FXニュース:今夜の米雇用統計を控え

2024年10月04日
FXニュース:今夜の米雇用統計を控え

 

東西FXニュース – 2024年10月04日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ISM非製造業景況上昇
  • 週間米失業保険申請混合
  • 中東情勢のリスク回避も
  • 日経平均株価上昇幅縮小
  • 米イベントリスク調整後

今日2024年10月4日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の146円93銭付近から、円の高値でドルの安値の145円91銭付近の値幅約1円2銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円33〜34銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日17時の146円44〜45銭付近の前東京終値比では約11銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、今夜この後の最新米国雇用統計の発表予定のイベントを控え、米国雇用関連の最新経済指標に注目が集まっており、昨日の日本市場終了後の英国ロンドン外国為替市場の後半にあたる昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円66銭付近の始値であったが、昨夜22時30分に発表された前週分の米国新規失業保険申請件数が前回の21.8万件と前回下方修正の21.9万件と市場予想の22.0万件よりも軟調な22.5万件であったことでは、発表時の昨夜21時30分の1分間の値動きの中でドルは円相場で一時146円47銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録したが、同時発表の前週分の米国失業保険継続受給者数が前回の183.4万人と前回上方修正の182.7万人と市場予想の183.2万人よりも堅調な182.6万人であったことでは強弱混合となり、昨夜21時30分の同じ1分間の値動きの中で瞬時にドルは一時146円84銭付近に反発した。

続いて、昨夜22時45分に発表された米国景気関連の最新経済指標の9月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI / Purchasing Managers Index) の改定値は、前回の速報値と市場予想の55.4に対し55.2に下方修正されたほか、9月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) も前回の54.4と市場予想の54.3を下回る54.0に下方修正されたことでは、発表時のドルは円相場で一時146円48銭付近まで下押ししたが、いずれも不景気と好景気を分ける景気ボーダーライン (Borderline / 境界線) の50を上回る好景気寄りの景気指標であったことではドルは下げ渋って再び反発を始めた。

さらに、昨夜23時には米国景気関連の最新米国重要経済指標の9月の全米サプライマネジメント協会 (ISM / Institute for Supply Management / 旧名 : 全米供給管理協会) 非製造業景況指数の発表があり、総合指標が前回の51.5と市場予想の51.7を上回る54.9に上振れしたことを受けては米国景気懸念が緩和し、米国ニューヨーク債券市場では安全資産の米国債が売られて債券価格の低下に伴う利回りの上昇が起き、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利が上昇し、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いや主要通貨に対するドル買いの金利差トレードの影響では発表後の昨夜23時4分頃にドルは円相場で一時147円18銭付近の米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

この9月の米国ISM非製造業景況指数は2023年2月以来のおよそ1年半ぶりの高水準であったことから、発表前の昨夜22時50分頃に一時3.819%付近だった米国長期金利は、発表後の昨夜23時過ぎに一時3.834%付近に急伸し、その後にも米国ニューヨーク債券市場終盤の一時3.856%付近に向けた更なる上昇を見せ始めた。

ただし、全米の非製造業375社の購買担当役員のアンケート調査結果を基に作成されたこの景況指数では、総合指数以外にも受注、在庫、雇用、価格などの10項目の個別項目があり、その10項目のうちの4項目の事業活動、新規受注、雇用、入荷遅延についての季節調整をかけた上で総合指数を算出するが、米国労働省による米国雇用統計よりも先行で発表された場合には、米国雇用市場における非製造業 (サービス業) の割合の大きさから先行指標としても注目されるため、個別項目では今回牽引した新規受注指数は前回の53.0から59.4に上昇と2023年2月以来の高水準で、価格指数も前回の57.3から59.4に上昇し8カ月ぶりの高水準であった一方で、注目の雇用指数は前回の50.2から48.1に低下していたことでは、米国労働市場の減速懸念から、今夜この後の最新米国雇用統計の発表イベントを控えたイベントリスクの早期の利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたことでは、上昇後のドルは円相場で上昇幅を縮め始めた。

昨夜の欧米市場からは翌市場にあたる今夜この後には、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長などの高官達も注目している最新米国重要経済指標の米国雇用統計の発表予定のイベントを控えていることでは、米国連邦準備制度理事会 (FRB) の二大責務である物価安定と雇用最大化のリスクバランスで最近は物価安定が進む中で、雇用最大化の責務が意識されており、米国雇用関連の経済指標が市場に影響を与えやすくなっていた。

終盤が同時進行していた欧州英国市場では、欧州連合 (EU / European Union) と地理的に近い地域がある中東情勢懸念が燻っていたが、昨夜の米国市場でも先日のイランのミサイル攻撃を受けたイスラエルが近く報復するとのニュースに続いて、先日は「イスラエルのイランの核施設への攻撃は支持しない」と発言していたジョー・バイデン米国大統領が、昨夜は記者達の「イスラエルが報復としてイランの石油施設を攻撃することを支持するか」という質問に対し、「議論しているところだ」と回答したニュースが話題になり、コモディティ (Commodity / 商品先物) 市場では、米国WTI (West Texas Intermediate) 原油先物価格が前日比で一時5%以上も急騰するなど、不安定な市場の動きになったことでは、昨夜のニューヨーク株式市場では、米国雇用統計発表前のイベントリスクに加えて、中東情勢警戒の地政学的リスク回避のリスクオフ (Risk-off) の株売りがあり、欧米主要株価下落時の低リスク通貨の円買いの抵抗が入ったことでは、英国ロンドン外国為替市場終了後の午前2時30分頃にも、対ドルの円相場では一時146円57銭付近まで円相場が反発していた。

昨夜から今朝までの米国ニューヨーク株式市場では、米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が前日比で大幅安の終値をつけたほか、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) と米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も前日比で小幅安の終値をつけて引けており、昨夜の欧州と英国の主要株式指数の低下に続き、今朝までの米国主要株価三指数も揃って下落した一方で、欧州と比較すると中東地域から地理的に離れている米国内の景気懸念緩和と米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) への期待感では、二指数は小幅域に留まった。

また、中東情勢を受けた原油価格の高騰を受けては、車社会の米国ではガソリン価格などの物価上昇のリスクが意識されたことで、インフレ再燃への警戒感も高まったことでは、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国小幅利下げ予想が続き、金利先高感の影響もあり、米国今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は3.847%付近と、前日比で+0.064の上昇を続けていたことでは、米国市場ではドルは円や主要通貨に対して底堅く推移していたため、米国市場終盤の午前5時51分頃にはドル円は一時146円97銭付近までドルも反発した。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の146円47銭付近から、円の安値でドルの高値の147円18銭付近の値幅約71銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は146円93銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円47銭付近と比べると約46銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時146円84銭付近の始値であったが、今朝9時55分の日本市場の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需の円売りドル買いが先行したことでは、今朝9時51分頃にドルは円相場で一時146円93銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

しかし、続いては、国内輸出企業の円買いドル売りが入ったことでは、ドルは円相場で反落を始めたほか、今夜この後の最新米国重要経済指標の米国雇用統計を控えたイベント前の利益確定や持ち高調整なども入り始めたことでは、ドルは円相場で反落を始めた。

一方、今日の東京株式市場では、前日の日本政府の石破茂新首相と日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁の発言を受けては、日銀の早期の追加利上げ予想の後退により、今朝の日経平均株価は前日比で上昇して始まったが、今朝10時過ぎに一時反落後に反発し、一時は大幅な上昇を見せた後に、午後14時50分頃にも株式市場終盤の利益確定売りの影響もあり、再び反落して上昇幅を縮小して小幅域になったため、リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いが起き、午後14時51分頃にドルは円相場で一時145円91銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

また、今日のニュースでは、石破新首相が、所信表明演説で「経済あっての財政、賃上げと投資牽引の成長型経済を実現」することや、「デフレ脱却を最優先に実現」し、「投資大国に向けた施策を講じる」などの政治方針を示した一方で、以前の様な日銀の追加利上げ牽制に関する発言が今日は特になかったことでは、市場では日銀の方針に同意または許容的になったと受け止められて、今夜のドルのイベントリスクを控えた市場では、利益確定や持ち高調整のドル売りで円が買い戻される値動きが見られた。

ただし、一時の大幅な上昇幅は縮めたものの、今日の午後15時頃には、今日の日経平均株価は3万8635円62銭の終値をつけ、前日比83円56銭高で大引けしたことでは、日本株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) では、市場高値後の低リスク通貨の円にも利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めた。

午後からの欧州市場に続き、夕方に英国ロンドン外国為替市場が参入すると、この時間の金利先物市場のデータを基に米国フェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回2024年11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) における米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.50%の米国大幅利下げ予想値が前日同時刻の36.1%付近から34.1%付近に低下していた一方で、0.25%の米国小幅利下げ予想値が前日の63.9%付近から65.9%付近に上昇して優勢の推移を続けており、その一方で、前日の英国中央銀行のイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のアンドリュー・ベイリー総裁の発言からの観測報道を受けて、より積極的な英国利下げの可能性が意識されていたことでは、イベントリスクのドル売りがあった一方で、ドルの買い戻しも入り始めてドルは円相場で反発し、下げ幅を縮小した。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は146円33〜34銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の146円44〜45銭付近の前東京終値比で約11銭の円高ドル安になった。

ただし、今夜その後の19時台の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇が一時3.865%付近へと続いたことでは、債券利回りを受けた金利差売買の円売りドル買いも入り、小幅な円安ドル高への市場反転も見せている。

今夜この後の米国市場では、最新米国重要経済指標の発表予定と、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に9月の米国雇用統計の9月米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) と 9月米国失業率、9月米国平均時給、9月米国製造業雇用者数などが発表されるイベント時間があり、その後の今夜22時頃から次回のFOMC投票権を持つFRB高官の米国ニューヨーク連邦準備銀行 (Federal Reserve Bank of New York) のジョン・ウィリアムズ総裁の発言予定などを控えている。

加えて、中東情勢などのニュースの影響や、世界の債券と株式市場および外貨影響などもFXトレーダー達は注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は161円37〜38銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の161円57〜59銭付近の前東京終値と比較すると約20銭の円高ユーロ安であった。

ただし、今夜その後の英国ロンドン外国為替市場では、今夜19時台にドル円が小幅な円安ドル高に転じた外貨影響の波及などもあり、ユーロ円も小幅な円安ユーロ高に市場反転をしている時間も観測されている。

主な要因は、イスラエルによるイランへの報復が懸念される中で、欧州連合 (EU) 加盟国には中東情勢が緊迫化している地域に近い国があり、地政学的リスク回避のリスクオフでは、日本市場時間には欧州ユーロは低リスク通貨の円に対して売られやすかったほか、世界的な流動性の高さから欧州通貨に対する安全資産でもあるドルに対しても欧州ユーロは売られやすかった。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.1027〜1.1028ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.1031〜1.1033ドル付近の前東京終値と比較すると約0.04セントのユーロ安ドル高であったが、今夜この後の米国雇用統計の発表イベント前のドルのイベントリスクもあったことでは、様子見もあり小幅域になっていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は192円59〜65銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の192円55〜61銭付近の前東京終値比では約4銭の小幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、前日の英中銀イングランド銀行 (BoE) のアンドリュー・ベイリー総裁の発言報道をきっかけにした英国追加利下げ予想が上昇した影響では、英国ポンドがドルなどに対して売られて下落した影響が円相場にも波及したが、次回の日銀 (BoJ) の追加利上げ予想が大きく後退していたことでは、現在の日英金利差の影響もありやや下げ渋っており、今夜その後の19時台の英国ロンドン外国為替市場では、ドル円やユーロ円が小幅な円安に転じた外貨影響の波及もあり、ポンド円も小幅な円安ポンド高に市場反転する時間があった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月4日の日本時間(JST)19時35分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時35分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:35の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 146.54 〜 146.55 +0.10 (円安)
ユーロ/円 161.61 〜 161.62 +0.04 (円安)
ユーロ/ドル 1.1027 〜 1.1029 −0.0004 (ドル高)
英ポンド/円 193.00 〜 193.06 +0.45 (円安)
スイスフラン/円 171.89 〜 171.95 +0.04 (円安)
豪ドル/円 100.27 〜 100.31 −0.19 (円高)

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