FXニュース:米政策金利5.5%据え置き

2024年8月01日
FXニュース:米政策金利5.5%据え置き

 

東西FXニュース – 2024年8月01日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 6〜7月為替介入5.5兆円
  • 米ADP雇用報告予想以下
  • 米雇用コスト指数も低下
  • 米9月利下げデータ次第
  • 米主要株価三指数が上昇
  • 日経平均株価大幅に反落
  • 日米欧英金利差縮小予想
  • 英利下げ後金利5.00%に

今日2024年8月1日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の148円51銭付近から、円の安値でドルの高値の150円34銭付近の値幅約1円83銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円78〜80銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の150円87〜88銭付近の前東京終値比で約1円9銭の大幅な円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夕の英国ロンドン外国為替市場では、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の日銀金融政策決定会合が日本の政策金利を0〜0.1%から0.25%程度に追加利上げし、これまでは月額5.7兆円程度としていた長期金利抑制のための国債買い入れ額も2026年1〜3月期に向けて月額2.9兆円程度に減額するという約3兆円規模の国債購入減額計画を同時発表したことに加えて、日銀の植田和男総裁が追加利上げを示唆するタカは派発言をしたため、主要通貨に対する金利差縮小予想で円相場が急伸していたため、英国ロンドン外国為替市場の後半から始まった昨夜21時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時150円18銭付近の始値と、昨日17時の前東京終値時点よりも円高ドル安が進行していた。

また、昨夜19時頃には日本政府の財務省が、今年6月27日から7月29日の日本政府と日銀の為替介入実績の総額が5兆5348億円だったと公表していたことで、市場では7月11日と12日の円買いドル売りのステルス (Stealth / 覆面) 為替介入観測が再び話題になり、日銀イベント後の荒い値動きの後の欧州英国市場ではやや警戒感が漂っていた。

昨夜は米国ニューヨーク外国為替市場でも、市場後半にあたる日本時間27時にあたる午前3時から米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) と30分後の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board)) のジェローム・パウエル議長の定例記者会見での要人発言予定のビッグイベントを控えていた。

それに先行した最新米国重要経済指標の発表もあり、昨夜21時15分に発表された7月の米国ADP (Automatic Data Processing) 全米雇用統計の前月比が前回と市場予想の15.0万人と前回上方修正の15.5万人を下回る12.2万人に下振れしたことに続き、昨夜21時30分の4〜6月の第2四半期の米国雇用コスト指数も前回の1.2%と市場予想の1.0%を下回る0.9%に低下したため、米国雇用関連のインフレ圧鈍化の影響を受けて安全資産の米国債が買われた影響で債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利低下に伴う米国主要通貨へのドル売りが入り、昨夜21時30分頃にドルは円相場で一時149円77銭付近に下落した。

下落後のドルには米国金利据え置き予想が確定値超えの優勢であったこともあり一時150円台への反発の抵抗も見られたが、昨夜22時45分に発表された7月の米国シカゴ購買部協会景気指数が前回の47.4と市場予想の45.0に対し45.3と市場予想ほどではないものの前回より弱かったことや、昨夜23時の6月の米国住宅販売保留指数の前月比は前回の-2.1%と前回修正の-1.9%と市場予想の1.5%に対し4.8%に上昇した一方で、前年同月比では前回の-6.6%と前回修正の-6.5%と市場予想の-5.8%を下回るマイナス圏の-7.8%に低下したことを受けては、米国で根強いと考えられていた住宅インフレの鈍化が意識され、発表直後の昨夜23時0〜1分頃にドルは円相場で一時148円63銭付近に売られていた。

一方、米国主要企業の決算報告シーズンの米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数が上昇に向けていたため、昨夜23時15分頃の米国ニューヨーク債券市場では、債券価格上昇後の安全資産の米国債が利益確定で売られた影響もあり、米国長期金利は一時4.095%付近に低下後には反発上昇を見せた時間には、債券利回りを受けた金利差トレードでの安値のドルの買い戻しも入り始めたことではドルは円相場で反発し、ロンドン・フィキシング (London Fixing) でドル実需もあった深夜過ぎには再び150円台を一時回復した。

午前3時には、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の米国政策金利の発表があり、フェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) 金利レートの誘導目標は、現状の5.25〜5.50%の米国金利据え置きが8会合連続で決定されたことを受けては、米国長期金利は一時4.132%付近に向けて上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大による金利差トレードの円売りドル買いが起き、午前3時7分頃にドルは円相場で一時151円26銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

声明文では、「米国インフレ目標に向けての更なる進展がみられた」ことに言及された一方で、「米国経済の見通しには不確実性があり、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) は、二つの責務 (最大限雇用と物価安定 / Maximum employment and price stability) の両サイドに対するリスクを大いに注視している」との見解が示されていた。

午前3時30分頃からは米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 終了後の定例記者会見で、米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言が始まったが、今後の米国利下げはデータ次第で毎回の委員会で決めるという中道姿勢は保ちつつも、「次回9月の委員会で米国利下げが選択肢になる可能性ある」など、今後の利下げ転換の可能性に言及するハト派寄りの発言が多かったことから、市場では次回9月の米国利下げ予想が優勢で、年内1回以上または小幅以上の大幅な米国利下げ予想が浮上したことから、米国長期金利が米国ニューヨーク債券市場の終値時点の4.031%に向けた大幅な急落を始めたため、債券利回りを受けた日米金利差縮小と、日銀の追加利上げ継続予想に対する米国の利下げ転換後の追加利下げ予想の日米金利差縮小予想による円買いドル売りが進み、午前4時42分頃にドルは円相場で一時149円61銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

一方、米国主要企業の決算報告シーズンが継続していた米国ニューヨーク株式市場では、決算報告の影響に加えて、ジェローム・パウエル議長の発言を受けて、市場では米国利下げに近づいているとの期待感もあり、今年9月の米国利下げ予想により米国金利先行きへの警戒感が緩和されたため、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃ってプラス圏に上昇したほか、米国ナズダック総合株価指数は大幅な反発を見せた後に前日比大幅高の終値で引けたことでは、市場高値後の低リスク通貨の円にはやや利益確定売りの抵抗も見られたが、債券利回りを受けた日米金利差縮小の影響があったことでは、ドルは円相場で一時150円台に反発後に再び149円台後半に反落した。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の151円26銭付近から、円の高値でドルの安値の149円61銭付近の値幅約1円65銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は149円98銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円77銭付近と比べて約2円79銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝8時4分頃のアジア・オセアニア市場では、時間外の米国債券取引で米国長期金利が一時4.060%付近に反発したため一時150円32銭付近にドルが買い戻されたが、日銀の植田和男総裁のタカ派寄りの発言に対する米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長のハト派寄りの発言を受けた日米金利差縮小予想による円買いドル売りが朝の市場で入ったことでは、149円台にドルが円相場で再び反落したため、今朝9時頃から始まった日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時149円79銭付近の始値であった。

8月の月初めの日本市場で今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いの抵抗が入っていた時間にはやや横ばいに近い値動きなども見せたが、仲値後に抵抗がなくなったことでは、日本市場での日米金利差縮小予想の円買いドル売りが優勢になり、日銀の追加利上げ予想により国内金利上昇で個人や企業への貸付ローン金利上昇への警戒感が強まったことや、円高を背景に海外投資家達が円安時に買った日本株を利益確定売りしたことなどが影響して今朝の東京株式市場では日経平均株価が大幅な反落と下落を見せ、一時は前日比で1000円以上も大幅安になったため、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円がドルを含めた主要通貨に対して買われたため、今朝10時41分頃にドルは円相場で一時148円51分頃の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では、米国長期金利は今朝早朝までのニューヨーク債券市場の終値時点よりも下げ幅を縮めて反発したことや、日経平均株価も大幅ながらも下げ幅をやや縮めた始めたことでは、市場高値後の円の利益確定売りと市場安値後のドルには買い戻しも入り始めた。

なお、今日の国内ニュースでは、急速な円安では為替介入への警戒感が高まる一方で、急速な円高には為替介入への警戒感はなかったが、林芳正官房長官が市場について、「為替相場はファンダメンタルズを反映して、安定的に推移することが重要。政府として為替市場の動向をしっかりと注視していく」と発言していたほか、神田眞人前財務官が金融国際経済担当の内閣官房参与に就任する人事の発表について、「神田氏が財務省で財務官を務めるなど、金融国際経済分野で豊富な経験を積んだ人物であり、最近の国際金融情勢などについて岸田文雄首相に助言することになる」などと発言していた。

なお、午後15時頃には、日経平均株価は一時の1000円超安からの下げ幅は縮めたものの、3万8126円33銭の終値をつけ、前日比975円49銭安の大幅安で大引けした。

午後からの欧州市場の参入を受けては、今夜20時に英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) の英国新政策金利のイベントを控えたイベントリスクが意識されており、2%の英国インフレ目標達成の一方でインフレ圧の根強さなどで英国政策金利の金利据え置き予想と英国利下げ予想の市場予想が混在していた中でも英国利下げ予想が高まり、英国と地理的及び経済的にも近い欧州ユーロや英国ポンドがドルに対して売られた影響が対ドル円相場に波及したほか、日本市場の時間外取引で反発上昇していた米国長期金利による債券利回りを受けた金利差トレードではイベントリスク経過後のドル買いも入っていたため、午後15時40分頃にはドルは円相場で一時150円34銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録したが、市場高値後のドルには市場終盤の利益確定売りなども入り、再びドルは円相場で149円台後半に戻した。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円78〜80銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の150円87〜88銭付近の前東京終値比で約1円9銭の大幅な円高ドル安になっており、昨日に続き円相場が続伸した。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定などもあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に4〜6月第2四半期の米国非農業部門労働生産性の速報値と同四半期の米国単位労働コストの速報値と、前週分の米国新規失業保険申請件数と前週分の米国失業保険継続受給者数が同時発表され、続いて今夜22時45分に7月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI)、今夜23時に 6月の米国建設支出と、米国重要経済指標の 7月の米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会) 製造業景況指数の発表を控えているほか、米国株式市場の株引け後の時間には米国アップル (Apple) の決算報告や米国アマゾン (Amazon) の決算報告など米国主要企業の決算報告シーズンも続く予定である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円78〜80銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の163円22〜23銭付近と比較すると約1円44銭の大幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨日に続き、日銀の追加利上げ後に植田和男総裁がさらなる追加利上げを示唆したことで、対照的に欧州追加利下げ予想の出ていた欧州ユーロに対しても日欧金利差縮小予想の円買い欧州ユーロ売りの影響があったほか、今日の日経平均株価の大幅な下落を受けたリスク回避のリスクオフでも低リスク通貨の円に対して欧州ユーロが売られやすかった。

なお、英国ロンドン外国為替市場の本格参入後の午後16時50分には、欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の7月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値が発表され、前回と市場予想の44.1に対し44.0に下方修正されたものの、午後16時55分のドイツの7月の独製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想の42.6に対し43.2に上方修正され、夕方17時の欧州ユーロ圏総合の7月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は前回と市場予想の45.6に対し45.8の上方修正であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0800〜1.0802ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の1.0817〜1.0819ドル付近と比較すると、約0.17セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、前述の通り、イベントリスク経過後の金利据え置きのドルの買い戻しの影響や、低リスク通貨の円に対する欧州ユーロ売りの影響が波及した。

また、今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の6月の欧州失業率は、前回と市場予想の6.4%に対し6.5%に悪化した。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円64〜70銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の193円63〜69銭付近と比べると約1円99銭の大幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、ドルや欧州ユーロ同様に、英国ポンドにも日米欧英金利差縮小予想の円高が影響を及ぼした。

ただし、今夜17時30分に発表された7月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は、前回と市場予想の51.8が52.1に上方修正された。

しかし、速報に追記として、今夜20時には、英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) が、英国新政策金利を市場予想で優勢になってきていた通りに利下げを決定し、これまでの5.25%から5.00%に英国利下げをする決定をしたことを発表した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月1日の日本時間(JST)20時16分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の12時16分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 20:16の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.32 〜 150.34 −0.55 (円高)
ユーロ/円 162.26 〜 162.27 −0.96 (円高)
ユーロ/ドル 1.0792 〜 1.0794 −0.0025 (ドル高)
英ポンド/円 191.91 〜 191.97 −1.72 (円高)
スイスフラン/円 171.37 〜 171.43 +0.19 (円安)
豪ドル/円 98.21 〜 98.25 +0.05 (円安)

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