FXニュース:三村淳財務官も円安牽制

2024年10月25日
FXニュース:三村淳財務官も円安牽制

 

東西FXニュース – 2024年10月25日

文/八木 – 東西FXリサーチチーム

主な点:

  • 米長期金利低下時の利確
  • 米経済指標市場予想以上
  • 米主要株価は強弱混合に
  • 日銀植田総裁時間的余裕
  • 日経平均下落リスク回避
  • 欧大幅利下げ予想が後退

今日2024年10月25日金曜日の日本の東京外国為替市場の9時頃から17時頃までの対ドル円相場の為替レートの値動きは、円の安値でドルの高値の152円10銭付近から、円の高値でドルの安値の151円44銭付近の値幅約66銭で、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円94〜95銭付近と、前営業日同時刻にあたる昨夜17時の152円12〜13銭付近の前東京終値比では約18銭の円高ドル安であった。

今日の為替相場の値動きの主な要因と時間に沿った世界外国為替証拠金取引 (FX / Foreign Exchange) のマーケット・トレンドの動向と分析はまず、昨夜の日本市場終了後の欧州市場と英国ロンドン外国為替市場では、昨日の日本政府の円安牽制発言を受けて為替介入警戒の円買いが入ったことや、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールで、次回11月6〜7日に開される米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時93.0%付近と市場で確定値と考えられている70%を超えた優勢さを保つ中で、一部のタカ派の次回の米国金利据え置き予想値が一時7.0%付近と、前日の2桁から1桁に減少した影響があり、昨夜19時45分頃には米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利が一時4.193%付近に低下したため、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りと、欧州ユーロなどの主要通貨に対するドルの利益確定売りの影響が対ドル円相場に波及し、昨夜20時9分頃にドルは円相場で一時151円76銭付近に売られたが、その後の昨夜20時35分頃には米国長期金利は一時4.199%付近に反発したため、昨夜21時頃から始まった米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は一時152円5銭付近の始値であった。

昨夜21時30分に発表された米国雇用関連の最新米国経済指標の前週分の米国新規失業保険申請件数が、前回の24.1万件と前回下方修正と市場予想の24.2万件よりも堅調な22.7万件であったことでは、発表時にドルは円相場で一時152円28銭付近に買われて上昇したが、同時発表の前週分の米国失業保険継続受給者数が前回の186.7万人と前回下方修正の186.9万人と市場予想の187.5万人よりも弱い189.7万人であったことでは、やや抵抗も混ざっていた。

続いて、昨夜22時45分に発表された最新米国景気指標の10月の米国製造業購買担当者景気指数 (PMI) の速報値は、前回の47.3と市場予想の47.5を上回る47.8で、10月の米国サービス部門購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の55.2と市場予想の55.0を上回る55.3で、10月の米国総合購買担当者景気指数 (PMI) の速報値も前回の54.0と市場予想の53.8を上振れする54.3で、景気ボーダーラインの50も超える好景気寄りの指標であったことでは、発表の瞬間に主要通貨に対するドルの買い戻しが起き、昨夜22時45分頃にドルは円相場で一時152円31銭付近と、米国市場の円の安値でドルの高値を記録した。

米国ニューヨーク債券市場でも安全資産の米国債売りが再び起きた影響では、昨夜22時50分頃には、米国長期金利が一時4.237%付近に反発上昇していた。

また、昨夜23時には、米国住宅関連の最新米国重要経済指標の9月の米国新築住宅販売件数も発表され、年率換算件数は前回の71.6万件と前回下方修正の70.9万件と市場予想の72.0万件を上回る73.8万件と好調で、前月比も前回マイナス圏だった-4.7%と前回上方修正の-2.3%と市場予想の0.6%を上振れするプラス圏の4.1%に改善されており、米国経済のソフトランディング (Soft landing / 軟着陸) 期待が続いたことでは、米国ニューヨーク債券市場では安全資産の米国債売りの影響で、米国長期金利は昨夜23時15分頃には一時4.238%付近に上昇した。

しかし、米国ニューヨーク株式市場では、米国長期金利上昇を受けた金利先高感への警戒感などでは、米国主要株価三指数の中でも企業への貸付ローン金利に敏感な米国ダウ工業株30種平均 (Dow Jones Industrial Average) がプラス圏付近から始まった後に大幅な反落を始めて前日に続き大幅続落に向けたことでは、一部の米国株価下落を受けたリスク回避のリスクオフ (Risk-off) による安全資産の米国債の買い戻しが起き始めたことでは、米国債券価格上昇に伴う利回り低下が起き、昨日の日本市場や欧州英国市場でも起きていた米国10年債の利回りが指標となる米国長期金利の低下が米国市場でも再燃したため、午前2時45分頃に米国長期金利が一時4.187%付近にまで低下すると、債券利回りを受けた日米金利差縮小時の円買いドル売りに加えての低リスク通貨の円買いと、主要通貨に対する金利差トレードのドル売りが再び入り、午前2時37〜38分頃と2時52分頃にかけてドルは円相場で一時151円55銭付近の米国市場の円の高値でドルの安値を記録した。

ただし、米国株式市場では米国主要企業の決算報告シーズンが続いており、昨日の決算報告結果が好感された米国テスラ (Tesla) などを含む国際的なハイテク企業の比率が高い米国ナズダック総合株価指数 (NASDAQ Composite) は上昇トレンドになっており、今朝早朝に大幅高の終値をつけたことや、米国S&P 500種株価指数 (Standard and Poor’s 500 index) も前日比で高値の終値をつけたことでは、米国主要株価三指数中の二指数は高値で引けたため、今朝早朝の米国ニューヨーク債券市場では、安全資産の米国債の債券価格上昇後の利益確定売りも入ったため、米国10年債の利回りが指標の米国長期金利は今朝早朝の終値時点には一時4.217%付近に反発しており、低リスク通貨の円の利益確定売りとドルの買い戻しよる抵抗もあったことでは、ドルは円相場で151円台後半に下げ渋った。

一方、米国ワシントンDCで開催されたG20 ( Group of 20 / 20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、日本銀行 (日銀 / BoJ / Bank of Japan) の植田和男総裁が、日銀の追加利上げについて、「一応、時間的な余裕はあると考えている」と発言したというニュースを受けては次回の日銀の早期の追加利上げ予想は後退したが、日銀が今後の追加利上げ姿勢を維持していることではナイトセッションの日経平均株価先物が米国市場時間から下落しており、低リスク通貨の円は底堅い値動きを見せた。

また、米国ワシントンDCでは、昨日の日本市場で円安牽制発言が話題になった日本政府の加藤勝信財務相が、米国政府のジャネット・イエレン財務長官と会談し、為替について議論したことも伝わっており、以前にターゲットにされた海外市場では円買い為替介入への警戒感が続いていた。

このため、昨夜から今朝までの米国ニューヨーク外国為替市場の対ドル円相場は、円の安値でドルの高値の152円31銭付近から、円の高値でドルの安値の151円55銭付近の値幅約76銭で、今朝6時頃のニューヨーク終値は151円83銭付近と、前営業日同時刻の前ニューヨーク終値の152円76銭付近と比べると約93銭の円高ドル安をつけていた。

今朝早朝のアジア・オセアニア市場時間の今朝8時30分には、今日の日本市場に先行して日本の最新経済指標の発表があり、10月の日本東京都区部消費者物価指数 (CPI / Consumer Price Index) の生鮮食料品除くコア・インフレ指標は、前年同月比が前回の2.0%と市場予想の1.7%に対し1.8%と前回よりは鈍化したものの市場予想ほどは鈍化していなかったことでは対ドルの円相場は一時151円60銭付近に上昇したが、時間外の米国債券取引では今朝早朝8時35分頃の米国長期金利が一時4.218%付近で推移していたことや、続いて今朝8時50分に発表された9月の日本企業向けサービス価格指数の前年同月比では前回と市場予想の2.7%と前回上方修正の2.8%を下回る2.6%に鈍化していたことでは、今朝9時頃から始まった今日の日本の東京外国為替市場の対ドル円相場は一時151円78銭付近の始値になった。

今朝の日本市場では、今日は25日で国内貿易企業の決済日が集中しやすい5と10が付く日の五十日 (ごとおび / ゴトーび) であることに加えて月末も近いため、今朝の仲値決済に向けた日本企業の輸入実需のまとまった円売りドル買いの影響では、今朝9時52分頃にドルは円相場で一時152円10銭付近と、今日の日本市場の円の安値でドルの高値を記録した。

ただし、続いては輸出企業の円買いドル売りも入ったことでは、対ドルの円相場が反発したほか、東京株式市場では先述の時間外の先物から下落トレンドになっていた今日の日経平均株価が大幅な下落を見せて始まったため、日本株価下落時のリスク回避のリスクオフによる国内第一安全資産の低リスク通貨の円買いが入ったことでは円相場が反発後も上昇した。

ニュースでは日本政府の円安牽制発言が続いており、昨日に為替介入への警戒感を市場に意識させた後に米国政府のジャネット・イエレン財務長官と為替について会談した加藤勝信財務相が、「日米間で緊密な意思疎通を図っていこうということを確認できた」と発言していたことが伝わったことに加えて、今日は三村淳財務官も為替相場について、「一方向、急激な動きがみられる」と円安牽制の発言を続けたことが話題になり、為替介入への警戒感の燻りと共に、主要通貨に対する先日の円安進行後の円の買い戻しの要因になった。

また、今日の日本市場の時間外の米国債券取引では、今朝早朝8時台の一時4.218%付近をピークに米国長期金利が低下を続けて、午後14時台には一時4.178%付近にまで低下したため、債券利回りの金利差トレードの日米金利差縮小時の円買いドル売りと主要通貨に対するドルの利益確定売りの影響などが為替相場に影響を及ぼし、午後14時22分頃にはドルは円相場で一時151円44銭付近と、今日の日本市場の円の高値でドルの安値を記録した。

今日の午後14時頃には、日本の最新景気指標の発表もあり、8月の日本景気一致指数 (CI) の改定値は前回の113.5から114.0に上方修正されたほか、8月の日本景気先行指数 (CI) の改定値も前回の106.7から106.9に上方修正されたことでも円買いが入った。

午後15時頃に今日の日経平均株価は、3万7913円92銭の終値をつけて前日比229円37銭安の大幅安で大引けしたが、それ以前の午後13時10分頃に大幅安の底値をつけており、そこからの回復が鈍かった終盤の午後14時台には日本株価下落リスク回避のリスクオフの低リスク通貨の円買いが活発であったことなども、円相場に影響を及ぼしていたが、やや下げ幅を縮小した終値になったことでは、市場高値後の円の利益確定と市場安値後のドルの買い戻しも混ざり始めていた。

午後からの欧州市場に続き、夕方16時頃に世界最大規模の英国ロンドン外国為替市場が本格参入すると、月末のロンドン・フィキシング (London Fixing) に向けた主要取引通貨のドル実需の買い戻しも入り始めたことではドルは円相場で反発し、米国長期金利も下げ幅を縮めたが、昨日と今日の日本政府の財務省の高官達の円安牽制発言を受けた為替介入警戒感も燻っていたことでは、今日は151円台後半の東京終値をつけた。

なお、今日の夕方の英国ロンドン外国為替市場でも、金利先物市場のデータを基に米国政策金利のフェデラル・ファンド (FF / Federal Funds) レートの市場予想値を算出することで世界的に有名な米国シカゴ・マーカンタイル取引所 (CME / Chicago Mercantile Exchange) グループのフェドウオッチ (FedWatch) ツールでは、次回11月6〜7日開催予定の米国連邦公開市場委員会 (FOMC / Federal Reserve Board) における米国連邦準備制度理事会 (FRB / Federal Reserve Board) の米国利下げ幅の市場予想値は、0.25%の米国小幅利下げ予想値が一時95.0%付近と市場で確定値と考えられている70%以上の優勢の推移を続ける一方で、次回の米国金利据え置き予想値は一時5.0%付近に減少していた。

このため、今夜17時の東京外国為替市場の対ドル円相場の終値は151円94〜95銭付近で、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の152円12〜13銭付近の前東京終値比で約18銭の円高ドル安になった。

今夜この後の米国市場では、最新米国経済指標の発表予定などがあり、日本時間の経済指標カレンダーのスケジュールは、今夜21時30分に9月の米国耐久財受注と、今夜23時に10月の米国ミシガン大学消費者態度指数が発表される予定である。

また、世界の政治影響や、中東情勢などの世界ニュースと株式・債券・コモディティなどの市場の為替相場への影響なども、引き続き世界のFXトレーダー達に注視されている。

一方、欧州ユーロは、今夜17時の東京外国為替市場の今日のユーロ円相場の終値は164円48〜49銭付近で、昨夜17時の164円25〜30銭付近と比較すると、約23銭の円安ユーロ高であった。

主な要因は、今日の夕方に欧州中央銀行 (ECB / European Central Bank) 理事会メンバーのリトアニア中央銀行のリトアニア銀行 (Lietuvos Bankas) のゲディミナス・シムカス総裁が、「0.5%の欧州大幅利下げの根拠は見当たらない」と発言し、主要通貨に対する欧州ユーロの買いに繋がった。

また、今夜17時に発表された欧州ユーロ圏主要国ドイツの最新経済指標の10月の独IFO (Information and FOrschung) 企業景況感指数が、前回の85.4と市場予想の85.6を上回る86.5に上昇したことも、主要通貨に対する欧州ユーロ買いの一因となっていた。

そのため、ユーロドルも、今夜17時の東京外国為替市場の終値は1.0825〜1.0827ドル付近と、前営業日同時刻にあたる昨日の夜17時の1.0796〜1.0798ドル付近と比較すると約0.29セントのユーロ高ドル安であった。

英国ポンドは、今夜17時の今日の東京外国為替市場のポンド円相場の終値は197円7〜13銭付近と、昨日の夜17時の197円19〜25付近と比較すると約12銭の円高ポンド安であった。

主な要因は、今朝8時過ぎに発表された最新英国経済指標の10月の英国GFK (Growth From Knowledge) 消費者信頼感調査が、前回もマイナス圏だった-20に対し市場予想通りの-21に低下していたことや、日本政府の円安牽制を受けた為替介入警戒感の燻りによる円買いや今日の日経平均株価下落時の低リスク通貨の円買いの影響が英国ポンドの円相場に影響を及ぼしていた。

ただし、今夜その後の英国市場では、地理的・経済的に近い欧州ユーロに連れる様な形で、今夜19時台には英国ポンドも小幅な円安ポンド高への市場反転を見せている。

今日の東西FXニュース執筆終了前の2024年10月25日の日本時間(JST)19時46分(チャート画像の時間帯は、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日まで英国夏時間 (BST / British Summer Time) に1時間の時差変更がされており、今日の日本から時差8時間遅れの英国ロンドン外国為替市場の英国夏時間 (BST / GMT+1 / JST-8) の11時46分頃) の人気のクロス円を中心とした東京外為前営業日比の為替レートは下表の通りである。(なお、米国市場でも3月の第2日曜日から11月の第1日曜日までは米国夏時間 (EDT / Eastern Daylight Time / GMT-4 / JST-13) になっている。)

通貨ペア JST 19:46の為替レート 日本市場前営業日JST 17:00の前東京終値比
ドル/円 151.92 〜 151.93 −0.20 (円高)
ユーロ/円 164.45 〜 164.47 +0.20 (円安)
ユーロ/ドル 1.0824 〜 1.0826 −0.0028 (ドル高)
英ポンド/円 197.28 〜 197.34 +0.09 (円安)
スイスフラン/円 175.24 〜 175.30 −0.37 (円高)
豪ドル/円 100.70 〜 100.74 −0.55 (円高)

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