FXニュース: 米新築住宅販売予想以上
2024年9月26日東西FXニュース – 2024年9月26日
文/八木 – 東西FXリサーチチーム
主な点:
- 米経済底堅さ軟着陸期待
- 四半期末控え持ち高調整
- 米長期金利上昇時のドル
- 日経平均株高リスクオン
- 米パウエル議長発言控え
- 米重要経済指標発表予定
- 欧ユーロ高後の利益確定
- スイス0.25%追加利下げ
今日2024年9月26日木曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の144円40銭付近から、円の安値でドルの高値の145円17銭付近の値幅約77銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円0〜1銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の143円94銭付近の前東京終値比では約1円6銭の大幅な円安ドル高であった。
今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が上昇し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の金利差トレードの円売りドル買いやドルの買い戻しが続き、昨夜20時33〜34分頃にドルは円相場で一時144円44銭付近に上昇していた。
昨日の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時144円30銭付近の始値であったが、この時間は米国現地時間の朝にあたるため、朝のニュースでの中東情勢や米国景気懸念などを受けた世界的な安全資産の米国債買いも入ったことでは、債券価格反発に伴う利回り反落が米国債の利回り上昇への一時抵抗となり、昨夜21時20分頃に一時3.778%付近に上昇していた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が昨夜22時10分頃には一時3.760%付近にまで反落し、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りの抵抗では対ドルの円相場が反発し、昨夜22時39分頃にドルは円相場で一時143円86銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、昨夜23時には最新米国重要経済指標の8月の米国新築住宅販売件数が発表され、前回よりも悪化の市場予想が出ていたが、実際の年率換算件数は前回の73.9万件が前回75.1万件に上方修正されたほか、市場予想の70.0万件を上回る71.6万件で、前月比は前回の10.6%が前回10.3%に下方修正されたものの市場予想の-5.3%ほどは悪化していない-4.7%と、いずれも市場予想よりも堅調であったことでは、米国景気懸念が緩和され、再び安全資産の米国債が利益確定や持ち高調整で売られて米国長期金利が上昇に転じたほか、ドルも円相場で144円台に反発後に上昇を始めた。
深夜頃には、市場後半が同時進行中の英国市場で今月9月末の四半期末を控えた世界最大規模規模のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル需要によるドル買いフロー (Flow / 流れ) があった影響などもあり、米国長期金利も深夜24時15〜30分頃には3.781%付近に上昇し、深夜24時26〜27分頃にはドルは円相場で一時144円60銭付近と、上昇トレンドを形成していた。
米国ニューヨーク債券市場では、午前2時に米国5年債の入札があったことでは、他の米国債にも一時抵抗が混ざったものの、米国景気懸念緩和と米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) への期待感も続いていたことでは、米国市場でも四半期末を控えた利益確定や持ち高調整の債券売りやドルの買い戻しの影響もあって、米国10年債の米国長期金利は再び上昇し、午前5時40分頃の一時3.793%付近に向けていたため、午前5時台の5時20分をピークに、5時8分と11分と13分と19分から26分頃にかけてドルは円相場で一時144円84銭付近に米国市場の円の安値でドルの高値を記録したまま高止まりする時間があった。
一方、米国ニューヨーク株式市場では、四半期末の月末を前にした利益確定売りやポジション調整の影響もあり、今週に史上最高値を続伸後の米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が反落の終値をつけ、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) も小幅安になったが、世界的なハイテク企業の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は米国半導体株高の影響があり小幅ながらも続伸したことでは、低リスク通貨の円の買い戻しの抵抗もやや混ざっていた。
また、午前5時頃からは、今年11月6〜7日開催予定の次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のアドリアナ・クーグラー理事の発言があり、前回の0.5%の米国大幅利下げを「強く支持した」理由として、「米国労働市場は依然として底堅いものの、FOMCは米国のディスインフレ (Disinflation) が正しい軌道を引き続き進む中で、米国経済の不要な痛みや悪化を回避しつつ進展を続けられる様に、重点のバランスを取る必要があった」と説明し、「米国のインフレ抑制が引き続き、私の予想通りに進展すれば、米国政策金利のフェデラルファンド (FF / Federal Funds) レートの追加利下げも支持するつもりである」と発言していたことも市場予想に影響を及ぼしたが、米国金利先物市場ではすでに次回の米国大幅利下げ予想値が優勢になっていたことでは、市場での織り込み度が進んでおり、高値後のドルの利益確定売りの抵抗程度の144円台に留まった。
なお、先週の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での最新の米国金利予測分布図のドット・チャート (Dot chart / Dot plot = ドット・プロットとも言う) の中央値では、今年2024年の年末までの年内に残り2回のFOMCでの米国追加利下げ幅の予想値は合計で0.5%になっていたが、FOMC投票権を持つ19人の参加者のうち7人は年内に0.25%の後1回の米国小幅利下げを支持しており、また2人が前回の大幅利下げ後の今年年内の米国追加利下げには反対していることが公式予想では示唆されたが、今日も金利先物市場のデータを基にして米国フェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回2024年11月6〜7日開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値が、今日は0.50%の米国大幅利下げ予想値が60.2%付近と優勢で、0.25%の米国小幅利下げ予想値は39.8%付近で推移を続けていたが、前日にも同じ水準であったことでは、市場では大幅利下げ予想がかなり織り込み済みになってきていたことでは、市場では米国大幅利下げ予想への反応はやや鈍くなってきており、今夜この後のジェローム・パウエル議長の発言予定や重要経済指標の発表を控えたドルの買い戻しも混ざった。
今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点には、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は3.783%と、前日比で+0.054上昇しており、債券利回りを受けた日米金利差は、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の早期の追加利上げ予想の後退もあって、拡大していた。
このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の143円86銭付近から、円の安値でドルの高値の144円84銭付近の値幅約98銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は144円75銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の朝6時頃の前ニューヨーク終値の143円23銭付近と比べると約1円52銭の大幅な円安ドル高をつけていた。
続いて始まった早朝のアジア・オセアニア市場でも、今朝8時5〜6分頃と8時46分頃にドルは円相場で一時144円76銭付近の高止まりを見せたが、今朝8時50分には今年の7月30〜31日開催分の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公開され、委員の何人かが「極めて低い金利水準を、現段階から少しずつ調整していくことが適切」と追加利上げ方向のタカ派の見方を示していたことでは、今朝8時53分頃には対ドルの円相場は一時144円62銭付近に反発したが、その後の今年8月には日銀の追加利上げ後の日経平均株価が暴落するなど金融資本市場の混乱が起きた経緯などから、現在では日銀の今年年内の早期の追加利上げ予想が後退していたことでは、市場反応は限定的であった。
今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時144円71銭付近の始値であったが、日本市場でも今月末の四半期末の決算を控えた円の買い戻しや国内輸出企業のまとまった円買いドル売り需要があったことでは、今朝9時55分の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いよりも輸出企業の円買いドル売りが優勢であったことでは、今朝9時52〜53分頃に対ドルの円相場は一時144円40銭付近と今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。
しかし、先日の中国の景気刺激策を受けたアジア株高や、今朝までの米国株式市場での米国半導体株高の影響と日銀の早期の追加利上げ予想後退の影響などもあり、今日の東京株式市場で日経平均株価が大幅な上昇を見せ、前日比で千円以上の大幅高で推移すると、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円売りが起き、ドルは円相場で反発後に145円台に向けた大幅な上昇を見せ始めた。
時間外の米国債券取引でも、世界的な安全資産でもある米国債売りが入った影響から、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利も一時3.790%付近に再上昇していたこともあり、正午12時49分頃にはドルは円相場で一時145円4銭付近と、145円台に乗せ始めた。
今日の午後15時頃には日経平均株価が3万8925円63銭の終値をつけ、前日比1055円37銭高と大幅高のままで大引けしたことでも、リスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響が続いた。
午後からの欧州市場に続き、英国ロンドン外国為替市場参入後の午後16時30分には、スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行 (SNB / Swiss National Bank) が、スイスの新政策金利をこれまでの1.25%に対し市場予想通りの1.00%に、0.25%の追加利下げする決定を発表し、声明文では2024年から2026年のインフレ率予測を下方修正し、「中期的な物価安定を確保するため、今後、数四半期でスイス政策金利の追加利下げが必要になる可能性がある」などの見解を示していた。
また、午後16時30分は、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場の本格参入後と言うことで、四半期末を控えた円の利益確定売りや持ち高調整の英国ポンドの買い戻しや、主要取引通貨のドル買いの需要などもあったこともあり、午後16時30分頃にドルは円相場で一時145円17銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。
ただし、日本市場終盤には、利益確定や持ち高調整の円の買い戻しの抵抗も入ったことや、今夜この後の米国重要経済指標の発表予定や米国連邦準備制度理事会 (FRB) のジェローム・パウエル議長などの要人発言を控えたポジション調整や様子見の抵抗も入り始めた。
このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は145円0〜1銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の143円94銭付近の前東京終値比では約1円6銭の大幅な円安ドル高になった。
今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標を含めた経済指標の発表予定や、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のパウエル議長や米国政府のイエレン財務長官などの要人発言予定などを控えており、日本市場の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に4〜6月第2四半期の米国実質国内総生産 (GDP / Gross Domestic Product) と同四半期のGDP個人消費とコアPCE (Personal Consumption Expenditures / 個人消費支出) の確報値と、前週分の米国新規失業保険申請件数と米国失業保険継続受給者数と、8月の米国耐久財受注が同時発表され、続いて、今夜22時20分頃からFRBのジェローム・パウエル議長の発言予定があり、今夜23時に8月の米国住宅販売保留指数と中古住宅販売保留、そして、深夜24時15分頃から米国政府のジャネット・イエレン財務長官の発言予定があり、また時間は未定であるが、他のFOMCメンバーのFRB高官達の発言なども予定されている。
また、明日の夜には、最新米国重要インフレ指標の米国PCE (Personal Consumption Expenditures) 物価指数のPCEデフレーターの発表予定もあり、四半期末前だけでなく、イベント前の持ち高調整なども入っている。加えて、世界情勢のニュースや債券・株式市場と、外貨影響なども併せて注視する必要がある。
一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円35〜37銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の161円3〜5銭付近の前東京終値と比較すると約32銭の円安ユーロ高であった。
主な要因は、日経平均株価の大幅高を受けたリスク選好のリスクオン市場では、低リスク通貨の円売りで欧州ユーロや英国ポンドが買われやすかったことが影響を及ぼしたほか、日銀の早期の追加利上げ予想の後退やドル円の外貨影響も波及した。
ただし、今夜その後の20時台の英国ロンドン外国為替市場では、日経平均株価上昇後の欧州ユーロの利益確定売りや、最新米国経済指標や要人発言などのドルのイベント前の持ち高調整もあり、米国長期金利も上昇幅を縮めたドル円の外貨影響の波及もあり、小幅な円高ユーロ安への市場反転も見せている。
ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1127〜1.1129ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.1190〜1.1192ドル付近の前東京終値と比較すると約0.63セントのユーロ安ドル高であった。
主な要因は、昨夜22時台の欧州市場では欧州ユーロ圏主要国のドイツ連邦10年債の利回りが指標となる独長期金利と欧州長期金利が上昇時にはユーロドルは一時1.1214ドル付近と昨年2023年7月20日以来の今年最大のユーロ高ドル安を記録していたが、昨夜23時の米国重要経済指標発表後の米国景気懸念の緩和に伴う米国長期金利上昇に伴うドル買いや、ドル円などの主要通貨に対するドル高の外貨影響の波及があり、今日は欧州ユーロに対するドルの買い戻しの上昇に繋がっていた。
英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は193円38〜44銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円67〜73銭付近の前東京終値比では約71銭の円安ポンド高であった。
主な要因は、欧州ユーロ同様に日本やアジアの株高を受けたリスク選好のリスクオンで低リスク通貨の円買いが起きたほか、昨夜の英国ロンドン外国為替市場では、英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) の英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) メンバーで8月のMPCで英国追加利下げに反対票を投じていたとされているミーガン・グリーン委員が、英国の「経済活動に対するリスクは、上向きだと考えている。これは長期的な中立金利が上昇していることを示唆している可能性があり、他の条件が同じであれば、我々の政策スタンスは考えていたほど制限的ではない」と指摘し、金融緩和には「慎重かつ着実なアプローチが適切だと考えている」と発言し、英国追加利下げを急がない可能性が市場で意識され、英国長期金利が上昇していた。
今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年9月26日の日本時間(JST)20時20分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の12時20分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)
通貨ペア | JST 20:20の為替レート | 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比 |
ドル/円 | 144.30 〜 144.31 | +0.36 (円安) |
ユーロ/円 | 160.93 〜 160.94 | −0.10 (円高) |
ユーロ/ドル | 1.1151 〜 1.1153 | −0.0039 (ドル高) |
英ポンド/円 | 193.07 〜 193.13 | +0.40 (円安) |
スイスフラン/円 | 170.31 〜 170.37 | −0.06 (円高) |
豪ドル/円 | 99.27 〜 99.31 | +0.26 (円安) |
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