FXニュース:米ISM製造業景況感控え

2024年9月03日

 

東西FXニュース – 2024年9月3日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 今週は米重要経済指標も
  • イベント前の調整と利確
  • 日銀追加利上げ方向維持
  • 日経平均株価上昇後反落
  • 日米欧英の方向性の違い

今日2024年9月3日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の147円21銭付近から、円の高値でドルの安値の145円89銭付近の値幅約1円32銭で、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円95〜96銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円46〜48銭付近の前東京終値比で約51銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の昨夕の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、欧州や英国の10年債の利回りが指標となる長期金利上昇時の金利差で欧州ユーロや英国ポンドへのクロス円の円売りが入る中で、昨夜には最近の米国経済指標の影響で、今年9月の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) に向けて、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国大幅利下げ予想の後退により、米国小幅利下げ予想が一時は市場で確定値と考えられている70%付近に上昇したため、今週のドル円のイベントを控えた持ち高調整が進み、昨日9月2日は米国と北米カナダ市場は祝日休場ではあったが、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) の期待感が世界市場でも高まり、英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時の米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界市場では、ドルは円相場で一時146円97銭付近と前東京終値よりも上昇していた。

昨日の夕方に発表された欧州ユーロ圏のフランスとドイツと欧州ユーロ圏総合の最新経済指標の8月の仏・独・欧州製造業購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers’ Index) の改定値がいずれも前回と市場予想以上に上方修正されたほか、8月の英国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値は前回と市場予想通りではあったものの、好景気寄りの景気指標だったことも、クロス円での欧州ユーロや英国ポンドが買い戻されていた影響も対ドル円相場に波及したため、月初めの深夜24時のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けて主要取引通貨のドルも調整後にも買われていた昨夜22時29分頃に、ドルは円相場で一時147円18銭付近と、昨夜の米国市場該当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

147円台の高値圏からはドルの利益確定売りや円の持ち高調整なども入り始めたことでは、その後の昨夜22時49分頃には一時146円83銭付近まで下押ししたが、今週は最新米国重要経済指標の発表予定を多数控えており、今夜この後にも米国サプライマネジメント協会 (ISM / Institute for Supply Management) の8月の米国ISM製造業景況指数の発表予定があり、翌日の水曜日の7月の米国雇用動態調査 (JOLTS / Job Openings and Labor Turnover Survey) 求人件数と、木曜日の米国ISM非製造業景況指数と米国ADP (Automatic Data Processing) 雇用統計の後に、米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長も毎回重視しており世界市場でも注目度が高い金曜日の米国雇用統計のイベント予定があるため、利益確定や持ち高調整とイベントリスクの様子見が入りやすくなっており、米国市場休場につき市場全体の流動性が減少する中でも、英国市場で再び147円台の買い戻しが入った後の終盤にはイベント前のドルの早期の利益確定売りと持ち高調整が入り始めたことでは、午前2時頃の英国ロンドン外国為替市場の終了直前の午前1時59分頃にドルは円相場で一時146円80銭付近と、米国市場相当時間の世界市場の円の高値でドルの安値を記録した。

世界最大規模で9月の月初めだった昨夜の英国ロンドン外国為替市場終了後の世界市場では、米国ニューヨーク外国為替市場の祝日休場により、世界市場の市場流動性の減少により、やや横ばいに近い閑散とした取引に転じた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の147円18銭付近から、円の高値でドルの安値の146円80銭付近の値幅約38銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値相当時間は146円92銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円17銭付近と比べて約75銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時146円75銭付近の始値であったが、今夜から米国市場が祝日連休明けとなることもあり、欧米では新学期や新年度の扱いの国もある9月初めの貿易関係の日本企業の輸入実需のまとまった円売りドル買いがあり、今朝9時55分の今日の日本市場の仲値決済直後の今朝9時56分頃に、ドルは円相場で一時147円21銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、昨夜の英国市場で記録した一時147円18銭付近の対円のドルの高値を上抜けた。

今週のイベントリスクもあり、市場高値後のドルには早期の利益確定売りと持ち高調整の円の買い戻しが入り始めたことでは、対ドルの円相場が反発を始めた。

また、今日の東京株式市場では、今朝は日経平均株価が前営業日比で大幅高から始まったことでも、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の低リスク通貨の円売りが入っていたのであるが、市場安値後の円相場の反発に伴い、円安時に買った日本株を円高時に利益確定する海外投資家達の株売りの影響などもあって、日経平均株価は今朝の一時の大幅な上昇幅を小幅域に縮小し、さらに午後にはマイナス圏に転じたことから、リスクオンの巻き返しで、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の低リスク通貨の円の買い戻しがドルだけでなく欧州ユーロなどの他の主要通貨に対しても強まり、午後15時頃に今日の日経平均株価が3万8,686円31銭の終値と、前営業日比14円56銭安のマイナス圏のままで小幅安の大引けをしたことでリスク回避のリスクオフで国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが勢いを増し、午後15時58分頃には、ドルは円相場で一時145円89銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

この原因には、今日の経済財政諮問会議で日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁が発言し、日銀が目標とする2%の物価見通しが実現すれば、「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整」する方針を改めて示したと報じられたファンダメンタル・ニュースの影響があり、国内金利上昇への警戒感による日本企業の株売りや日米金利差縮小予想による円買いも入ったことなども、株式市場と為替相場に影響を与えていた。

なお、植田和男総裁は、7月の日銀金融政策決定会合での追加利上げ決定と国債購入減額についての説明資料を経済財政諮問会議に提出し、「実質金利は大幅なマイナスが続き、緩和的な金融環境は維持」と、引き続き日本の経済活動を支えることも強調していた。

午後からの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の参入後には、今週のドルのイベントリスクを控えた世界市場トレンドの影響もあり、米国金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) では、9月17〜18日に開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) で米国連邦準備制度理事会 (FRB) が米国利下げ転換を始めることへの市場予想値は今日もトータル100%付近の推移を続けていたが、9月の米国利下げ幅の市場予想値では、昨日の夕方の英国ロンドン外国為替市場の参入後には0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時は70.0%付近と市場で確定値と考えられている70%付近に達していたが、今日の夕方には69.0%付近とやや確定値割れのレベルに低下した一方で、もしも今週発表予定の最新米国重要経済指標や今週金曜日の米国雇用統計が市場予想に対して大幅な下振れなどをした場合には0.50%の米国大幅利下げ予想値の可能性も残るとして31.0%付近にやや上昇していたことから、市場安値後のドルには積極的な買い戻しが入らなかったことでは、ドル円は前東京終値比で円高ドル安の今日の東京終値に向かっていた。

そのため、今夜17時の今日の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円95〜96銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円46〜48銭付近の前東京終値比では約51銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場は祝日連休明けであるために、最新米国重要経済指標などの発表予定があり、日本時間での経済市場カレンダーのスケジュールは、今夜22時45分に8月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) 改定値、今夜23時には最新米国重要景気指標の8月 の米国サプライマネジメント協会 (ISM)製造業景況指数と、7月の米国建設支出などが発表される予定である。

また、世界市場では、今週金曜日の米国雇用統計発表などのドルのイベント週を控えた利益確定や持ち高調整だけでなく、イベント前の様子見の買い控えなども混ざり始めている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円35〜37銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日17時の162円9〜11銭付近の前東京終値と比較して約74銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、昨日は大幅な円安ユーロ高であったことから、今日の日経平均株価下落や日銀の利上げ方向維持によるリスク回避のリスクオフで低リスク通貨の円が買い戻されていた。

欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) には年内の追加利下げの市場予想もあることから、今日の日本の新発10年物の国債利回りが指標の国内長期金利が前日比で上昇していたことに対し、今日の午後から時差で始まった欧州市場では、欧州ユーロ圏主要国のドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が前日比で低下していたことも、債券利回りを受けた日欧金利差縮小による金利差トレードにも影響を与えていた。

昨夜には一時2.346%付近にまで上昇した欧州長期金利は、今夜17時台の欧州債券市場では一時2.3165%付近にまで低下しており、日欧の金融政策の方向性の違いも意識され、今夜その後の19時台の欧州市場では、欧州ユーロに対する円相場は前東京終値比で大幅高にも上昇している。

その影響もあり、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1055〜1.1056ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1065〜1.1069ドル付近の前東京終値比で約0.10セントのユーロ安ドル高だった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場の英ポンド円相場の終値は191円51〜57銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円38〜44銭付近の前東京終値と比べて約87銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、欧州ユーロ同様に、今日の午後の日経平均株価の反落によるリスク回避のリスクオフの安全資産の低リスク通貨の円買いでは、英国ポンドも売られており、昨日の大幅な上昇幅を縮小し、前東京終値比では円高ポンド安の東京終値を迎えていた。

英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) は、次回の追加利下げにはやや慎重な姿勢を見せているとされながらも、追加利下げ方向に向かう市場予想が優勢であることでは、今日の日本銀行 (日銀 / BoJ) の植田和男総裁の発言を受けて、今後も日銀は追加利上げ方向を維持することを再認識させた金融政策の方向性の違いでは、日英金利差縮小予想によるクロス円での円の買い戻しも今日のポンド円の為替相場に影響を及ぼしており、今夜19時台の英国ロンドン外国為替市場では、ポンド円もユーロ円やスイスフラン円と同様に前東京終値比では大幅な円高が観測されている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月3日の日本時間(JST)19時11分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時11分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:11の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 145.86 〜 145.88 −0.60 (円高)
ユーロ/円 161.04 〜 161.05 −1.05 (円高)
ユーロ/ドル 1.1039 〜 1.1041 −0.0026 (ドル高)
英ポンド/円 191.34 〜 191.40 −1.04 (円高)
スイスフラン/円 171.18 〜 171.24 −1.27 (円高)
豪ドル/円 98.23 〜 98.27 −1.06 (円高)

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