FXニュース:米FOMC議事要旨ハト派

2024年8月22日
FXニュース:米FOMC議事要旨ハト派

 

東西FXニュース – 2024年8月22日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米雇用下方修正-81.8万人
  • 米9月利下げ予想確定値
  • 米長期金利低下時金利差
  • 日米株価上昇リスクオン
  • 欧ECB議事要旨の発表も
  • 明日の日米要人発言控え

今日2024年8月22日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の144円94銭付近から、円の安値でドルの高値の145円64銭付近の値幅約70銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円27〜29銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円11〜13銭付近の前東京終値比で約84銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夜の英国ロンドン外国為替市場ではイベント前の早期の利益確定と持ち高調整の影響が続いていたため、欧州英国市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場の始値は一時146円6銭付近であったが、イベントリスクもあって世界的な安全資産でもある米国債が買われていたことでは、債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が開場時の一時3.815%付近から一時22時10分頃には一時3.799%付近に低下したことを受けては、債券利回りの日米金利差縮小時の円買いドル売りが入り、昨夜22時33分頃にはドルは円相場で一時145円50銭付近に下落していた。

昨夜23時に予定されていた昨年2023年4月から今年2024年3月までの米国非農業部門雇用者数 (NFP / Non-farm Payrolls) が大幅に下方修正されるとの市場予想で注目されていた米国労働省労働統計局 (BLS / Bureau of Labor Statistics) の年次改定値の暫定推計値の発表が遅れ、昨夜23時の発表時間を過ぎても改定前の高い数値が提示され続けていたことを市場予想で出ていた−60万~−100万人の大幅な下方修正に対する現状維持の上振れと誤解した様なフライング・トレードもしくは仕掛け売買などの一部観測が入ったほか、昨夜23時には米国長期金利も3.807%付近に反発していたこともあり、ドルは円相場で一時146円90銭付近に瞬時に1円以上も急伸し、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録したが、すぐに買い戻しが入り始め、およそ30分ほど遅れた発表では市場予想通りに米国非農業部門雇用者数は−81万8000人の大幅な下方修正がされたため、発表後の昨夜23時32分頃にはドルは円相場で一時145円46付近に急落した。

ただし、米国ニューヨーク債券市場では、昨夜23時40分頃には米国長期金利は一時3.820%付近に上昇していたことでは、ドルの下落には一時抵抗も混ざったが、米国雇用統計の下方修正を受けた安全資産の米国債買いの影響では、その10分後の昨夜23時50分には米国長期金利は一時3.800%付近に急落し、さらに深夜24時55分頃の一時3.789%付近や、午前1時30分頃の一時3.783%付近に向けて低下を続けていたことでは、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りや、主要通貨に対する米国長期金利低下時のドル売りの影響もあり、深夜24時50分頃にはドルは円相場で一時145円3銭付近にも下げていた。

午前2時に米国20年債の入札があったことではやや抵抗も混ざったものの、午前3時には、世界市場が注目していた前回7月30〜31日開催分の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の議事要旨の公表があり、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の予想通りのデータが継続すれば、「次回9月の会合での米国利下げが適切になる可能性が高い」ことや、「最近の米国経済市場のデータは、インフレ率が目標の2%に向かって持続的に低下していくことへの自信を深めた」ことから、「大多数のメンバーは、9月の米国利下げが適切と考えている」と明らかになり、「数人のメンバーは、前回7月の会合でも米国利下げの論拠を指摘していた」こともあり、前回もハト派寄りの政策金利の現状維持であったことが市場で意識されたほか、「一部のメンバーは、米国労働市場の深刻な悪化のリスクを指摘」していたことを受けては、先ほどの米国雇用統計の下方修正後であったこともあり、今年9月の米国利下げ予想が確定値を超え続けて、午前3時20分頃には米国長期金利は一時3.768%付近にまで大幅に低下したため、日米金利差縮小時の円買いドル売りや主要通貨に対するドル売りが起き、今朝未明の午前3時29分頃にドルは円相場で一時144円45銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

米国金利先物のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) が9月に米国利下げを開始する予想値は全体的には既に100%付近に達していたが、利下げ幅についての市場予想値では、0.25%の米国小幅利下げ予想値が今日は65.5%付近に低下した一方で、0.5%の米国大幅利下げ予想値は34.5%付近に上昇した。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、今年9月の米国利下げ予想の高まりにより、金利警戒感の緩和から、前日反落後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) と米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) が揃って上昇の終値に向けたことでは、米国株式市場では株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りや安全資産の米国債売りの抵抗も入り、米国市場の高値後の円の利益確定売りや持ち高調整売りと、市場安値後のドルの買い戻しではドルは円相場でやや反発し、米国ニューヨーク外国為替市場終盤の午前5時52分頃には145円30銭付近と145円台に戻していた。

イベントリスクを控えた市場では安全資産の米国債買いの需要が続いていたことでは、米国主要株価上昇時のリスクオンの安全資産売りの抵抗が入りつつも、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は3.802%と前日比-0.006に低下して引けていた。

しかし、明日の8月23日の金曜日には、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の要人発言予定と、年次経済シンポジウムのジャクソンホール会議での米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言の日米のイベントを控えていることでは、米国市場の終盤には株式市場からの円売りやイベント前の持ち高調整が進む中で、イベントリスクのポジション調整の早期の利益確定と自国通貨のドルの買い戻しや、イベント前の様子見なども入り始めていたことでは、反発後のややドルは下げ渋っていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の146円90銭付近から、円の高値でドルの安値の144円45銭付近の値幅2円45銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は145円26銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の145円20銭付近と比べて約6銭の小幅な円安ドル高をつけていた。

ただし、今朝早朝からのアジア・オセアニア市場では、昨夜の米国雇用統計の下方修正に加えて、今朝未明の前回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) 議事要旨がハト派寄りだったことを受けた米国利下げ予想の影響のドル売りが再燃したことでは、今朝8時5分頃にはドルは円相場で一時144円84銭付近と、再び144円台を記録していた。

今朝の時間外の米国債券取引では、米国長期金利が一時3.807%付近とやや上昇したため、ドルも円相場で一時の144円台から145円台に反発し、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時145円12銭付近の始値であったが、今朝9時3分頃に米国長期金利がやや上昇幅を縮めると、ドルは円相場で一時144円94銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要も入り始めたことに続き、今朝までの米国株式市場で米国主要株価三指数が揃って上昇の終値をつけていたこともあり、米国企業を主要な取引先に持つ日本企業でも米国高金利への警戒感がやや緩和され、今日の東京株式市場でも日経平均株価が今朝11時頃の一時433円高付近に向けた大幅な上昇を見せたことを受けては、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオンで国内第一安全資産の低リスク通貨の円が売られて円相場が一時反落し、市場高値後の円の利益確定売りも相まって、午前10時56分頃にドルは円相場で一時145円64銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、午前11時の高値をピークに日経平均株価には利益確定売りが入り始めて上昇幅を縮め始めると、低リスク通貨の円売りが減少し始めて円相場も反発し始めたため、海外投資家達の中には円安時に買った株を円高時に利益確定で売って為替差益分を含めて利益率を高める戦略などが好まれていた影響もあり、日経平均株価は今朝の一時の大幅な上げ幅を縮め、昼過ぎの13時25分頃には17円高程度の小幅高にまで縮めたため、安全資産の米国債や低リスク通貨の円が買い戻されてドルが再び下落し、昼の13時35分頃には対ドルの円相場は144円98銭付近と再び円高ドル安に傾いた。

144円台の安値圏からはドルの買い戻しも入り始めたことでは、ドルは再び145円台を回復して上昇したことでは、日経平均株価にも買い戻しが入り、午後15時頃に今日の日経平均株価が3万8211円1銭の終値をつけ、前日比259円21銭高の大幅高で大引けしたことでは、再び低リスク通貨の円売りでドルが買い戻されて、午後からの欧州市場に続く英国ロンドン外国為替市場の参入の影響もあり、午後16時15〜16分頃にはドルは円相場で一時145円47銭付近に買い戻されていた。

しかし、日本市場の午後と同時進行の欧州市場では、午後16時15分頃に発表された欧州ユーロ圏のフランスの最新経済指標の8月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の速報値は、前回の44.0と市場予想の44.4を下回る42.1であったことでは、対ユーロでドルが買われたことが対ドルの円相場にも波及したものの、8月の仏サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回の50.1と市場予想の50.3を上回る55.0であった。

続いて、午後16時30分に発表された欧州ユーロ圏主要国のドイツの8月の独製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値と8月の独サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値がいずれも前回と市場予想以下であったことでは、欧州市場で世界的な安全資産の米国債が買われたために米国長期金利が一時3.794%付近にまで低下し、日米金利差縮小時の円買いドル売りや、主要通貨への金利差トレードでドルが売られた影響の波及ではドルは円相場で反落し、夕方16時38分頃にドルは円相場で145円8銭付近に反落していた。

ただし、その後の17時に発表された欧州ユーロ圏総合の8月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回と市場予想以下であったものの、8月の欧州サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は前回と市場予想を上回ったことでは強弱入り混じる結果となったことでは、米国長期金利が下げ止まって反発したことでは、ややドルの買い戻しが入り始めたが、買い戻しが進む前に今夜17時の東京終値を迎えた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円27〜29銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円11〜13銭付近の前東京終値比では約84銭の円高ドル安になった。

なお、その後の今夜19時32分頃の英国ロンドン外国為替市場では、ドルは円相場で一時145円88銭付近に買い戻されていた。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数、今夜22時45分に8月の製造業とサービス部門と総合の米国購買担当者景気指数 (PMI) 速報値と、今夜23時に7月の米国中古住宅販売件数などが発表される予定である。

また、今夜20時30分の欧州市場では欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会の議事要旨が公表される予定があり、明日の8月23日の金曜日には、日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男総裁の要人発言予定と、注目の年次経済シンポジウムのジャクソンホール会議において米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長の要人発言予定があり、日米のイベントを控えている。

ファンダメンタル・ニュースの影響に加えて、債券利回りを受けた金利差売買や、株式市場の為替相場への影響などにも注意が必要である。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円73〜78銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円39〜41銭付近と比較すると約66銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、今夜の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の議事要旨発表を控え、最近の海外中銀の利下げトレンドが意識されたほか、先述の今日の夕方の欧州ユーロ圏主要国のドイツの最新景気指標が前回と市場予想を下回っていたことも、低リスク通貨の円に対する欧州ユーロ売りとイベントリスクの買い控えに繋がっていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1131〜1.1142ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1113〜1.1115ドル付近と比較すると約0.29セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、今年9月の米国利下げ予想が確定値になっていることや、米国雇用統計の大幅な下方修正を受けた安全資産の米国債買いの影響などで、米国長期金利低下時の主要通貨に対するドル売りの影響では、欧州ユーロに対してもドルが下げており、前東京終値に続き、ドルに対しては欧州ユーロが続伸した。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は190円19〜25銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の190円18〜24銭付近と比べると約1銭の僅差の円安ポンド高であった。

主な要因は、今日の日経平均株価が大幅高で大引けしていたことでは、低リスク通貨の円売りで英国ポンドが買われて小幅ながらも上昇して東京終値をつけていた。

なお、今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の8月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値と8月の英国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は、いずれも前回と市場予想を上回った好景気寄りであったことを受けては、今夜その後の英国ポンドは円相場での上昇幅を広げている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月22日の日本時間(JST)19時48分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時48分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:48の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 145.83 〜 145.84 −0.28 (円高)
ユーロ/円 162.51 〜 162.52 −0.12 (円高)
ユーロ/ドル 1.1142 〜 1.1144 +0.0029 (ドル安)
英ポンド/円 191.40 〜 191.46 +1.22 (円安)
スイスフラン/円 171.25 〜 171.31 +0.51 (円安)
豪ドル/円 98.27 〜 98.31 −0.12 (円高)

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