FXニュース: 米雇用統計が大幅上振れ

2024年10月07日
FXニュース: 米雇用統計が大幅上振れ

 

東西FXニュース – 2024年10月07日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米小幅利下げか維持予想
  • 米長期金利上昇ドル買い
  • 米ダウ株史上最高値更新
  • 日米株大幅高リスク選好
  • 日銀想定と政府口先介入
  • 今週は米CPI発表予定も
  • 英積極利下げ予想も後退

今日2024年10月7日月曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の148円79銭付近から、円の高値でドルの安値の148円15銭付近の値幅約64銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円25〜26銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の146円33〜34銭付近の前東京終値比で約1円92銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、先週金曜日の夜21時30分の最新米国重要経済指標の9月の米国雇用統計の発表イベントを控えていた先週の日本市場終了後の先週金曜日の夜20時50時分頃の英国ロンドン外国為替市場では、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇が続き、一時3.870%付近に達するなど上昇トレンドであったことから、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響で既に円安ドル高への市場反転を見せ始めていたため、先週金曜日の夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時146円58銭付近の始値と、先週金曜日の前東京終値よりも円安ドル高になっていた。

先週金曜日の夜21時30分の9月の米国雇用統計の発表直前には、イベントリスクによりドルは円相場で一時146円42銭付近の円の高値でドルの安値を瞬時記録したが、9月の米国非農業部門雇用者数変化 (NFP / Non-Farm Payrolls) の前月比が、前回の14.2万人が前回15.9万人に上方修正された上で、市場予想の14.0万人を大幅に上回る25.4万人に上振れし、9月の米国失業率も前回と市場予想の4.2%よりも堅調な4.1%に改善され、9月の米国平均時給も、前月比が前回0.4%から前回0.5%に上方修正されており、市場予想の0.3%に対しても0.4%と強く、前年同月比も前回3.8%から前回3.9%に上方修正された上で、市場予想の3.8%を上回る4.0%に上昇するなど、いずれも市場予想を上回る強い米国雇用統計となったため、次回の米国大幅利下げ予想値がゼロに低下した一方で、米国小幅利下げ予想値の大幅な上昇に加えて、一部で次回の米国政策金利の据え置きのタカ派予想も浮上したことから、米国長期金利が更なる上昇に向けて急伸し、主要通貨に対してドルが買われた影響で、同じ21時30分の1分間の値動きの中でドルは円相場で瞬時に反発と上昇を始めて1分間に約1円56銭以上も急伸し、瞬時に147円98銭付近に達したほか、1分後の21時31分頃には一時148円9銭付近になり、2分後の21時32分頃には一時148円48銭付近へと数分間で2円以上もドルが円相場で高騰し、欧州ユーロなどの他の主要通貨に対してもドルが一時全面高を見せた。

次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) のジェローム・パウエル議長などのFRB高官達も注目していたことが知られていた最新米国重要経済指標の米国雇用統計の上振れを受けて、金利先物市場のデータを基に米国フェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) のフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回の2024年11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.50%の米国大幅利下げ予想値が0%付近への大幅な後退を見せた一方で、0.25%の米国小幅利下げ予想値は97.0%付近と、市場で確定値と考えられている70%を大幅に超えて上昇し、さらに一部のタカ派の次回の金利据え置き予想値が3.0%付近に浮上した。

米国ニューヨーク債券市場では、市場予想を上振れする堅調な米国雇用統計を受けた米国小幅利下げ予想の影響に加えて、米国景気懸念緩和と米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待の高まりなどにより、安全資産の米国債売りが起き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が大幅に上昇し、午前4時15分頃の一時3.986%付近の8月以来の高利回りに向けた上昇を始めていたことなどから、同時進行中の世界最大規模の英国市場と米国市場の世界三大市場の二市場の時間が重なる取引が活発な午前1時36分頃にドルは円相場で一時149円0銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

また、円相場だけでなく、欧州ユーロなどの主要通貨全般に対するドルインデックス (U.S. Dollar Index / ドル指数) も一時102.69付近と、今年8月16日以来の高値を記録した影響が円相場に波及していた。

今月下旬までの英国サマータイムの午前2時までの英国市場が終盤を迎えたこともあり、一時149円台の市場高値を記録後のドルには利益確定売りや持ち高調整の抵抗が入り始めたが、米国ニューヨーク株式市場では、市場予想以上に堅調だった米国雇用統計を受けた米国景気懸念の後退により米国主要株価三指数が上昇し、米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が史上最高値を更新するなど前営業日比で大幅高の終値に向けたほか、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も前日比で大幅高の終値になり、米国S&P 500種 (Standard and Poor’s 500 index) も三指数が揃って高値の終値になったことでは、株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) で安全資産の米国債や低リスク通貨の円が売られた影響があり、先週土曜日早朝の米国ニューヨーク債券市場の終値時点の米国長期金利は3.966%付近と、前営業日比+0.119になっていたことから、債券利回りを受けた日米金利差拡大や、米国大幅利下げ予想の大幅後退のよる当面の間の日米金利差予想による大幅な円安ドル高が進行していた。

市場終盤には週末を控えた利益確定や持ち高調整も混ざったが、米国市場では中東情勢への警戒感が燻っていた一方で、中東周辺の産油国などの影響で原油先物価格上昇のよる米国インフレへの警戒感がやや意識されたことでも、同市場からは翌週にあたる今週には最新米国重要インフレ指標の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の発表予定を控えていることもあり、ドルは底堅い値動きを見せた。

このため、先週金曜日の夜から土曜日の朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の146円42銭付近から、円の安値でドルの高値の149円0銭付近の値幅約2円58銭で、先週土曜日の朝6時頃のニューヨーク終値は148円70銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の146円93銭付近と比べると約1円77銭の大幅な円安ドル高をつけて週末を迎えていた。

週明けの今朝早朝のアジア・オセアニア市場でも、時差が先行する同市場で先週金曜日の最新米国雇用統計の上振れを受けた主要通貨に対するドル買いが先行した影響があり、今朝7時9分頃にドルは円相場で一時149円12銭付近の今日のアジア・オセアニア市場の円の安値でドルの高値を記録していた。

続いて、今朝9時頃から始まった今日の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時148円79銭付近の始値であったが、日本市場では今朝までの大幅な円安ドル高の進行を受けて、国内輸出企業の高値のドル売りにより円買い注文が入り始めたことでは、この始値の一時148円79銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、日本市場では円が大幅な下げ幅を縮め始めた。

この原因には、今月始めに日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) が発表していた9月の日本全国企業短期経済観測調査などでは2024年度の想定為替レートを145円程度に設定していた輸出企業が多く、今朝早朝のアジア・オセアニア市場で一時149円台の円安ドル高が進行後であったことから、先渡取引のフォワード取引 (先物為替取引とも言う) の円買いドル売りオーダーが入ったとされており、また、市場の一部では急速な円安進行を受けた日本政府と日銀の為替介入も話題に挙がっていたところに、日本政府の三村淳財務官が、「投機的な動きも含めて、為替市場の動向は緊張感を持って注視」するという口先介入をしたというニュースが話題になり、一部の投資系でも高値のドルの利益確定売りや持ち高調整で円が買い戻される値動きが入っていた。

一方、今日の東京株式市場では、先週末の想定上振れの米国雇用統計を受けた米国主要株価三指数の上昇の影響や、円安を背景とした海外投資家達の日本株買いを受けて、米国を主要取引先に持つ日本企業の株価などが上昇し、日経平均株価が大幅な上昇を見せ続けたことでは、株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響が続いたことでは、ドルは円相場で下げても148円台に留まり続けるなどの底堅い値動きを見せていた。

午後15時頃には今日の日経平均株価は3万9332円74銭の終値をつけ、前営業日比697円12銭高の大幅高で大引けした。

午後からの英国ロンドン外国為替市場の参入を受けては、同市場は先週末にリアルタイムで米国雇用統計に反応した後であったことから、高値のドルの利益確定売りが再び入ったことでは、日本市場終盤の利益確定や持ち高調整も相まって、午後16時39〜40分頃にかけて対ドル円相場は一時148円15銭付近の今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録したが、時間外の債券市場では米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は今夜17時の東京終値時の一時4.002%付近に上昇していたことでは、再び債券利回りを受けた円売りドル買いも入ったことでは、ドルは円相場で反発して堅調な値動きを続けた。

このため、今日の夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は148円25〜26銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の146円33〜34銭付近の前東京終値比では約1円92銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官達の発言予定と最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、26時頃からは前回のFOMCで米国大幅利下げに反対票を投じたタカ派で知られる次回のFOMC投票権を持つFRBのミシェル・ボウマン理事の発言予定があり、26時50分頃からは次回のFOMC投票権は持たないFRB高官の米国ミネアポリス連邦準備銀行のニール・カシュカリ総裁の発言予定と、28時に 8月の米国消費者信用残高の発表予定などを控えているが、市場の一部では今週の木曜日に発表予定の最新米国重要インフレ市場の9月の米国消費者物価指数 (CPI) の発表イベントを控えていることなどが意識され始めている。

また、中東情勢などの世界ニュースの影響や、債券市場や株式市場および外貨影響などもFXトレーダー達は注視している。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円62〜64銭付近で、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の161円37〜38銭付近の前東京終値と比較すると約1円25銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、先週末の米国雇用統計を受けた主要通貨のドルに対する大幅な円安の影響が波及したほか、米国主要株価上昇の影響などを受けた安全資産の米国債売りで米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利上昇の影響を受けて、欧米の債券市場ではドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利も連れて上昇したため、日銀が追加利上げを急がない姿勢が意識されていたこともあり国内長期金利が0.920%付近で推移していた影響もあり、債券利回りを受けた日欧金利差も欧州ユーロの円相場に影響も及ぼしていた。

また、先週末の米国主要株価三指数の前営業日比の大幅高に続き、今日の日経平均株価も大幅高で大引けしたため、日米株価上昇によるリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りでも、欧州ユーロや英国ポンドが買われやすくなっていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0969〜1.0971ドル付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日17時の1.1027〜1.1028ドル付近の前東京終値と比較すると約0.58セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先週末の米国雇用統計の上振れにより、ドルは欧州ユーロなどの主要通貨に対しても一時全面高を記録したほか、次回の米国大幅利下げ予想値が0%付近に後退し、米国小幅利下げ予想値が確定値を超えて、一部のタカ派の次回の金利据え置き予想値も浮上したことに対し、次回の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会では欧州追加利下げ予想が市場で優勢であった影響などがユーロドルでは観測されていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円34〜40銭付近と、前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の192円59〜65銭付近の前東京終値比では約1円75銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、先週木曜日には英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE / Bank of England) のアンドリュー・ベイリー総裁の発言を受けた観測記事の影響から、より積極的な英国利下げの可能性が意識されたが、先週金曜日の夜には、英中銀金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) メンバー兼チーフエコノミストのヒュー・ピル氏が、景気要因などから英国利下げの先行きについて、「慎重な取り組みが必要」とタカ派寄りの発言をしたことが話題になり、英国ポンドの買い戻しが入った後に、米国雇用統計を受けた円安ドル高の影響が波及したため、今日の日経平均株価上昇時のリスクオンの低リスク通貨の円売りポンド買いの影響もあり、大幅な円安ポンド高の東京終値になった。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月7日の日本時間(JST)20時13分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の12時13分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 20:13の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 148.56 〜 148.57 +2.23 (円安)
ユーロ/円 162.96 〜 162.98 +1.59 (円安)
ユーロ/ドル 1.0968 〜 1.0970 −0.0056 (ドル高)
英ポンド/円 194.17 〜 194.23 +1.58 (円安)
スイスフラン/円 173.36 〜 173.42 +1.66 (円安)
豪ドル/円 100.81 〜 100.85 +0.68 (円安)

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