FXニュース:今夜の米GDP発表を控え

2024年8月29日
FXニュース:今夜の米GDP発表を控え

 

東西FXニュース – 2024年8月29日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利低下後の反発
  • 米AI株予想以上期待以下
  • オセアニア通貨買い戻し
  • 日経平均株価下げ幅縮小
  • 明日は米PCE物価指数も

今日2024年8月29日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の144円27銭付近から、円の安値でドルの高値の144円86銭付近の値幅約59銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円72〜73銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の144円55〜56銭付近の前東京終値比で約17銭の円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場で日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の氷見野良三副総裁が、当面の間は金融市場を注視しながらも、「経済・物価見通し実現の確度が高まれば、金融緩和の度合い調整が基本姿勢」と発言し、日銀が追加利上げ方向を維持する市場予想が高まったことで、利下げ方向に向かう欧米との金利差予想では、昨日17時に日本市場が終了した後の英国ロンドン外国為替市場では、昨夜18時26分頃に対ドルの円相場は一時144円6銭付近まで買われていた。

先週金曜日のジャクソンホール会議で米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長が、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) において米国利下げ転換を示唆する発言後の影響も続いており、時間外の米国債券取引で米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、昨夜20時35分頃の一時3.809%付近に向けて低下していたことも、日米金利差縮小予想の円買いドル売りに影響を及ぼしていた。

しかし、世界最大規模の金の値決めなども行われている英国ロンドン市場では、月末を控えたロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル需要があり、世界的な流動性の高さから安全資産でもあるドルは円相場で反発を始めたため、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から時差で始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円31〜32銭付近の始値になり、これが昨夜の米国市場の円の高値でドルの安値となった。

昨夜の米国ニューヨーク債券市場では、月末を控えた利益確定や持ち高調整の米国債売りの影響もあり、低下していた米国長期金利が反発を見せ、昨夜22時35分頃の一時3.843%付近に向けて上昇したため、債券利回りを受けた日米金利差拡大を受けた金利差トレードの円売りドル買いが入ったことでは、昨夜22時42分頃にドルは円相場で一時145円4銭付近と、昨夜の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国金利先物のデータを基にして米国政策金利であるフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、今年9月17〜18日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国利下げ転換を開始する市場予想値は全体的には100%付近の推移を続けていたが、9月の米国利下げ幅の市場予想値は、今日の時点でも0.25%の小幅利下げ予想値が63.5%付近と70%の確定値割れの推移を続けており、その一方で0.50%の大幅利下げ予想値は36.5%付近の推移を続けていたほか、米国のインフレと雇用市場のリスクバランスにおいては、来月の米国雇用統計の発表前の今週にも、今夜この後の最新米国重要経済指標の4〜6月の第2四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) や、明日の夜の7月の米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) 物価指数のPCEデフレーターとPCEコア・デフレーターなどの重要指標データの発表イベントを控えていることでは、市場高値後のドルにはイベントリスクもあって早期の利益確定売りの抵抗も入り、世界的な安全資産の米国債買いの抵抗が混ざると米国長期金利上昇にも抵抗が混ざったため、低リスク通貨の円に対してドルは深夜24時のロンドン・フィキシングの後の深夜24時24分頃と35〜36分頃に一時144円35銭付近に売られる抵抗を交えた。

また、米国ニューヨーク株式市場では、この日の株引け後の今朝早朝に米国AI (Artificial intelligence / 人工知能) 半導体ブームで最近の米国株式市場を牽引してきた米国エヌビディア (Nvidia) の決算報告予定を控えており、一部の市場予想では中国への半導体規制問題などもあり一時のブームを受けた急成長がピークアウトするのではという懸念もあり、月末を控えた利益確定や持ち高調整の影響もあり、米国のハイテク株などを中心に株売りが起き始めており、前日は小幅高だった米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が大幅安の終値に向けたことや、同じく前日には小幅高だった米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) も大幅安に向け、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) にも株売りが波及して小幅安の終値に向かったことでは、米国主要株価三指数が揃って下落するという株安リスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも低リスク通貨の円買いの一因となっていた。

ただし、午前2時の米国ニューヨーク債券市場で米国5年債の入札後には、再び最近の利回り低下時に債券価格が上昇していた米国債には月末を控えた利益確定売りや持ち高調整の売りが再開したため、午前2時14分頃にドルは円相場で一時144円81銭付近に反発を見せたほか、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は、債券価格低下時の利回り上昇の影響でさらに上昇し、午前4時台の一時3.849%付近に向けていたことでは、債券利回りの日米金利差では、ドルの下値も固かった。

米国ニューヨーク外国為替市場よりも1時間ほど早く米国株引けを迎えた後の株式市場では、今朝5時20分過ぎ頃に、米国エヌビディア (Nvidia) の決算報告が発表され、株主向けの資料によると、2024年5~7月期の決算報告の売上高は前年同期比2.2倍の300億4000万ドル(約4兆3400億円)で純利益は2.7倍の165億9900万ドル、2024年8〜10月の第3四半期の売上高は325億ドル (約4兆7000億円) 前後となる見通しで、アナリストの市場予想の平均値である319億ドルを上回る増益は続けていたものの、昨年2023年度には2.3倍の上昇をしていた同社株の以前の急成長と比較すると、株主達の期待値では379億ドル以上との数値も一部で出ていたことでは、以前の様な急成長の更なる継続を期待していた一部の株主達にとっては、市場予想以上でも期待以下の部分があり、発表後に時間外の大規模な株売りが入り始めたことでは、時間外の米国株価先物での同社株の急落を受けた株安リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円売りが起き、発表後の5時24分頃には対ドルの円相場は一時144円41銭付近に反発した。

一方、米国ニューヨーク債券市場では、今朝早朝の終値時点の米国10年債の利回りは3.837%付近と、前日比+0.012と上昇して引けていたことでは、月末を控えたドルの買い戻しの影響などもあり、午前5時40分頃にはドルは円相場で一時144円68銭付近に買い戻されたが、市場終盤の世界市場参入の利益確定や持ち高調整はやや抵抗になった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の144円31銭付近から、円の安値でドルの高値の145円4銭付近の値幅73銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円49銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の143円91銭付近と比べて約58銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、前述の時間外の米国株式先物で今朝早朝には米国エヌビディア株が一時8%以上も急落した影響を懸念したリスク回避のリスクオフの影響があり、東西を結ぶ世界的な投資銀行などもあるシンガポールなどでも早朝に低リスク通貨の円が買われたため、今朝8時1分頃にドルは円相場で一時144円22銭付近に下落した。

その後には、再び世界的に流動性が高いドルの買い戻しが入り始めたことでは、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円44銭付近であったが、今朝の東京株式市場で日経平均株価が前日比で大幅な低下を見せて始めったことを受けては、日米株価下落時のリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円売りが入ったことでは、今朝9時5分頃にドルは円相場で一時144円27銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、今朝は前日比で大幅安から始まった日経平均株価は一時400円超安を記録したが、今朝9時10分頃には底値から反発して下げ幅を縮め始めたことを受けては、市場高値後の低リスク通貨の円の利益確定売りが入り始めたほか、日本市場の今朝の仲値決済に向けても日本企業の輸入実需などの円売りドル買いが入り、ドルは円相場で反発上昇を始めた。

朝の日本市場と時間が重なるオセアニア市場では、月末を控えた豪ドルやニュージーランドドルの買い戻しもドル円に対して入っていた外貨影響も、対ドル円相場に波及していた。

今日の日経平均株価は、今朝の安値からの株の買い戻しの影響や今日の日本市場が前日比で円安ドル高に向けたことで円安時に日本株を買い円高時に利益確定売りをして為替差益で利益率上昇を見込む海外投資家達の日本株買いの影響もあり下げ幅を縮め、昼の13時台には一時は前日比でプラス圏に転じる値動きを見せていたため、日本株価の反発上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で低リスク通貨の円が売られた影響では、午後14時12〜13分頃にドルは円相場で一時144円86銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、午後15時頃に今日の日経平均株価は再び利益確定などで小反落し、3万8,362円53銭の終値と、前日比9円23銭安の小幅安で大引けしたことでは、低リスク通貨の円の買い戻しもやや入っていた。

今夜この後と明日の夜の最新米国重要経済指標発表のイベントリスクを控えた持ち高調整や様子見の買い控えの抵抗も混ざり始めたことや、午後からの欧州英国市場の時間外の米国債券市場では午後16時50分頃の一時3.847%付近をピークに米国長期金利が世界的な安全資産でもある米国債買いの影響で一時急落したため、日本市場終盤に向けた利益確定や持ち高調整は市場高値後のドル売りによる円の買い戻しもやや抵抗になっていた。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は144円72〜73銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の144円55〜56銭付近の前東京終値比では約17銭の円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定のイベントと米国債入札予定や次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に最新重要経済指標の4〜6月の第2四半期の米国実質国内総生産 (GDP) とGDP個人消費と四半期コアPCEが発表されるほか、米国雇用市場関連の前週分の米国新規失業保険申請件数と失業保険継続受給者数と、7月の米国卸売在庫も同時発表され、続いて今夜23時に7月の米国住宅販売保留指数と、26時に米国7年債の入札予定、28時30分頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国アトランタ連邦銀行のラファエル・ボスティック総裁の発言予定などを控えている。

また、中東情勢などを含めた世界情勢のファンダメンタル・ニュースの影響に加えて、国債の利回りを受けた金利差トレードの影響や、世界の株式市場の為替相場への影響なども、FXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円4〜6銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の161円26〜27銭付近の前東京終値と比較して約22銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、利上げ方向の日銀に対して利下げ方向の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の日欧の金融政策の方向性の違いも意識されていたが、今夜この後の21時の欧州市場では、欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の8月の独消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の速報値の発表を控えているが、鈍化の市場予想が出ていたことがユーロ売りに影響を及ぼした。

また、日米株価下落時の低リスク通貨の円買い時には、欧州ユーロに対しても円相場が上昇したほか、世界的な流動性の高さから欧州ユーロに対する安全資産でもあるドルも米国長期金利上昇時には対ユーロで買われていた。

そのため、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1127〜1.1128ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1156〜1.1158ドル付近の前東京終値と比較すると約0.29セントのユーロ安ドル高であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円19〜25銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の191円24〜30銭付近の前東京終値と比べると約5銭の小幅な円高ポンド安であった。

主な要因は、利上げ方向維持の日銀に対し、欧米の利下げ予想の中でも英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) は前日にも追加利下げに慎重であるという市場予想が出ていた影響では、今日の東京終値時点でも英国ポンドはドルや欧州ユーロよりも円相場では小幅安になっていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年8月29日の日本時間(JST)19時46分(チャート画像の時間帯は、3月最終日曜日から英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間時差変更され、日本から時差8時間遅れになった英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時46分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月第二日曜日から、米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:46の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.55 〜 144.56 ±0.00 (レンジ)
ユーロ/円 160.37 〜 160.39 −0.89 (円高)
ユーロ/ドル 1.1093 〜 1.1095 −0.0063 (ドル高)
英ポンド/円 190.69 〜 190.75 −0.55 (円高)
スイスフラン/円 171.31 〜 171.37 −0.09 (円高)
豪ドル/円 98.57 〜 98.61 +0.37 (円安)

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