FXニュース:今日と明日の米FOMC開催

2024年4月30日
FXニュース:今日と明日の米FOMC開催

 

東西FXニュース – 2024年4月30日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米WSJの為替介入観測報道
  • 米金利維持予想と介入警戒
  • 米10年債買いで利回り反落
  • 日経平均株価上昇リスクオン
  • ドル円一時157円台を回復
  • 最新欧州経済指標の影響も

今日2024年4月30日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の156円16銭付近から、円の安値でドルの高値の157円0銭付近の値幅約84銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円85〜87銭付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円42〜45銭付近の前東京終値比では約43銭の円安ドル高で、昨日の日本市場は祝日休場中の昨夜17時の世界FX市場の対ドル円相場の155円54〜57銭付近と比較すると、約1円31銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日の東西FXニュースでもお伝えした通り、昨日午前10時35分頃の日本市場相当時間の世界FX市場では、ドル円は一時160円台の1990年以来のおよそ34年ぶりの今年最大の円安ドル高を記録したほか、ユーロ円も1999年に欧州ユーロ導入以来の史上最大の一時171円台の円安ユーロ高を記録し、ポンド円相場も2008年のリーマンショックの影響を受けた英国リセッション前の様な一時200円台の今年最大の円安ポンド高を記録するなど、主要通貨に対する歴史的な円安が進行したが、午後になると日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入の可能性が高い円相場の大幅な反発と一時急伸があったため、昨夜の英国ロンドン外国為替市場でも為替介入への警戒感が続いた。

昨日の神田真人財務官は、「今は、ノーコメント」であったが、その後には、「為替介入の有無について申し上げることはない」が「24時間365日対応できる準備をしている」と話しており、5月末に発表予定の外国為替平衡操作の実施状況(介入実績)での確認を示唆していた。一方で、米国経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル (WSJ / Wall Street Journal) 電子版は、「為替介入があったようだ」と報道していた。なお、市場ではステルス (覆面) 介入観測が浮上しており、日銀の当座預金増減では約5.5兆円規模の円買いドル売りの為替介入が実施された可能性が推測されている。

昨夜21時には欧州ユーロ圏主要国のドイツのインフレ関連の最新重要経済指標の4月の独消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) 速報値の発表があり、前月比は前回の0.4%よりはやや上昇したものの市場予想の0.6%を下回る0.5%で、前年同月比も市場予想の2.3%を下振れした前回と横ばいの2.2%と市場予想を下振れしたことを受けては、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の利下げ開始時期の方が、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) よりも早くなる市場予想が優勢さを保ち、欧州ユーロに対するドル買いの影響が対ドル円相場にも一時波及した。

ただし、欧州連合 (EU / European Union) 基準のインフレ指標である同4月のドイツの独調和消費者物価指数 (HICP / 英:Harmonised Index of Consumer Prices / 米:Harmonized Index of Consumer Prices) の速報値は、前月比が前回と市場予想通りの0.6%の横ばいで、前年比は前回と市場予想の2.3%に対して2.4%の上昇率と、市場予想を一部上振れした項目があったことでは、対ドルでの欧州ユーロの買い戻しの反発が入った影響が対ドルの円相場にも波及した。また、スペインの消費者物価指数も一部上振れしていた。

そのため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円23銭付近の始値で、昨夜21時4分頃には一時156円9銭付近に低下したが、今夜この後から始まる二日間の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国政策金利据え置き予想が優勢で、米国の高金利と日本の低金利との日米の金利差が開いた状態が長期化する可能性からドルは円相場で反発上昇し、昨夜23時24分頃には、一時156円89銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、米国政策金利発表イベントでの今後の見通しの発表予定や、米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定などのビッグイベントを控えたイベントリスクや為替介入警戒感では、米国ニューヨーク債券市場で世界的な安全資産でもある米国債が買われていたため、債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.65%付近から一時4.61%付近に向けて急落したため、為替介入警戒感による早期のドルの利益確定売りとイベント前の持ち高調整とイベントリスクのドルの買い控えに加えて、日米金利差縮小時の円買いドル売りが同時に起きたため、ストップロス (SL / Stop Loss) などを巻き込んでドルは円相場で一時大幅に反落し、午前1時47分頃に一時155円10銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

同時進行していた米国主要企業の決算報告シーズンの米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数が揃って続伸するなど堅調であったため、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが入り、市場安値後のドルは買い戻されたものの、為替介入警戒感やイベント前の買い控えや持ち高調整では156円台前半付近に留まった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の156円89銭付近から、円の高値でドルの安値の155円10銭付近の値幅約1円79銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は156円35銭付近と、米国市場の前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の158円33銭付近と比べると約1円98銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間には、今日の連休明けの日本市場再開に先立って日本の最新経済指標の発表があり、今朝8時30分の3月の日本の失業率は、前回の2.6%と市場予想の2.5%に対し2.6%と市場予想に届かなかったことでは、やや弱い指標になった。なお、3月の日本の有効求人倍率は、前回と市場予想の1.26に対し1.28であった。

続いて、8時50分に発表された日本の経済指標の3月の日本鉱工業生産の速報値は、前月比は前回の-0.6%と市場予想の3.3%を上回る3.8%に上昇したが、前年同月比では前回の-3.9%と市場予想の-6.3%に対し-6.7%に低下と強弱混合であった。

今朝9時頃からの連休明けの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時156円33銭付近の始値で、今朝9時1分頃につけた一時156円16銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

今朝の日本市場の仲値決済に向けては、今日は月末を控えた決算期である上に、30日で日本の貿易企業の決算日が集中しやすい5と10がつく「五十日(ごとおび / ゴトーび)」であったため、日本企業の輸入実需の円売りドル買いが入り、ドルは円相場で反発上昇を始めた。

また、今日の連休明けの東京株式市場でも、先週金曜日に日本銀行 (日銀 / BoJ) の日銀金融政策決定会合が日本の政策金利を金利据え置きし、「当面は緩和的な金融政策を維持する」ことを発表し、日銀の植田和男総裁の円安の物価高への影響は大きくないとの発言を受けて日銀の追加利上げ予想が市場で後退して以来、金利警戒感の緩和から金融先物市場でも上昇していた日経平均株価が今朝は一時前営業日比で600円高を記録する勢いで大幅な続伸を見せたため、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンでは、国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られて対ドルの円相場が下落し、今朝10時54分頃に一時157円0銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、日本政府と日銀の為替介入への警戒感は続いており、また今日の日本市場時間の時間外米国債取引では米国長期金利が今朝早朝のニューヨーク債券市場の終値時の一時4.62%付近から一時4.60%台に下げた時間があり、市場高値後のドルには早期の利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたほか、為替介入の引き金となることが知られている急激な価格変動性のボラティリティ (Volatility) を回避した小動きも見せ始めた。

一方、午後15時台には今日の日経平均株価は、今朝の一時の大幅高からは利益確定の抵抗をやや交えたものの、3万8,405円66銭の終値をつけ、前営業日比で470円90銭高の大幅高に続伸して大引けしており、低リスク通貨の円売りも入ったことではやや横ばいに近い値動きも見せた。

午後になると、欧州英国市場の参入が始まり、米国長期金利が夕方の一時4.63%台に向けた反発上昇を始めたことでは、午後16時11分頃に日米金利差拡大による円売りドル買いでドルは円相場で再び一時156円95銭付近と再び157円台の手前に近づいたが、為替介入警戒感やイベントリスクによるまとまった利益確定売りやポジション決済の抵抗が入ったことなどでは、午後16時27分頃にドル円は一瞬、一時156円48銭付近の156円台前半に戻した時間もあったが、ほぼ瞬発で156円台後半に反発して戻していた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円85〜87銭付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の156円42〜45銭付近の前東京終値比では約43銭の円安ドル高になった。

また、昨日の日本市場の祝日休場中の世界FX市場の昨夜17時の対ドル円相場の155円54〜57銭付近と比較すると、約1円31銭の大幅な円安ドル高であった。

今夜この後の米国市場は、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済カレンダーのスケジュール予定は、今夜21時30分に1〜3月四半期の米国雇用コスト指数、22時に2月の米国住宅価格指数と2月のS&Pケース・シラー米国住宅価格指数、22時45分に4月の米国シカゴ購買部協会景気指数、23時に4月の米国消費者信頼感指数などが発表される予定である。

また、今夜から明日にかけての米国連邦公開市場委員会 (FOMC) のイベントが世界的に注目されており、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達は発言自粛のブラックアウト期間 (Blackout period) 入りのため、米国FOMC終了後の米国FRBのパウエル議長の発言予定まで要人発言予定はないものの、米国株式市場では米国主要企業の決算報告シーズンの影響が続いており、今夜この後の米国株式市場の株引後に、米国アマゾン・ドットコム (AMZN / Amazon) の決算報告なども発表される予定である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は167円80〜81銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の167円86~87銭付近の前東京終値比では約6銭の小幅な円高ユーロ安であったが、昨日の日本市場休場中の世界市場の昨夜17時の166円66~70銭付近と比べると約1円14銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、昨日に一時はユーロ史上初の一時171円56銭付近の円安ユーロ高が進行後に、午後には為替介入の可能性のある大規模な円買いの影響の波及で一時は大幅に反落したものの、イベントリスクのドルに対する欧州ユーロの買い戻しや、今日の日経平均株価の大幅続伸を受けたリスクオンの低リスク通貨の円売りでも欧州ユーロが買われていた。

また、今日の午後14時30分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の1〜3月四半期の仏国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値の前期比は、前回と市場予想の0.1%を上回る0.2%で、3月の仏消費支出の前月比も前回の0.0%と前回修正と市場予想の0.1%を上回る0.4%に上昇し、午後15時のドイツの3月の独輸入物価指数の前月比も前回の-0.2%と市場予想の0.2%を上回る0.4%に上昇し、前年同月比も前回の-4.9%と市場予想の-3.8%を上回る-3.6%で、同時刻の3月の独小売売上高の前月比も前回の-1.9%と前回修正の-1.7%と市場予想の1.4%を上回る1.8%であったが、前年同月比では前回の1.7%と前回修正の1.9%と市場予想の-0.7%を下回る-2.7%に悪化していた。

続いて、今日の午後15時45分に発表されたフランスの4月の仏消費者物価指数 (CPI) の速報値は、前月比が前回の0.2%に対し市場予想通りの0.5%で、前年同月比も前回の2.3%に対し市場予想通りの2.2%であったが、3月の仏卸売物価指数 (PPI / Producer Price Index) の前月比は前回の-1.7%に対し-0.2%であった。

今日の夕方16時55分に発表されたドイツの4月の独失業者数は、前月比が前回の0.40万人と前回修正の0.60万人と市場予想の0.80万人に対し1.00万人と弱かったが、4月の独失業率は前回と市場予想通りの5.9%の横ばいであった。

今夜17時に発表されたドイツの1〜3月四半期の独国内総生産 (GDP) 速報値は、前期比は前回の-0.3%と前回修正の-0.5%のマイナス成長に対し市場予想の0.1%を上回るプラス圏の0.2%に上昇したが、前年同期比では前回と市場予想通りの-0.2%のマイナス圏のままで、季調前の前年同期比では前回の-0.4%と市場予想の-0.8%を下回る-0.9%のマイナス圏で、欧州主要国ドイツの景気懸念もやや燻っていた。

ユーロドルは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の終値は1.0703〜1.0704ドル付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0729〜1.0731ドル付近の前東京終値比では約0.26セントのユーロ安ドル高で、昨日の日本市場休場中の世界市場の昨夜17時の1.0716〜1.0718ドルと比較すると約0.13セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、欧州中央銀行 (ECB) 理事会のオランダ中銀のクノット総裁が、「欧州利下げ開始時期については、6月が現実的」と発言していたニュースが市場で話題になっていた中で、昨夜発表されたドイツとスペインの4月の欧州基準の消費者物価指数の速報値に一部市場予想をやや上回る項目があったものの、他の項目は市場予想を下回るなど、欧州の金融政策に影響を与える可能性の少なさからは、今年の欧州利下げ時期の方が、先送りや年内利下げ回数の見通しなどが注目されている米国よりも早くなる市場予想は優勢さを保っており、欧州ユーロはドルに対して再び下げたが、イベントリスクでは小幅域になっていた。

なお、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新重要インフレ指標の4月消費者物価指数 (HICP) 速報値は、前年同月比は前回と市場予想通りの2.4%の横ばいであったが、同欧州HICPコア指数の速報値の前年同月比は前回の2.9%と市場予想の2.6%に対し2.7%と、前回よりは低下したものの市場予想を上振れしたことでは、欧州ユーロの買い戻しも入っている。

また、同時発表だった欧州ユーロ圏総合の最新重要経済指標の1〜3月四半期の欧州域内総生産 (GDP) 速報値は、前期比が前回の0.0%と前回修正の-0.1%と市場予想の0.2%を上回る0.3%に上昇し、前年同期比も前回の0.1%と市場予想の0.2%を上振れする0.4に上昇したことを受けては、今夜の英国ロンドン外国市場では、発表後の今夜19時台のユーロドルが、ドルのイベントリスクの買い控えも相まって、前東京終値比で小幅域から横ばいレンジ圏付近になった時間もあった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は196円70〜76銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の195円88〜94銭付近の前東京終値比では約82銭の円安ポンド高であったが、昨日の日本市場休場中の世界市場の昨夜17時の195円2〜8銭付近と比較すると約1円68銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、先週に日銀が緩和的な金融政策を維持したことを受けた日英金利差トレードの影響や、日米株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りで、昨日の為替介入警戒感の影響の波及で一時は下げていたものの、今日は英国ポンドが買い戻されていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年4月30日の日本時間(JST)19時53分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時53分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:53の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.88 〜 156.89 +0.46 (円安)
ユーロ/円 168.21 〜 168.23 +0.35 (円安)
ユーロ/ドル 1.0727 〜 1.0729 -0.0002 (ドル高)
英ポンド/円 196.79 〜 196.85 +0.91 (円安)
スイスフラン/円 172.05 〜 172.11 +0.27 (円安)
豪ドル/円 102.47 〜 102.51 -0.01 (円高)


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