FXニュース:日経平均株価大幅に反発

2024年8月20日
FXニュース:日経平均株価大幅に反発

 

東西FXニュース – 2024年8月20日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米景気先行指標予想以下
  • 米9月利下げ予想確定値
  • 欧米株価上昇リスク選好
  • 低リスク通貨円利確売り
  • 米国債利回り受けた売買
  • 今週のFRB議長発言控え

今日2024年8月20日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の145円84銭付近から、円の安値でドルの高値の147円34銭付近の値幅約1円50銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円50〜52銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円11〜13銭付近の前東京終値比では約39銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場では日経平均株価の大幅下落による低リスク通貨の円買いと、外資からのセブン&アイ・ホールディングス (7&iHD) のM&A (Mergers and acquisitions / 合併と買収) 提案報道に絡む円買いに加えて、明日発表予定の米国労働省労働統計局 (BLS / Bureau of Labor Statistics) の年次改定値の暫定値で昨年2023年4月から今年2024年3月までの米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-farm Payrolls) が大幅に下方修正されるとの市場予想が浮上したことなどで、夏休み時期の市場流動性の減少による値幅増幅で大幅な円高ドル安が進行し、昨夜17時に日本市場が終了した後の英国ロンドン外国為替市場でも、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時3.866%付近まで低下したことではドルの買い戻しは限定的であったため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円4銭付近であった。

昨夜21時頃に一時3.870%付近だった米国長期金利は、今年9月の米国利下げ予想が確定値を上回っている中で、世界的な安全資産でもある米国債買いの影響が続き、債券価格上昇時の利回り低下により、昨夜21時20分頃の一時3.859%付近に向けて低下していたため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、昨夜21時7分頃にドルは円相場で一時145円93銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、米国金利先物のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、今年9月17〜18日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) において米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) が米国利下げを開始する予想値では、今日の時点でも0.25%の米国小幅利下げ予想値が市場での確定値と考えられている70%を上回る75.5%付近に上昇して推移しており、一方で0.50%の米国大幅利下げ予想値は24.5%付近に低下して推移していることでは、現在5.25〜5.50%の米国政策金利に対し、日本の政策金利は利上げ後も0.25%であることから、日米の政策金利差は当分の間は続くという市場予想もあり、世界的に流動性が高く実需もあるドルの買い戻しも入り始めた。

また、今週の金曜日に予定されている日本銀行 (日銀 / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言予定と、同日夜の米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定のイベントが注目されており、イベントを控えた利益確定や持ち高調整が進む中でも米国長期金利が反発すると、日米金利差トレードの売買も入り、昨夜22時10分頃に米国長期金利が債券価格上昇後の利益確定売りによる債券価格低下時の利回り上昇で一時3.899%付近に反発上昇すると、円の利益確定売りや持ち高調整が強まり、ドルは円相場で一時146円67銭付近に買い戻された。

ただし、昨夜23時に発表された最新米国経済指標の7月の米国景気先行指標総合指数の前月比は、前回の-0.2%と市場予想の-0.3%を下回る-0.6%に低下したことでは、米国景気によるインフレ圧の鈍化を受けて、米国利下げ予想が確定値超えの推移を続けていることが再び意識されたことでは、発表後の昨夜23時4分頃にドルは円相場で一時146円19銭付近に押し戻される一時的な抵抗も入った。

一方、同時進行していた米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の中でも企業への貸付ローン金利に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が、米国利下げ予想を受けて大幅に上昇したほか、世界的なハイテク株比率の多い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も大幅に上昇し、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も続伸に向けていたことでは、先行していた欧州株式市場の終盤も堅調だったこともあり、欧米主要株価上昇時のブル・マーケット (Bull market / 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では低リスク通貨の円が売られたため、深夜24時42分頃にドルは円相場で一時146円71銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、イベントリスクを控えた市場では安全資産の米国債買いの需要もあり、24時55分頃に米国長期金利は一時3.857%付近まで反落したものの、その後には下げ止まって反発し、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点では一時3.874%付近に戻したが、前営業日比では-0.011と低下していたことでは、米国市場での円相場でのドルの買い戻しはやや限定的であった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の145円93銭付近から、円の安値でドルの高値の146円71銭付近の値幅74銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は146円55銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の147円53銭付近と比べて約98銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝8時20分頃のアジア・オセアニア市場では、今朝早朝までの米国主要株価三指数の続伸に続き、今日の日経平均株価の先物が上昇トレンドであったことなどから、株式市場からの低リスク通貨の円売りが入る一方で、世界的な流動性の高さから実需もあるドルは円相場で一時146円87銭付近に買われていたため、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時146円71銭付近であった。

ただし、今朝の日本市場の仲値決済では、今日は20日で、日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) であったことから、輸出企業のまとまった円買いドル売りが先行し、お盆休み明けでも夏休み時期で市場流動性がまだ減少しており、少しのまとまった値動きでも値幅が拡大しやすくなっていたことから、円相場が上昇したほか、アジア市場でも中国人民銀行が実質的な政策金利にあたる最優遇貸出金利 (LPR) を利下げ予想に反して据え置きする決定をしたことから中国人民元が対ドルで上昇した影響も外貨影響のドル下落圧として円相場に波及し、今朝10時6分頃には、ドルは円相場で一時145円84銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今日の東京株式市場では日経平均株価が大幅に反発上昇したため、日米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが再び起き、ドルは円相場で反発上昇を始めたほか、前日には大幅な円高が進行した後であったため、調整的な利益確定の円売りも、リスク市場で買われやすい欧州ユーロなどの主要通貨に対して入りやすくなった。

今日の日経平均株価は前日比で円安ドル高に転じたことで背景とした海外投資再投入の影響もあり、午後15時頃に3万8062円92銭の終値をつけ、前日比674円30銭高の大幅高で大引けしたため、昨日に株価影響で買われていた低リスク通貨の円の利益確定売りや調整売りも相まって、午後15時10分頃にドルは円相場で一時147円34銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、昨日の株式市場で話題入りしていたセブン・イレブンなどのコンビニを傘下に持つ日本のセブン&アイ・ホールディングス (7&iHD) に、サークルKなどのコンビニを傘下に持つライバル社のカナダのアリマンタシォン・クシュタール社が戦略的な買収 (M&A) 案件をオファーした件について、先日の報道時の7&iHDの時価総額は推定約5兆6300億円規模であったことから、大規模なM&Aに絡む円買いが入る可能性から便乗的な円買いが一時入ったが、昨日の午後にまだ初期的な法的拘束力のない買収提案でまだ未定であることが発表されたほか、今日の続報では米国当局が異議の可能性との一部報道が話題になったことも、今日の株式市場影響の円売りの一因となっていた。

今日の日本市場で日米株価上昇を受けたリスク選好のリスクオンムードがあったことでは、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では安全資産の米国債売りが入り、米国長期金利は一時3.888%付近に上昇していたが、午後からの欧州英国市場の参入では、燻る中東情勢懸念やイベントリスクもあり、世界的な安全資産の米国債が再び買われる需要があったことなどから、夕方には米国長期金利が再び一時3865%方向へと反落したことでは、債券利回りを受けた日米金利差トレードの影響で、市場高値後のドルには今週のイベントリスクもあり、早期の利益確定売りの抵抗が入り始めたほか、日本市場終盤の利益確定売りもあったため、夕方にはドルは円相場での上昇幅を縮めた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円50〜52銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円11〜13銭付近の前東京終値比では約39銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、特に重要度が高い最新米国経済指標の発表予定はないものの、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、26時35分頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国アトランタ連邦銀行のラファエル・ボスティック総裁の発言予定と、27時45分頃から同じく次回のFOMC投票権を持つFRBのマイケル・バー副議長の発言予定などがある。

また、明日8月21日の夜には、米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の議事要旨の発表予定もあり、その翌日の22日には欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の議事要旨も発表される予定で、今週23日の金曜日には日銀の植田和男総裁の発言予定と、世界市場で注目を集めている経済シンポジウムのジャクソンホール会議で米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定の日米イベントなども控える。

現在は世界的な夏休み時期の市場流動性減少により、値幅が大きく振れやすくなっていることなどもあり、ファンダメンタル・ニュースの影響などに加えて、米国長期金利の金利差売買や世界の株式市場からの為替相場への影響なども、FXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円43〜44銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円35〜36銭付近と比較すると約1円8銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価は大幅に反発上昇し、今朝までの欧米株式相場の大幅高に続く日本株価上昇時の強気市場のリスク選好のリスクオンでは、低リスク通貨の円が売られて、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。昨日の東京終値では大幅な円高ユーロ安であったため、今日の東京終値は買い戻しの反発で大幅な円安ユーロ高に転じた。

そのため、英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円44〜50銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の189円46〜52銭付近と比べると約98銭の円安ポンド高であった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1086〜1.1088ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1042〜1.1044ドル付近と比較すると約0.44セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、日米欧の株価上昇を受けたリスク選好のリスクオン市場では、リスク市場に強い低リスク通貨の円と世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドルが売られやすい一方で、リスク市場に弱い欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかった。

また、米国利下げ予想を受けた米国長期金利低下時のドル売りでも欧州ユーロが買われたことで、今日の東京終値時点でもユーロ高ドル安になっていた。

なお、今日の日本市場終了後の今夜18時に発表された欧州ユーロ圏総合の最新重要経済指標の7月の欧州消費者物価指数 (HICP / 英語 : Harmonised Index of Consumer Prices / 米語 : Harmonized Index of Consumer Prices) の改定値は、前年同月比が前回と市場予想通りの2.6%で、欧州HICPコア指数の改定値の前年同月比も前回と市場予想一致の2.9%であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月20日の日本時間(JST)19時25分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時25分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:25の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 146.37 〜 146.38 +0.26 (円安)
ユーロ/円 162.16 〜 162.17 +0.81 (円安)
ユーロ/ドル 1.1077 〜 1.1079 +0.0035 (ドル安)
英ポンド/円 190.31 〜 190.37 +0.85 (円安)
スイスフラン/円 170.22 〜 170.28 +1.08 (円安)
豪ドル/円 98.52 〜 98.56 +0.79 (円安)

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