FXニュース:英5.25%の政策金利維持

2024年6月20日
FXニュース:英5.25%の政策金利維持

 

東西FXニュース – 2024年6月20日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 欧州委員会是正対象に仏
  • 時間外の米長期金利上昇
  • 円安豪ドル高2007年以来
  • スイス中銀0.25%利下げ
  • 今夜祝日明け米市場控え

今日2024年6月20日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の高値でドルの安値の157円95銭付近から、円の安値でドルの高値の158円30銭付近の値幅約35銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は158円28〜30銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円73〜75銭付近の前東京終値比では約55銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析は、まず昨日の日本市場の終了後の昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、世界最大規模の金価格の値決めや取引通貨としてドルが使用されることが多いため、昨夜の米国ニューヨーク外国為替市場は6月19日の米国奴隷解放記念日のジューンティーンス (Juneteenth) の連邦祝日で休場であったにも関わらず、取引実需を含めたドル買いが入っていたため、昨夜21時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の始値該当時間の対ドル円相場は一時157円90銭付近と、昨夜17時の東京外国為替市場の終値の157円73〜75銭付近からドルが円相場で上昇トレンドであった。

英国ロンドン外国為替市場と同時進行していた欧州市場では、先週末にフランスの政治問題で減税による財政悪化懸念のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の欧州主要株価下落などで金融市場が混乱した後の沈静化と巻き返しの反動のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の動きが起きていたものの、昨夜に欧州連合 (EU / European Union) 行政執行機関の欧州委員会 (European Commission) が、フランス、イタリア、マルタ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、ベルギーの域内7カ国を対象に、財政赤字が域内で定める国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 比で3%の上限を超過している問題の是正措置を義務づける過剰赤字是正手続きを始めることを決定し、是正努力が不十分な場合には対象国には数十億ユーロの罰金が科される可能性があることなどから、先々週の欧州議会選挙でフランスのEUに懐疑的で減税を主張している極右の国民連合 (RN / フランス語 : Rassemblement National / 英語 : National Rally) が勢力を伸ばし、6月9日に発表されたフランス国民議会の下院解散と総選挙の第1回投票日の6月30日を控えているフランスでは、今回の選挙で極右か左派のいずれかが勝利をすれば、フランスの財政赤字はさらに深刻化するという見通しが出てきたため、再び一部の投資家達の間では警戒感が燻り始めており、自国通貨である欧州ユーロを外貨から買い戻す値動きが入ったことでは、昨夜21時頃に欧州ユーロは円に対して買い戻されて上昇していたほか、昨夜23時台にはドルに対しても欧州ユーロが一時買い戻されて上昇した影響が、対ドル円相場にも外貨影響として波及していた。

また、昨夜23時には最新米国経済指標の6月の米国NAHB (National Association of Home Builders / 全米住宅建設業者協会) 住宅市場指数の発表があり、前回と市場予想の45を下回る43であったことでは、昨夜23時頃にドルは欧州ユーロに対して一時下げた後に昨夜23時12分頃に円相場でも一時157円87銭付近の市場安値を記録していた。

昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界FX市場では、午前2時頃までは時間が重なる英国ロンドン外国為替市場の値動きの影響があったものの、英国市場が終わると市場参加者が急減し、市場流動性の減少により、少しの値動きでも大きく荒く出やすくなっていたが、前日の米国ニューヨーク債券市場では米国重要経済指標である米国小売売上高の下振れ後に米国長期金利が低下して終値を迎えていたものの、世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドルが買われる値動きの影響は、世界的な流動性が低めの円相場に対しては続いていたため、米国市場終盤に相当する時間の今朝5時23分頃にはドルは円相場で一時158円14銭付近の米国市場該当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

米国市場の祝日休場前の前市場では、次回の米国公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言内容から、米国が利下げに慎重な姿勢が見られた影響も残っていた。

その一方で、米国市場の祝日休場により、市場流動性の減少で今朝早朝には荒い値動きが出始め、午前6時頃の米国市場の終値相当時間の頃の利益確定売りと買い戻しの値動きが拡大され、すぐに158円台への買い戻しが入ったものの1分足チャートでは午前6時頃に瞬時157円80銭付近の米国市場相当時間の円の高値でドルの安値も記録していた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の158円14銭付近から、円の高値でドルの安値の157円80銭付近の値幅約34銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は158円9銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円86銭付近と比べて約23銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、前日のオセアニア市場でオーストラリア中央銀行の豪州準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) 理事会が5会合連続の豪州政策金利の4.35%の維持を決定後に、ミシェル・ブロック総裁が「豪州利上げを議論した」と発言していた影響で、豪ドルが円やドルなどの主要通貨に対して買われた影響の波及が残っていたことなどもあり、今朝8時半過ぎには今日はこの後に祝日連休明けの米国市場が再開するため、時間外の米国債取引が再開しており、一時4.225%付近に下げて始まった米国10年債の利回りが指標の米国長期金利の影響があり、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時157円95銭付近の始値で、これが今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

しかし、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が利下げに慎重な姿勢を示していた影響が続いていたことなどもあり、米国長期金利が4.258%付近に向けた上昇を始めたため、債券利回りを受けた日米金利差拡大の低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いの金利差トレードにより、ドルは円相場で上昇し、再び158円台に向かった。

今朝の日本市場の仲値決済でも、今日は20日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」であったこともあり、日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要も、今夜から再開する米国市場に向けて入っていた。

また、今日の東京株式市場では、日経平均株価が前日比で上昇し、午後15時台に3万8633円2銭の終値と、前日比62円26銭高で大引けしたことも、国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いの需要を弱めており、欧州政治懸念がフランスで再び燻っている欧州ユーロ以外のドルや豪ドルや英国ポンドなどの主要通貨に対する円安の一因になっていた。

ただし、欧州政治懸念が再びフランスなどの一部の国で燻っている欧州ユーロに対しては、世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドルと共に低リスク通貨も買われていたため、ユーロ円では円相場が下げ渋っている時間が見られていたが、他の主要通貨に対する円安の影響の波及では、東京市場の終盤にはユーロを含む主要通貨に対する円安が進行していた。

今夜この後の20時頃には英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) が英国の新政策金利と声明の発表を控えており、昨日の英国サービス価格の市場予想の上振れの高止まりを受けては、来月7月に総選挙を控える英国で急な利下げ転換は難しいのではという金利据え置きの市場予想が高まっていた影響もあり、低金利通貨の円はドルだけでなく英国ポンドや豪ドルなどの主要通貨に対しても売られたため、午後からの欧州英国市場の参入後には日米金利差拡大の円売りドル買いと、他の主要通貨に対する円売りの影響の波及も相まって、今日の午後16時44〜45分頃にかけてドルは円相場で一時158円27銭付近の市場高値圏に達した後、夕方17時頃の東京終値時点の1分間の値動きの中で一時158円30銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

なお、今日の夕方16時30分には、スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) が、3カ月物銀行間取引金利誘導目標中心値を前回と市場予想の1.50%に対し1.25%に決定するという0.25%のサプライズ利下げを発表したことから、スイスフランがドルなどの主要通貨に対して売られる値動きの影響も出ていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は158円28〜30銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の157円73〜75銭付近の前東京終値比では約55銭の円安ドル高になった。

今夜20時の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) の英国の新政策金利と声明と議事録発表イベントの後の、今夜この後の祝日明けの米国市場では、最新米国重要経済指標の発表や米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に5月の米国建設許可件数、5月の米国住宅着工件数、1〜3月四半期の米国経常収支、6月の米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数が同時発表されるイベント時間があり、続いて、今夜21時45分頃から米国ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁の発言予定と、深夜24時に週間の米国原油在庫と、28時30分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国リッチモンド連銀のバーキン総裁の発言予定などを控えている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円71〜76銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の169円36〜38銭付近と比較すると約35銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日本市場の時間外の米国債券市場で日米金利差が拡大したドルに対する円売りや、豪州利上げまで議論していたという豪ドルや、今夜に英国新政策金利の発表前に金利据え置き予想が優勢であった英国ポンドなどに対する低金利通貨の円売りの影響が、欧州ユーロの円相場に対しても円安圧として波及していた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0722〜1.0724ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0736〜1.0738ドル付近と比べると約0.14セントのユーロ安ドル高だった。

主な要因は、フランスなどで欧州政治懸念が燻る中、米国利下げ転換に慎重な姿勢が見られていたこともあり、米国長期金利上昇時にはドルが欧州ユーロの対して買われやすかった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は201円10〜16銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の200円75〜81銭付近と比べて約35銭の円安ポンド高であった。

主な要因は、昨日発表の英国のサービス価格上昇率の前年同期比が5.7%と、市場予想を上回る高止まりを見せていたことなどから、英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) が、来月7月の英国総選挙前ということもあって、急な英国の利下げ転換を急がない可能性が市場で意識されており、今夜20時の英国新政策金利発表前の日本市場では、英国ポンドが低金利通貨の円に対して買われて上昇していた。

ただし、今日の夕方のスイスのサプライズ利下げの後では、現在の英国イングランド銀行 (BoE) はインフレ目標の2%付近としていることもあり、イベントリスクによる英国ポンドの利益確定や持ち高調整の抵抗もイベント前には混ざった。

追記として、今夜20時に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) は、英国の新政策金利を発表し、前回と市場予想通りに5.25%で英国政策金利の現状据え置きを決定した。

なお、今回の英国金融政策委員会 (MPC) の投票では、7対2で大多数の7人の支持により英国政策金利の現状据え置きが決定したが、反対票の2人は0.25%の英国利下げを支持していた。

また、今日の日本市場では、前述の豪ドルに対する円安の進行により、2007年以来の豪ドル高円安も記録していた。

その一方で、今日の夕方16時30分のスイスのサプライズ利下げのスイスフラン売りドル買いに続いて、英国市場で新政策金利発表前のイベントリスク回避でもドルが買われて上昇した影響の波及もあり、今夜19時1分頃にはドルは円相場で一時158円47銭付近に上昇していた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年6月20日の日本時間(JST)19時41分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時41分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:41の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 158.41 〜 158.43 +0.68 (円安)
ユーロ/円 169.94 〜 169.96 +0.58 (円安)
ユーロ/ドル 1.0726 〜 1.0728 -0.0010 (ドル高)
英ポンド/円 201.25 〜 201.31 +0.50 (円安)
スイスフラン/円 178.16 〜 178.22 -0.27 (円高)
豪ドル/円 105.70 〜 105.74 +0.49 (円安)


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