FXニュース:米長期金利上昇4.2%台

2024年10月22日
FXニュース:米長期金利上昇4.2%台

 

東西FXニュース – 2024年10月22日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 債券利回りの日米金利差
  • 米FRB高官インフレ警戒
  • 日米政治の為替相場影響
  • 米主要株価は強弱混合に
  • 日経平均株価続落大幅安
  • 米英穏やかな利下げ予想
  • 欧ラガルド総裁発言控え

今日2024年10月22日火曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の高値でドルの安値の150円49銭付近から、円の安値でドルの高値の151円10銭付近の値幅約61銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円2〜3銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の149円82〜83銭付近の前東京終値比では約1円20銭の大幅な円安ドル高であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜17時に日本市場が終了した後の英国ロンドン外国為替市場では、時間外の米国債券市場で世界的な安全資産でもある米国債売りが続き、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の上昇を受けた債券利回りの日米金利差拡大時の金利差トレードで低金利通貨の円売りと高金利通貨のドル買いも続いたことで、昨夜18時59分頃にドルは円相場で一時150円9銭付近への上昇を見せたほか、昨夜20時45分頃には米国長期金利は一時4.140%付近の高利回りを記録した。

ドル円が一時150円台の大台に乗せ始めたことでは、ドルの利益確定売りや持ち高調整の抵抗も入り、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時149円92銭付近の始値で、米国長期金利の上昇にも一時4.133%付近への抵抗が入っていた昨夜21時31〜32分頃の一時149円74銭付近が昨夜の米国市場での円の高値でドルの安値となった。

しかし、世界的に流動性が高いドルが主要取引通貨の国際的なコモディティ (Commodity / 商品) 先物市場では、原油先物価格が上昇を見せたことも車社会の米国ではインフレ圧として意識されるなどの米国長期金利の先高感の一因となり、米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が更なる4.2%台に向けた上昇を見せたことなどから、ドルは円相場で再び150円台に乗せて上昇した。

また、来月に迫った米国大統領選のニュースも意識されており、ドナルド・トランプ元大統領の対中関税引き上げ案や米国財政政策案が米国のインフレ再燃のリスクを高めることが警戒されたトランプ・トレードのドル買いなどが再び散見していた一方で、今週末の10月27日に予定されている日本の衆議院議員選挙では、与党自民公明が過半数の票を取れないのではないかという一部の観測報道を受けた市場予想が話題になり、日本の政治の不透明感の懸念を受けた円売りも為替相場に影響を及ぼしていた。

昨夜22時半過ぎ頃から、米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) 高官の米国ダラス連邦準備銀行のロリー・ローガン総裁の発言が話題になり、「米国経済は力強く安定的に推移している」ことを指摘し、「米国経済が私の現在の予想通りであれば、より正常または中立的な水準に向けて、米国政策金利を徐々に引き下げる戦略が、リスク管理およびFRBの目標達成に寄与する可能性がある」と段階的な利下げを支持し、FRBが保有する国債を含めたバランスシートを段階的に圧縮する量的金融引き締め (QT / Quantitative Tightening) に言及したことも米国債券売りに影響を与えたほか、物価安定と雇用最大化のリスクバランスについては、「依然として大きな不確実性が残る」と米国インフレへの警戒感も見せたことから、先日の欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会以来、次回の欧州連続利下げ予想が出ていた欧州ユーロよりも、「より慎重で穏やかな米国利下げペース」が市場予想で高まっていたドルが買われる値動きなども円相場に波及し、当面の間の米国長期金利の先高感を受けた米国長期金利上昇に影響を与えていた。

昨夜23時に発表された最新米国経済指標の9月の米国景気先行指標総合指数の前月比は前回の-0.2%と前回下方修正と市場予想の-0.3%を下回る-0.5%に低下したことではやや抵抗が混ざったものの、米国経済の力強さと安定性が意識されていた米国市場での反応は一時抵抗の範囲に留まり、米国長期金利上昇に伴いドルは円相場で上昇トレンドを形成していた。

さらに、欧米の著名エコノミストも米国経済の底堅さを指摘したほか、次回11月6〜7日に開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Open Market Committee) における米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国金利据え置き予想も示唆したことなどを受けて、市場の一部で燻っていたタカ派の次回の米国金利据え置き予想値が昨夕に1桁に低下後に再び2桁に向けた上昇を始めたことなども、当面の間の米国長期金利の先高感による米国債売りによる債券価格低下時の利回り上昇に影響を与えていた。

深夜24時を過ぎて、今日の市場に向けていた金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出する米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回11月6〜7日に開催される米国連邦公開市場委員会 (FOMC) での米国連邦準備制度理事会 (FRB) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時86.9%付近と市場で確定値と考えられている70%超えの推移を継続した傍らで、次回の米国金利据え置き予想値は一時13.1%付近へと上昇していた。

午前3時台頃からは、米国連邦準備制度理事会 (FRB) 高官の米国ミネアポリス連邦準備銀行のニール・カシュカリ総裁の発言も市場で話題になり、「中立的な米国金利水準に到達する上で、私は今後数四半期に渡り、より緩やかな米国利下げを予想している」と、先月には米国大幅利下げを支持していたものの、今後はよりタカ派に転じる可能性を示唆していた。

一方、米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利の上昇を受けた当面の間の金利先高感への警戒感を受けて、前日までは連日で史上最高値を続伸した米国主要株価三指数の米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) が利益確定や持ち高調整などの株売りで大幅な反落に転じたものの、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) は小幅安に留まり、世界規模の国際ハイテク企業比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は続伸の終値に向けたことでは強弱混合となり、低リスク通貨の円買いの抵抗幅は限られており、ドル円は150円台後半の推移を続けていた。

米国ニューヨーク債券市場では、市場終盤に米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利は市場終盤には7月以来の高利回りとなる一時4.2%付近に向けた上昇を続けていたため、米国ニューヨーク株式市場の株引け後も継続していた米国ニューヨーク外国為替市場の終盤の午前5時50〜53分頃にかけて、債券利回りを受けた日米金利差拡大時の円売りドル買いの金利差トレードの影響などによりドルは円相場で一時150円88銭付近と今年8月以来の米国市場の円の安値でドルの高値を記録し、テクニカル分析の一目均衡表雲上のレジスタンスラインと考えられていた150円70銭付近を上抜けて数分間高止まりした。

また、米国長期金利上昇時の主要通貨に対するドル買いで、円相場だけでなく欧州ユーロなどの他の主要通貨に対してもドルが一時全面高になり、主要通貨に対するドルインデックス (ドル指数) も一時104.02付近と8月以来の高値を記録した影響なども波及していた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の高値でドルの安値の149円74銭付近から、円の安値でドルの高値の150円88銭付近の値幅約1円14銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は150円84銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の149円53銭付近と比べると約1円31銭の大幅な円安ドル高をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場に続き、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時150円62銭付近の始値であったが、今朝の東京株式市場で、今日の日経平均株価が前日比で一時約737円安の大幅な下落を見せた今朝10時15分頃に、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフ (Risk-off) で国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入ったほか、この時間には今朝の仲値決済後の国内輸出企業の円買いドル売りも入っていた時間であったことでは、今朝10時15分頃に対ドルの円相場は一時150円49銭付近に下げ幅を一時縮小し、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

しかし、一時は前日比で700円超の大幅下落を見せた後の日経平均株価が反発して下げ幅をやや縮小し始めると、時間外の債券市場でも一時低下後の世界的な安全資産の米国債にも再び売りが入り、米国長期金利の反発上昇によるドルの買い戻しが入り始めたことなどでは、ドルは円相場で再び上昇を始めた。

今日の日本市場時間の時間外の米国債券取引では、米国長期金利が一時4.224%付近に向けた再上昇を始めたため、債券利回りを受けた日米金利差トレードの日米金利差拡大時の円売りドル買いの影響で、昼の13時20分頃にはドルは円相場で一時151円10銭付近と、今年7月以来の今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、ドル円が一時151円台に乗せたことからは市場高値後のドルの利益確定や持ち高調整の抵抗が入り始めたほか、前日に続き、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の今後の追加利上げ予想への警戒感や日本の政治の不透明感などを受けては、午後15時に今日の日経平均株価は3万8411円96銭の終値をつけて、前日比542円64銭安と、今朝の一時700円超の大幅下落時よりは下げ幅は縮小したものの大幅な下落幅で続落して大引けしたことでは低リスク通貨の円の買い戻しも入ったことでは、対ドルの円相場は午後15時48分頃には一時150円66銭付近に反発した。

しかし、午後からの欧州市場に続き、世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が本格参入を始めると、再び当面の間の日米金利差拡大が意識されており、円相場だけでなく欧州ユーロや英国ポンドに対するドル買いの外貨影響なども波及し、ドルは円相場で再び151円台に反発し、夕方の16時40分頃には一時151円6銭付近に再上昇していた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円2〜3銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の149円82〜83銭付近の前東京終値比で約1円20銭の大幅な円安ドル高になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定があり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜23時に10月の米国リッチモンド連邦準備銀行 (連銀) 製造業指数などが発表される予定である。

また、欧州英国市場でも、今夜22時25分頃からは英国中央銀行にあたるイングランド銀行 (BoE / Bank of England) のアンドリュー・ベイリー総裁の発言予定を控えているほか、28時15分頃からは欧州中央銀行 (ECB) のクリスティーヌ・ラガルド総裁の発言予定などの要人発言予定なども注目されている。

加えて、日米の政治の影響などに加えて、中東情勢を含めた世界ニュースや、株式・債券・コモディティなどの市場の為替相場への影響なども、FXトレーダー達に注視されている。

欧州ユーロも、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は163円65〜67銭付近で、昨日の夜17時の162円55〜56銭付近と比較すると約1円10銭の大幅な円安ユーロ高であった。

主な要因は、米国債の利回り上昇に連れて、欧州や英国の国債利回りも上昇を見せたことでは、日米欧英金利差拡大時の低金利通貨の円売りの影響が波及し、日本国債利回りよりも高金利通貨であるドルだけでなく欧州ユーロや英国ポンドも買われて円相場で上昇した。

ユーロドルは、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0835〜1.0837ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0847〜1.0849ドル付近と比較すると約0.12セントのユーロ安ドル高であった。

主な要因は、米国長期金利上昇による主要通貨に対するドル買いの影響や、米国の利下げペースの方が欧州よりも穏やかなペースになる可能性が市場で意識されていたことなどから、ユーロ安ドル高の東京終値をつけていた。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は196円43〜49銭付近と、昨日の夜17時の195円12〜18銭付近と比較すると約1円31銭の大幅な円安ポンド高であった。

主な要因は、昨夜深夜過ぎの英国ロンドン外国為替市場終盤と米国ニューヨーク外国為替市場の世界二大市場が重なる大トレンド形成時間に、英国中央銀行のイングランド銀行 (英中銀 / BoE) 金融政策委員会 (MPC / Monetary Policy Committee) のミーガン・グリーン委員が、英国経済紙に英国利下げについて「慎重かつ、緩やかなアプローチが適切」と寄稿をしたことが市場で話題になり、米国債だけでなく英国債も売られて英国長期金利が上昇しており、日英金利差拡大を受けた金利差売買の影響で、今日は円安ポンド高も進行した。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月22日の日本時間(JST)19時55分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時55分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:55の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 150.86 〜 150.87 +1.04 (円安)
ユーロ/円 163.34 〜 163.35 +0.79 (円安)
ユーロ/ドル 1.0826 〜 1.0828 −0.0021 (ドル高)
英ポンド/円 195.67 〜 195.73 +0.55 (円安)
スイスフラン/円 174.22 〜 174.28 +1.02 (円安)
豪ドル/円 100.80 〜 100.84 +0.59 (円安)

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