FXニュース:米ISMサービス景況改善

2024年8月06日
FXニュース:米ISMサービス景況改善

 

東西FXニュース – 2024年8月06日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 日経平均株価続落後反発
  • 日輸出企業大規模円買い
  • 日経平均終値3217円高
  • 日政府と日銀の三者会合
  • 豪政策金利4.35%を維持

今日2024年8月6日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の146円36銭付近から、円の高値でドルの安値の144円30銭付近の値幅約2円6銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円31〜32銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の143円43〜46銭付近の前東京終値比では約1円88銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日の日本市場で日経平均株価が市場最大の下落幅を記録した後にも米国景気減速懸念を背景とした日欧の株価下落を受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) ムードが続いていた昨夜の18時26分頃の英国ロンドン外国為替市場では、世界的な安全資産である米国債が買われた影響で債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利低下時の主要通貨に対するドル売りの影響があった一方で、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の追加利上げによる日米金利差縮小予想で低リスク通貨の円が買われていた影響で、ドルは円相場で一時141円74銭付近にまで低下していたが、その後には世界的に流動性が高いドルの買い戻しなども入り始めたため、欧州英国市場の後半から始まった昨夜21時頃の米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時142円31銭付近の始値であった。

ただし、米国債券市場では、昨夜21時35分頃に米国長期金利が一時3.673%台付近に低下し、瞬時3.669%付近の2023年6月以来の低利回りも観測されたことを受けては、債券利回りを受けた日米金利差トレードの円売りドル買いの影響があり、昨夜21時40分頃にドルは円相場で一時141円83銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、昨夜22時45分に発表された最新米国経済指標の7月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値は速報値と市場予想の56.0を下回る55.0に下方修正され、7月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回の55.0が54.3に下方修正されたものの、好景気と不景気を分ける景気ボーダーライン (Borderline / 境界線) の50を上回る好景気寄りの経済指標に留まっていたことでは、先週末の米国雇用統計の想定下振れ後の過度な米国景気減速懸念がやや緩和され、安全資産の米国債の債券価格上昇後の利益確定売りが入り始め、利回りが指標となる米国長期金利が反発を始めたため、市場安値後のドルには実需もあって円相場で再び買い戻しが入り始めた。

さらに、昨夜23時には最新米国重要経済指標の 7月の米国ISM (Institute for Supply Management / 全米サプライマネジメント協会) 非製造業景況指数の総合指数が発表され、前回の48.8と市場予想の51.0を上回る51.4に上昇し、景気ボーダーラインの50を上回る好景気寄りに改善されたため、米国長期金利上昇に伴うドルの買い戻しの勢いが増し、午前1時20分頃に米国長金利が一時3.825%付近に大幅に上昇したことから、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響が見られていた午前1時28分頃に、ドルは円相場で一時144円89銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、昨日の下げ幅を縮めていた。

しかし、米国ニューヨーク株式市場では、米国主要企業の決算報告シーズンでもあった前日に米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) の米国主要株価三指数が揃って大幅続落した後にも、同米国市場でも米国主要株価三指数が再び揃って大幅続落に向けたことでは、株価下落時のリスク回避のリスクオフで世界的な安全資産の米国債買いと低リスク通貨の円買いの抵抗も続いていたことでは、市場高値後のドルは円相場で再び売られて上昇幅を縮め、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国債の利回りが3.790%付近と前日比−0.011に下げたことでは一時の上昇幅を失った。

なお、米国金利先物市場の値動きから米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、次回9月に予定されている米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ予想値が確定値と考えられている70%を超えて推移を続けているが、25bp (0.25%) の小幅利下げ予想値は22.5%付近に減少した一方で、50bp (0.50%) の大幅利下げ予想値は77.5%付近に上昇しており、対する日銀に追加利上げ予想があることで、日米金利差拡大予想の影響も継続していたが、市場での大幅利下げ予想値の織り込み具合は進んでいた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の141円83銭付近から、円の安値でドルの高値の144円89銭付近の値幅約3円6銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円18銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円53銭付近と比べて約2円35銭の大幅な円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、過度な米国景気減速懸念がやや緩和されたことや、日本企業の業績には特に悪化が見られていないのにも関わらず、日銀の追加利上げと円高を背景とした日本株売りで安値になった日本株の買い直しが入り始めたことで、時間外のナイトセッションの日経平均株価が市場最大の下落幅を記録後の前日比で反発を始めていたことなどもあり、日経平均株価先物の上昇予想による調整で低リスク通貨の円の利益確定売りが入り、世界的な流動性からドルが買われて反発後の大幅な上昇を見せ始めていたことなどから、米国長期金利上昇を伴う円売りドル買いが起き、今朝9時頃から始まった日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時145円80銭付近の始値になった。

また、今朝の東京株式市場で日経平均株価が、昨日の市場最大の下げ幅の後の今日の市場最大の上昇幅に向けた大幅な反発を見せると、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) による低リスク通貨の円売りの勢いが増し、今朝9時12分頃にドルは円相場で一時146円36銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、今朝の日本市場の仲値決済では、今朝の市場が前東京終値比で円安ドル高に傾いていたことから、日本企業の輸入実需の円売りドル買いよりも国内輸出企業の円買いドル売りが活発になり、まとまった大規模な円買いドル売りが入った影響で、今朝11時12〜13分頃に対ドル円相場は一時144円30銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

今日の昼頃のニュースでは、「午後3時から日本政府の財務省・金融庁と日銀が三者情報交換会合」とのニュース報道があり、最近の急激な株式や為替の変動について協議するとの市場での観測が話題になった。

一方、前日に史上最大の下落幅を記録後の今日の日経平均株価は今朝からの大幅な反発が続いていた底堅さを受けては、日本株価上昇時のリスクオンで低リスク通貨の円が売られたためドルの買い戻しが再び入り始めた。

また、今日の昼の13時30分にはオーストラリアの豪州中央銀行にあたるオーストラリア準備銀行 (RBA / Reserve Bank of Australia) が豪州新政策金利を前回と市場予想通りに4.35%で据え置き維持を決定したが、ミシェル・ブロック総裁が記者会見で、「理事会では豪州利上げを検討した」とややタカ派寄りの発言をした影響があり、豪ドルが円相場で上昇した外貨影響も対ドル円相場に波及した。

午後15時頃に今日の日経平均株価は3万4675円46銭の終値をつけ、前日比3217円4銭高の大幅な反発を見せたまま前日比大幅高で大引けすると、前日の史上最大の大幅下落後の今日の史上最大の大幅反発が話題になり、前日のリスクオフの巻き返しで今日はリスクオンで低リスク通貨の円が売られたため、午後15時20分頃にはドルは円相場で一時146円29銭付近まで買い戻されて再上昇した。

午後からの欧州市場の参入を受けては、午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の6月の独製造業新規受注が、前日比-1.6%と市場予想の0.5%を上回る3.9%に上振れし、前年同月比も前回の-8.6%と市場予想の-14.2%に対し-11.8%に改善されたことを受けて、前日には下落後の欧州主要株価も今日は反発を見せ始めたことでも、リスクオンの低リスク通貨の円売りが重なった時間もあった。

夕方には、前述の午後15時からの日本政府の財務省と金融庁と日銀の国際金融資本市場に関する情報交換会合の三者会合後の記者会見があり、三村淳財務官は、「政府と日銀で内外の経済金融市場の動向について、しっかりと緊張感を持って、冷静に何が起きているのかを見極めていくということで一致した」と発言したことでは、円が買い戻される値動きも混ざったが、特に何かをするという目新しいプランがなかったことでは、反応は限られていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円31〜32銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の143円43〜46銭付近の前東京終値比では約1円88銭の大幅な円安ドル高になっていた。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定や米国債の入札予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に6月の米国貿易収支、26時に米国3年債の入札予定などを控えているほか、米国主要企業の決算報告シーズンの影響が続く米国株式市場や債券市場からの為替相場への影響などにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は158円81〜83銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の157円7〜8銭付近と比較すると約1円74銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、日経平均株価の史上最大規模の反発を受けたリスク回避ムードの緩和により、リスクオンで低リスク通貨の円が売られ、今日の夕方の欧州主要株価も反発を見せた時間が出てきたため、ドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドや豪ドルも円相場で買い戻されたことなどが影響を及ぼした。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0928〜1.0930ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0947〜1.0949ドル付近と比較すると、約0.19セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、昨夜の最新米国重要経済指標が好景気寄りであったことで、過度な米国景気減速懸念が後退し、米国長期金利の反発を受けたドルの買い戻しが対ユーロでも入っていた。

なお、今日の日本市場終了後の今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新欧州経済指標の6月の欧州小売売上高は、前月比が前回の0.1%と市場予想の-0.1%を下回る-0.3%に低下し、前年同月比も前回の0.3%と前回修正の0.5%と市場予想の0.2%を下回る-0.3%に下振れしたことを受けては、欧州ユーロは対ドルでの下げ幅を広げていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は185円15〜21銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の183円61〜67銭付近と比べると約1円54銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、昨日には先週の英国中央銀行イングランド銀行 (BoE / Bank of England) の英国利下げに対する日銀の追加利上げの日英金利差予想の影響が続き、大幅な円高ポンド安が進行した後のため調整が入ったほか、今日の日経平均株価の大幅反発を受けたリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りでも、英国ポンドの買い戻しが入っていた。

また、今日の日本市場終了後の今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の7月の英国建設業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値は、前回の52.2と市場予想の52.8を上回る55.3に上方修正された。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月6日の日本時間(JST)19時22分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時22分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:22の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.67 〜 144.69 +1.24 (円安)
ユーロ/円 157.83 〜 157.84 +0.76 (円安)
ユーロ/ドル 1.0908 〜 1.0910 −0.0039 (ドル高)
英ポンド/円 183.75 〜 183.81 +0.14 (円安)
スイスフラン/円 169.29 〜 169.35 +0.84 (円安)
豪ドル/円 93.69 〜 93.73 +1.02 (円安)

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