FXニュース:今夜PCEデフレーター控え
2024年5月31日東西FXニュース – 2024年5月31日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米GDP個人消費が下方修正
- 米国PCEコア改定値下振れ
- 米FRB高官達の発言の影響
- 日経平均株上昇リスクオン
- 米長期金利が低下後の反発
- 日銀が国債購入額据え置き
今日2024年5月31日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の156円57銭付近から、円の安値でドルの高値の157円17銭付近の値幅約60銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は157円15銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円97〜99銭付近の前東京終値比では約18銭の円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界FX市場のトレンド動向の分析は、まず、昨日の日本市場で円高ドル安が進んだ後の英国ロンドン外国為替市場の後半の昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円73銭付近で、昨夜21時30分に発表された最新米国重要経済指標の1〜3月四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の改定値は前期比年率が前回の1.6%に対し市場予想通りの1.3%で、同四半期の米国GDP個人消費の改定値の前期比年率は前回の2.5%と市場予想の2.2%を下回る2.0%、同四半期の米国消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) コア指数の改定値の前期比年率も前回と市場予想の3.7%を下振れする3.6%に下方修正されたことから、米国主要株価指数が下落し、安全資産の米国債が買われて米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が低下して日米金利差縮小時の円買いドル売りが起きたほか、米国の景気インフレ要因のインフレ圧が市場予想以下であったことでもドルは円相場で再び下落した。
同時発表だった前週分の米国新規失業保険申請件数も前回の21.5万件と前回修正の21.6万件と市場予想の21.8万件に対し21.9万件とやや弱く、前週分の米国失業保険継続受給者数は前回の179.4万人と前回修正の178.7万人と市場予想の179.7万人に対し179.1万人と市場予想よりはやや強かったものの前回よりは悪化していたことでもドル売りが続いたため、ドルは円相場で昨夜22時12分頃に一時156円37銭の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、同時進行中の米国ニューヨーク株式市場で米国主要株価が下落したことでは、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円買いの一方で世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルも買い戻されたことではドルは円相場で反発を始めた。
昨夜23時に発表された4月の米国住宅販売保留指数は、前月比が前回の3.4%と前回修正の3.6%と市場予想の-1.0%を大きく下振れする-7.7%であったが、前年同月比は前回の-4.5%と前回修正の-4.4%と市場予想の-2.0%を上回る-0.8%と強弱混合だった。
しかし、午前1時5分頃からは次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連邦銀行のウィリアムズ総裁の発言があり、「米国のインフレ率は依然として非常に高く、ここ数カ月間は物価目標の2%に向けた一段の進展を欠いている」と発言したことでは、米国高金利長期化予想によるドルの買い戻しが入り始めた。
午前5時13〜14分頃には、ドルは円相場で一時156円88銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
一方、米国アトランタ連邦銀行のボスティック総裁は、「7月の米国利下げは想定していないが、データが裏付けるのなら、米国利下げは検討する」ことや、「適切なら、9月の米国利下げはあり得る」と発言していた。
米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500) が軒並み下落の終値をつけたことでは、世界的な安全資産の米国債買いの影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が米国ニューヨーク債券市場の終値時点で4.547%と、昨夜21時の同債券市場の始値時点の4.592%から低下したことでは、ドルは円相場で前ニューヨーク終値比の円高ドル安の終値に向かった。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の156円37銭付近から、円の安値でドルの高値の156円88銭付近の値幅約51銭の値動きで、今朝6時頃のニューヨーク終値は156円82銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円64銭付近と比べて約82銭の円高ドル安をつけていた。
今朝8時30分には日本の最新経済指標の発表予定があり、5月の東京都区部消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の生鮮食料品を除くコアな前年同月比は、前回の1.6%に対し市場予想通りの1.9%に上昇したが、同時発表の4月の日本の失業率は前回と市場予想通りの2.6%の横ばいで、4月の日本の有効求人倍率は前回と市場予想の1.28を下回る1.26であったあったことでは強弱入り混じった。
続いて8時50分に発表された4月の日本の鉱工業生産の速報値は、前月比が前回の4.4%と市場予想の1.5%を下回る-0.1%と弱かったが、前年同月比では前回の-6.2%と市場予想の-1.1%を上回る-1.0%と強く、同じく発表の4月の日本の小売業販売額の前年同月比は前回の1.2%と前回修正の1.1%と市場予想の1.9%に対し2.4%と強かった一方で4月の日本の既存店の百貨店・スーパー販売額の前年同月比は前回の6.4%と前回修正の6.5%に対し2.7%と弱かったことでは、強弱混合が続いたが、ドルは円相場でやや反発していた。
しかし、今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時156円99銭付近の始値であったが、日本市場の時間外の米国債券取引でも米国10年債の利回りが一時4.539%付近まで更に低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、午前11時7分頃にドルは円相場で一時156円57銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
また、月末の決算時期を控えた今朝の日本市場の仲値決済では、国内輸入企業の円買いドル売りが優勢であったほか、今朝は日本政府の鈴木俊一財務相が為替相場について、「行き過ぎた動きに、適切に対応する考えは変わらない」と、円安牽制発言を続けていた。
ただし、今日の東京株式市場では、日経平均株価が上昇に向かったことでは、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円の利益確定売りが入り始めたほか、一時低下後の米国長期金利が反発と上昇を始めたため、日米金利差拡大による円売りドル買いに転じたことでは、ドルは円相場で反発し、上昇トレンドに転じた。
午後15時台には今日の日経平均株価が3万8487円90銭の終値をつけ、前日比433円77銭高の大幅高で大引けしたため、午後からの欧州市場と夕方からの英国ロンドン外国為替市場の参入を受けて米国長期金利が一時4.56%台に向けて一段と上昇したため、ドルは円相場で東京終値の17時0分直前の1分間の値動きの中で一時157円17銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
また、夕方には日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が4〜6月の公開市場操作の国債買い入れの指し値オペの運営方針を更新し、1回あたりの購入予定額のレンジと月間実施回数を市場予想通りに前回から据え置きにしたことでも、円売りドル買いが続いた。
このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は157円15銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円97〜99銭付近の前東京終値比で約18銭の円安ドル高になった。
今夜この後の米国ニューヨーク外国為替市場では、市場が注目する最新米国重要経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に4月の米国個人所得、4月の個人消費支出 (PCE) 物価指数と米国PCEデフレーターと米国PCEコア・デフレーター、今夜22時45分に5月の米国シカゴ購買部協会景気指数などが予定されており、イベント時の値動きには注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円4〜9銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の169円67〜69銭付近と比べて約37銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、今日の日経平均株価が大幅高になったことで、リスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円や安全資産のドルが売られて、欧州ユーロが買われやすくなっていた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0822〜1.0823ドル付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0807〜1.0809ドル付近と比べると約0.15セントのユーロ高ドル安であった。
ただし、今日の午後15時45分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の1〜3月期の仏国内総生産 (GDP) の改定値の前期比は、前回と市場予想一致の0.2%であったが、4月の仏消費支出の前月比が前回の0.4%と前回修正の0.5%と市場予想の0.2%に対し-0.8%に低下し、5月の仏消費者物価指数 (CPI) 速報値も前月比が前回の0.5%と市場予想の0.2%に対し0.0%に鈍化したものの、前年同月比は市場予想の2.4%に対し前回と横ばいの2.2%で、4月の仏卸売物価指数 (PPI / Producer Price Index) の前月比は前回の-0.2%と前回修正の-0.7%に対し-2.8%に鈍化していた。
しかし、今夜18時には欧州ユーロ圏総合の最新重要経済指標の5月の欧州消費者物価指数 (HICP / 英語:Harmonised Index of Consumer Prices / 米語:Harmonized Index of Consumer Prices) の速報値が発表され、前年同月比は前回の2.4%と市場予想の2.5%を上回る2.6%で、欧州HICPコア指数も前回と市場予想の2.7%を上振れする2.9%であったことでは、今夜この後のドルのイベントリスクもあり、ユーロ高ドル安が続いた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は199円64〜70銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の199円46〜52銭付近と比べて約18銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、先述の日経平均株価上昇時のリスクオンで、欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも低リスク通貨の円に対して買われていた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年5月31日の日本時間(JST)19時6分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時6分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:06の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 157.32 〜 157.33 | +0.35 (円安) |
ユーロ/円 | 170.65 〜 170.66 | +0.98 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0846 〜 1.0848 | +0.0039 (ドル安) |
英ポンド/円 | 200.20 〜 200.26 | +0.74 (円安) |
スイスフラン/円 | 173.60 〜 173.66 | +1.10 (円安) |
豪ドル/円 | 104.55 〜 104.59 | +0.83 (円安) |
注意:
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