (PPI) は、前月比は前回の0.0%と市場予想の0.1%の上昇率に対して-0.1%に鈍化し、前年同月比も前回の0.9%と市場予想の1.3%に対し1.0%の上昇率と前回よりはやや上昇したもののいずれも市場予想を下回った。
また、12月の米国生産者 (卸売) 物価指数 (PPI) から、気候条件などで価格変動の激しい生鮮食品やエネルギーを除き物価の基調を見る米国PPIコア指数も、前月比は市場予想の0.2%に対し前回と横ばいの0.0%で、前年同月比は前回の2.0%と市場予想の1.9%に対し1.8%と米国卸売物価のインフレ鈍化傾向を示したことで、前日の米国消費者物価上昇後には一時警戒感が高まった後の米国のインフレ抑制のための追加利上げ予想が0.0%を保つ一方で、米国の中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の今年3月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の早期の米国利下げ予想が市場で再燃し、市場予想値で有名なフェドウォッチ (FedWatch) で確定値の70%を一時79.5%付近に超えたことなどから、米国PPI発表前は一時4.00%台後半付近だった米国長期金利が低下し、米国PPI発表後には一時3.91%台付近に急低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りが起きたほか、主要通貨に対するドル売りが続き、ドルは円相場で深夜24時16分頃に一時144円35銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、米国ニューヨーク株式市場では、この日は大手金融機関や銀行の決算報告が続いており、強弱入り混じった決算報告などにより、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利には、米国債の債券価格上昇に伴う利回り低下後の高値の米国債の売りによる債券価格低下後の利回り上昇が入り始めて米国長期金利が反発して下げ幅を縮めたことから、日米金利差拡大による円の利益確定売りとドルの買い戻しが入り始めた。
また、今夜この後の月曜日の翌米国市場は米国祝日のキング牧師記念日 (Martin Luther King Jr. Day) ため、連休を控えた週末の米国株式市場では、先週の週間では米国主要株価三指数が揃って上昇していたことなどから、高値後の低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しに加えて、外貨に対する連休前のドルの買い戻しの抵抗も入り始めた。
FX市場でも、ファンダメンタル分析の米国経済指標発表のイベントの後には、米国長期金利の反発と共にテクニカル分析の1月10日の安値の144円32銭付近のサポートラインが意識されたドルの買い戻しも入り始めた。
しかし、米国主要株価三指数のうち、利益確定売りの後の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) は前日比では大幅安の終値に向かったほか、S&P500種 (Standard and Poor’s 500) とナズダック平均 (NASDAQ Composite) も前日比で小幅高の終値になったことでは、低リスク通貨の円が買われる値動きも続いた。
ただし、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国シカゴ地区連銀のグールスビー総裁の発言があり、米国のインフレを目標の2%に抑制するための取り組みには、「良好な進展」が見られるとしたほか、昨年の前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の今年の0.75%の米国利下げの「見通し」を受けて、市場が幾分、「混乱」していると指摘し、「見通し」はあくまで昨年のその時点での予想であり、政策決定の予定ではなく変更の可能性もあるため、実際の決定は「データ次第」と改めて強調しており、市場は見通しや発言などではなく、実際の「データ」に反応することを期待しているとしたことがニュースになった。
米国長期金利の利回りの反発などを受けて、フェドウォッチ (FedWatch) で一時は確定値を大きく超えた今年3月の早期の米国利下げ予想も、再び金利先物データの傾向から、確定値割れへの低下傾向を見せ始めており、対ドルの円相場は米国PPI発表後の一時の大幅な上昇幅を縮めていた。
このため、先週金曜の夜から土曜の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は円の安値でドルの高値の145円57銭前後から円の高値でドルの安値の144円35銭前後の値動きで、先週土曜の朝7時前頃の先週末のニューヨーク終値を144円88銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の145円29銭付近と比べて約41銭の円高ドル安をつけていた。
週が明けた今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルの先週末の安値感などから、オセアニア通貨などに対する買いが入ったため、今朝9時頃からの日本市場の対ドル円相場は、一時145円14銭付近から始まった。
日本市場の今朝の仲値決済に向けても、今日は15日で、5と10がつく日本の貿易企業の決算日の集中しやすい「五十日 (ごとおび) 」であったために、今夜この後の米国市場は祝日休場予定ではあるが、世界的に流動性が高いドルには米国現地以外でも取引に使用されることがあり、輸入準備実需の円売りドル買い需要はあり、仲値決済の後には国内輸出企業の円買いドル売りや、先週金曜の米国PPIのインフレ鈍化を受けた今年早期の米国利下げ予想によるドル売りと円の買い戻しなどが入ったため、今朝11時23分頃にドルは円相場で一時144円93銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、日本銀行 (日銀 / BoJ / bank of Japan) が日本のインフレ指標を下方修正する市場予想や、元旦の石川県能登半島地震の影響などから今年早期のマイナス金利解除予想が後退していたことに加えて、先日発表された日本の実質賃金の低下により、賃金上昇を伴う2%のインフレの好循環によるデフレ脱却が大規模緩和金融政策の出口戦略の日銀が今年の春闘で日本企業の賃上げ動向を日銀が様子見する市場予想が優勢で、日銀の早期の大規模緩和修正予想やマイナス金利解除予想も後退していたことなどから、日米金利差がしばらく継続する可能性による円売りドル買いに加えて、国内金利上昇への警戒感が緩和された今日の東京株式市場では、日経平均株価がバブル崩壊後の高値記録を続伸しており、日本株高時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) でも低リスク通貨の円が売られ始めて、ドルが円相場で反発した。
午後15時15分には、今日15日の日経平均株価は6営業日連続で続伸し、約33年11カ月ぶりとなる高値を一時記録したほか、終値も3万5901円79銭と前営業日比324円68銭高の大幅高で大引けしたため、日本株高時のリスクオンの低リスク通貨の円売りトレンドが続いた。
午後からの欧州英国市場の参入でも、米国金利先物データの動向などから米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) 金利誘導目標の市場予想値を算出することで有名なフェドウォッチ (FedWatch) で今年3月の早期の米国利下げ予想値が再び確定値の70%を下回る68.1%付近で推移していたため、自国のインフレ警戒感が残る欧州英国市場では、米国のCPIとPPIデータ発表後も米国のサービス・インフレへの警戒感もあり、ドルの買い戻しが続いたことで、今日に日本市場後半では前東京終値比で円安ドル高に市場反転する勢いになり、英国ロンドン外国為替市場の本格参入後の午後16時33分頃に、ドルは円相場で一時145円55銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は145円43~44銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の145円14~15銭付近の前東京終値比では約29銭の円安ドル高であった。
今夜この後の米国市場は米国祝日休場のため、特に重要な最新米国経済指標の発表予定はないものの、今週もイベント予定を控えている。
一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は159円33〜34銭付近と、先週金曜日17時の159円16〜21銭付近の前東京終値比で約17銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先述の日経平均株価のバブル崩壊後の高値続伸の高騰により、日本株高時のリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りでは、ドルだけでなく欧州ユーロが買われた影響が見られた。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0955〜1.0956ドル付近で、先週金曜の夜17時の1.0966〜1.0968ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、今日の欧州市場で最新欧州経済指標の発表があり、午後16時に欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の先月12月の独卸売物価指数 (WPI / Wholesale Price Index) の前月比が発表され、前回の-0.2%に対して-0.6%に低下し、ドイツの卸売物価もインフレが鈍化し、欧州ユーロに対してドルが買われる一因になった。
今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の11月の欧州鉱工業生産は、前月比が前回の-0.7%に対し市場予想通りの-0.3%に改善されたもののマイナス圏に留まり、前年同月比では前回の-6.6%と市場予想の-5.9%に対し-6.8%に悪化し、欧州景気懸念でも欧州ユーロ売りでドルが買われていた。
ただし、同時発表の11月の欧州貿易収支は、季調済は前回の109億ユーロと前回修正の111億ユーロに対し148億ユーロで、季調前も前回の111億ユーロに対し203億ユーロに上昇したことでは、小幅域の推移が続いていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は185円34〜40銭付近で、先週金曜日17時の185円15〜21銭付近の前東京終値比で約19銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州ユーロ同様に、日経平均株価の大幅続伸のリスクオンの低リスク通貨の円売りで英国ポンドも買われたほか、日銀の早期の修正予想の後退により、金利差予想を受けたドルやユーロに対する円安も影響を与えていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年1月15日の日本時間(JST)21時16分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の12時16分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 21:16の為替レート | 昨日の日本時間JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 145.73 〜 145.47 | +0.59 (円安) |
ユーロ/円 | 159.64 〜 159.69 | +0.48 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0953 〜 1.0955 | -0.0013 (ドル高) |
英ポンド/円 | 185.59 〜 185.65 | +0.44 (円安) |
スイスフラン/円 | 170.66 〜 170.72 | +0.50 (円安) |
豪ドル/円 | 97.07 〜 97.11 | -0.13 (円高) |
注意:
本ウェブサイトに記載されている全ての情報またリンク先を含めた情報は、情報提供を目的のみとしており、取引投資決定、及びその他の利用目的のために作成されたものではありません。取引投資種、外国為替取引業者の選択、売買価格投資等の全ての最終決定については、利用者ご自身のご判断において行われるようお願い致します。
当社は、当サイトに掲載した情報によって万一閲覧者が被った直接・間接的に生じた損失に関して一切責任を負わないものとします。また、当社および当社に情報を提供している第三者は一切責任を負うものではございませんので ご了承ください。万が一、当サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社は一切責任を負いません。当社はこのウェブサイトの掲載内容を予告なしに変更または廃止することがございますので、あらかじめご了承おきください。