FXニュース:米PCE物価指数予想通り

2024年9月02日
米ドル円チャート

 

東西FXニュース – 2024年9月2日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米経済の軟着陸期待継続
  • 米大幅利下げ予想再後退
  • 米長期金利上昇でドル高
  • 米主要株価三指数が上昇
  • 日経平均株価反落後反発
  • 米欧英10年債利回り上昇

今日2024年9月2日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の146円54銭付近から、円の高値でドルの安値の145円77銭付近の値幅約77銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円46〜48銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の144円92〜93銭付近の前東京終値比で約1円54銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時145円43銭付近で、先週金曜日の夜21時30分に発表された最新米国重要経済指標の7月の米国個人消費支出 (PCE / Personal Consumption Expenditures) 物価指数の米国PCEデフレーターが前回と市場予想通りの2.5%の横ばいであったものの、天候条件などで価格変動の激しい食品とエネルギー除きコアな物価基調を見る米国PCEコア・デフレーターは、前月比は前回と市場予想通りの0.2%であったことに対し前年同月比では市場予想の前回2.7%をやや下回る前回と同じ2.6%に鈍化したことを受けては、先週金曜日の夜21時31分にドルは円相場で一時145円25銭付近の米国市場での円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、7月の米国個人消費支出 (PCE) の前月比は前回の0.3%に対し市場予想通りに0.5%と上昇したことや、同時発表の7月の米国個人所得の前月比は前回と市場予想の0.2%を上回る0.3%に上昇しており、前日に発表された米国重要景気指標の4〜6月第2四半期米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) の改定値が上方修正された後に、ほぼ市場予想通りの米国インフレ指標が出てきたことで、次回9月の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅予想では大幅利下げ予想が後退し、一方で上昇した米国小幅利下げ予想では日米金利差が当面続く可能性が意識されたほか、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) への期待感が高まり、月末の利益確定もあり世界的な安全資産の米国債が売られた影響で、債券価格低下時の利回り上昇が起き、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が発表5分前の一時3.878%付近から発表10分後の一時3.885%付近に上昇したことでは、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いや主要通貨に対する金利差トレードのドル買いが起き、ドルは円相場で反発後に上昇し、先週金曜日の夜21時48分頃にドル円は一時145円75銭付近に達していた。

続いて、先週金曜日の夜22時45分に発表された最新米国経済指標の8月の米国シカゴ購買部協会景気指数も、前回の45.3と市場予想の45.5を上回る46.1であったことでは、ドル買いが続いたが、先週金曜日の夜23時に発表された8月の米国ミシガン大学消費者態度指数の確報値が前回の67.8は上回ったものの市場予想の68.0には届かない67.9に留まったことではやや抵抗も混ざったが、好景気への期待感は続き、米国では今日の月曜日は労働者の日にあたる米国レイバー・デー (Labor Day) の祝日で、月末と祝日連休の週末を控えたドルの買い戻しもあり、円相場での下押しは限定的だった。

一方、米国経済のソフトランディングへの期待感の影響もあり、前日までは続落していた米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) が大幅上昇の終値に向けたことや、小幅ながらも続落の終値に向けたことや、米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が大幅高に向けて続伸し、米国S&P500種 (Standard and Poor’s 500 index) も上昇と、米国主要株価三指数が揃って上昇の終値に向かったことでは、深夜の月末のロンドン・フィキシング (London Fixing) の後にも米国主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で世界的な安全資産の米国債が売られて米国長期金利が更なる上昇を続け、先週土曜日の午前1時50分頃には一時3.916%付近と3.9%台に急伸したため、日米金利差拡大時のドル買いに加えてのリスク選好の低リスク通貨の円売りが起きたため、ドル円は146円台に乗せ、先週土曜日の午前1時54〜55分頃にドルは円相場で一時146円25銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場では、午前4時5分頃には、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は一時3.921%付近にまで上昇したが、米国市場では連休明けの翌週にあたる今週に最新米国重要経済指標の米国雇用統計などの発表イベントを控えていることでは、市場高値後のドルには利益確定売りや持ち高調整が入り始めたほか、市場終盤には様子見の買い控えなどでやや横ばいに近い抵抗も入ったことでは、ドル円は146円台前半付近の推移を続けながらも、市場上値を再び上抜けることはなく、米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国長期金利も3.907%付近と、前営業日比+0.045で米国祝日連休の週末を迎えた。

このため、先週金曜日の夜から先週土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の145円25銭付近から、円の安値でドルの高値の146円25銭付近の値幅約1円0銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は146円17銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の144円95銭付近と比べて約1円22銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

世界市場では9月2日は米国と北米カナダの祝日ではあるが、世界市場は今朝から週明けの早朝のアジア・オセアニア市場が平日として始まり、時差が先行していたため先週末の米国大幅利下げ予想の後退の影響で米国長期金利が上昇したことを受けたドル買いが入り、今朝8時9分頃にはドルは円に対して一時146円60銭付近にまで買われていた。

一時146円台後半の高値後のドルには利益確定や持ち高調整の抵抗が入ったものの、まだ早朝のドル買いの影響が残っていた今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時146円40銭付近の始値で、今朝9時7〜8分頃には一時146円54銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、月初めの今朝の日本市場の仲値決済に向けては。今日は米国が祝日であることから日本の貿易企業の輸入実需の円売りドル買いが少なかった一方で、今朝の146円台のドル高を受けた国内輸出企業の円買いドル売りがあり、ドルは円相場で146円台前半付近から145円台後半に向けた低下を始めた。

また、週明けの東京株式市場では、今日の日経平均株価が、今朝9時頃には前営業日比で大幅高から始まっていたものの、円安時に買った株を円高時に売る海外投資家達がドル円が今朝の146円台から145円台に向けた低下を始めたことから利益確定の株売りをしたことなどが影響して次第に上昇幅を失い、昼過ぎには一時は前営業日比でマイナス圏にも転じたことでは、日本株価反落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) でも国内第一安全資産の低リスク通貨の円が買われたため、昼下がりの13時13分頃にドルは円相場で一時145円77銭付近まで売られて、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、一時マイナス圏に反落後の日経平均株価には買い戻しも入り始めて、午後には再びプラス圏に反発したことでは、市場高値後の低リスク通貨の円には利益確定売りが入り、ドルは円相場で再び146円台に向けて戻し始めた。

午後15時頃に今日の日経平均株価は、3万8,700円87銭とプラス圏の終値をつけ、前営業日比53円12銭高の小幅高で大引けしたため、一時のリスク回避のリスクオフで飼われた低リスク通貨の円が、リスク選好のリスクオンで売られたため、ドルは円相場で146円台前半を回復して上昇した。

午後からの欧州英国市場の参入では、米国金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、今年9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) において米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国利下げ転換を開始する市場予想値は、今日の時点でもトータルで100%付近の確実視された推移を続けているが、9月の米国利下げ幅の市場予想値は、今日の夕方の英国ロンドン外国為替市場の参入後には、0.25%の小幅利下げ予想値が一時70.0%付近と市場で確定値と考えられている70%に達し始めた上昇の一方で、0.50%の大幅利下げ予想値は30.0%付近に後退した影響から、ドルの買い戻しが進んだ。

このため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円46〜48銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の144円92〜93銭付近の前東京終値比では約1円54銭の大幅な円安ドル高になった。

また、今夜その後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、9月になり夏休み明けの市場流動性の回復と共に欧米金利差予想もあって対ユーロなどでもドル買いが進んだ影響もあり、今夜17時30分頃にはドルは円相場で一時146円85銭付近に買われている。

今夜この後の米国市場は祝日休場予定であるため、今夜は特に最新米国経済指標などの発表予定はないが、今週は9月6日の金曜日に前述の最新米国重要経済指標の米国雇用統計発表の注目のイベントを控えているほか、その前にも米国サプライマネジメント協会 (ISM / Institute for Supply Management) の米国ISM製造業景況指数が火曜日と、米国ISM非製造業景況指数が木曜日という重要経済指標の発表予定があり、金曜日の米国雇用統計のメインイベントに先行して水曜日の7月の米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と、木曜日の米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計なども発表される予定であるため、世界市場ではイベント週を控えた持ち高調整なども入り始めている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円9〜11銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の160円61〜63銭付近の前東京終値と比較して約1円48銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先週は利上げ方向の日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) に対し、利下げ方向の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) の金融政策の方向性の違いが意識されたが、今日の欧州債券市場では先週末の米国長期金利上昇の影響もあり、今日の午後の週明け欧州市場でドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が一時2.3375%上昇したため、米国長期金利ほどではないものの、今日の午後15時台の日本の新発10年物国債の利回りの0.905%付近に対しては日欧金利差拡大を受けた円売りユーロ買いや、利益確定や持ち高調整の円売りによる自国通貨の買い戻しなどが入りやすかった。

また、今日の午後16時50分に発表された欧州ユーロ圏の最新経済指標のフランスの8月の仏製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値が前回と市場予想の42.1を上回る43.9に上方修正されたほか、続いての夕方16時55分の主要国ドイツの8月の独製造業購買担当者景気指数(PMI) の改定値も前回と市場予想の42.1以上の42.4で、今夜17時の欧州ユーロ圏総合の8月の欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI) の改定値も前回と市場予想の45.6を上回る45.8に上方修正された。

加えて、先述の通り、今日の午後に日経平均株価が反落後に反発して小幅高で大引けしていたことでも、リスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円売りでドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドなども買われやすかった。

一方、ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1065〜1.1069ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.1081〜1.1083ドル付近の前東京終値と比較すると約0.16セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米国長期金利上昇の影響や米国経済のソフトランディング期待のドル買いなどで主要通貨に対してドルが買われ、ドル円などで大幅なドル高になっていた影響などが波及していた。

英国ポンドも、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は192円38〜44銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の191円14〜20銭付近の前東京終値と比べて約1円24銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、日米株価上昇によるリスク選好のリスクオンに加えて、今日の午後は英国10年債の利回りも一時4.1015%付近に上昇しており、債券利回りを受けた日英金利差トレードや、ドルや欧州ユーロなどの他の主要通貨に対する今日の円安の影響も波及していた。

なお、今日の東京終値後の今夜17時30分に発表された最新英国経済指標の8月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は、前回と市場予想通りの52.5であったが、欧州の同指標と比較すると、不景気と好景気を隔てるボーダーライン (Borderline / 境界線) の50を超え続けており、好景気寄りの景気指標であった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月2日の日本時間(JST)19時35分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時35分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:35の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 146.72 〜 146.73 +1.80 (円安)
ユーロ/円 162.39 〜 162.40 +1.78 (円安)
ユーロ/ドル 1.1068 〜 1.1069 −0.0013 (ドル高)
英ポンド/円 192.76 〜 192.82 +1.62 (円安)
スイスフラン/円 172.51 〜 172.57 +1.52 (円安)
豪ドル/円 99.48 〜 99.52 +0.82 (円安)

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