FXニュース:米雇用統計の発表を控え

2024年7月05日
FXニュース:米雇用統計の発表を控え

 

東西FXニュース – 2024年7月05日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • イベント前の持ち高調整
  • 五十日決済の輸出円買い
  • 日経平均最高値後の反落
  • 低リスク通貨円買い戻し
  • 欧州ECBに一部タカ派も
  • 英労働党圧勝の政権交代

今日2024年7月5日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の161円39銭付近から、円の高値でドルの安値の160円53銭付近の値幅約86銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は160円75〜76銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円27〜28銭付近の前東京終値比では約52銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、今夜の米国雇用統計を控えた持ち高調整は昨日からも始まっていたが、今日のニュースでは英国総選挙で労働党 (Labour) が保守党 (Conservative) に圧勝 (A landslide victory) し、2010年以来の14年ぶりの政権交代が話題になっているが、昨日の日本市場終了後の昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、昨日の英国選挙日の世論調査や出口調査などでも圧勝が予想されていた影響があり、時間帯が近い欧州市場の欧州政治懸念緩和による株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) や前米国市場で発表された弱い米国経済指標の影響なども相まって、世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルが欧英通貨に対して持ち高調整で売られた影響が対ドルの円相場にも波及し、昨日の日本市場終了後の昨夜20時14〜15分頃の英国ロンドン外国為替市場で、ドルは円相場で一時160円95銭付近に下落していた。

昨夜20時30分頃には、先月の6月開催分の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の議事要旨が公開され、欧州インフレ抑制目標達成への確信が高まったとして欧州利下げを決定したものの、「ほとんどのメンバーは、確信を強めた」とした一方で、「何人かのメンバーは、確信を高めなかった」ともあり、理事会の一部では欧州インフレの根強さへの警戒感が残るという、ややタカ派寄りの欧州利下げであったことが判明した。

昨夜21時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場は、昨日は7月4日の米国独立記念日 (Independence Day) の連邦祝日による休場で、米国ニューヨーク債券市場や米国ニューヨーク株式市場なども祝日休場であったため、世界FX市場はやや小動きになり始めたものの、同時進行中だった欧州英国市場の影響が続いていたことを受けては、昨夜21時頃の米国市場の始値相当時間の対ドル円相場は一時161円0銭付近で、昨夜21時11分頃にも再び一時160円95銭付近の米国市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

米国の祝日で現地の企業や銀行などの実需は減少したものの、世界最大の金価格の値決めなどがある英国ロンドン市場などで世界的な取引に使用される基軸通貨としてのドル需要があったことなどでは、その後のドルは反発し、先述の祝日前の前米国市場で発表された米国重要経済指標の影響では値動きには戻りには抵抗はあったものの、今夜この後の祝日明けの翌米国市場で発表予定の最新米国重要経済指標の6月の米国雇用統計の発表イベントを控えた持ち高調整なども入り始めた。

最新の米国雇用統計は、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長が、毎回の様に米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) 後の定例記者会見で引用していることでも知られる様に、米国の政策金利や金融政策を決定する上で重視されている経済指標の一つであり、今回の市場予想では減速の市場予想が出ているが、過剰に下振れしたした場合には早期の米国利下げ転換が起き得る可能性がある一方で、もし上振れをした場合には米国高金利長期化予想が高まる要因にもなるため、イベントリスクによるドル売りや買い控えの一方で、投資家達の予想によるイベント前の持ち高調整などが入り始めていたことでは、例え米国利下げ転換が起きても当面の間は日米の政策金利差が続くのではないかという予想を受けたドルの買い戻しも混ざったことなどでは、欧米市場終了後の世界FX市場時間の午前5時59分頃には、ドルは円相場で一時161円31銭付近にまで買い戻されていたが、イベントリスクのあるドルの低リスク通貨の円の対する値動きは重かった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界FX市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の160円95銭付近から、円の安値でドルの高値の161円31銭付近の値幅約36銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値相当時間は161円28銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の161円69銭付近と比べて約41銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時30分に発表された日本の最新経済指標の5月の日本全世帯家計調査の消費支出の前年同月比が、前回プラス圏の0.5%と市場予想の0.1%を大きく下回り、2カ月ぶりのマイナス圏の-1.8%に下振れしたことを受けては、今朝早朝のドルの買い戻しが続き、今朝8時45分にドルは円相場で一時161円40銭付近にまで買われた。

今朝8時50分に発表された日本の最新経済指標の6月の日本外貨準備高も、前回の1兆2316億ドルから1兆2315億ドルにやや縮小していた。

今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時161円36〜39銭付近の始値であったが、今日は5日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日」 (ごとおび / ゴトーび) であったため、輸入企業の大規模な円買いドル売りオーダーが観測され、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時161円39銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値になり、ドルは円相場で下落し、今朝の仲値決済に向けていた今朝9時47分頃に一時160円82銭付近に下落した。

また、今日の日本市場でも今夜の米国雇用統計を控えたイベントリスクによる利益確定や持ち高調整とドルの買い控えなどが入っていたことに加えて、昨日にも史上最高値をつけて好調だった日経平均株価が、今朝の東京株式市場でも一時は高く始まったものの、史上最高値を記録後の利益確定の株売りオーダーが、今日の円高を受けて海外投資家達などから強まった影響などで反落トレンドに転じ始めたため、午後に前日比でマイナス圏に転じる動きが警戒され、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも低リスク通貨の円が買われたため、円相場はドルに対して更に上昇し、昼の12時22分頃に一時160円53銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

昼下がりの東京株式市場では、日経平均株価が一時は前日比で大幅安になったものの、終盤に向けた買い戻しも混ざり始めて下げ幅を縮小したことでは、午後15時台に今日の日経平均株価は4万912円37銭の終値をつけ、前日比1円28銭安の小幅安に留まったことでは、リスク回避で買われていた低リスク通貨の円が上昇後の利益確定売りで売られる抵抗も入り始めた。

しかし、午後からの欧州英国市場の参入でも、昨夜のトレンドの影響もあり、欧英通貨に対して、今夜のイベントリスクもあるドルが売られたり買い控えられていたことなどもあり、外貨影響の波及を受けたドルの戻りは円相場でも重く、今日の日本市場や欧州市場の時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が下げた影響もあり、今日の夕方16時46分頃のドル円は一時160円85銭付近と、160円台後半に留まっていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は160円75〜76銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の161円27〜28銭付近の前東京終値比では約52銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場は祝日休場明けで、最新米国重要経済指標の米国雇用統計の発表イベント予定があり世界的に注目されているが、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に6月の最新米国雇用統計の非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls、米国平均時給、米国失業率などの重要経済指標が発表される予定である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は174円4〜5銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の174円9〜11銭付近と比較すると約5銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、前述の通りの今日の基軸通貨のドルに対する円高の影響の波及や、日本市場での大規模な円買いと、日経平均株価の史上高値後の反落を受けたリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円の買い戻しでは、欧州ユーロが円に対して下落した。

また、今日の午後15時に発表された欧州ユーロ圏の主要国ドイツの5月の独鉱工業生産も、前月比が前回の-0.1%と前回修正と市場予想の0.1%に対し-2.5%に低下し、前年同月比も前回の-3.9%と前回修正の-3.7%と市場予想の-4.3%に対し-6.7%と低調で、続いて午後15時45分のフランスの5月の仏鉱工業生産も、前月比が前回の0.5%と前回修正の0.6%と市場予想の-0.5%に対し-2.1%に低下し、同時発表だった5月の仏貿易収支も前回の-75.79億ユーロと前回修正の-75.61億ユーロに対し-79.87億ユーロと弱かった。

ただし、今週末の7月7日にフランス下院選挙決選投票のイベントを控えるものの、今日のパリのニュースでは、仏極右政党の国民連合 (RN / 仏語:Rassemblement National / 英語:National Rally) の議席数は仏国民議会下院577議席数の過半数には達しない見通しが最新の世論調査で出ていることなどでは、欧州政治懸念の緩和は継続しており、ユーロ円が小幅域であったほか、今夜の米国雇用統計発表前のイベントリスクによる持ち高調整や買い控えが入っているドルに対しては、昨夜の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の議事要旨の影響で欧州の連続の追加利下げ予想が後退していた影響もあり、欧州ユーロが上昇していた。

そのため、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0825〜1.0827ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0794〜1.0795ドル付近と比べると約0.31セントのユーロ高ドル安であった。

なお、その後の今夜18時に英国ロンドン外国為替市場で発表された欧州ユーロ圏総合の5月の欧州小売売上高は、前月比が前回の-0.5%と前回修正の-0.2%と市場予想の0.2%に対し0.1%であったが、前年同月比は前回の0.0%が前回0.6%に上方修正された上で、市場予想の0.1%を上回る0.3%であった。

今夜この後の世界市場では、26時15分頃から欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言予定も控えている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は205円42〜48銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の205円65〜71銭付近と比べて約23銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今日の基軸通貨のドルに対する円高の影響の波及や、日本市場の今朝の大規模な円買いの影響や日経平均株価の史上高値後の反落を受けた低リスク通貨の円に対して円高ポンド安の東京終値をつけていた。

また、前述の通り、昨日の英国総選挙の結果を受けて、今日は英国政権交代に伴う世界ニュースも話題になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月5日の日本時間(JST)19時21分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時21分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:21の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 160.67 〜 160.69 −0.60 (円高)
ユーロ/円 174.03 〜 174.05 −0.06 (円高)
ユーロ/ドル 1.0830 〜 1.0832 +0.0036 (ドル安)
英ポンド/円 205.49 〜 205.55 −0.16 (円高)
スイスフラン/円 178.90 〜 178.96 +0.06 (円安)
豪ドル/円 108.21 〜 108.25 −0.13 (円高)


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