FXニュース:今夜米FRB議長発言控え

2024年7月09日
FXニュース:今夜米FRB議長発言控え

 

東西FXニュース – 2024年7月09日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 今週は米CPIとPPI発表も
  • 米連銀予想インフレ鈍化
  • 安全資産としての米国債
  • 日経平均株価史上最高値
  • 欧ユーロ円安記録後反発
  • 英MPC委員利下げに慎重

今日2024年7月9日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の161円13銭付近から、円の高値でドルの安値の160円74銭付近の値幅約39銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は160円90〜91銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の160円91〜92銭付近の前東京終値比では横ばいレンジ圏に近い約0〜1銭の僅差の円高ドル安で、今夜その後の18時頃の英国ロンドン外国為替市場では円安ドル高にも転じている。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、フランス選挙後の欧州ユーロの買い戻しが進んで欧州ユーロが1999年の統一通貨としての導入以来の史上最高値を記録した影響の外貨波及に加えて、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.316%付近に反発上昇したことから、債券利回りを受けた金利差トレードでの日米金利差拡大による円安要因もあったため、昨夜17時59分頃にドルは円相場で一時161円12銭付近を記録し、161円台を一時回復していた後であったことなどから、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時161円0〜1銭付近の始値で、昨夜21時1分頃にかけて記録した一時161円1銭付近が昨夜の米国市場時間の円の安値でドルの高値となっていた。

しかし、先週末のフランス総選挙で、極右政党の国民連合 (RN / 仏語:Rassemblement National / 英語:National Rally) が143議席獲得の第3党に転じたことでは以前に懸念されていた大規模減税案による財政悪化懸念が緩和されて欧州ユーロが買い戻された一方で、左派連合の新人民戦線 (NFP / 仏語:Nouveau Front Populaire / 英語:New Popular Front) が182議席獲得の市場想定外の第1党になり、中道の与党連合が168議席の第2党と、フランス議会下院ではどの政党も単独では過半数に達しないハング・パーラメント (Hung parliament / 宙吊り議会) になることから、先行き不透明感も出てきたことでは、欧州ユーロの円相場での史上高値後の利益確定や持ち高調整も相まって、欧州ユーロが低リスク通貨の円相場で反落した影響が波及し始めたほか、世界的な安全資産でもある米国債が買われ始めた。

米国ニューヨーク債券市場でも、先週金曜日の最新米国雇用統計の減速感を受けて今年年内の米国利下げ予想が高まっていた影響もあり、米国債が買われたことで債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、昨夜21時10分頃の一時4.316%付近から急落し、昨夜22時頃には一時4.275%付近と大幅な低下を見せたことから、債券利回りを受けた金利差売買で日米金利差縮小時の円買いドル売りが強まり、昨夜23時23分頃にはドルは円相場で一時160円48銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

昨夜には、米国ニューヨーク連銀が最新の6月の米国消費者調査の期待インフレ率を発表し、今後1年先の米国消費者の期待インフレ率は前月の3.2%に対し6月には3.0%と2カ月連続で鈍化し、昨年12月から今年3月までの水準に戻ったことも、連続データでの米国インフレ鈍化を市場に意識させたことでも、米国長期金利は更に一時4.271%付近に向けて低下をしていたが、米国住宅価格やその他の生活費などの物価上昇に対する米国消費者の短期の見通しは軟化したが、3年先は2.9%に上昇し、5年先は2.8%に鈍化したものの、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が目標とする2%をいずれも上回り続けていたことでは、米国インフレの根強さも意識されてドルは下落したものの、下げ渋って反発も見せた。

また、今夜この後の翌米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の中でも市場への影響力が最も強いジェローム・パウエル議長の要人発言予定のイベントを控えており、半期に一度の米国議会証言で今夜7月9日の米国上院銀行委員と明日7月10日の夜の米国下院金融サービス委員会が連日で予定されていることから、今週は明後日7月11日に最新米国重要経済指標でインフレデータの6月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントも控えているため、イベント前の持ち高調整や様子見の値動きも、イベントリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の安全資産の米国債買いと共に、入り始めていた。

午前4時に発表された最新米国経済指標の5月の米国消費者信用残高の前月比は、前回の64.0億ドルと前回修正の64.9億ドルと市場予想の100.0億ドルを上回る113.5億ドルに増加していた。

米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) は小幅安になったものの、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) の二指数は続伸したことでは、値上がり株数の方が多い米国株価影響のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で、低リスク通貨の円や価格上昇後の米国債が利益確定や持ち高調整で売られて、ドルが買い戻される値動きが入ったことではドルは円相場で反発上昇し、米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りも4.281%付近に反発し、前営業日比+0.001で終えていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の161円1銭付近から、円の高値でドルの安値の160円48銭付近の値幅約53銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は160円83銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の160円75銭付近と比べて約8銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時160円86銭付近の始値で、今朝9時7分頃には時間外の米国債券取引で米国長期金利が再び低下した影響もあり、ドルには円相場で一時160円76銭付近への下押しも入ったが、今朝の日本市場の9時55分の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要があり、ドルは円相場で反発上昇した。

また、東京株式市場では、米国のハイテク企業株上昇や半導体株ブームが円安の追い風を受けて続いており、海外投資家達によるオイルマネー流入の噂などもあり、上昇トレンドで始まった日経平均株価が、今朝から4万1千円台の史上最高値に乗せ始めて、更に大幅な上昇を見せたとでも、株価上昇時のブル・マーケット (Bull Market / 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオン (Risk-on) により国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られた影響でもドルは円相場で上昇し、今朝11時10分頃と11時12分頃には一時161円13銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

なお、今日の日経平均株価は、午後15時台には4万1580円17銭の史上最高値の終値をつけ、前日比799円47銭高の大幅高で大引けした。

また、今日は日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の銀行等グループの債券市場参加者会合のニュースもあり、国債購入予定額については、0、2〜3兆円、4兆円などの幅広い意見が出されたことが話題になった。

ただし、イベントを控えた持ち高調整では、当面の間は日米の金融政策の違いを受けた日米金利差が続くという市場予想によるドル買いなども入っていた一方で、最近の米国経済指標のデータを受けて、今夜この後に米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の発言内容への様子見のドルの買い控えなども入っていたことでは、市場高値後のドルには早期の利益確定売りなどの抵抗も入り始めたため、午後16時頃からの英国ロンドン外国為替市場の本格参入時には、昨夜に英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) が英国雇用市場の引き締まりなどから、早期の英国利下げ転換には慎重な姿勢を示していたというニュースなどもあり、英国ポンドに対してドルが下落して始まった外貨影響の波及もあり、今日の午後16時6分と8分頃にはドルは円相場で一時160円74銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

その後には、英国市場では新政権による政治安定や景気面でも2008年以降のリセッション (Recession / 景気後退) を脱したという景気期待感などもあり、世界的な安全資産の米国債が売られた影響では、債券価格低下に伴う利回り上昇で米国長期金利が再び反発して一時4.299%付近になっていた影響もあり、市場安値後のドルの買い戻しでは、今夜17時48分頃の英国ロンドン外国為替市場ではドルは円相場で一時161円8銭付近に買い戻されたのだが、その経過途中の今夜17時に東京終値を迎えていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は160円90〜91銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の160円91〜92銭付近の前東京終値比では横ばいレンジ圏に近い約0〜1銭の僅差の円高ドル安となり、今夜その後の18時頃の英国ロンドン外国為替市場では円安ドル高に転じていた。

今夜この後の米国市場では、先述の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長を始めとする要人発言予定と米国債入札予定などを控えており、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時15分頃から次回のFOMCの投票権を持つFRBのマイケル・バー副議長の発言予定、23時0分頃から市場注目度の高いジェローム・パウエル議長の半期に1度の上院銀行委員会の議会証言での要人発言予定と、同じく23時0分頃から米国政府のジャネット・イエレン財務長官の議会証言発言予定、26時に米国3年債の入札予定、26時30分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン理事の発言予定などを控えている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は174円3〜4銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の174円35〜37銭付近と比較すると約32銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、前述の通り、昨夜の欧州市場では欧州ユーロが円相場で史上最高値を更新していたが、その後には欧州ユーロ圏では主要国ドイツに並ぶ影響力を持っていたフランスが、ハング・パーラメントになり、今後の欧州政治の不透明感が高まったことなどでは低リスク通貨の円や世界的に流動性が高い安全資産でもあるドルに対して欧州ユーロが反落したため、今日の東京終値では前日比で円高ユーロ安とユーロ安ドル高になった。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0815〜1.0817ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0835〜1.0837ドル付近と比べると約0.20セントのユーロ安ドル高であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は205円90〜96銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の206円18〜24銭付近と比べて約28銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州連合 (EU / European Union) の離脱後も経済圏が近く欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE) の金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) のジョナサン・ハスケル委員が、「タイトで損なわれた英国労働市場」が、英国インフレを高止まりさせると発言し、来月の委員会でも16年ぶりの高水準にある現在5.25%ノ英国政策金利の据え置きを支持する意向を示唆したことでは円だけでなくドルに対しても英国ポンドが買われたが、今日の欧州ユーロの反落の影響では、英国ポンドも円相場で昨夜などに一時206円台の2008年以来の円安ポンド高後の小反落を今夜17時の東京終値時点では見せていた。

しかし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜18時頃にはドル円が円安ドル高に転じていた影響の波及などもあり、今夜19時台にはポンド円も再び206円台に戻しており、再び前東京終値比で円安ポンド高にも転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月9日の日本時間(JST)19時37分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時37分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:37の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 160.96 〜 160.97 +0.05 (円安)
ユーロ/円 174.28 〜 174.30 −0.07 (円高)
ユーロ/ドル 1.0826 〜 1.0828 −0.0009 (ドル高)
英ポンド/円 206.36 〜 206.42 +0.18 (円安)
スイスフラン/円 179.27 〜 179.33 −0.54 (円高)
豪ドル/円 108.52 〜 108.56 +0.02 (円安)


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