FXニュース:来週日米会合控えた調整
2024年7月23日東西FXニュース – 2024年7月23日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 茂木幹事長日銀利上げ圧
- 米長期金利上昇は抵抗に
- 米大統領戦の様子見調整
- 日米金融政策方向性意識
- 欧米株反発後日本株続落
- 国内金利上昇への警戒感
今日2024年7月23日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の156円93銭付近から、円の高値でドルの安値の155円93銭付近の値幅約1円0銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円6〜7銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の156円81〜82銭付近の前東京終値比では約75銭の円高ドル安であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向の分析はまず、昨日17時の日本市場終了後に、自民党の茂木敏充幹事長が東京都内での講演で、来週7月30〜31日に日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) 金融政策決定会合を控える日銀に対して、「過度な円安は日本経済にとってマイナスなのは明らか」として、「段階的な利上げの検討も含めて、金融政策を正常化する方針をもっと明確に打ち出す必要がある」と、政治的な追加利上げ圧の発言をした日本語版のニュースが話題になり始めた。
昨夕の英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇していたために比較的反応薄ではあったが、米国の年内利下げ予想が高まっていた中で日銀の追加利上げ圧がかかったことで、来週7月30〜31日の同日に日米の金融政策会合のイベントを控えたイベント前の持ち高調整では、国債買い入れ額減額や追加利上げ圧などで利上げ方向の日本に対し、年内利下げ予想が確定値を超えて利下げ方向に向かう米国との日米の金融政策の方向性の違いが意識されたため、対ドル円相場では昨夜17時47分頃の一時156円96銭付近から円相場が上昇し、昨夜19時5分頃には一時4.230%付近で推移していた米国長期金利が昨夜19時20分頃には一時4.228%付近に向けて低下していたこともあって、昨夜19時17分頃に対ドル円相場では一時156円17銭付近に円が上昇していた。
ただし、前日には世界的なITシステム障害の影響を受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の影響で下落した欧州主要株価指数の独DAXや英国主要株価指数の英FT100などが反発上昇し、日通し高値に向けた上昇を見せていたことを受けては、欧英主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) に転じて低リスク通貨の円が売られたため、円相場の反落に伴ってドルが反発し、昨夜19時51分頃に一時156円96銭付近に上昇した影響では、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時156円86銭付近の始値であった。
昨夜の米国ニューヨーク外国為替市場では、来週7月30〜31日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) を控え、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の高官達が発言を自粛するブラックアウト期間 (Blackout period) に入っていた材料薄に加えて、この日の米国市場では特に注目度が高い最新米国経済指標の発表予定がなかったことでは、イベント前のドルの利益確定や持ち高調整の影響があり、昨夜22時5分頃にドルは円相場で一時156円69銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
一方、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場は米国主要企業の決算報告シーズンであったが、欧英株価同様に前日には世界的なIT障害のリスク回避のリスクオフで下落後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃って反発上昇したことでは、再び欧米株式市場からのリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られ、世界的な安全資産である米国債も売られたことにより米国債券価格低下に伴う利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が午前1時30分頃には一時4.280%付近に急上昇していたため、債券利回りを受けた金利差トレードでも日米金利差を受けた円売りドル買いが入ったことでは、午前3時6分頃にはドルは円相場で一時157円17銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、前日にジョー・バイデン大統領が今秋11月の米国大統領選から撤退を表明し、同民主党のカマラ・ハリス副大統領の支持を表明したものの、今年11月の米国大統領選を控えた政治先行きの不透明感からは、先日のトランプ・トレード後の調整と様子見の動きが入ったほか、日米のイベントリスクのドルの利益確売りや持ち高調整も続いたため、世界的な安全資産の米国債も安値後に買われた影響では一時急上昇後の米国長期金利は徐々に上昇幅を縮め、米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国長期金利は4.253%に留まったことでは、日米イベントに向けた日本政府と日銀の為替介入警戒感も燻りドルの上値を抑えた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の156円69銭付近から、円の安値でドルの高値の157円17銭付近の値幅約48銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は157円4銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の157円48銭付近と比べて約44銭の円高ドル安をつけていた。
今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、今朝8時33分頃にドルは円相場で一時157円10銭付近までは上昇したが、今朝の日本市場を控えて日本の政治的圧力への警戒感が意識され、来週の日銀金融政策決定会合で予定されている国債買い入れ額の減額に伴う国内金利上昇圧に加え、追加利上げの可能性も再浮上したイベントリスクではドルが円相場で利益確定や持ち高調整で売られ、低リスク通貨の円が買われる値動きが優勢になり始めたため、今朝9時頃から始まった日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時156円90銭付近の始値で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で見せた一時156円93銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、今日の日本市場では円相場がドルに対して上昇した。
日本市場の今朝の仲値決済に向けては日本企業の輸入実需の円売りドル買いの抵抗は混ざったものの、イベントリスクへの警戒感では輸出企業の円買いドル売りが続いて相殺し、続いては投資系のイベントリスクの持ち高調整の円買いドル売りが入ったことでも、円相場は上昇トレンドを保った。
また、昨夜から今朝までの欧米株価反発上昇の影響では今朝は反発して始まった日経平均株価であったが、来週の日銀金融政策決定会合の国債買い入れ額減額による国内金利の先高感に加えて日銀の追加利上げへの警戒感が強まり、東京株式市場で日経平均株価が徐々に上昇幅を失い反落に転じたことも、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われたため円相場が上昇し、午後15時頃に日経平均株価が3万9594円39銭の終値をつけ、前日比4円61銭安と小幅ながらも続落したため、午後15時1分頃には対ドル円相場は一時156円22銭付近に上昇していた。
ただし、午後からの欧州市場の参入後の15時55分頃には、時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.258%付近に上昇したことを受けては、債券利回りを受けた日米金利差トレードがあり、英国ロンドン外国為替市場の本格参入後のドルは円相場で午後16時3分頃に一時156円64銭付近までは反発したものの、日本市場終盤を控えた利益確定売りと持ち高調整などに相まって米国長期金利が午後16時50分頃には一時4.242%付近に反落したため、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りが勢いを増し、午後16時56分頃にドルは円相場で一時155円93銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
対ドルの円相場の日本市場高値後にはやや抵抗も混ざり始めたものの、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は156円6〜7銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の156円81〜82銭付近の前東京終値比では約75銭の円高ドル安になっていた。
今夜この後の米国市場では最新米国経済指標の発表や米国債入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に7月の米国リッチモンド連銀製造業指数と、6月中古住宅販売件数、26時に米国2年債の入札予定がある。
また、来週の日米金融政策会合を控えた調整やイベントリスクの一方で、米国主要企業の決算報告シーズンが続いており、今夜の米国株式市場の株引け後の頃の時間になると株主達には伝えられているが、グーグル (Google) の持ち株会社の米国アルファベット社の決算報告予定や、米国テスラ社の決算報告などを控えていることなどから、株式市場からのリスクオンやリスクオフなどによる為替相場への影響にも引き続き注意が必要である。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は169円69〜74銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の170円73〜75銭付近と比較すると約1円4銭の大幅な円高ユーロ安であった。
主な要因は、昨夜の欧州市場で、欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会メンバーのスロバキア中銀のカジミール総裁が、今年年内に2回の欧州利下げ予想が市場で織り込まれ始めていることについて、「完全な間違いとは言えないが、前提や基本的なシナリオと考えるべきではない」と発言したが、否定しなかったことでは、日銀が利上げ方向への圧力を受けていることに対して、米国以上に欧州には利下げ予想の市場予想が出ていたことから欧州ユーロが円やドルに対して下落したほか、日経平均株価反落を受けた低リスク通貨の円買いでもリスク市場に弱い欧州ユーロが日本市場では売られていた。
そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0874〜1.0876ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0886〜1.0888ドル付近と比べると約0.12セントのユーロ安ドル高であった。
英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は201円55〜61銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の202円62〜68銭付近と比べると約1円7銭の大幅な円高ポンド安であった。
主な要因は、欧州ユーロ同様に、英国ポンドにも今年年内の利下げ予想が出ていたため、日本の国内金利上昇圧との方向性の違いで、今日の主要通貨に対する円高の影響が見られたことに加えて、今日の日経平均株価続落によるリスク回避やイベントリスクへの警戒感による低リスク通貨の円買いでも、リスク市場に弱い英国ポンドは対円で売られやすかった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月23日の日本時間(JST)19時34分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時34分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:34の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 156.09 〜 156.11 | −0.72 (円高) |
ユーロ/円 | 169.50 〜 169.52 | −1.23 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.0858 〜 1.0860 | −0.0028 (ドル高) |
英ポンド/円 | 201.18 〜 201.24 | −1.44 (円高) |
スイスフラン/円 | 175.15 〜 175.21 | −1.43 (円高) |
豪ドル/円 | 103.37 〜 103.41 | −1.09 (円高) |
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