FXニュース:世界的IT障害リスクオフ

2024年7月22日
FXニュース:世界的IT障害リスクオフ

 

東西FXニュース – 2024年7月22日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米大統領戦バイデン撤退
  • 株安時の低リスク通貨円
  • 債券利回り受けた金利差
  • 来週の日米金融会合控え

今日2024年7月22日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の157円61銭付近から、円の高値でドルの安値の156円28銭付近の値幅約1円33銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円81〜82銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の157円31〜32銭付近の前東京終値比では約50銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、先週金曜日の夜17時に東京外国為替市場でドル円が157円31〜32銭付近で終値をつけた後の英国ロンドン外国為替市場では、6月の英国小売売上高の前月比が市場予想を下振れしていたことや、Windows (ウィンドウズ) のクラウドストライクのセキュリテイソフトのエラーが原因とされるIT問題で、空港チェックインシステムや決済システムの障害の影響が世界的な広がりを見せていたことからリスク回避のリスクオフ (Risk-off) 市場になり、低リスク通貨の円だけでなく世界的に流動性が高いドルも買われたため、欧州英国市場後半の先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク市場の対ドル円相場は一時157円47銭付近の始値であった。

また、先日のテレビ討論後も高齢者のコロナ感染の健康問題懸念や検査陽性発覚後にマスクをしていなかったことへの社会批判などから民主党側から今年11月の米国大統領選の候補入れ替え圧などが浮上したジョー・バイデン大統領に対して、ドナルド・トランプ前大統領が米国大統領選候補正式指名受諾の演説後で、市場では米国第一主義のアメリカ・ファーストに戻る可能性が意識されたトランプトレードでもドルが買われる動きがあった一方で、米国ニューヨーク債券市場では世界的な安全資産であった米国債が売られて米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.246%付近に向けた上昇を始めたことなどを受けては、先週金曜日の夜22時6分頃にはドルは円相場で一時157円70銭付近の米国市場の円の安値ドルの高値を記録していた。

しかし、米国ニューヨーク株式市場では、前述の世界的なITシステム障害のビジネス影響懸念のリスク回避のリスクオフや米国長期金利上昇時の金利警戒感などの影響を受けて、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) が前日比で大幅続落の終値に向けたほか、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も大幅安の終値に向かい、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も下洛と、三指数が揃って続落に向かったことを受けては、米国株価下落時のリスク回避のリスクオフではドルからでも買える低リスク通貨の円が買われたため、先週金曜日23時53分頃に対ドルの円相場は反発し、一時157円26銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、先週金曜日の夜23時40分頃からは次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ニューヨーク連銀のジョン・ウィリアムズ総裁の発言が始まっていたが、「米国連邦準備制度理事会 (FRB)は、引き続き2%のインフレ目標達成に注力している」と発言したものの、米国利下げ時期などの金融政策の見通しについては言及しなかった。

米国市場では米国長期金利の上昇がしており、日米金利差拡大を受けた円売りドル売りでドルも反発し、米国ニューヨーク外国為替市場よりも早く終了する米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りは4.239%と前営業日比で+0.036%上昇していた。

このため、先週金曜日の夜から土曜の朝までの先週末の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の157円70銭付近から、円の高値でドルの安値の157円26銭付近の値幅約44銭で、先週土曜日6時頃のニューヨーク終値は157円48銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円37銭付近と比べて約11銭の円安ドル高をつけ、週末を迎えていた。

週が明けた今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間では、時差遅れで先週末の米国でジョー・バイデン大統領が今秋11月の米国大統領選から撤退を表明し、同民主党のカマラ・ハリス副大統領を公認支持することが世界ニュースになったことで、先述のドナルド・トランプ前大統領の米国第一主義によるインフレ再燃懸念がやや緩和されたため、先週末の米国市場のトランプ・トレードの反動の調整のドル売りが入ったほか、米国債買いによる利回り低下で米国長期金利が低下を始めたことで、日米金利差縮小時の円買いドル売りが入ったため、今朝9時頃から始まった日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時157円42銭付近の始値と、先週末のニューヨーク終値よりも対ドルの円相場が上昇していた。

ただし、今日の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需や準備金などのドル需要も高くドルは円相場で反発したほか、先日のトランプ銃撃事件以降は米国の著名企業家などが支持を表明しており、依然として候補入れ替え騒動の民主党よりも優勢であるとの見解もあったことではドルの買い戻しも入っており、今朝11時11分頃にドルは円相場で一時157円61銭付近と今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、世界的なシステム障害の影響からリスク回避のリスクオフ市場のトレンドが続いていた東京株式市場では今日の日経平均株価の下落幅が大幅になり、日本株価下落時のリスクオフでは国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われて対ドルの円相場は反発上昇したほか、午後15時台に日経平均株価が3万9599円0銭の終値をつけ、前営業日比464円79銭安の大幅下落の続落で大引けしたため、15時45分頃には対ドル円相場は一時156円28銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、日本市場の午後が時差で現地早朝にあたるから欧州英国市場でも、米国の政治不透明感を受けたドル売りが先行したことや、時間外の米国10年債の利回りが午後16時15分頃に一時4.209%付近まで下げてから反発するまでは債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りがあったことも影響を及ぼしていた。

ただし、午後16時15分以降には、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が反発後に上昇を始めたことでは、日米金利差拡大を受けた円の利益確定売りとドルの買い戻しも入り始めたが、日本市場後半に大規模な円買いが入り156円台になったことでは、海外市場時間に向けた日本政府と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の為替介入警戒感も燻り続けていたことでは、今夜18時29分頃には米国長期金利は一時4.240%付近に向けた上昇を見せていたものの、円相場でのドルの買い戻しの勢いはやや鈍かった。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場のドル円の終値は156円81〜82銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の157円31〜32銭付近の前東京終値比では約50銭の円高ドル安になっていた。

今夜この後の米国市場では、特に注目度が高い最新米国経済指標の発表予定がなく、また今週は来週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控えた米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言自粛のブラックアウト期間 (Blackout period) にあたる。ただし、政治や経済ニュース関連の値動きや、債券利回りを受けた金利差トレードの影響に加えて、米国主要企業の決算報告シーズンの影響は続いていることには注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は170円73〜75銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の171円27〜29銭付近と比較すると約54銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、世界的なシステム障害問題や日米欧株価下落時のリスクオフなどで、リスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドに対して、低リスク通貨の円が買われる需要が影響した。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0886〜1.0888ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.0886〜1.0888ドル付近と比べると同価格の横ばいレンジ圏であった。

主な要因は、低リスク通貨の円同様に世界的に流動性の高い安全資産でもあるドルも、リスクオフでは欧州ユーロに対して買われていたが、今日の日本市場の午後に日経平均株価の大幅下落を受けて円相場がドルに対して大幅に上昇したことでは主要通貨に対するドル下落圧もあったために欧州ユーロに対してドルは前営業日比で横ばいレンジ圏になっていた。

また、今夜その後の18時台の英国ロンドン外国為替市場では、来週の日米金融政策決定会合を控えた持ち高調整も始まる一方で、為替介入警戒感のドルの買い控えや欧州市場での対ドルの欧州ユーロの買い戻しなどの影響もあり、前東京終値比では小幅ながらもユーロ高ドル安も記録している時間が見られている。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は202円62〜68銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の203円37〜43銭付近と比べると約75銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、前述の通り、世界的なシステム障害や日経平均株価大幅安などのリスクオフで低リスク通貨の円が買われたため、今日の東京終値ではドルや欧州ユーロなどの他の主要通貨に対して円相場が上昇して引けており、欧州ユーロ同様にリスク市場で売られやすい英国ポンドに対しても前東京終値比で円高ポンド安の終値になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月22日の日本時間(JST)18時52分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の10時58分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 18:52の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 156.61 〜 156.63 −0.70 (円高)
ユーロ/円 170.59 〜 170.61 −0.68 (円高)
ユーロ/ドル 1.0891 〜 1.0893 +0.0005 (ドル安)
英ポンド/円 202.50 〜 202.56 −0.88 (円高)
スイスフラン/円 176.38 〜 176.44 −0.67 (円高)
豪ドル/円 104.38 〜 104.42 −0.95 (円高)

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