FXニュース:円買い為替介入観測再び

2024年7月15日
FXニュース:円買い為替介入観測再び

 

東西FXニュース – 2024年7月15日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米卸売物価指数は上振れ
  • 米消費者態度指数下振れ
  • 消費者予想インフレ鈍化
  • 米トランプトレード反発
  • 日本祝日で為替介入警戒
  • 米パウエル議長発言控え

今日2024年7月15日月曜日の日本の東京外国為替市場は海の日で祝日休場ですが、9時頃から17時頃までの東京外国為替市場相当時間の世界FX市場の対ドル円相場の為替レートは、円の安値でドルの高値の158円36銭付近から、円の高値でドルの安値の157円83銭付近の値幅約53銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値相当時間は157円91〜93銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の159円23〜25銭付近の前東京終値比では約1円32銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、先週の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時158円97銭付近の始値で、先週金曜日の夜21時30分に発表された最新米国経済指標の6月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI / Producer Price Index) は、前月比は前回の-0.2%が前回0.0%に上方修正された上で市場予想の0.1%を上回る0.2%に上振れしたほか、前年同月比も前回の2.2%と前回上方修正の2.4%と市場予想の2.3%を上回る2.6%で、食品やエネルギーを除いた物価基調の米国PPIコア指数の前月比も前回の0.0%と前回上方修正の0.3と市場予想の0.2%を上回る0.4%で、前年同月比も前回の2.3%と前回上方修正の2.6%と市場予想の2.5%を超える3.0%に上振れの米国インフレ関連の経済指標を受けては、前日発表の6月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の連月鈍化を受けて後退していたインフレ警戒感が燻り、発表後の先週金曜日22時32分頃にドルは円相場で一時159円15銭付近に上昇し、先週末の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、米国10年債の利回りが指標になる米国長期金利は、世界的な安全資産の米国債買いの影響などで、米国PPI発表の5分前には一時4.190%付近にまで低下しており、米国PPIの上振れの発表10分後には一時4.127%付近に反発上昇したものの、その10分後には再び一時4.198%付近に反落を見せるなど、前日の米国CPI発表後の日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入観測後の連日での為替介入警戒感もあったことでは、債券価格上昇に伴う利回り低下の影響もあり、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードで円買いドル売りが入り、市場高値後のドルには利益確定売りが入り始めた。

しかし、その後の先週金曜日の夜22時過ぎには米国長期金利が再び反発し、先週金曜日の夜22時15分頃には一時4.212%付近と上昇していたにも関わらず、市場のファンダメンタルズや金利差を無視した様な大規模な円買いドル売りが22時過ぎに入り始めて、対ドルの円相場が22時8分頃から大幅に急伸するという日本政府と日銀 (BoJ) の連日の為替介入観測が再び浮上する大規模な円買いドル売りが起き、先週金曜日の夜22時15分頃には一時157円36銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国長期金利が先週金曜日の夜22時55分頃には一時4.209%付近に上昇していたことでは、日米金利差拡大を受けた金利差トレードで、ドルは円相場で22時54分頃には一時158円46銭付近へとすぐに157円台から158円台へのドルの買い戻しは入ったものの、その後の先週金曜日の夜23時に発表された最新米国経済指標の7月の米国ミシガン大学消費者態度指数の速報値は、前回の68.2と市場予想の68.5を下回る66.0とおよそ8カ月ぶりの低水準に下振れしたほか、同時発表の米国消費者の1年先の予想インフレ率も前月の3.0%から2.9%に鈍化したことを受けては、ファンダメンタルに沿った円買いドル売りも入った。

ただし、指標発表時間からややずれた先週金曜日の夜23時20分頃にも、この時間の米国長期金利は一時4.205%付近に向けて推移していたにも関わらず、再び大規模な円買いドル売りが入り、ドルは円相場で23時13分頃には再び一時157円38銭付近の市場安値圏に急落し、市場では日本政府と日銀 (BoJ) の連日での為替介入観測と警戒感が高まった。

為替市場での為替介入警戒感の高まりを受けては、安全資産の米国債が再び買われた影響もあり、上昇後の米国長期金利が低下したため、その後のドルの円相場での反発は深夜0時53分頃の一時158円9銭付近に留まった。

為替介入警戒感が続く中でも、前日発表の6月の米国消費者物価指数 (CPI) の連続下振れとこの日の先ほどの6月の米国卸売 (生産者) 物価指数 (PPI) の上振れ後に、米国消費者予想インフレ率鈍化のニュースを受けた米国主要企業の決算報告期の米国ニューヨーク株式市場では、米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) 金利先物価格データを基に市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ・ツール (CME FedWatch Tool) で、今年9月の米国利下げの市場予想値が確定値と考えられている70%を超え続けて高まっていることから、将来的な企業決算に影響を与える可能性がある米国政策金利の警戒感の緩和では米国長期金利低下に伴うドル売りがあった一方で、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株 (Dow Jones Industrial Average) が前営業日比で大幅高になり、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も大幅高で、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も揃って上昇したことでは、低リスク通貨の円が売られる抵抗も入った。

とはいえ、米国ニューヨーク債券市場では、為替介入警戒感などからも世界的な安全資産でもある米国債が買われた影響があり、米国10年債の利回りは終値時点では4.184%付近と、前営業日比-0.028%と低下していたことでは、為替介入観測の影響もあり、前営業日比で円高ドル安に傾いていた。

このため、先週金曜日の夜から先週土曜日の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の159円15銭付近から、円の高値でドルの安値の157円36銭付近の値幅約1円79銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は157円83銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の158円84銭付近と比べて約1円1銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

週が明けた今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、昨日のドナルド・トランプ元米国大統領の暗殺未遂事件のニュースを受けて、市場では今年の秋の米国大統領選で再選の可能性が意識され、中国などからの輸入関税の大幅増税案や米国景気刺激策による米国インフレ再燃懸念が再び意識されるという「トランプ・トレード」のドル買いが先行したため、今朝8時21分頃にドルは円相場で一時158円43銭付近に上昇した。

今朝9時頃からの今日の東京外国為替市場始値相当時間の対ドル円相場は一時158円29銭付近であったが、今日の日本市場は国民の休日「海の日」の祝日休場であったため、今朝のアジア・オセアニア市場のトレンドを引き継いだことでは、今朝9時4分頃と9時28〜29分頃にドルは円相場で一時158円36銭付近の今日の日本市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、日本市場の祝日休場中には過去に為替介入観測が起きた経緯から、時間帯が近い海外市場を狙った日本市場時間外の日本政府と日銀 (BoJ) のステルス為替介入への警戒感が続いたことでは、為替介入リスク回避で低リスク通貨の円買いドル売りが入り、円相場は再び反発上昇し、午後14時21分頃には一時157円83銭付近の今日の日本市場相当時間の円の高値でドルの安値を記録した。

午後からの欧州市場の参入が始まり、今日の時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が上昇して始まり、今日の午後15時16分頃には一時4.243%付近に上昇していたため、日米金利差トレードで低金利の円が売れられてドルが反発して下げ幅を縮め、午後15時20分頃にはドルは円相場で一時158円24銭付近に反発したが、英国ロンドン外国為替市場参入後の今夜17時にも一時4.214%付近への反落幅であったにもかかわらず、為替介入警戒感も強く円相場は夕方16時45分頃にも再び一時157円84銭付近と157円台への反発を見せていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は157円91〜93銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の159円23〜25銭付近の前東京終値比で約1円32銭の大幅な円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場は平日営業予定で、最新米国経済指標の発表予定などがあり、特に次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の中でも市場影響力が大きいジェローム・パウエル議長の講演での要人発言予定があることから、先日の米国CPI下振れ後にどう変化するのかが市場で注目されているが、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に7月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数、25時30分頃から米国FRBのジェローム・パウエル議長の要人発言予定、29時35分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つ米国FRB高官の米国サンフランシスコ連銀メアリー・デイリー総裁の発言予定などを控えている。

また、今夜は米国主要企業の決算報告予定もあり、今夜21時台頃に米国金融大手のゴールドマン・サックス決算報告などがあり、株式市場からの影響にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は172円7〜8銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の173円19〜20銭付近と比較すると約1円11銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、市場では連日との観測も出ている日本政府と日銀 (BoJ) の大規模な円買いドル売りの為替介入観測の外貨波及により、欧州ユーロに対しても大幅な円高が続いた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0895〜1.0897ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0874〜1.0876ドル付近と比べると約0.21セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、ドルストレートの円買いドル売りの為替介入観測のドル安の影響が外貨にもドル下落圧と波及したほか、先日の米国消費者物価指数 (CPI) の下振れ後に今年9月の米国利下げ予想値が確定値を超えて推移を見せたことから欧米金利差縮小が意識され、ドルは欧州ユーロや英国ポンドなどに対しても下げていた。

また、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の5月の欧州鉱工業生産は、前月比が前回の-0.1%と前回修正の0.0%と市場予想に-1.0%対し-0.6%で、前年同月比も前回の-3.0%と前回修正の-3.1%と市場予想の-3.6%に対し-2.9%と、市場予想ほどは悪化しなかった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は204円99銭〜205円5銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の205円80〜86銭付近と比べて約81銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、ドルや欧州ユーロと同様に、連日の円買い為替介入観測で主要通貨に対して円相場が急伸した影響が英国ポンドにも波及していたが、日英金利差や米国主要株価三指数上昇などの低リスク通貨の円売りを受けては、英国ポンドには買い戻しも入っていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月15日の日本時間(JST)19時24分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時24分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:24の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 158.01 〜 158.02 −1.22 (円高)
ユーロ/円 172.50 〜 172.52 −0.69 (円高)
ユーロ/ドル 1.0916 〜 1.0918 +0.0042 (ドル安)
英ポンド/円 205.07 〜 205.13 −0.73 (円高)
スイスフラン/円 176.84 〜 176.90 −0.91 (円高)
豪ドル/円 107.14 〜 107.18 −0.64 (円高)


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