FXニュース:今週米重要経済指標控え
2024年8月12日東西FXニュース – 2024年8月12日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 中東情勢警戒と安全資産
- 米長期金利を受けた調整
- 米主要株続伸リスクオン
- 日祝日休場で円実需低下
- 豪独英株上昇時の円相場
今日2024年8月12日月曜日の日本の東京外国為替市場は「山の日」の祝日休場ですが、9時頃から17時頃までの世界FX市場の対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の146円70銭付近から、円の安値でドルの高値の147円32銭付近の値幅約62銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は147円20〜22銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の147円20〜22銭付近の前東京終値比と同じ横ばいレンジであった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜19時42分頃の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、中東情勢への地政学的な警戒感などにより世界的な安全資産である米国債が買われた影響で、債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.946%付近に低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りで、ドルは円相場で一時146円82銭付近に下落していた。
米国長期金利は、その後には一時3.950%付近に向けた抵抗も見せたため、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時147円1銭付近で、先週金曜日の夜21時2分頃にドル円は一時147円3銭付近の先週末の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。
しかし、先週金曜日の夜21時15分頃に一時3.950%付近に反発後の米国長期金利は、再び米国債買いが入ったことで、先週金曜日の夜23時15分頃の一時3.929%付近に向けて再び低下したため、債券利回りを受けた金利差トレードで日米金利差縮小時の円買いドル売りが起きたため、先週金曜日の夜23時35分頃にドルは円相場で一時146円26銭付近の先週末の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
この日の先週末の米国市場では、特に重要な最新米国経済指標の発表や、注目度の高い次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官達の発言がなかったこともあり、欧米の夏季休暇の時期の週末を控えた市場で全体的な市場流動性が減少しており、少しの値動きでも値幅が大きく出やすくなっていたこともあり、中東情勢への地政学リスクへの警戒感などによる世界的な安全資産の米国債買いが入っていたことで、米国長期金利低下時の日米金利差の影響が為替相場に影響を与えていた。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、前日に米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃って大幅に反発上昇を始めた後にも、米国主要株価三指数が続伸していたことでは、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が売られる値動きは、市場安値後のドルの抵抗と反発要因になっていたが、週末を控えた利益確定とポジションの持ち高調整もあり、米国主要株価三指数は前日比で比較的小幅域での続伸の終値に向かったことなどでは、円売りの勢いは限られ、先週土曜日の午前2時15分頃に米国長期金利が一時3.950%付近に反発していた時に一時146円77銭付近までドルが円相場で戻した程度に留まった。
先週末の米国市場からは翌週にあたる今週8月14日の水曜日には、最新米国重要経済指標の7月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表予定のイベントを控えているほか、その翌日の今週8月15日の木曜日にも日本の4〜6月四半期の実質日本国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値と、同日の7月の米国小売売上高の日米の景気関連の重要指標の発表のイベント週を控えているため、週末を控えた持ち高調整に加えて、イベント前の調整やイベントリスクによる様子見姿勢などが入り始めていたことも、週末を控えたこの日の米国市場でのドル円の値動きに影響を与えやすくなっていた。
米国ニューヨーク債券市場では、先週土曜日早朝の終値時点の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は3.943%付近と、前営業日比で-0.051低下したまま引けたため、債券利回りを受けた日米金利差取引の影響は残り、先週末のドル円は前ニューヨーク終値比で円高ドル安に向かった。また、安全資産の米国債だけではなく、金価格も上昇していた。
このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円3銭付近から、円の高値でドルの安値の146円26銭付近の値幅77銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は146円61銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の147円23銭付近と比べて約62銭の円高ドル安をつけて、先週末を迎えた。
週が明けた今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、オセアニアのニュージーランド経済研究所 (NZIER / New Zealand Institute of Economic Research) が、シャドーボード・メンバーの半数以上が8月14日にニュージーランドの中央銀行にあたるニュージーランド準備銀行 (RBNZ / Reserve Bank of New Zealand) が利下げするとの予想を立てたというニュースが話題になり、ニュージーランドドルが世界的に流動性の高い基軸通貨のドルに売られた影響のドル上昇圧が円相場にも波及し、今朝8時24分頃にはドルは円相場で一時147円12銭付近に上昇し、147円台を回復していた。
そのため、今朝9時頃からの今日の日本の東京外国為替市場は祝日休場ではあったが、同時進行する時間帯が近い世界市場の値動きの影響があり、今朝の東京始値相当時間の対ドル円相場は一時147円7銭付近と、先週末のニューヨーク終値から上昇して始まった。
ただし、今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、オセアニアのニュージランドドルが売られた一方で、今日のオーストラリアの株式市場で豪州主要株価指数のASX200が上昇したことなどから豪ドルがドルに対して買い戻された影響が入り始めて、円相場が反発した。
また、アジア市場の中国市場でも、先週に発表された中国のインフレ指標が市場予想を上振れしたことなどから、中国人民元に対するドル売りの影響が今朝にはまだ残っていたことなども今朝の対ドル円相場に波及し、今朝10時6〜7分頃と10時10〜11分頃にドルは円相場で一時146円70銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、時間帯が近いアジア・オセアニア市場からの影響が続く中でも、今日の日本市場は国民の祝日の山の日で、日本企業や国内投資系などの夏休み時期もあり、円買い実需は少なかったことでは、市場高値後の円には豪州株式市場のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が利益確定や、今週の日米イベントを控えた持ち高調整などで売られた影響では、市場高値後の円相場はドルに対して反落を始めた傍らで、ドルは円相場で再び147円台の回復に向けた反発と上昇を始めた。
午後からの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の参入では、米国金利先物のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ・ツール (FedWatch Tool) では、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で、米国中央銀行制度にあたる米国連邦準備制度理事会 (FRB) の利下げ予想値が、以前は優勢であった50 bp (Basis point = 0.50%) の大幅利下げ予想値が48.5%付近に低下した一方で、25 bp (ベーシスポイント / Basis point = 0.25%) の小幅利下げ予想値が一時51.5%に上昇して優勢に転じた影響があり、米国の大幅利下げ予想による日米金利差縮小予想が後退し、米国の小幅利下げ予想が優勢になったことで、時間外の米国債券取引で低下後の米国長期金利が反発上昇し、午後16時10分頃には一時3.969%付近と大幅な上昇を見せたため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの勢いが増し、午後16時37分頃にドルは円相場で一時147円32銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
一時上昇後の米国長期金利が上昇幅を縮めると、日本市場相当時間の市場高値後のドルには利益確定と持ち高調整の抵抗も入ったが、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値相当時間は147円20〜22銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の147円20〜22銭付近の前東京終値比と同価格の横ばいレンジ圏になっていた。
ただし、その直後の今夜17時38分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で一時147円44銭付近にも上昇したが、米国長期金利がやや反落したことでは、今夜18時12分頃には一時147円21銭付近に戻した後に、再び今夜18時39分頃には一時147円38銭付近と、前東京終値比で小幅な円安ドル高への反発なども見せている。
今夜この後の米国市場は平日営業で、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、27時に7月の米国月次財政収支の発表予定があるほか、米国債券市場や米国株式市場などからの為替相場への値動きの影響も引き続き世界市場で注視されている。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値相当時間は160円80〜82銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の160円78〜79銭付近と比較すると約2銭の小幅な円安ユーロ高であった。
主な要因は、午後15時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの7月の独卸売物価指数 (WPI / Wholesale Price Index) の前月比が前回の-0.3%から0.3%に上昇したほか、今日の午後から始まった週明けの欧州株式市場でもドイツの主要株式指数の独DAX (Deutscher Aktien IndeX) が上昇して始まり、今朝のオセアニア市場からの流れもあって、リスク選好のリスクオン寄りの市場ムードであったことでも、低リスク通貨の円がやや売られていたが、同じく現地朝には一時は揃って上昇して始まっていたフランス株価指数の仏CAC40 (Cotation Assistée en Continu) がその後にやや反落したことでは小幅域になった。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値相当時間は1.0923〜1.0925ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0921〜1.0923ドル付近と比較すると、約0.02セントの小幅なユーロ高ドル安であった。
主な要因は、前述の円相場での欧州ユーロ買いの要因と同様に、欧州ユーロ圏主要国ドイツの7月の独卸売物価指数 (WPI) が前月の-0.3%から0.3%に上昇した一方で、今週に発表予定の米国重要インフレ指標の米国消費者物価指数 (CPI) の市場予想では一部で鈍化予想が続いていたことが影響を及ぼしたほか、今日の午後の欧州株式市場でドイツの主要株式指数の独DAX上昇時のリスク選好のリスクオンでは、低リスク通貨の円だけでなく、世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドルに対しても、リスクオンで買われやすい欧州ユーロが買われた時間が観測された。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値相当時間は187円96銭〜188円2銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の187円93〜99銭付近と比べると約3銭の小幅な円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州と経済圏が近く欧州ユーロの影響を受けやすい英国ポンドも、今日の午後の英国株式市場で英国主要株価指数のFTSE100 (Financial Times Stock Exchange 100 Index) が上昇して始まっており、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りで英国ポンドが買われていた時間があった。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月12日の日本時間(JST)19時27分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時27分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 19:27の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 147.37 〜 147.38 | +0.17 (円安) |
ユーロ/円 | 161.05 〜 161.07 | +0.27 (円安) |
ユーロ/ドル | 1.0927 〜 1.0929 | +0.0006 (ドル安) |
英ポンド/円 | 188.07 〜 188.13 | +0.14 (円安) |
スイスフラン/円 | 169.70 〜 169.76 | −0.37 (円高) |
豪ドル/円 | 97.27 〜 97.31 | +0.18 (円安) |
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