FXニュース:ウォラー理事タカ派発言

2024年10月15日
FXニュース:ウォラー理事タカ派発言

 

東西FXニュース – 2024年10月15日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米ダウとS&P最高値続伸
  • 日米連休明け五十日決済
  • 日経平均株価続伸幅縮小
  • 中景気策不明リスク回避
  • 今週の欧ECB利下げ予想

今日2024年10月15日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の149円75銭付近から、円の安値でドルの高値の149円17銭付近の値幅約58銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円23〜24銭付近と、日本市場の連休前の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の148円76〜78銭付近の前東京終値比では約47銭の円安ドル高であったが、世界市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の149円34〜35銭付近と比較すると約11銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、最近の米国経済指標のデータを受けて、欧州よりも米国でのインフレが根強さを見せる場合には、市場予想よりも穏やかな米国利下げペースになる可能性が意識され、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、次回2024年11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) での米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅予想値は、次回0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時86.2%付近の推移になった一方で、次回の一部のタカ派の米国金利据え置き予想値が一時13.8%付近に上昇し、当面の間の日米金利差予想の影響で円売りドル買いが入っていたため、昨夜20時36〜37分頃には、ドルは円相場で一時149円72銭付近に上昇していた。

昨夜21時頃からの米国ニューヨーク外国為替市場は、コロンブスの日 (Columbus Day) の連邦祝日で休場であったが、この時間のニューヨーク始値相当時間の対ドル円相場は一時149円64銭付近で、昨夜21時47分頃の一時149円62銭付近が米国市場相当時間の円の高値でドルの安値となり、米国ニューヨーク債券市場も休場ではあったが、米国祝日連休前の前終値時点が4.101%付近の高利回りであった日米金利差の影響や、開場中の欧米株式市場の為替相場への影響があり、一部の株価先物や世界的な米国主要企業株を含む米国ニューヨーク株式市場は営業していたため、先日の米国大手金融株の決算報告後の第3四半期の好調な決算シーズンへの期待感や米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待の株買いで、米国主要株価上昇を受けた米国景気懸念緩和による米国主要株価指数の上昇が続き、世界FX市場は欧米主要株価上昇時のリスク選好のリスクオン (Risk-on) の影響を受けた為替相場となり、ナイト・セッションの日経平均株価先物も上昇した影響で、欧米通貨に対する低リスク通貨の円売りの影響でドルは円相場で上昇し、149円台後半での推移を続けた。

時差で先行していた欧州英国市場で欧州主要株価指数のドイツ株価指数の独DAX (Deutscher Aktien-indeX) が大幅続伸の終値をつけたことに続き、英国FTSE100株価指数も続伸で終値を迎えた欧米株式市場のリスク選好のリスクオンムードの為替相場への影響が続く中で、米国ニューヨーク株式市場でも米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が連日で史上最高値を更新したほか、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も史上最高値を続伸し、米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) も3ヶ月ぶりの高値を記録して続伸の終値に向けるなど米国主要株価三指数が揃って上昇の終値に向けたことに加えて、ナイト・セッションの日経平均株価先物も上昇トレンドであったことから、日米欧株価上昇時のブル・マーケット (Bull market / 強気市場) 特有のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りが続き、欧米主要株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響では、ドルだけでなく欧州ユーロなどの主要通貨に対しても円相場は円安になった影響も波及した。

今朝未明の午前4時頃から次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) のクリストファー・ウォラー理事の発言があり、米国カリフォルニア州スタンフォードのフーバー研究所の講演において、先日の米国雇用統計では堅調な米高雇用者数と失業率の低下に加えて、過去数カ月の米国雇用者数の上方修正が示されたことにはやや楽観的な姿勢を見せた一方で、先日発表された際に想定よりも根強さを示した市場予想を上振れした9月の米国消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) は「期待外れ」と、米国インフレの根強さへの警戒感から米国利下げに慎重な姿勢を示し、「データを総合的に判断したところ、米国利下げペースに関しては、前回の9月会合で必要とされた以上の慎重さを持って進めていくべきだとみている」と、米国利下げに慎重なタカ派の姿勢を示したことが話題になり、講演用の事前原稿がやや先行して公開されたため、実際の発言が始まった午前4時頃には値動きに影響を見せ、今朝未明の午前4時1分頃にはドルは円相場で一時149円97銭付近の米国市場相当時間の円の安値でドルの高値を記録した。

ドル円は150円台の大台を手前にしたレジスタンスラインが意識されたことでは、利益確定売りや持ち高調整が入り始めたことは抵抗になり反落を始めたが、米国利下げペースが穏やかなペースになる可能性が意識された一方で、今週の10月17日に開催予定されている次回の欧州中央銀行(ECB / European Central Bank)理事会では、欧州追加利下げ予想が優勢で市場での織り込み度が進んでいたため、時差で先行していた欧州国債市場でドイツ連邦10年債の利回りが指標となる欧州長期金利が低下していた際の影響などもあり、ユーロドルも、同じく午前4時過ぎには一時1.0888ドル付近と8月以来のユーロ安ドル高を記録しており、外貨影響のドル上昇圧もこの時間の対ドル円相場に波及していたことでは、この時間のドルは底堅かった。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場相当時間の世界FX市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円62銭付近から、円の安値でドルの高値の149円97銭付近の値幅約35銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値相当時間は149円76銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の149円13銭付近と比べると約63銭の円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から日本の祝日連休明けの東京外国為替市場が参入したが、高値後のドルの利益確定売りと安値後の持ち高調整の円の買い戻しが入り始めていたため、今朝9時頃の対ドル円相場の東京始値は一時149円71銭付近で、今朝9時0分の1分間の値動きの中で瞬時記録した一時149円75銭付近が今日の日本市場の円の安値でドルの高値となり、円相場が反発上昇を始めた。

今日の連休明けの日本市場は、日本の貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) であったこともあり、今朝未明の150円手前の円安ドル高を受けた国内輸出企業のまとまった円買いドル売りが優勢で、仲値決済に向けた実需の円売りドル買いを上回ったことや、投資系などでも150円台手前では利益確定のドル売りによる円の買い戻しが入りやすかったことから、今朝10時35分頃にはドルは円相場で一時149円44銭付近に売られた。

一方、連休明けの東京株式市場では、今朝までのナイト・セッションの日経平均株価先物から上昇トレンドだった今日の日経平均株価が円安の追い風を受けた海外投資資金の流入もあり大幅に上昇したことでは、欧米市場のトレンドを受け継いだリスク選好のリスクオンによる低リスク通貨の円売りも入ったことでは、東京株式市場の午前の部が大幅高で終わり、午後の部も大幅高で始まった午後13時35分頃の低リスク通貨の円売りとドルの買い戻しの影響では、ドルは円相場で一時149円75銭付近の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を再記録する「往って来い」を見せた。

しかし、日本市場と時間帯が近いアジアの株式市場では、先日の中国の景気刺激策の具体案が不透明であったことなどから失望の株売りが出ており、香港ハンセン株価指数 (Hang Seng Index) が前営業日比で大幅に下落するなど、アジア市場からのリスク回避のリスクオフ (Risk-off) の株売りの影響が波及してきたことで、昼頃には一時は前営業日比で600円以上も大幅に上昇していた日経平均株価が午後に上昇幅を一時縮小したことを受けては、日本市場でもリスク回避のリスクオフに警戒した国内第一安全資産の低リスク通貨の円の買い戻しが入り始めたことで、ドルは円相場で今朝までの上昇幅を縮め始めた。

午後15時台には、今日の日経平均株価は3万9910円55銭の終値をつけ、前営業日比304円75銭高の大幅高で大引けしたが、アジア市場に警戒した低リスク通貨の円相場の上昇を受けて、今朝の円安時に買った株を円相場の上昇に合わせた早期の利益確定の影響などがあり、一時の大幅な上昇幅を半分近く縮めていた。

また、今夜この後の連休明けの米国市場を控えて、時間外の米国債券取引が再開していたが、今朝早朝には一時4.104%付近だった米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が、今日の午後には世界的な安全資産でもある米国債買いの影響で債券価格上昇に伴う利回りの低下が起きており、今日の東京終値の17時頃の一時4.085%付近に向けていたことから、時差で午後からの欧州市場と英国ロンドン外国為替市場の参入時には債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りも入ったことで、今夜17時0分の1分間の値動きの中で終値を迎える前に瞬時に記録した一時149円17銭付近が今日の日本市場の円の高値でドルの安値となった。

中国を主要貿易先にもつ欧州株にもリスク回避のリスクオフの利益確定の株売りの影響が波及したことでも、世界的な安全資産である米国債買いや低リスク通貨の円買いが入り、今日の夕方の対ドルの円相場は反発を見せて引けていた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は149円23〜24銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の148円76〜78銭付近の前東京終値比では約47銭の円安ドル高であったが、世界FX市場の昨夜17時の149円34〜35銭付近と比較すると約11銭の円高ドル安になっていた。

今夜この後の連休明けの米国市場では、最新米国経済指標の発表と次回の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) の投票権を持つ米国連邦準備制度理事会 (FRB) の高官達の発言予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に10月の米国ニューヨーク連銀製造業景気指数と、深夜24時頃から次回のFOMC投票権を持つFRBの米国サンフランシスコ連邦準備銀行のメアリー・デイリー総裁の発言予定と、26時頃から同じく次回のFOMC投票権を有するFRBのアドリアナ・クーグラー理事の発言予定などを控えている。

さらに、米国株式市場では、米国主要企業の決算報告シーズンが続いており、今夜20時頃に米国大手銀行のバンク・オブ・アメリカ、今夜21時頃に米国金融大手のゴールドマン・サックス決算と、今夜23時頃に米国金融大手のシティグループの決算報告などが予定されており、株式市場からの為替相場への影響には引き続き注意が必要である。

また、最近は中東情勢などの世界ニュースの為替相場への影響なども、世界のFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は162円65〜66銭付近で、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の162円83〜84銭付近の前東京終値と比較すると約18銭の円高ユーロ安で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の163円21〜23銭付近と比較すると約56銭の円高ユーロ安であった。

主な要因は、今週10月17日に開催予定の次回の欧州中央銀行 (ECB) 理事会を控えたイベントリスクが近づく中で、市場では欧州追加利下げ予想の織り込みが進む一方で、昨日は欧米株価上昇時のリスク選好のリスクオンの低リスク通貨の円売りの影響があったが、今日の午後の欧州市場では香港株下落や欧州主要株価反落によるリスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いの影響が優勢に転じていた。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0899〜1.0900ドル付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の1.0943〜1.0945ドル付近の前東京終値と比較すると約0.44セントのユーロ安ドル高で、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の1.0927〜1.0929ドル付近と比較すると約0.28セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、先述の通り、今週の欧州中央銀行 (ECB) 理事会の欧州新政策金利発表予定のイベントを控えたイベントリスクの欧州ユーロ売りが対ドルであった中で、米国利下げペースが穏やかになる可能性や慎重な米国利下げ姿勢が意識されていた。

今日の夕方のフェドウオッチでも、次回2024年11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC) における米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時86.7%付近の推移を続けており、一部のタカ派の米国金利据え置き予想値も一時13.3%付近で推移していた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は194円98銭〜195円4銭付近と、日本市場の前営業日同時刻にあたる先週金曜日の夜17時の194円51〜57銭付近の前東京終値比では約47銭の円安ポンド高であったが、世界FX市場の前営業日同時刻にあたる昨夜17時の195円9〜15銭付近と比較すると約11銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、昨日の円安後の今日のドルや欧州ユーロなどの主要通貨に対する低リスク通貨の円相場の反発の影響が波及した。

昨夜は堅調だった英国主要株価指数のFTSE100も今日の夕方には下落トレンドに転じており、昨日のリスクオンの円安から今日のリスクオフの円高に転じた影響が観測されていた。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月15日の日本時間(JST)19時46分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時46分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:46の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 149.14 〜 149.15 +0.37 (円安)
ユーロ/円 162.61 〜 162.66 −0.22 (円高)
ユーロ/ドル 1.0904 〜 1.0905 −0.0039 (ドル高)
英ポンド/円 195.17 〜 195.23 +0.66 (円安)
スイスフラン/円 173.09 〜 173.15 −0.59 (円高)
豪ドル/円 100.06 〜 100.10 −0.24 (円高)

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