FXニュース:日銀の低金利政策継続を意識
2024年2月20日東西FXニュース – 2024年2月20日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 日米金利差拡大で円相場反落
- 米連休明け市場向けた五十日
- 日本財務相の口先介入反応薄
- 日経平均株価が上昇後の反落
- 欧ECB利下げ転換に慎重姿勢
- 今夜英BoEベイリー総裁発言
今日2024年2月20日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の150円19銭付近から、円の安値でドルの高値の150円44銭付近の値幅約25銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は150円36~37銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の149円97~98銭付近の前東京終値比では約39銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場と米国債券市場及び米国株式市場は祝日休場であったが、米国市場の取引時間の始値に該当する昨夜22時頃の世界FX市場の対ドル円相場は一時150円2銭付近から始まった。
昨日17時の日本市場で先週に今年最大の円安ドル高が進行した後のドルの利益確定売りや円の持ち高調整で円高ドル安の東京終値をつけたトレンドが継続したほか、昨夕の英国ロンドン外国為替市場で先週の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の高官の欧州利下げ転換に慎重な発言を受けた欧州ユーロ買いドル売りの影響もあり、昨夜22時10分頃にドルは円相場で一時149円94銭付近の米国市場該当時間の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の超低金利政策継続予想の影響もあり、米国祝日でドルの現地実需は少ないものの、世界的に流動性が高い基軸通貨でもあるドルが市場安値圏から買い戻され始め、時間外の夜間の日経平均株価先物が堅調であったことも相まって、市場高値後の低リスク通貨の円も利益確定や持ち高調整で売られて対ドル円相場が下落し、午前1時12分頃にはドルは円相場で一時150円19銭付近の米国市場該当時間の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、午前2時59分から午前3時0分頃にかけてもドルは円相場で同じ高値圏で高止まりしたため、テクニカル分析的な2つの山のダブルトップ (Double Top) の毛抜き天井を打って反落したが、午前3時半前には欧州ユーロに対しては日欧の金融政策の違いから円が売られていたため、やや横ばいに近い抵抗も交えていた。
このため、昨夜から今朝までの米国市場該当時間の世界FX市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円94銭付近から、円の安値でドルの高値の150円19銭付近の値動きで、今朝7時前頃のニューヨーク終値相当時間の世界FX市場のドル円の取引レートは一時150円13銭付近で、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値比で約8銭の小幅な円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、日米の金融政策の違いや先週末に米国長期金利が一時4.3%台に上昇後に4.28%の終値をつけて今日から再開する米国金利の先高感や、今夜の連休明けの米国市場再開を控えた実需などでもドルが再び買われており、今朝9時頃からの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円27銭付近から始まった。
今朝の時間外の米国債券市場でも、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が再び上昇して一時4.323%付近になり、日米金利差拡大による円売りドル買いが入った。
今朝9時55分の仲値決済に向けても、今日は20日で日本の貿易企業の決算日が集中しやすい5と10がつく日の「五十日」(ごとおび / ゴトーび)であったため、今日から連休明けの米国市場に向けた輸入実需の円売りドル買いが入って、ドルは円相場で上昇した。
ただし、輸入実需の円売りドル買いの後には輸出企業の円買いドル売りの抵抗なども入ったことや、今朝9時台には一時4.32%台だった米国長期金利が10時台には一時4.30%台付近に下げたことでは日米金利差縮小時の抵抗もあり、午前10時37分頃には円相場はドルに対して一時150円19銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、今朝も日本政府の鈴木俊一財務相が外国為替市場について、「高い緊張感を持って注視したい」と円安牽制発言を繰り返しており、150円台以上では為替介入警戒感がややあったものの、以前の為替介入実施レベルの市場ボラティリティ (Volatility / 価格変動性) は下回っていたこともあって反応は限られており、ドルは円相場で反発し、再び上昇した。
今日は日本銀行 (日銀 / BoJ) の清水誠一理事が衆議院財務金融委員会で、現在の経済物価見通しを前提にすると、「マイナス金利解除等を実施しても、緩和的な金融環境は当面、続く可能性が高い」と発言し、これまでの日銀総裁や副総裁達の意見と同様であったことから、日米欧英の金融政策の方向性の違いが改めて意識され、ドルや欧州ユーロなどの主要通貨に対して円が売られて円相場が下落し、午後14時35分頃にはドルは円相場で一時150円44銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今日の東京株式市場では、今朝は一時大幅に上昇していた日経平均株価が、午後15時台の終値に向けて利益確定売りなどもあって大幅下落のベアマーケット (Bear Market / 弱気市場) に転じたため、株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買い戻される抵抗が入った。日経平均株価は、3万8363円61銭の終値をつけ、前営業日比で106円77銭安の大幅安で大引けした。ただし、バブル崩壊後の高値圏の3万8千円台はキープしていたことでは、円相場の抵抗は限られていた。
また、午後からの欧州英国市場の参入もあり、世界的な安全資産でもある米国債も買われたことで、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利も一時4.29%台付近に低下し、日米金利差縮小時の低リスク通貨の円買いドル売りの抵抗も入ったが、対する日本の長期債利回りも0.725%と前日横ばいの推移であったことでは、日米の金利差が意識されていた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は150円36~37銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の149円97~98銭付近の前東京終値比では約39銭の円安ドル高になった。
今夜この後には最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間での経済指標カレンダーのスケジュールは、深夜24時に 1月の米国景気先行指標総合指数が発表される予定である。
一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は161円97〜98銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円71〜72銭付近の前東京終値比で約26銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先述の通り、欧州中央銀行 (ECB) の専務理事などの高官達が欧州の利下げ転換に慎重な姿勢を示していた影響から、相対的な日本の日銀高官達の金融緩和的な低金利継続の発言により、日欧の金融政策の違いが意識され、円安ユーロ高になっていた。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0771〜1.0773ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の1.0782〜1.0783ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、米国の連休前の先週の市場予想を上回った米国卸売物価指標 (PPI / Producer Price Index) などを受けて欧米ともに利下げ時期が遅れる可能性から、日本市場時間の時間外の米国長期金利上昇時のユーロ売りドル買いや、今日から連休明けの米国市場に向けたドル実需買いもあって、ユーロ安ドル高になっていた。
しかし、その後の今夜19時台には、欧州英国市場での米国債買いの影響で米国長期金利が一時4.26%台に低下したことを受けては、ユーロ高ドル安に市場反転も見せている。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円31〜37銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の189円26〜30銭付近の前東京終値比では約5銭の小幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、前日と同じく日英の金融政策の違いが意識されていたが、日経平均株価の反落を受けては、リスクオフの低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗もあり、小幅域になった。
今日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜19時15分頃から英国中央銀行 (BoE / Bank of England) のベイリー総裁の発言があり、英国議会財務委員会の議員達に対し、英国のリセッション (景気減速) 懸念を払拭すべく、「実際のところ、英国経済は既に明確な好転の兆しを示し始めていると我々は見ている」などの発言が伝わった。
欧州市場で世界的な安全資産でもある米国債が買われており、米国債の価格上昇に伴う利回り低下の影響で、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利がさらに低下し、今夜19時台には一時4.26%台になったため、対ドルで英国ポンドが買われて一時上昇したが、英国のリセッション (景気減速) に言及された背景には英国景気懸念があるためで、今夜20時台には英国ポンドは反落し、低リスク通貨の円に対しては小幅な円高ポンド安に転じている。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年2月20日の日本時間(JST)20時15分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時15分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。
通貨ペア | JST 20:15の為替レート | 前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 150.19 〜 150.20 | +0.22 (円安) |
ユーロ/円 | 162.15 〜 162.16 | +0.44 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0795 〜 1.0796 | +0.0013 (ドル安) |
英ポンド/円 | 189.13 〜 189.19 | −0.13 (円高) |
スイスフラン/円 | 170.32 〜 170.38 | +0.17 (円安) |
豪ドル/円 | 98.45 〜 98.49 | +0.25 (円安) |
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