FXニュース:日米金融イベント始まる

2024年7月30日
FXニュース:日米金融イベント始まる

 

東西FXニュース – 2024年7月30日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 債券利回りの金利差影響
  • 市場予想の調整と様子見
  • 日銀金融政策会合1日目
  • 日経平均株価反落後反発
  • 米主要企業決算報告続く
  • 8月1日は英BoEのMPCも

今日2024年7月30日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の153円62銭付近から、円の安値でドルの高値の155円22銭付近の値幅約1円60銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円89〜90銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の153円62〜63銭付近の前東京終値比で約1円27銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日17時の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、最近の米国景気指標と比較した欧州景気懸念の影響などがあり、欧州や英国の国債が買われて利回りが指標となる欧英長期金利が低下したため、対する米国長期金利上昇後のドルが欧州ユーロや英国ポンドに対して金利差売買で買われた影響が対ドル円相場に波及し、昨夜17時15分頃にドルは円相場で一時153円92銭付近と、昨日17時時点の東京終値よりも上昇トレンドであった。

昨夜の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から時差で始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時153円83銭付近の始値であったが、昨夜22時頃の米国ニューヨーク債券市場では債券価格低下後の米国債買いが入り、債券価格上昇に伴う利回り低下により米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.159%付近にまで低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードの円買いドル売りの影響では、昨夜22時7〜8分頃に対ドルの円相場は一時153円73銭付近への反発の抵抗も見せ、これが昨夜の米国市場での円の高値でドルの安値となった。

しかし、本日7月30日から米国現地時間の31日にかけて、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合と、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の日本と米国の中央銀行制度による金融政策決定会合が開催されるビッグイベントを控えていたことなどから、イベント前の持ち高調整では最近円高が進んだ後の円の利益確定売りが米国市場で多く入ったことで円相場が再び下落し、また一時低下後の米国長期金利も反発を始めた日米金利差拡大の影響も相まって、昨夜22時58分頃にドルは円相場で一時154円21銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

一方、米国主要企業の決算報告シーズンが続いていた米国ニューヨーク株式市場では、今夜この後から始まる米国連邦公開市場委員会 (FOMC) を控えたイベントリスクの影響などもあり、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が3営業ぶりに小幅ながらも反落の終値に向かったことや、世界的なハイテク株比率が多い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も、米国現地時間の7月30日にマイクロソフト (Microsoft) 、7月31日にメタ(Meta) 、8月1日にアップル (Apple) とアマゾン (Amazon) などの大手企業の決算報告予定のイベントを控えていたことから様子見の姿勢が見られたことから小幅高に留まり、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅高であったことでは、米国市場の後半には為替相場でも様子見の値動きが強まり、小動きになっていた時間が観測された。

なお、米国政策金利のフェデラルファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を金利先物から算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウォッチ・ツール (FedWatch Tool) では、今週の7月30〜31日の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国金利据え置き予想値は確定値と考えられている70%を超える95.9%付近の推移を続けており、7月の米国利下げ予想値も4.1%付近に留まっているが、9月の25bp (ベーシスポイント / Basis point) の米国利下げ予想値は確定値と考えられている70%超えの89.6%付近にやや上昇した一方で、9月の50bpの米国大幅利下げ予想値は10.1%付近とやや低下していた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の153円73銭付近から、円の安値でドルの高値の154円21銭付近の値幅約48銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は154円2銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の153円76銭付近と比べて約26銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、前日のこの時間に米国政府のジャネット・イエレン財務長官が、米国が長年問題視してきたのは、日米貿易摩擦を高める通貨安への誘導であり、日本政府と日銀の (BoJ) の為替介入は状況が異なるとの考えを示唆したという日本経済新聞 (Nikkei) のニュースが話題になったこともあり、ドル円が154円台に乗せた後には、今日からの日米のイベントを控えたイベントリスクの持ち高調整と利益確定売りや買い控えなどが抵抗になり、ドル円は今朝8時間過ぎには153円台後半に戻していた。

今朝8時30分には日本の最新経済指標の発表があり、6月の日本失業率は前回と市場予想の2.6%に対し2.5%と堅調であった一方で、6月の日本有効求人倍率は前回と市場予想の1.24に対し1.23とやや軟化し、やや強弱が入り混じっていた。

今朝9時頃から始まった日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時153円84銭付近の始値で、今朝9時9分頃にはドルは円相場で一時153円62銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、今日から明日にかけた二日間の日銀金融政策決定会合が始まるため、今朝の東京株式市場では、日銀の国債買い入れ額の減額による国内長期金利の上昇圧に加えて、日銀の追加利上げの可能性も意識され、企業への貸付ローン金利上昇などへの警戒感があったことで、今朝の日経平均株価は大幅安で始まっていたことでも、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産である低リスク通貨の円が買われたことも影響していた。

しかし、日本市場の今朝9時55分の仲値決済に向けては、今日は月末であることに加えて、日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」であることもあり、日本企業の輸入実需などの円売りドル買い需要があり、市場安値後のドルは円相場で反発を始めて今朝10時22分頃には一時154円25銭付近に上昇した。

また、欧米では25bp〜50bpにあたる0.25〜0.50%の利上げ幅であったことに対して、日本では前回のマイナス金利解除時の利上げ幅が0.10%などの異例の超小幅利上げ幅であった過去の経緯からは、日銀の追加利上げが起きるよりも、欧米の利下げが起きた方が日本との金利差の縮小が予想されていたため、日米の金融政策イベントを控えた調整後の様子見も混ざっていた。

明日の日銀金融政策決定会合の後に結果が発表される予定の国債買い入れ額の減額は、現状の月額およそ6兆円規模の買い入れ額が、市場予想では今後1〜2年程で月額3兆円規模程度まで半減する案が有力視されているが、国債買い入れによる長期金利抑制がすぐに終わる可能性は低いと見られていたことでは、やや円が売られる値動きが入っていた。

ただし、今日の日本市場で円安に向けたことでは、円高時には海外投資家達の利益確定の株売りが入りやすかったことに対して、午後になると日経平均株価が反発し、今朝の大幅な下げ幅を縮め始めてプラス圏に転じ始めたため、株価下落時のリスク回避のリスクオフから株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) に転じ、低リスク通貨の円の利益確定売りも起きてドルは円相場で上昇を続け、今日の午後15時台に今日の日経平均株価は3万8525円95銭の終値をつけて前日比57円32銭高のプラス圏の小幅高で大引けすると、午後からの欧州市場の参入も始まったことでリスクオンの円売りが勢いを増し、ドル円は154円台後半から155円台方向に向かい、午後15時47分頃にはドルは円相場で一時155円22銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、夕方の時間外の米国債券取引では英国ロンドン外国為替市場に向けて米国長期金利が一時4.191%付近に向けて上昇していた影響などもあった一方で、イベント前の買い控えの市場流動性では少しの動きでも上下に触れやすく、急下落と急上昇が混在していたことでは、市場高値後のドルにはイベントリスクの早期の利益確定売りや持ち高調整の抵抗も混ざったことでは、ドル円は一時155円台を記録後には154円台後半の東京終値に向かった。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は154円89〜90銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の153円62〜63銭付近の前東京終値比で約1円27銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜22時に 5月の米国住宅価格指数と、5月の米国S&Pケース・シラー住宅価格指数、今夜23時に6月の米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と、7月の米国コンファレンスボード消費者信頼感指数などを控えており、米国株式市場でも株引け後の時間になりそうだがマイクロソフト社の決算報告イベントなどが予定されている。

そして、何よりも本日7月30〜31日の日銀金融政策決定会合と米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の日米の金融政策会合のビッグイベントの予定が世界的に注目されており、イベント前の調整が進むと共に、明日の結果発表 (米国現地時間ではFOMC終了は7月31日だが、日本時間は時差が先行しているため、翌8月1日の早朝未明にあたる) を控えたイベントリスクの様子見の値動きなども入り始めている。

一方、米国主要企業の決算報告シーズンが続いていることでは、株式市場や国債利回りの金利差トレードの為替相場への影響には、引き続き注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は167円55〜61銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の166円54〜59銭付近と比較すると約1円1銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、前述の午後のイベント前の利益確定や持ち高調整とリスクオンの円売りで欧州ユーロが買われたほか、今日の午後14時30分に発表された欧州ユーロ圏のフランスの4〜6月四半期の仏国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の前期比の速報値が、前回と市場予想の0.2%に対し前回上方修正と同じ0.3%と市場予想を上回っていた。

ただし、今夜17時に発表されたドイツの同4〜6月四半期の独国内総生産 (GDP) の前期比の速報値は、前回の0.2%と市場予想の0.1%を下回る-0.1%に低下したが、前年同期比では前回の-0.2%と市場予想の0.0%に対し-0.1%で、季調前の前年同期比では前回の-0.9%と前回上方修正の-0.8%に対し市場予想通りの0.3%であった。

今夜18時には、最新欧州重要経済指標の欧州ユーロ圏総合の同4〜6月四半期の欧州域内総生産 (GDP) の前期比の速報値も発表され、市場予想の0.2%に対し前回と同じ0.3%と上振れしたほか、前年同期比では前回の0.4%と前回上方修正と市場予想の0.5%を上回る0.6%に上昇していた。

また、今夜21時にはドイツのインフレ指標の7月の独消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の速報値も発表される予定である。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0817〜1.0818ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0841〜1.0843ドル付近と比べると約0.24セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米国同様に欧州中央銀行 (ECB) 理事会にも9月の追加利下げ予想が高まる中で、昨夜は欧州ユーロ圏主要国のドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が一時2.3%台前半と6月以来の低下を記録した一方で、米国長期金利は4.1%台後半の推移であったことから、債券利回りを受けた欧米金利差が影響を与えていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は198円94銭〜199円0銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の197円7〜13銭付近と比べると約1円87銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、今日から始まった明日までの日銀金融政策決定会合のイベントリスクの持ち高調整で、英国市場で円のポジションを解消して英国ポンドが買い戻されたほか、8月1日には英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) を控えており、2%のインフレ目標を達成したと公表しているものの英国のインフレ圧の根強さが指摘されるなど、金利据え置き予想と利下げ予想の市場予想値が混在する一方で、今日と明日にイベントリスクが近い円よりも日程的にはまだイベントリスクまでの時間があることでも英国ポンドが買われやすかった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年7月30日の日本時間(JST)19時48分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時48分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:48の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 154.76 〜 154.78 +1.14 (円安)
ユーロ/円 167.65 〜 167.66 +1.11 (円安)
ユーロ/ドル 1.0830 〜 1.0834 −0.0011 (ドル高)
英ポンド/円 198.98 〜 199.04 +1.91 (円安)
スイスフラン/円 174.69 〜 174.75 +1.05 (円安)
豪ドル/円 101.21 〜 101.25 +0.73 (円安)

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