FXニュース:米指標受け景気懸念緩和

2024年8月09日
FXニュース:米指標受け景気懸念緩和

 

東西FXニュース – 2024年8月09日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米新規失業保険申請改善
  • 米長期金利4%台に上昇
  • 米FRB高官の楽観的発言
  • 日米主要株価が大幅高に

今日2024年8月9日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円77銭付近から、円の高値でドルの安値の146円71銭付近の値幅約1円6銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円20〜22銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の145円85〜87銭付近の前東京終値比では約1円35銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円16銭付近の始値であったが、米国債券市場で昨夜21時頃に一時3.941%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、昨夜21時25分頃に一時3.937%付近に低下したことを受けた債券利回りの日米金利差縮小時の影響では、昨夜21時25分頃にドルは円相場で一時145円94銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録していた。

しかし、昨夜21時30分に発表された最新米国経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数が、前回の24.9万件と前回修正の25.0万件と市場予想の24.0万件に対し23.3万件に改善されたことを受けては、先週の米国雇用統計の下振れ以降の米国景気減速懸念が緩和され、発表時の昨夜21時30分にドルは円相場で瞬時に146円93銭付近に急伸した。

また、米国ニューヨーク株式市場でも、前日には揃って反落していた米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃って反発上昇し、米国主要株価三指数の大幅上昇に伴うリスク選好のリスクオン (Risk-on) が起き、低リスク通貨の円が売られたことに加えて、世界的な安全資産である米国債が売られ、米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響で米国長期金利が4%台の大台に向けて大きく上昇し、昨夜22時台には米国長期金利は一時4.012%付近の高利回りになり、米国債券利回りを受けた日米金利差拡大による円売りドル買いが続き、昨夜22時42分頃にドルは円相場で一時147円54銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、昨夜23時に発表された6月の米国卸売売上高の前月比が前回の0.4%と前回修正と市場予想の0.3%を下回るマイナス圏の-0.6%に低下したことを受けては抵抗も入り、市場高値後のドルには早期の利益確定売りも混じった。

しかし、米国ニューヨーク債券市場では午前2時の米国30年債の入札後にも、再び他の年度の世界的な安全資産の米国債売りが入っていたことなどもあり、米国主要株価三指数上昇による世界的な安全資産売りの続いていたことで、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は再び上昇し、午前3時頃には一時4.021%付近の高利回りになったことでは、ドルは円相場で147円台の推移を続け、午前3時7分頃に一時147円43銭付近と、再び147円台中盤付近に戻すという堅調さを示した。

また、午前4時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国中央銀行制度の米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国リッチモンド連銀のトーマス・バーキン総裁の発言があり、全米企業エコノミスト協会 (NABE / National Association for Business Economics) 主催のイベントで、「健全な経済においては、金利の正常化を着実かつ慎重に行えるような形で、経済が正常な状態へと緩やかに移行しているのか、それとも行動に踏み切る必要があるものなのか、見極める時間があると思う」と話し、「今後数カ月で、米国インフレに関し良好なデータが出てくるとかなり楽観している」と発言したことではドルがやや売られたものの、「米国雇用市場の伸びは鈍化してきているが、米国雇用者数は依然として増え続けており、米国賃金の上昇率の減速は、米国労働市場の正常化を示唆している」としており、米国労働市場が危機的な軟化を示す様な絶対的確信や、米国インフレが抑制されたという確信があれば、前回の会合でも米国利下げに踏み切る根拠になったであろうが、自身はいずれの確信もないとしており、「米国の雇用面でもインフレ面でも、もう少しデータを見る余地がある」と利下げに慎重な発言もしたことではドルの買い戻しも混ざり147円台の推移を続けた。

また、同トーマス・バーキン総裁は、最近の米国株式市場についても、「最近の下落の後でも、依然として約10%は上昇している」と指摘しており、米国金融政策に影響を与えるほどの米国景気減速を示すような「激変の出来事ではない」との楽観的姿勢を示した。

米国ニューヨーク株式市場では、前日から反発上昇後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃って前日比で大幅高のままで終値に向かい、米国主要株価三指数の前日比大幅高を受けたリスク選好のリスクオンムードの低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しの影響が残った。

米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国長期金利は3.994%付近と、一時の4%台からはやや低下したことはドルの上値を抑えて円相場を支えたが、前日比では0.052上昇していたことでは、ドルは円相場で147円台のニューヨーク終値に向かった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の145円銭94付近から、円の安値でドルの高値の147円54銭付近の値幅1円60銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円23銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円68銭付近と比べて約55銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、米国金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ・ツール (FedWatch Tool) で、次回9月17〜18日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国中央銀行制度の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利下げ予想値の内訳で、50 bp (Basis point = 0.50%) の大幅利下げ予想値が前日には確定値と考えられる一時70%を超えた優勢であったものが、今日は再び確定値を下回る一時54.5%付近に低下し、その一方で、25 bp (ベーシスポイント / Basis point = 0.25%) の小幅利下げ予想値が一時45.5%に上昇したことも、日米金利差予想に影響を与えたことでは、今朝8時13分頃にドルは円相場で一時147円82銭付近にまで買われて上昇した。

その影響もあり、今朝9時頃から始まった日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時147円69銭付近の始値であったが、今朝早朝までの米国主要株価三指数の大幅上昇を受けて、米国を主要取引先に持つ日本企業の米国景気減速懸念の影響が緩和されたこともあり、今朝の東京株式市場でも日経平均株価が大幅に上昇して始まる連れ高を見せたことで、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りドル買いが入り、今朝9時1分頃に対ドル円相場は一時147円77銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

今日の日本市場の時間外の米国債券取引では、安値圏からの米国債買いの影響で米国10年債の利回りがやや低下に向けていたため、市場高値後のドルには利益確定売りの抵抗も混ざったが、明日の10日は土曜日のため、前日の金曜日の今日9日が実質的な5と10が付く日本の貿易企業の決済日が集中しやすい「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」にあたることなどもあり、今朝9時55分頃の仲値決済に向けては日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要も高く147円台前半で下げ渋り、今朝10時11分頃にもドルは円相場で一時147円62銭付近と147円台後半の推移を見せていた時間もあった。

ただし、今日の午前の部は前日比で大幅高だった日経平均株価が、午後になると早期の利益確定売りなどで一時大幅に反落し、午後14時前頃から前日比でマイナス圏に一時転じた時間があったことを受けては、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の影響で、国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが一時強まり、午後14時4分頃にドル円は一時146円71銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、午後14時25分頃には、日経平均株価には買い戻しも入り始めて反発上昇し、再び前日比で大幅高に向けほか、午後15時頃に今日の日経平均株価が3万5025円0銭の終値をつけ、前日比193円85銭高で大引けしたため、再びリスク選好のリスクオンで市場高値後の低リスク通貨の円が利益確定で売られてドルや欧州ユーロなどの主要通貨が買い戻されたため、ドルは円相場で再び上昇して147円台を回復した。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円20〜22銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の145円85〜87銭付近の前東京終値比では約1円35銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、特に重要度が高い最新米国経済指標の発表予定などはないものの、北米の米国の隣国カナダの加失業率などの加雇用ネット変化の発表予定が今夜21時30分に控えているほか、米国主要企業の決算報告の影響が続く米国株式市場や、米国債券市場からの為替相場への値動きの影響が引き続き注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は160円78〜79銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の159円57〜58銭付近と比較すると約1円21銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、今朝までの米国主要株価三指数の大幅高の後に、今日の日経平均株価も前日比大幅高の終値を迎えたため、リスク選好で国内第一安全資産の低リスク通貨の円が主要通貨に対して売られ、ドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドなども円相場で上昇していた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0921〜1.0923ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0939〜1.0940ドル付近と比較すると、約0.18セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米国景気減速懸念の緩和による米国長期金利上昇時のドルの買い戻しに加えて、次回9月の米国利下げ予想で大幅利下げ予想値が以前の確定値を下回る一方で、小幅利下げ予想が上昇した金利差予想なども影響を及ぼしていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は187円93〜99銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の185円23〜29銭付近と比べると約2円70銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、日米株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られて、欧州ユーロ同様にリスク市場で買われやすい英国ポンドが買われたことが影響を及ぼしており、前東京終値では円相場で大幅安だった英国ポンドは前日比で大幅高に反発した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月9日の日本時間(JST)19時21分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時21分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:21の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 147.17 〜 147.19 +1.32 (円安)
ユーロ/円 160.74 〜 160.75 +1.17 (円安)
ユーロ/ドル 1.0920 〜 1.0921 −0.0019 (ドル高)
英ポンド/円 187.62 〜 187.68 +2.39 (円安)
スイスフラン/円 170.20 〜 170.26 +0.39 (円安)
豪ドル/円 96.79 〜 96.83 +1.32 (円安)

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