FXニュース:大型連休明け日本市場参入
2024年5月07日東西FXニュース – 2024年5月07日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米FRB年内利下げ時期予想
- 米主要株価連日で大幅続伸
- 日銀国債購入額を据え置き
- 日経平均株価も大幅に上昇
- 豪RBA政策金利4.35%維持
- 低金利通貨売りの買い戻し
今日2024年5月7日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の153円87銭付近から、円の安値でドルの高値の154円65銭付近の値幅約78銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は154円10〜12銭付近と、連休前の日本市場の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の155円48〜49銭の前東京終値比では約1円38銭の大幅な円高ドル安であったが、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の153円78〜79銭付近と比較すると約32銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と、時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析はまず、昨日は日本東京外国為替市場と英国ロンドン外国為替市場が祝日連休で休場であったが、昨夜の欧州市場では世界的な安全資産でもある米国債が買われた影響から、米国債券価格上昇に伴う利回り低下により、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜20時台には一時4.484%付近に低下していたため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時153円75銭付近の始値で、昨夜21時35〜45分頃にかけて米国ニューヨーク債券市場で米国長期金利が一時4.477%付近にまで低下したことを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードの影響などで、昨夜21時49分頃にドルは円相場で一時153円41銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、先週は日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入観測で大幅な円高ドル安が進行後に、先週末に米国政府のジャネット・イエレン財務長官が円安牽制発言をしたことが昨日の市場では話題になっており、為替介入警戒感がやや緩和されたことではドルの買い戻し意欲も強く、決算報告シーズンが続いていた米国ニューヨーク株式市場で米国主要株価三指数が連日の続伸に向かうと、価格上昇後の安全資産の米国債や低リスク通貨の円売られ、米国長期金利が一時4.513%付近に向けて大きく反発したことを受けた日米金利差拡大による円売りドル買いも入ってドルの買い戻しが進み、深夜24時24分頃にドルは円相場で一時154円0銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
日本市場が連休で日本企業に影響を及ぼさない時間外の為替介入への警戒感は燻っていたことなどでは、154円付近からは早期の利益確定や持ち高調整の抵抗を交えたが、午前1時50分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国リッチモンド連銀のトーマス・バーキン総裁の講演発言があり、「現在の景気抑制的な米国政策金利水準が、目標の2%に向けてインフレを抑制できると私は楽観視している。金利上昇の本格的な影響が表れるのは、これからだ」と米国の現行の政策金利維持とインフレに対して楽観的な見解を述べていた。ただし、その一方で、根強い住宅とサービス価格のインフレは、今年のデータに観測されている様にインフレ高止まりのリスクはあるとも言及していた。
続いて、午前2時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の発言があり、時期についての見通しを示さなかったものの、米国連邦準備制度理事会 (FRB) は「いずれかは利下げを実施する」と発言し、そして、「次の動きは、利下げとなる可能性が高い」というハト派寄りの見解を示したことでは、反発後の米国長期金利が再び一時4.487%付近に向けて反落したため、再びややドルが売られた時間があった。
ただし、ウィリアムズ総裁は、米国の経済状況は引き続き堅調で、成長率は鈍化しているものの、2024年の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の自身の予想レンジは2.0〜2.5%で、米国の消費支出に対する慎重姿勢が強まる中でも支出はなお継続し、米国の実質賃金に関する状況も改善しているという見通しも示しており、景気要因などのインフレ圧も示唆した上で、具体的には、「次の動き」がいつと明確にしなかったことでは、米国長期金利は反落後にも一時4.49%台に戻し、ドルの買い戻しも混ざっていた。
米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) が38,852ドル27セントの終値で前営業日比176ドル59セント高の大幅高の続伸で、米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) も16,349ドル24.5セントの終値で前営業日比192ドル91.7セント高の大幅高続伸、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) も5,180ドル74セントの終値で前営業日比52ドル95セント高と揃っての続伸で、市場終盤には利益確定や持ち高調整の抵抗が入る中でも、先週の為替介入観測で急伸後の低リスク通貨の円が売られる値動きを交えていた。
このため、昨夜21時頃から今朝6時頃までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の153円41銭付近から、円の安値でドルの高値の154円 0銭付近の値幅59銭の値動きで、今朝早朝のニューヨーク終値は153円92銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の153円5銭付近と比べて約87銭の円安ドル高をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、米国長期金利が一時4.497%付近に上昇したことや、東京株式市場では今朝までの米国主要株価三指数の続伸を受けて今日の日経平均株価が上昇トレンド予想であったほか、ゴールデンウィーク明けの日本市場再開に向けた日本企業の輸入実需再開を見込んだ円売りドル買いが先行したため、今朝9時頃からの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時154円24銭付近の始値にドルが上昇していた。
しかし、日本市場が始まると、ゴールデンウィークの大型連休明けの今朝の仲値決済では、輸入実需に関する取引は準備時間の少なさもあって少なく、むしろ、日本の連休中でも平日営業していた海外からの外貨収入を売って円を買う輸出企業の円買いドル売り実需の方が先行したため、対ドルの円相場は一時反発し、午前10時2分頃に一時153円87銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、今朝も日本政府の神田真人財務官が、先週の為替介入観測については「ノーコメント」を繰り返したが、為替相場については「無秩序な動きには、適切に対応する」と、先週末の米国政府のジャネット・イエレン財務長官の為替介入牽制発言後にも口先介入を続けていたことでは、市場ではステルスを含めた日本政府と日銀の為替介入への警戒感が燻った。
ただし、今朝10時10分には日本銀行 (日銀 / BoJ) が公開市場操作の国債買い入れオペの指し値オペを通知し、国債買い入れ予定額を据え置きにしていたことから、先週の日本政府と日銀の為替介入観測以前の円売りの要因となった「当面の間は、緩和的な金融環境が続く」低金利通貨の円が市場で改めて意識されたため、日米金利差拡大の継続予想や金融政策の違いから円売りドル買いが入りドルは円相場で反発上昇し、昼の13時38〜39分頃にドル円相場で一時154円65銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、今日の東京株式市場では市場予想通りに今日の日経平均株価が朝から大幅に上昇し、日本市場の営業時間内で為替介入警戒感がやや緩和されていたこともあり、リスク選好のリスクオン (Risk-on) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られていた。
なお、今日の午後15時台には、今日の日経平均株価は38,835円10銭の終値を付け、前営業日比599円3銭高の大幅高のままで大引けした。
一方で、午後からの欧州英国市場の参入では、英国ロンドン外国為替市場も連休明けの輸出実需再開で欧州ユーロや英国ポンドが買い戻されたほか、米国長期金利が一時4.46%台に低下したこと受けた金利差縮小時のドル売りが入った。
今日の夕方のニュースに向けては、複数の国内メディアが「日銀の植田和男総裁が、今日の午後、岸田文雄首相と意見交換するため官邸に入った。金融政策や最近の外国為替市場の動向などについて協議するとみられるという」という報道を始めたことが話題になり、為替介入への警戒感が高まったことでは、日本市場の終盤で時間外が近づいていたために為替介入警戒感によるドルの利益確定売りや持ち高調整で円を買い戻す動きが強まった。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円10〜12銭付近で、大型連休前の日本市場の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の155円48〜49銭の前東京終値比では約1円38銭の大幅な円高ドル安であったが、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の153円78〜79銭付近と比較すると約32銭の円安ドル高になっていた。
今夜この後の米国市場では、米国債入札予定と最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済カレンダーのスケジュール予定は、26時に米国3年債の入札予定と、28時に3月の米国消費者信用残高が発表される予定である。また、米国株式市場では、米国主要企業の決算報告シーズンが続いている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は165円86〜91銭付近で、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週木曜日の17時の166円60〜62銭付近の前東京終値比では約74銭の円高ユーロ安であったが、世界市場の前営業日にあたる昨夜17時の165円49〜50銭付近と比べると約37銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、日米株価上昇を受けたリスク選好の低リスク通貨の円売りや世界的に流動性が高い安全資産でもあるドル売りで、欧州ユーロの買い戻しが入っていた影響が見られた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.0763〜1.0765ドル付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の1.0714〜1.0715ドル付近の前東京終値比では約0.49セントのユーロ高ドル安で、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0760〜1.0762ドル付近と比べると約0.03セントのユーロ高ドル安であった。
なお、今日の午後に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの3月の独製造業新規受注は、前月比は前回0.2%が前回に-0.8%に下方修正された上で市場予想のプラス圏の0.4%を下回るマイナス圏の-0.4%で、前年同月比は前回の-10.6%は前回-8.8%に上方修正されたものの市場予想の-0.7%以下の-1.9%であったが、同時発表の3月の独貿易収支は前回の214億ユーロと市場予想の222億ユーロを上回る223億ユーロ強弱が入り混じった。
だが、午後15時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの3月の仏貿易収支は、前回の-52.44億ユーロと前回修正の-56.14億ユーロに対し-54.73億ユーロと市場予想よりは赤字が改善されており、また同時発表の3月の仏経常収支は、前回の9億ユーロと前回下方修正の3億ユーロを大幅に上回る13億ユーロであったことも欧州ユーロの買い戻しに影響を与えていた。
今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の3月小売売上高も、前月比が前回マイナス圏だった-0.5%が-0.3%に上方修正されたほか、市場予想の0.7%を上回るプラス圏の0.8%に改善され、前年同月比も前回の-0.7%と前回修正の-0.5%と市場予想の-0.2%に対しプラス圏の0.7%に改善されていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は193円15〜21銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週木曜日17時の194円76〜82銭付近の前東京終値比では約1円61銭の大幅な円高ポンド安であったが、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨日17時の193円27〜33銭付近と比べると約12銭の小幅な円高ポンド安であった。
主な要因は、今朝8時1分に発表された最新英国経済指標の4月の英国小売連合 (BRC / British Retail Consortium) 小売売上高調査の前年同月比が、前回プラス圏だった3.2%と市場予想の2.0%に対し、マイナス圏の-4.4%に低下した。
ただし、日本市場終了後の今夜17時30分に発表された4月の英国建設業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) は、前回の50.2と市場予想の50.4を上回る53.0に上昇しており、発表後には英国ポンドが円相場で買い戻されている。
なお、今日は日本市場の昼過ぎの13時30分頃に、オセアニア市場のオーストラリアの中央銀行にあたる豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) の新政策金利と金融政策の発表があり、前回と市場予想通りの4.35%で金利据え置きを決定したことが、日豪金利差による豪ドルの円相場などに影響を及ぼしていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年5月7日の日本時間(JST)19時47分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時47分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:47の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 154.51 〜 154.52 | -0.97 (円高) |
ユーロ/円 | 166.32 〜 166.34 | -0.28 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0763 〜 1.0765 | +0.0049 (ドル安) |
英ポンド/円 | 193.77 〜 193.83 | -0.99 (円高) |
スイスフラン/円 | 170.19 〜 170.25 | -0.34 (円高) |
豪ドル/円 | 102.00 〜 102.04 | +0.33 (円安) |
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