FXニュース:日経平均株価続落円買い

2024年7月18日
FXニュース:日経平均株価続落円買い

 

東西FXニュース – 2024年7月18日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 為替介入の警戒感が継続
  • 米対中規制の半導体株安
  • 日米政治家達の円安牽制
  • 米FRB高官利下げ近づく
  • 米連銀経済報告鈍化予想
  • 米大統領コロナ政治懸念
  • 今夜欧ECB理事会を控え

今日2024年7月18日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の155円46銭付近から、円の高値でドルの安値の156円57銭付近の値幅約1円11銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円23〜25銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円4〜6銭付近の前東京終値比では約81銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、昨日の日本市場では、米国が中国に対する半導体規制を警告したニュースの影響で半導体株が下落し、米国ブルームバーグ通信 (Bloomberg) が日本の次期首相候補の一人と噂される河野太郎デジタル相が、円が安すぎるとして「日銀に追加利上げを求めた」と報道した影響で国内金利上昇への警戒感が高まり、昨日の東京株式市場の午後に日経平均株価が大幅に下落し、リスク回避のリスクオフ (Risk-off) で低リスク通貨の円が買われてドルや主要通貨に対して円相場が急伸した。

その値動きを受けた昨夕の英国ロンドン外国為替市場では、日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入への警戒感が続く中で円相場が急伸したためやや小動きになる中でも、先日の銃撃事件後に今年の秋の米国大統領選の正式候補として優勢さを増したドナルド・トランプ元大統領が、中国などからの米国への輸入関税の増税案などを提唱しているが、中国通貨や日本円に対するドル高に対し、「米国はドル高により大きな問題を抱えている」とドル高牽制の発言していたことなども話題になり、日米の政治家達から相次いで円安ドル高への牽制発言が出ていたことが意識され、ドルの利益確定売りや持ち高調整が進み、日米金利差縮小予想が浮上した円相場だけでなく、欧州ユーロや英国ポンドに対しても円相場が急伸した一方でドルが売られてドル安が進んだ影響が対ドル円相場に波及したため、債券市場で今年9月の米国利下げ予想の影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.159%付近に向けて低下していたタイミングで円高ドル安が進行し、昨夜17時58分頃と18時1分頃にドルは円相場で一時156円10銭付近になっていた。

その後の米国長期金利は一時反発したが、昨夜19時台後半には米国経済紙ウォールストリート・ジャーナル (Wall Street Journal) のインタビューで、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁が、「インフレ鈍化が続けば、数カ月以内に米国利下げを実施することが妥当になる可能性が高い」と話していたことも話題になり、昨夜20時30分頃にも一時4.153%付近に低下したため、ドルの買い戻しが鈍く、昨夜21時頃の欧州英国市場の後半から時差で始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円51銭付近の始値であった。

ただし、昨夜21時30分に発表された最新米国経済指標の6月の米国住宅着工件数は、年率換算件数が前回の127.7万件が前回131.4万件に上方修正された上で、市場予想の130.0万件を上回る135.3万件に上昇し、前月比も前回の-5.5%と前回上方修正の-4.6%と市場予想の1.8%を上振れする3.0%に改善され、同時発表だった6月の米国建設許可件数も、年率換算件数が前回の138.6万件と前回上方修正の139.9万件と市場予想の140.0万件を上回る144.6万に上昇し、前月比も前回の-3.8%と前回修正-2.8%と市場予想の0.1%を上振れの3.4%に増加したことでは、ドルの買い戻しも入り、昨夜21時32分頃にドルは円相場で一時156円74銭付近に一時反発し、米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、米国長期金利も昨夜21時45分頃には一時4.191%付近に反発した。

また、昨夜22時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国リッチモンド連銀のトーマス・バーキン総裁の発言があり、最近の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の上昇率が連続月で鈍化を見せたディスインフレーション (Disinflation) のデータは心強いとしながらも、それが目標の2%に向けて持続する確証を「まだなお探している」と発言したことや、「米国のインフレと雇用には両面のリスクがある」とリスクバランスに言及し、「米国労働市場の全体像は、依然としてとても健全」であることを指摘したことでも、この時間のドルには買い戻しの影響が続いていた。

昨夜22時15分に発表された最新米国経済指標の6月の米国鉱工業生産の前月比は、前回の0.9%が前回0.7%に下方修正され、前回よりは低下したものの市場予想の0.3%を上回る0.6%で、6月の米国設備稼働率も前回の78.7%が前回78.2%に下方修正されたが、市場予想の78.4%を上回る78.8%であったため、昨夜22時28分頃のドル円は一時156円60銭付近で推移していた。

しかし、今夜22時35分頃から同じく次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のクリストファー・ウォラー理事の発言があり、先ほどのバーキン総裁と同様に、米国インフレが持続的な低下軌道にあることを示す「証拠をもう少し確認したい」、「現在のデータは、ソフトランディング(Soft landing / 軟着陸)達成と整合的であり、向こう2カ月ほどはこの見方を補強するデータを探していきたい」とカンザスシティー連銀で講演したものの、「最終地点に到達したとは考えていないが、米国政策金利の引き下げが正当化される時期に近づいていると思う」とハト派寄りの発言もしたことでは、昨夜22時39分頃にはドルは円相場で一時156円15銭付近に下落した。

ただし、先日のジェローム・パウエル議長同様に、具体的な米国利下げ時期には言及しなかったことではドルの買い戻しも混ざり、「向こう2ヶ月」を受けては、金利先物価格データを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ・ツール (CME FedWatch Tool) では、今月7月30〜31日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) が金利据え置き予想値は確定値と考えられている70%超えの推移を続ける中でも95.3%付近に上昇していたが、今年9月の0.25%の米国利下げ予想値は91.7%と確定値の70%超えの推移を続け、一時は圏外だった今年9月の金利据え置き予想値が3.8%とわずかに復活した傍らで0.5%の大幅利下げ予想は4.5%に後退したが、9月の米国利下げ予想値が優勢さを保ち続けていることから、昨夜23時25分頃には一時4.193%付近まで上昇した米国長期金利がその後に再び低下を始めたため、深夜24時台には一時156円台中盤から後半付近で推移していたドルは日米金利差縮小予想の円に対して再び売られ始めた。

午前3時には、米国連邦準備制度理事会 (FRB) が最新版の米国地区連銀経済報告の通称ベージュブック (Beige Book) を公開し、「米国経済活動は大多数の地域で小幅から控えめなペースで拡大を維持した」との内容を受けては一時ドル買いが入ってドルは円相場で午前3時2分頃に一時156円49銭付近に反発した一方で、今後6カ月の見通しでは「米国大統領選や地政学的要因とインフレを巡る不確実性により経済活動が鈍化する」との予想があったことを受けては、米国ニューヨーク債券市場では安全資産の米国債が買われて債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、午前3時10分頃には米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が一時4.150%付近に急落を始め、午前4時10分頃には一時4.149%付近の低利回りを記録したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りで、午前4時13分頃にドルは円相場で一時156円5銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

市場高値後の円には利益確定売も入り始めたが、米国主要企業の決算報告シーズンが続く米国ニューヨーク株式市場では、米国経済のソフトランディングへの期待が高まる中で米国利下げ予想が続く金利警戒感の緩和では、米国主要株価三指数の中でも金利に敏感な米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) は前日に記録した終値ベースの史上最高値後にも大幅高で続伸したが、昨日の日経平均株価下落の一因にもなった米国の対中半導体規制を巡っては米国株式市場でも半導体株や関連株が急落したため、世界的なハイテク株の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は前日比で大幅安に反落した終値に向かい、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も反落したことでは、一部の株価下落を受けたリスク回避のリスクオフでも安全資産の米国債や低リスク通貨の円が買われる値動きが混ざったことが、為替介入警戒感と共に円相場を支えていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の156円74銭付近から、円の高値でドルの安値の156円5銭付近の値幅約69銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は156円20銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の158円35銭付近と比べて約2円15銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝早朝7時過ぎのアジア・オセアニア市場では、先日の米国大統領選の討論会で風邪で声が出なくなって以来、健康問題が懸念されていた81歳のジョー・バイデン大統領がコロナ検査で陽性になり軽い症状が出ているため、米国デラウェア州の自宅で隔離しながら仕事をする予定であることを米国政府のホワイトハウスが発表したニュースを受けて、米国政治懸念のドル売りも起き、今朝8時44分頃にはドルは低リスク通貨の円に対して一時155円37銭付近に下落していた。

その影響もあり、今朝9時頃からの日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時155円67銭付近の始値であった。

また、昨日に続き、今日も東京株式市場では日経平均株価が続落し、半導体株下落の影響に加えて、日銀の追加利上げへの警戒感や円高を受けた海外投資家達の日本株売りなどで大幅な下落を見せたため、日経平均株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われた影響では、今朝9時31分頃に対ドルの円相場は一時155円46銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、ここ最近の急激な円高ドル安の進行を受けては、今朝9時55分の日本市場の仲値決済では日本企業の輸入実需が入ったことに続いて、割安感が出たドル資金調達などもあり、日本市場時間は為替介入警戒感が一時的に緩和されていることもあり、円売りドル買いも入り始めて、ドルは円相場で反発して今朝までの大幅な下げ幅を縮め始めて、156円台中盤付近に向けて上昇し、昼の12時48分頃にドルは円相場で一時156円57銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、下げ幅を縮めていた。

ただし、今日の日経平均株価が大幅な続落を続け、午後15時に4万126円35銭の終値をつけ、前日比971円34銭安の大幅安で続落したことを受けては、低リスク通貨の円買いの抵抗も入った。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円23〜25銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円4〜6銭付近の前東京終値比では約81銭の円高ドル安であった。

その後の今夜18時49分頃の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利が一時4.193%付近に上昇したため、今夜18時53分頃にはドルは円相場で一時156円59銭付近にも買われた。

なお、欧州市場では、今夜この後の21時15分に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の新政策金利と金融政策発表のイベントを控えていることには注意が必要である。それに続いて、今夜21時45分頃からはクリスティーヌ・ラガルド総裁の要人発言も予定されている。

また、今夜この後の米国市場でも、最新米国経済指標の発表予定や米国主要企業の決算報告予定などがあり、日本時間での経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数と、7月の米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数が同時発表され、続いて、今夜23時に6月の米国景気先行指標総合指数と、29時に5月の対米証券投資、そして、米国株引け後の頃になる予定だが、米国株ネットフリックス決算報告なども予定されており、米国主要企業の決算報告シーズンが続くことから株式市場からの為替相場や安全資産への値動きの影響にも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円78〜79銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の171円30〜32銭付近と比較すると約52銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨日に続き、今日の日経平均株価の大幅続落を受けて、低リスク通貨の円が買われやすくなっており、欧州ユーロに対して上昇したほか、日銀の追加利上げ圧や連日為替介入観測後の警戒感なども円相場を支えた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0930〜1.0931ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0906〜1.0908ドル付近と比べると約0.24セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、米国利下げ予想の影響を受けて、円相場だけでなく、欧州ユーロや英国ポンドに対してもドル安が進行した。

ただし、欧州ユーロは、今夜この後には欧州中央銀行 (ECB) 理事会のイベントリスクを控えている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は203円8〜14銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の204円25〜31銭付近と比べると約1円17銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、日経平均株価の大幅続落を受けたリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買われる一方で、欧州ユーロ同様にリスク市場に弱い英国ポンドが円相場で売られたほか、日米政治家達からの円安牽制や為替介入への警戒感も続き、主要通貨に対する円高の影響が波及した。

なお、欧州周辺の安全資産でもあるスイスフランに対しては、今夜この後の欧州中央銀行 (ECB) のイベントリスク回避の影響もあり、今夜19時台には円相場は前日比で円安スイスフラン高に転じている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月18日の日本時間(JST)19時42分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時42分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:42の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.37 〜 156.39 −0.67 (円高)
ユーロ/円 171.00 〜 171.01 −0.30 (円高)
ユーロ/ドル 1.0934 〜 1.0936 +0.0028 (ドル安)
英ポンド/円 203.17 〜 203.23 −1.08 (円高)
スイスフラン/円 176.97 〜 177.03 +0.85 (円安)
豪ドル/円 105.32 〜 105.36 −0.41 (円高)

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