FXニュース:米小売売上高の発表控え

2024年8月15日
FXニュース:米小売売上高の発表控え

 

東西FXニュース – 2024年8月15日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米消費者物価指数が鈍化
  • 米利下げ予想で株価上昇
  • 米CPI鈍化で長期金利低下
  • 日本実質GDP年率3.1%増
  • 日米株価続伸リスク選好

今日2024年8月15日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円61銭付近から、円の高値でドルの安値の147円5銭付近の値幅約56銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円24〜26銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の147円41〜42銭付近の前東京終値比では約17銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンド動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円89銭付近と、その後の昨夜21時30分の米国インフレ関連の最新米国重要経済指標の7月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表イベントを控えたイベントリスクのドルの持ち高調整が主要通貨に対して進行していた。

昨夜21時30分の米国市場で、注目の7月の米国消費者物価指数 (CPI) が発表され、前月比は前回の-0.1%に対し市場予想通りの0.2%であったが、前年同月比は前回と市場予想の3.0%を下回る2.9%に鈍化し、気候条件などで価格変動が激しい生鮮食品とエネルギーを除き物価基調を測る重要指標の米国CPIコア指数は、前月比は前回の0.1%に対し市場予想通りの0.2%で、前年同月比は前回の3.3%に対し市場予想通りの3.2%で、市場予想通りまたは想定よりもインフレ鈍化継続を示す米国重要インフレ指標を受けて、今年9月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国利下げを開始するという市場予想が高まり、主要通貨に対してドルが売られ、発表時の昨夜21時30分頃にドルは円相場で一時146円47銭付近に急落し、昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国CPIコア指数はほぼ市場予想通りの内容で、市場の一部で警戒されていたほどの下振れはなかったことや、米国住宅関連のインフレにはやや根強さも意識されたことでは、今年9月の米国利下げ予想の利下げ幅の予想値では、0.25%の小幅利下げ予想が上昇して優勢さを保ち、一部の0.50%の大幅利下げ予想が低下したことを受けては、米国債券市場で米国CPI発表前の昨夜21時20分頃には一時3.833%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、発表後の昨夜21時35分頃には一時3.865%付近に急伸したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円売りドル買いが、市場高値後の円の利益確定売りと市場安値後のドルのショートカバーの買い戻しに重なってドルは円相場で数分間に1円以上も急反発し、昨夜21時33分頃にドルは円相場で一時147円59銭付近の昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録するという、荒い値動きを見せた。

ただし、米国ニューヨーク債券市場では、同時進行中だった欧州市場で中東情勢への警戒感による地政学リスク回避では、世界的な安全資産の米国債買いの需要が続いていた影響などもあり、利回り上昇時の債券価格低下を受けた米国債買いの抵抗が入り始めたことや、米国政策金利の年内利下げ予想は上昇後の米国長期金利の反落により、ドルの上値を抑えたことでは、昨夜23時52分頃には米国長期金利は一時3.821%付近に低下したため、対ドルの円相場は一時146円57銭付近に戻していた。

一方、米国インフレ鈍化継続による米国利下げ予想により、企業への貸付ローンの高金利長期化への警戒感が緩和した米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が前日比で大幅高の続伸に向けたほか、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅ながらも揃って続伸の終値に向けたことでは、米国主要株価三指数上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で、低リスク通貨の円が売られる値動きも見られたことでは、米国市場終盤の5時24分頃にはドルも円相場で一時147円44銭付近に反発したが、米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りは3.839%と、前日比-0.005であったことではドルは市場高値を上抜けはできなかった。

なお、米国金利先物のデータを基にして米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで知られている米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) において米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国利下げに転ずる市場予想値は確定値を超えて推移しているが、今日の米国利下げ予想幅では、以前には一時優勢になっていた0.5%の大幅利下げ予想値が一時37.5%付近に低下して劣勢に転じた一方で、0.25%の小幅利下げ予想値は一時62.5%付近と大幅な優勢になったことも、主要通貨に対するドルの買い戻しや、ポジションの持ち高調整などに影響を与えていた。

とはいえ、今夜この後の米国市場では、米国の景気関連の最新重要経済指標の米国小売売上高の発表イベントも控えていることなどでは、利益確定や買い戻しなどの持ち高調整の他にも、イベントリスクの様子見の買い控えなども混ざっていたことはやや抵抗になっており、また、来週8月22〜24日にも、世界中の中央銀行の総裁達が出席予定のジャクソンホール会議の開催予定があり、要人発言により市場予想に影響を与える可能性もあることも市場では意識され始めていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の146円47銭付近から、円の安値でドルの高値の147円59銭付近の値幅1円12銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は147円33銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円84銭付近と比べて約49銭の円安ドル高をつけていた。

今朝8時50分のアジア・オセアニア市場では、今朝9時頃からの今日の日本市場に先行して日本の最新重要経済指標の4〜6月第2期四半期の日本実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の速報値が発表され、前期比は前回のマイナス圏だった-0.5%と前回修正の-0.6%と市場予想の0.5%を上回るプラス圏の0.8%に改善され、年率換算も前回の-1.8%と前回修正の-2.3%と市場予想の2.1%を上振れする3.1%に上昇し、2四半期ぶりのプラス成長となったことを受けては、前期の自動車の品質不正問題の影響緩和に加えて、日本の個人消費や設備投資が回復を見せた日本景気好感による円買いも入り、発表直後の今朝8時50〜51分頃にかけて、対ドル円相場は一時147円22銭付近に上昇していた影響があり、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時147円27銭付近であった。

日本のお盆休みの夏季休暇シーズンで市場流動性にはやや減少はあるものの、日本市場は今日も平日扱いであることから、今日は15日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい毎月の5と10が付く「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」にあたるため、今朝の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要があったことではドルは円相場で反発した。

また、今朝までの米国主要株価三指数の続伸を受けた今日の東京株式市場では、早朝には一時前日比でマイナス圏から始まった日経平均株価が、今朝9時過ぎ頃からプラス圏になり上昇し、大幅な上昇へ向けたことから、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られたほか、日本市場時間の時間外の米国債券取引で世界的な安全資産でもある米国10年債も売られた影響から利回りが一時3.851%付近に向けて再上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響もあり、今朝10時53分頃にドルは円相場で一時147円61銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、昨夜の米国インフレ指標鈍化継続を受けては、世界市場や日本市場でも米国利下げ予想の影響があり、上昇後の米国長期金利が午後14時55分頃の一時3.833%付近に向けた低下に転じると、市場高値後のドルの利益確定売りや持ち高調整の円の買い戻しが入り始めてドルは円相場で反落し、午後14時55分頃にドルは円相場で一時147円5銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、午後15時台には今日の日経平均株価は3万6726円64銭の終値と、前日比284円21銭高の大幅高で大引けしたことを受けては、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが入り、市場高値後の円の利益確定売りも相まったことでは、円相場は上昇幅を縮め始めたが、午後からの欧州市場の参入では中東情勢への地政学的リスク回避では世界的な安全資産の米国債買いが続いていた影響もあり、米国長期金利が一時3.831%付近にまで低下した影響では、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗も混ざったことでは、今夜この後の米国小売売上高の発表イベントを控えたイベントリスクの様子見や買い控えのあるドルの円相場での買い戻し幅は限られていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は147円24〜26銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の147円41〜42銭付近の前東京終値比で約17銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、米国景気関連の最新米国重要経済指標などの発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に重要景気指標の7月の米国小売売上高と、8月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数と8月の米国フィラデルフィア連銀製造業景気指数、7月の米国輸入物価指数と7月輸出物価指数、前週分の米国新規失業保険申請件数と前週分の米国失業保険継続受給者数が同時発表されるイベント時間があり、続いて今夜21時15分に7月の米国鉱工業生産と 7月の米国設備稼働率、今夜23時に8月の米国NAHB (National Association of Home Builders / 全米住宅建設業者協会) 住宅市場指数と、6月の米国企業在庫、29時に6月の対米証券投資などが発表される予定である。

また、日米欧英の債券の利回りの影響や、世界の株式市場などからの為替相場への値動きの影響なども注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円16〜17銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の162円19〜21銭付近と比較すると約3銭の小幅な円高ユーロ安であった。

主な要因は、今日発表された日本のGDPの速報値が上振れし、日本景気好感による円買いがあった一方で、今日の日経平均株価が前営業日比大幅高で大引けした後にも、今日の午後からの欧州株式市場と米国株式市場先物で日米欧株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りがあり、リスク選好市場で買われやすい欧州ユーロ買いの影響が見られたことでは欧州ユーロに対する円相場の上昇幅は小幅域になっていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1011〜1.1013ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1002〜1.1003ドル付近と比較すると約0.09セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、米国利下げ予想の影響や米国長期金利低下時のドル売りの影響に加えて、日米欧株価上昇時のリスク選好のリスクオンでは低リスク通貨の円と同様に世界的な流動性の高さから欧州ユーロに対する安全資産でもあるドルも欧州ユーロに対して売られやすかった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は189円19〜25銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の189円20〜26銭付近と比べると約1銭の僅差の円高ポンド安であった。

主な要因は、日本のGDPがプラス圏に改善したことでは円買いも入ったが、今日の日経平均株価の続伸では低リスク通貨の円売りでは、欧州ユーロと同様に英国ポンドも買われ、円相場の上昇幅が限られたため、やや横ばいに近い小幅な円高ポンド安の東京終値になった。

また、今日の午後15時には最新英国重要経済指標の4〜6月の第2四半期の英国国内総生産 (GDP) の速報値も発表されたが、前期比は前回の0.7%に対し市場予想通りの0.6%で、前年同期比も前回の0.3%に対し市場予想通りの0.9%で、6月の英国月次国内総生産 (GDP) の前月比も前回の0.4%に対し市場予想通りの0.0%といずれも想定範囲内だった。

ただし、午後15時に同時発表だった最新英国経済指標の6月の英国鉱工業生産は、前月比が前回の0.2%と前回修正の0.3%と市場予想の0.1%に対し0.8%に上振れしたほか、前年同月比も前回の0.4%と市場予想の-2.1%に対し-1.4%と、前回よりは低下したものの市場予想を上回っていたことでは、英国ポンド買いも入っていた。

一方、同じく発表された6月の英国商品貿易収支は、前回の-179.17億ポンドと前回修正の-185.93億ポンドと市場予想の-160.00億ポンドを下回る-188.94億ポンドの赤字で、6月の英国貿易収支も前回の-48.94億ポンドと前回修正の-57.70億ポンドと市場予想の-35.00億ポンドを下回る-53.24億ポンドに悪化したことでは強弱が入り混じっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月15日の日本時間(JST)19時36分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時36分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:36の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 147.26 〜 147.28 −0.15 (円高)
ユーロ/円 162.12 〜 162.14 −0.07 (円高)
ユーロ/ドル 1.1008 〜 1.1010 +0.0006 (ドル安)
英ポンド/円 189.28 〜 189.34 +0.08 (円安)
スイスフラン/円 169.96 〜 170.02 −0.67 (円高)
豪ドル/円 97.55 〜 97.59 −0.22 (円高)

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