FXニュース:今週の日米金融政策会合控え
2024年3月18日東西FXニュース – 2024年3月18日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米長期金利上昇一時4.32%台
- 日米金利差の円売りドル買い
- 米5.25〜5.5%政策金利予想
- 日銀マイナス金利後予想0.1%
- 日経平均株価高騰リスクオン
今日2024年3月18日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の149円33銭付近から、円の高値でドルの安値の148円91銭付近の値幅約42銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は149円12~14銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円58~59銭付近の前東京終値比で約54銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、先週金曜日の夜21時頃の英国ロンドン外国為替市場の後半から始まった先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時148円65銭付近で、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.28%台付近だった先週金曜日21時3分頃の一時148円62銭付近が米国市場の円の高値でドルの安値になったが、米国市場では先週発表された米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) や米国生産者物価指数 (PPI / Producer Price Index) などの米国インフレ指標の上振れを受けた市場予想以上の根強い米国インフレが意識されており、米国政策金利が現在の5.25〜5.50%の高金利のまま長期間据え置きされる可能性の市場予想により、米国ニューヨーク債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.31%台に向けて上昇していたため、日米金利差拡大による円売りドル買いが優勢になった。
ただし、先週金曜日の夜21時30分に発表された最新米国経済指標の3月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数は、前回の-2.4と市場予想の-7.0を大幅に下回る-20.9に悪化したことを受けては、瞬時に一時148円64銭付近に戻す抵抗が入ったが、同時発表だった2月の米国輸入物価指数の前月比は市場予想通りの0.3%であったものの、同2月の米国輸出物価指数の前月比は前回の0.8%が前回修正0.9%に上方修正されたことに加えて、市場予想の0.2%を数倍上回る0.8%の高止まりを見せたことから、ドルは瞬時に148円77銭付近に反発し、円相場で再び上昇を続けた。
続いて、先週金曜日の夜22時15分に発表された2月の米国鉱工業生産の前月比も、前回マイナス圏だった-0.1%と前回下方修正の-0.5%と市場予想の0.0%を上回るプラス圏の0.1%に上昇したが、同時発表だった2月の米国設備稼働率は前回と市場予想の78.5%に対し前回下方修正と横ばいの78.3%で、同じく23時に発表された3月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値が前回と市場予想の76.9を僅かに下回る76.5であったものの、併せて発表された1年後の米国消費者予想インフレ率は前月と同じ3.0%の高止まりであったため、米国ニューヨーク債券市場では米国長期金利が上昇を続け、一時4.322%台に向けた日米金利差拡大により円売りドル買いのトレンドが継続し、午前1時頃にドルは円相場で一時149円16銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
今週の3月18〜19日の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合では、今年の春闘の第一集計結果で大企業の平均賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高水準となったほか、一部の中小企業の平均賃上げ率も4.42%であったことを受けて、賃金上昇を伴う2%の物価目標との好循環の見込みから、連日で今月3月の早期の日銀のマイナス金利解除圧の報道が日本の時事通信社や日本経済新聞社などの報道機関から相次いでおり、市場ではほぼ織り込み済であったが、日銀はマイナス金利解除後も日本の政策金利誘導目標を0.0〜0.1%程度の低金利にする市場予想が優勢であることに対して、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が今週の3月19〜20日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国政策金利を現行の5.25〜5.50%の高金利のまま据え置きする市場予想は、米国フェドウォッチ (CME FedWatch Tool) では今月99%の確定値で推移し、根強い米国のインフレ圧から次回の5月に据え置き予想も94.5%、その次の6月は55.3%と、今年の後期にずれ込む可能性が意識されていた。
しかし、同時進行中の米国ニューヨーク株式市場では、この米国政策金利の先高感高により、企業への貸付ローン金利の企業決算影響への警戒感などから、米国主要株価三指数が揃って下落したため、米国株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) では、安全資産の米国債や低リスク通貨の円を安値から買う抵抗も混じったが、米国ニューヨーク債券市場では、米国長期金利は一時の4.322%からの低下幅は限定的で終値時にも4.309%で、金利差で自動利益が得られる日米金利差トレードの影響もあって、抵抗後にも反発が混じった。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の148円62銭付近から、円の安値でドルの高値の149円16銭付近の値幅約54銭で、日本時間で先週土曜日の朝6時頃の先週末の米国夏時間のニューヨーク終値は149円4銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の148円33銭付近と比べて約71銭の円安ドル高をつけていた。
週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は148円95銭付近であったが、今週の日米の金融政策決定会合を控えた市場では、先週末の日米金利差の円安トレンドが意識されたほか、日銀がマイナス金利解除後も0.0〜0.1%程度の金融緩和的な低金利政策を継続する市場予想が優勢であったことなどから、債券市場での日本国債利回りの国内長期金利が過去トレンドになり、国内金利への警戒感がやや緩和されたほか、海外投資家達の円安日本株高も再燃したため、今日の東京株式市場では日経平均株価が上昇して始まり、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが入ったほか、今朝9時55分の日本市場の仲値決済でも円安時の日本企業の追加輸入実需の円売りドル買いが優勢であったため、仲値決済後の今朝10時5分頃と10時29分頃にドルは円相場で一時149円33銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、今日から明日にかけて2日間の日銀金融政策決定会合が始まり、市場では今月のマイナス金利解除圧の高まり後の日本の政策金利誘導目標の0.0〜0.1%が市場予想では織り込み済の値動きを見せる中で、今後の大規模緩和金融政策の修正や出口戦略に関する植田和男日銀総裁の発言内容が注目されるほか、今週は明日の夜から2日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) とその後の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の発言イベントでのドットチャートや先行きなども控えているため、実際のイベントのイベントリスクの様子見や結果が分かるまでの買い控えの警戒感は抵抗となり、ダブルトップの毛抜き天井を上抜けしなかったドルにはテクニカル分析的な売りサインによる抵抗が入ったことに加えて、今朝9時台には日本市場の時間外の米国債券市場でも一時4.32%台に上昇後の米国長期金利が、イベントリスクで世界的な安全資産でもある米国債買いの影響で一時4.29%台に向けて低下したため、日本国債も低利回りではあったものの、米国債の利回りを受けて欧州ユーロなどの他の主要通貨に対する金利差縮小時のドルの一時下落の影響が円相場に波及し、今朝11時54分頃に対ドルの円相場は一時148円91銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
ただし、米国インフレ意識の金利先高感は市場でも継続していたこともあり、一時低下後の米国長期金利が再び一時4.30%台への反発も見せて市場安値後のドルにはすぐに買い戻しが始まったほか、日本国債利回りの国内長期金利は午後15時台に0.755%に前営業日から低下した終値に向かった一方で、前述の今日の日経平均株価は大幅な上昇を続けており、午後15時台には3万9740円44銭の終値と、前営業日比で1032円80銭高の大幅高に高騰したまま大引けしたことを受けては、日本株高時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りトレンドにより、ドルだけでなく、欧州ユーロや英国ポンドやスイスフランスや豪ドルなどの主要通貨に対しても円相場が一時全面安になった影響が、対ドルの円相場にも波及し、ドルは円相場で再び149円台に上昇した。
そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円12~14銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の148円58~59銭付近の前東京終値比で約54銭の円安ドル高になった。
今夜この後には、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に3月の米国NAHB (National Association of Home Builders / 全米住宅建設業者協会) 住宅市場指数が発表される予定であるが、明日の夜から2日間の3月19〜20日に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントを控えているため、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達は発言自粛のブラックアウト期間に入っているため、米国現地の3月20日(時差で日本時間では3月21日未明の午前3時30分頃から)のFOMC終了後のパウエル議長の定例記者会見での発言予定に注目が集まっている。
一方、今日の欧州ユーロは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のユーロ円相場の終値は162円43~45銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の161円67~68銭付近の前東京終値比では約76銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、先述の通り、日経平均株価高騰によるリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで、ドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドなど外貨が買われた影響が見られた。
また、先週には、欧州中央銀行 (ECB) のレーン専務理事が、欧州インフレへの警戒感もあり、利下げへの転換は「時間をかけて進める必要がある」と、早期の欧州利下げにやや慎重な姿勢を示した影響も日欧金利差で意識された。
ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0891〜1.0892ドル付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0880〜1.0881ドル付近の前東京終値比で約0.11セントのユーロ高ドル安であった。
主な要因は、今週の日米の金融政策決定会合を控えたイベントリスクによる早期のドルの利益確定売りで欧州ユーロが買い戻されて反発したほか、イベント前のドルの持ち高調整や買い控えも影響を及ぼしていた。
なお、今日の日本市場終了後の今夜19時の英国ロンドン外国為替市場では、欧州ユーロ圏総合の最新重要経済指標の2月の欧州消費者物価指数 (HICP / 英語:Harmonised Index of Consumer Prices / 米語:Harmonized Index of Consumer Prices) の改定値が発表されたが、前年同月比は前回と市場予想通りの2.6%の横ばいで、HICPコア指数の改定値の前年同月比も前回と市場予想一致の3.1%の横ばいで、欧州インフレの高止まりにも警戒感が続いた。
同じく、今夜19時に発表された欧州ユーロ圏総合の1月の欧州貿易収支は、季調済が前回の130億ユーロと前回修正の143億ユーロに対し281億ユーロに上昇したが、季調前は前回の168億ユーロに対し114億ユーロであった。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円95銭〜190円1銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の189円27〜33銭付近の前東京終値比では約68銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、前述の欧州ユーロ同様に、今日の日経平均株価高騰によるリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響で、英国ポンドも買われていた影響が見られた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年3月18日の日本時間(JST)20時27分(チャート画像の時間帯は、日本から時差で9時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の冬時間 (GMT / JST-9) の11時27分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、サマータイム制のある英国市場の英国夏時間 (BST / JST-8) への変更は3月最終日曜日の3月31日からであるが、米国市場では3月第二日曜日の3月10日から既に米国夏時間 (EDT / JST-13) になっており、日本市場や英国市場との時差が1時間変わっていることには注意が必要である。)
通貨ペア | JST 20:27の為替レート | 前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 149.06 〜 149.07 | +0.48 (円安) |
ユーロ/円 | 162.54 〜 162.56 | +0.87 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0902 〜 1.0904 | +0.0022 (ドル安) |
英ポンド/円 | 189.86 〜 189.92 | +0.59 (円安) |
スイスフラン/円 | 168.90 〜 168.96 | +1.02 (円安) |
豪ドル/円 | 97.93 〜 97.97 | +0.49 (円安) |
注意:
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