FXニュース: 米消費者信頼感指数悪化

2024年9月25日
FXニュース: 米消費者信頼感指数悪化

 

東西FXニュース – 2024年9月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米FRBボウマン理事発言
  • 米指標受け長期金利反落
  • 米大幅利下げ予想が再燃
  • 株価上昇時のリスク選好
  • 日米政治懸念の為替影響
  • 日銀早期利上げ予想後退
  • 今週FRB議長発言とPCE
  • 年初英ポンド高ドル安後

今日2024年9月25日水曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の142円95銭付近から、円の高値でドルの安値の143円94銭付近の値幅約1円31銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円94銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の144円44〜46銭付近の前東京終値比で約50銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場後半の昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時143円98銭付近であったが、昨日のアジア市場や昨夕の欧州市場の世界的な株価上昇を受けたリスク選好のリスクオン (Risk-on) ムードが続いており、低リスク通貨の円が売られたほか、世界的な流動性の高さから欧州ユーロや英国ポンドなどに対する安全資産でもある欧州ユーロや英国ポンド買いに対するドル売りも入ったが、米国債券市場で世界的な安全資産である米国債が売られて米国債券価格低下に伴う利回り上昇の影響があったことでは、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は昨夜21時35分頃の一時3.808%付近に向けて上昇したため、債券利回りを受けた金利差トレードの円売りドル買いでは、昨夜21時30分頃にドルは円相場で一時144円12銭付近に上昇していた。

昨夜22時には米国住宅価格関連の最新米国経済指標の発表があり、7月の米国住宅価格指数の前月比は前回の-0.1%と前回修正の0.0%と市場予想の0.2%に対し0.1%と前回よりはやや上昇したものの市場予想よりは鈍化しており、より重視される7月の米国S&Pケース・シラー住宅価格指数 (S&P CoreLogic Case-Shiller Home Price Indices) の前年同月比は前回の6.5%に対し市場予想通りの5.9%に米国住宅インフレ鈍化が観測されたことでは米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待によるドル買いが続いた。

昨夜22時頃からは次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持ち、前回のFOMCの0.5%の米国大幅利下げに対し0.25%の米国小幅利下げを支持する反対票を投じていた米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のミシェル・ボウマン理事の発言があり、理事が反対票を投じるという2005年以来の異例の事態になった要因として、米国インフレ再燃への警戒感を挙げており、世界情勢などを受けた世界的供給網に対するリスクや米国大統領選を控えた積極的な財政政策などにより、「米国インフレの上振れリスクは依然として顕著」であることなどから、前回のFOMCでは「慎重な」0.25%の米国小幅利下げを支持し、米国大幅利下げに反対したことを説明し、「米国経済は引き続き堅調で、コアインフレ率は目標の2%を依然として不快なほど上回っている」ことから、「当初の利下げは小幅に留めておきたかった」ことや「米国インフレの改善が、引き続き停滞するリスクは否定できない」と言及した。

ただし、今後発表される最新経済指標のデータ次第では、米国労働市場の軟化が示される場合には更なる米国利下げを支持する準備はあるとしたが、「現時点では賃金が上昇し求人数も求職者数を上回っていることなどを考えると、米国労働市場は全体的にはなお堅調さを保っている」と指摘し、「米国労働市場が完全雇用に近い状態を維持していることを踏まえると、物価安定に対するリスクの方が依然として大きいと考えている」とタカ派発言をした。

米国ニューヨーク債券市場では、昨夜22時50分頃にも米国長期金利は一時3.793%付近と高利回りを維持して推移していたことから、債券利回りを受けた日米金利差の円売りドル買いの影響が続き、昨夜22時54分頃にはドルは円相場で一時144円21銭付近と、昨夜の米国市場での円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、昨夜23時に発表された最新米国経済指標では、米国の経済団体や労働組合が構成する非営利民間調査機関である全米産業審議会のコンファレンス・ボード (Conference Board) の9月の米国消費者信頼感指数が、前回の103.3と前回上方修正の105.6と市場予想の104.0を下回る98.7に悪化し、下落幅が2021年8月以来の想定外の大きさであったことでは米国雇用市場への懸念が再燃し、次回11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国大幅利下げ予想が再燃したため、米国長期金利が急落に向けたほか、発表時の昨夜23時0分の1分間の値動きの中だけでもドルは円相場で一時144円10銭付近から143円70銭付近へと急落した。

また、同時発表だった9月の米国リッチモンド連銀製造業指数も前回の-19と市場予想の-12を大幅に下回る-21に下振れしたことも原因となり、米国経済指標の悪化を受けた米国ニューヨーク債券市場では安全資産の米国債の買い戻しが起き、米国債券価格上昇に伴う利回り低下の影響で反落後の米国長期金利は更に低下を続け、午前2時の米国2年債の入札後の午前3時20分頃には一時3.732%付近に低下したため、債券利回りを受けた金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りや、主要通貨に対するドル売りの影響の波及などでドルは円相場で下落を続けて、午前5時27分頃にはドル円は一時143円11銭付近と米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

今年の秋の米国大統領選を控えた政治不透明感も為替相場に影響を及ぼしており、米国の格付け会社のムーディーズ (Moody’s Corporation) が今年の秋の米国大統領選後の米国政府の信用リスクを分析したリポートを発表し、時期米国政権は「拡大する米国財政赤字と取り組まなくてはならない」と警告しており、「次期政権が打ち出す税と支出の政策は将来の財政赤字規模を左右し、財政力の低下予想に影響する。その結果として、米国の信用格付けに著しい影響を与えかねない」、「この軌道を修正する何らかの政策措置が取られない限り、現在の債務構図はますます持続不能となり、Aaa格付けとの整合性はさらに低下する」と警告しており、同社は昨年11月に米国の信用格付け見通しをネガティブ (Negative) の弱含みに引き下げており、他の3大格付け会社のS&Pグローバル・レーティングも2011年に米国を格下げし、フィッチ・レーティングスも2023年に米国の格付けを最上級から格下げしていた経緯もあり、政治不透明感による警戒感もドル売りに影響を及ぼしていた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、昨日のアジアや欧州などの主要株式市場上昇の影響や米国大幅利下げ予想の再燃による金利警戒感緩和の影響などがあり、米国主要株価三指数の中で金利に特に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が史上最高値続伸後の小幅ながらも高値の終値をつけたことに加えて、世界的なハイテク企業が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は大幅続伸し、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅高と、三指数が揃って続伸の終値をつけたが、リスク選好のリスクオン市場では低リスク通貨の円売りだけでなく、欧州ユーロや英国ポンドに対する安全資産でもあるドルが売られた影響もあり、昨夜の英国ロンドン外国為替市場でもポンドドルが2022年以来の英国ポンド高ドル安を記録するなど、米国市場終盤にも主要通貨全般に対するドルインデックスは一時100.35付近まで低下していた。

今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点には、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は3.729%付近に低下し、前日比-0.018で終えていたことも、この時間の円高ドル安の為替相場に影響を与えていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の144円21銭付近から、円の高値でドルの安値の143円11銭付近の値幅約1円10銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は143円23銭付近と、米国市場の前営業日同時刻にあたる昨日の朝6時頃の前ニューヨーク終値の143円61銭付近と比べると約38銭の円高ドル安をつけていた。

続いて始まった今朝早朝のアジア・オセアニア市場では、昨夜23時の米国経済指標の想定外の低下の影響が続き、金利先物市場のデータを基にして米国フェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、次回2024年11月6〜7日開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) においての米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値が、今日は0.50%の米国大幅利下げ予想値が60.2%付近に上昇して優勢で、0.25%の米国小幅利下げ予想値は39.8%付近に低下した影響などがあり、今朝7時53分頃にドルは円相場で一時142円90銭付近に売られて、一時142円台に低下していた。

その今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続いて、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時142円95銭付近の始値で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時に記録した一時142円91銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

今朝8時50分に発表された日本の最新経済指標の8月の日本企業向けサービス価格指数の前年同月比は、前回の2.8%と前回下方修正の2.7%と市場予想の2.6%に対し2.7%と、前回修正後の横ばいで市場予想よりはやや高かった。

しかし、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けては、今日は25日で日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の「五十日 (ごとおび / ゴトーび) 」であったことから、日本企業の輸入実需の円売りドル買い需要があったことでは、下落後のドルは円相場で反発し、143円台前半に戻して下げ幅を縮め始めた。

また、今年の秋の米国大統領選挙を前にして、日本の政治への不透明感もあり、今週9月27日の自民党総裁選を控えた様子見で積極的な円買いを進めにくいムードも出てきており、その要因として、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期追加利上げへの牽制姿勢が意識されていた高市早苗経済安全保障担当相が新総裁に選出される可能性があることなどもあり、昨日の日銀の植田和男総裁が追加利上げを急がない姿勢を見せていたことも相まって、日本市場では今年年内の早期の日銀の追加利上げ予想が後退していた。

日銀が今日の午後14時頃に発表した8月の日本の基調的なインフレ率を捕捉するための指標では、刈込平均値が前回から横ばいの1.8%と2カ月連続で目標の2%以下であったことや、加重中央値や最頻値が前回から鈍化していたことも、日銀の早期の追加利上げ予想の後退による円売りに影響を与えており、ドル円は143円台の推移を続けた。

東京株式市場では、今朝までの米国主要株価三指数の続伸や時間帯が近いアジア市場の続伸の影響を受けた今朝の日経平均株価の上昇時にはリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られたが、午後14時10分頃の一時3万8090円超をピークに早期の利益確定売りや持ち高調整が入り始めて反落し、午後15時頃に今日の日経平均株価は3万7870円26銭の終値をつけて前日比70円33銭安の小幅安で大引けしたことではやや抵抗が入った。

ただし、午後からの欧州市場に続き、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の参入が始まると、時間外の米国債券取引で再び米国債売りが入り始めて米国長期金利が反発上昇を始めたことや、世界的に流動性が高い主要取引通貨のドルの買い戻しが起き、今夜17時にはドルは円相場で一時143円94銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録し、下げ幅を縮めていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は143円94銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の144円44〜46銭付近の前東京終値比では約50銭の円高ドル安になった。

また、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利の上昇が続いたため、今夜18時33分頃にはドルは円相場で一時144円26銭付近に買い戻され、米国長期金利は今夜19時頃には一時3.757%付近に上昇していることから144円台前半の推移を見せている。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定や米国債入札予定と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の発言予定などがあり、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に8月の米国新築住宅販売件数と今夜23時30分に米国週間原油在庫、26時に米国5年債の入札予定、29時頃から次回のFOMCの投票権を有するFRBのアドリアナ・クーグラー理事の発言予定などを控えている。

また、今週の米国市場では最新米国重要経済指標の発表イベントなども控えており、明日の夜の4〜6月第2四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) 確定値の後のFRBのジェローム・パウエル議長の発言予定や、明後日の米国PCE (Personal Consumption Expenditures) 物価指数のPCEデフレーターなどが予定されていることもあり、早期の持ち高調整なども入り始めている。

世界市場でも引き続き、世界情勢のニュースと欧米の債券・株式市場や、外貨影響なども併せて注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円3〜5銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の160円75〜76銭付近の前東京終値と比較すると約28銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今朝までの米国主要株価三指数上昇を受けたリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円が売られて欧州ユーロが買われて上昇していた影響が為替相場に影響を及ぼした後に、今日の日本市場では日本政治の不透明感もあって日銀の早期の追加利上げ予想が後退していたことも低金利通貨の円売りにつながった。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1190〜1.1192ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1127〜1.1129ドル付近の前東京終値と比較すると約0.63セントのユーロ高ドル安であった。

主な要因は、今朝までの米国主要株価続伸を受けたリスク選好のリスクオンでは、リスク選好市場で買われやすい欧州ユーロは、低リスク通貨の円だけでなく、世界的な流動性の高さから欧州ユーロや英国ポンドに対する安全資産でもあるドルに対しても買われやすかった。

また、米国経済指標を受けた米国大幅利下げ予想の再燃でも、欧州中央銀行 (ECB) の追加利下げ予想は小幅予想が優勢であったことから、欧米の金利差予想に影響を与えていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は192円67〜73銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円86〜92銭付近の前東京終値比では約19銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、前述の通り、昨夜の英国ロンドン外国為替市場で、2022年以来の今年最大の英国ポンド高ドル安を記録後には、英国ポンドの利益確定売りが抵抗となり反落を見せた影響が他の主要通貨である円相場にも外貨影響として波及し、今日の午後の英国ロンドン外国為替市場では、米国長期金利の反発上昇の影響もあってポンドドルの英国ポンド売りでドルの買い戻しが進んだことなども、ポンド円での英国ポンド反落に影響を及ぼしていた。

しかし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、円相場でのドルの買い戻しの外貨影響の波及や、日銀の早期の追加利上げ予想の後退による持ち高調整の円売りの影響などもあり、再び円安ポンド高への市場反転も見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月25日の日本時間(JST)20時11分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の12時11分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 20:11の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 144.37 〜 144.39 −0.07 (円高)
ユーロ/円 161.58 〜 161.59 +0.83 (円安)
ユーロ/ドル 1.1190 〜 1.1192 +0.0063 (ドル安)
英ポンド/円 193.04 〜 193.10 +0.18 (円安)
スイスフラン/円 169.93 〜 169.99 −0.44 (円高)
豪ドル/円 99.29 〜 99.33 +0.72 (円安)

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